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花屋の開業に必要なものは?準備物を項目ごとに解説

花屋を開業するときは、あらゆるものが必要となります。花屋の開業に必要なものは備品だけではなく、「開業資金」「事業計画」「営業拠点」「届出」など、準備に時間や費用がかかるものもあります。

花屋の開業に必要なものを揃えるときは、まずは項目ごとに準備物を確認してみてください。項目ごとに確認することにより、必要なものの全体像を把握しやすくなるため、花屋に必要なものを知りたい人は項目ごとの準備物を確認することから始めてみましょう。

花屋に必要なものは多岐にわたる

花屋を開業する場合、必要なものは多岐にわたります。計画的に必要なものを揃えていかなければ、スケジュール通りに花屋を開業できないことも考えられるため、花屋を開業したい人は必要なものを押さえておきましょう。

【花屋の開業に必要なものの例】

項目 具体例
資金 物件費、備品費、広告宣伝費など
事業計画書 仕入先、顧客層、集客方法など
備品 花器、フローリストナイフ、花鋏など
届出 開業届、事業開始等申告書、防火対象物使用開始届出書など

花屋の開業に必要なものは想定している花屋の条件次第です。準備に時間や費用がかかるものもあるため、花屋を開業予定の人は自身の希望条件と照らし合わせながら、項目ごとに必要なものを確認してみましょう。

資金

花屋を開業する場合は資金が必要です。必要となる開業資金は開きたい花屋の条件によって異なりますが、花屋を開業する場合はそれ相応の資金が必要となるため、花屋を開業したい人は開業資金の内訳を押さえておきましょう。

【開業資金の内訳の例】

項目 内訳 費用
設備資金 物件取得費
内装工事費
設備費
備品費
110万円
80万円
30万円
20万円
運転資金 物件賃借費
仕入費
諸経費
人件費
60万円
40万円
10万円
50万円
開業資金の合計     - 400万円

花屋を開業する場合、「物件取得の有無」が開業資金を左右する傾向があります。自宅兼花屋の場合は物件に関する費用が不要ですが、テナント物件を借りる場合は物件取得費や物件賃借費が必要となるため、その点を考慮しながら費用の目安を算出することになります。

また、花屋を開業する場合、「内装工事の有無」が開業資金を左右する傾向があります。コンセプトに合わせた内装やフラワーキーパーの設置など、工事が必要となる場合は内装工事費が必要となるため、その点を考慮しながら費用の目安を算出することになります。

なお、運転資金は3か月から6か月分が目安と考えてみてください。開業してから経営が軌道に乗るまで時間がかかることも想定されるため、花屋を開業したい人は設備資金に加え、運転資金を工面しておくことも検討してみましょう。

資金調達するときは「借り入れ」と「自己資金」の両面から考える

資金を調達するときは「自己資金」と「借り入れ」の両面から考えてみてください。開業資金を工面する場合は自己資金と借り入れの選択肢が挙げられ、その両面から考えることがポイントになるため、花屋の開業に向けて資金調達する人は念頭に置いておきましょう。

日本政策金融公庫総合研究所の「2023年度新規開業実態調査」によると、全業種の開業における資金調達額は「金融機関等からの借入(平均調達額に占める割合は65.1%)」と「自己資金(平均調達額に占める割合は23.8%)」が大半を占めています。

花屋の開業資金が400万円と仮定した場合、80万円から120万円は自己資金から工面する計算です。残りの280万円から320万円は銀行や信用金庫などの金融機関から借り入れることを検討することになります。

なお、自治体によっては創業者向けの補助金制度や助成金制度を設けている場合があります。制度を活用して花屋を開業できる可能性があるため、補助金制度や助成金制度を活用したい人は開業予定地を管轄する自治体の公式サイトを確認してみましょう。

事業計画書

花屋を開業する場合は事業計画書が必要です。事業計画書を作成することにより、開業したい花屋の事業内容を具体化できるため、花屋を開業したい人は事業計画書の概要を押さえておきましょう。

【事業計画書の項目例】

項目 具体例 イメージ
営業計画 ・商品戦略
・価格戦略
・販促戦略
・取り扱う花の種類は?
・切り花の価格は?
・活用するSNSは?
売上計画 ・売上目標
・売上予測
・利益計算
・売上の予測額は?
・見込み客の数は?
・契約できる企業は?
資金計画 ・設備資金
・運転資金
・資金調達
・物件取得費の額は?
・宣伝広告費の額は?
・借り入れの額は?

