CAMPFIREなどのクラウドファンディングサイトでの資金調達に成功された方、おめでとうございます!
その資金の額によっては確定申告で正しく申告し、納めるべき税金は納める必要があります。
クラウドファンディングサイトでは確定申告などの税金について「お客様ご自身で行ってください」と対応してくれない傾向にあります。この記事では、ユーザー自身が確定申告するための知識や領収書についてまとめてみました。
1.いくら以上の収入で確定申告が必要なのか?
ある人がクラウドファンディングで5万円をゲットしたとしましょう。こんな場合でも確定申告は必要なのでしょうか?5万円の場合は、確定申告は必要ありません。以下の確定申告が必要なデッドラインをチェックしてみましょう。
- クラウドファンディング以外の収入がない場合(専業)→年間38万円以上の資金収入
- クラウドファンディング以外の本業の収入がある場合(副業)→年間20万円以上の資金収入
上記のデッドラインに到達しない資金の場合は、確定申告は必要ありません。(クラウドファンディング以外で収入がある場合は除く)
なお、クラウドファンディングとは?などの概要については当サイトの以下既存記事も是非あわせてご覧ください。
2.【注意!】会計時に気を付けたい注意点
①クラウドファンディングで受け取った資金は手数料が引かれます
クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げ、めでたくそのプロジェクトの賛同者が集まり資金を得たとします。 けれども、その資金からはクラウドファンディングサイト運営会社へ支払う手数料が引かれます。
上記の図のパターンの場合は、支援された調達額は20万円ですが、クラウドファンディングサイト運営会社に支払う手数料を引くと20万円以下となります。そのため、確定申告は不要となります。
②リターンには消費税が含まれている
クラウドファンディングであなたが取得した調達額(=リターン)はたいていの場合、消費税(現在は8%)が含まれています。では、その部分の消費税は支払わなければいけないのでしょうか?以下の条件に当てはまる方は、消費税の支払いが必要となります。
あなたの立場 |
クラウドファンディングで資金を得た場合の消費税支払いの条件 |
個人 |
その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である事業者 は免除される |
個人事業主 |
|
法人 |
資本金1,000万円未満の法人は一期目の消費税が免除される。 2期目免除の条件は、その課税期間の基準期間における課税売上高またが給与支払額の合計額が1,000万円以下であること |
個人事業主は開業届を出さなくても、結果的に事業で年間38万円以上(所得控除額以上)を稼いでいれば確定申告をしなくてはいけません。確定申告をしている時点で、税法上ではあなたはれっきとした「個人事業主」となります。
3.クラウドファンディングのどのタイプで資金調達したかをチェック!
非投資型 |
投資型 |
|||
寄付型 |
購入型 |
ファンド型 |
株式型 |
貸付型(融資型) |
クラウドファンディングには以下のように5つの支援タイプ(=型)が存在します。どのタイプで支援をしていただいかで、以下のように支払うべき税金の種類が異なります。
さらに、税金の種類はあなたの立場(個人なのか個人事業主なのか法人なのか)でも異なってきます。以下の表で、あなたの立場とクラウドファンディングの型をチェックしてみてください。それにより、会計処理と支払う税金の種類がわかります。
あなたの立場 |
非投資型 |
投資型 |
|||
寄付型 |
購入型 |
ファンド型 |
株式型 |
貸付型(融資型) |
|
個人 |
贈与 ・贈与税 ※110万円控除枠あり |
収入 ・所得税 |
収入 ・所得税 |
有価証券 ※株の譲渡益として所得税+住民税がかかる |
借入金 所得税 |
個人事業主 |
個人からの支援 →贈与(贈与税) 法人からの支援 →寄付金(所得税) |
収入計上 ・所得税 |
個人からの支援 →所得税 法人からの支援 →法人税 |
借入金 所得税 |
|
法人 |
収入 ・法人税 |
収入 ・法人税 |
会社株式 法人税 |
借入金 法人税 |
5.確定申告が必要な方は当年の2月~3月に税務署へ確定申告書を提出しよう
会社員の方がクラウドファンディングで年間20万円以上のリターンがある場合、またはクラウドファンディングで立てたプロジェクトの事業を専業で行っている方が年間で38万円以上のリターンがある場合は確定申告が必要です。
確定申告書は毎年12月中旬ぐらいからあなたが住む街の税務署へ行けば手に入れられます。また、区民会館や駅のラックなどにも置いてあることもあります。
6.クラウドファンディングで領収書はもらえる?どう出す?
クラウドファンディングの手数料について領収書が必要な場合ってありますよね。個人事業主や法人の場合、その領収書があれば手数料を経費として計上できます。
クラウドファンディングで支援をする側は領収書をクラウドファンディングサイトから印刷できる場合があるようですが、手数料に関しては特に記載がありません。クラウドファンディングサイトのマイページで支払い明細をプリントできるページが見つからなければ、事務局に一度問い合わせてみましょう。
また、あなたが支援者に出す領収書も必要です。例えば、寄付型の場合。あなたが出す領収書を使えば税金控除になる場合があります。領収書の書き方については、以下の記事を是非ご参照ください。
まとめ
クラウドファンディングでの資金調達がもはやレアではなくなっています。20万円または38万円以上のリターンを得た場合は、ご自身で確定申告するのを忘れないようにしましょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://support.so-labo.co.jp/
融資支援実績 6,000件超独立・開業・事業用資金の資金調達を
ソラボがサポートします。
- 独立するための資金調達をしたい
- 金融機関から開業資金の融資を受けたい
- 手元資金が足りず資金繰りに困っている
中小企業庁の認定を受けた認定支援機関である株式会社SoLabo(ソラボ)が、
あなたの資金調達をサポートします。
ソラボのできること
新規創業・開業の相談受付・融資支援業務、既存事業者の融資支援業務(金融機関のご提案・提出書類作成支援・面談に向けたアドバイス・スケジュール調整等)