事業計画書の項目のひとつは営業計画です。花屋の場合は「生花」「ドライフラワー」「プリザーブドフラワー」など、取り扱う商品によっても仕入れ価格や日持ち期間が変わる傾向があるため、その点を考慮しながら営業計画を立てることになります。

事業計画書の項目のひとつは売上計画です。花屋の場合は「母の日」「クリスマス」「お正月」「卒業式」など、季節のイベントによっても花の需要が変動する傾向があるため、その点を考慮しながら売上計画を立てることになります。

なお、金融機関から借り入れをするときは事業計画書が必要になります。事業計画書は第三者に事業内容を伝える資料としても使用する関係上、借り入れの際に提出を求められることがあるため、花屋を開業したい人は予備知識として覚えておきましょう。

事業計画書を作成するときは営業方針を整理する

事業計画書を作成するときは営業方針を整理してみてください。「販売する商品」「実店舗の有無」「仕入先のルート」など、花屋の形態にはあらゆる選択肢が考えられるため、事業計画書を作成する人は営業方針を考えてみましょう。

【営業方針の選択肢の例】

項目 具体例
商品 ・生花
・ドライフラワー
・プリザーブドフラワー
・観葉植物
仕入先 ・花卉市場
・仲卸業者
・卸販売サイト
顧客層 ・企業
・個人
営業拠点 ・実店舗
・アトリエ
・自宅の一部
集客方法 ・SNS
・公式サイト
・イベント出店
・ポスティング

仕入先の選択肢には「花卉市場」「仲卸業者」「卸販売サイト」が挙げられます。花卉市場は取引実績や資本金などの要件を満たした「買参権」を取得しなければ仕入れができない場合があるため、新たに開業する場合は仲卸業者や卸販売サイトでの仕入れを検討する余地があります。

また、営業拠点の選択肢には「実店舗」「アトリエ」「自宅の一部」が挙げられます。花を展示する場合は実店舗が考えられますが、オンラインショップや冠婚葬祭用の装花専門店など、実店舗が不要な形態の場合はアトリエや自宅の一部での開業を検討する余地があります。

なお、営業方針は開業資金を左右する可能性があります。営業方針によっては「物件取得費」「設備費」「仕入費」など、様々な費用に影響することが考えられるため、花屋を開業したい人は開業資金の予算を念頭に置きつつ、営業方針を考えることも検討してみましょう。

備品

花屋を開業する場合は備品が必要です。必要となる備品は想定している花屋の条件次第となりますが、花屋の備品はいくつかの項目に分類できるため、花屋を開業したい人はまずは項目ごとに分類しながら揃える備品を考えてみましょう。

【花屋の開業における備品の例】

項目 具体例
展示 花器
展示 フローリストナイフ
包装 ラッピングペーパー
包装 リボン
清掃 掃除機
清掃 雑巾
会計 釣銭トレー
会計 金庫
その他 パソコン
その他 時計

花屋の備品には「展示に使用する備品」があります。「花器」「フローリストナイフ」「花鋏」「ポップ」「水差し」など、展示に使用する備品を揃えるときは花の仕入れから展示までの流れを想像しながら考えることになります。

また、花屋の備品には「包装に使用する備品」があります。「ラッピングペーパー」「リボン」「ワイヤー」「ギフトボックス」「段ボール」など、包装に使用する備品を揃えるときは商品ごとの包装方法を想像しながら考えることになります。

なお、花屋の条件によっては設備が必要な場合もあります。「フラワーキーパー」「作業台」「スポットライト」など、必要となる設備は花屋の条件次第となるため、花屋を開業したい人は備品に加え、設備を導入することも念頭に置いておきましょう。

花屋を開業するときの備品や設備の情報が知りたい人は「花屋の開業における備品と設備を揃える手順を解説」を参考にしてみてください。

備品を揃えるときはサービス内容から考える

備品を揃えるときは、まずはサービス内容から考えてみてください。提供したいサービスに応じて必要となる備品が異なるため、花屋の備品を揃えたい人は提供したいサービス内容を検討してみましょう。

【サービス内容ごとの備品の例】

項目 具体例
ワークショップの開催 ・作業台
・作業椅子
・手順書
移動式の販売 ・自動車
・看板
・フラワースタンド
冠婚葬祭用の装花 ・フローラルフォーム
・フローラルテープ
・ワイヤー

たとえば、ワークショップを開催する場合は、「作業台」「作業椅子」「手順書」などの備品が挙げられます。使用する備品は製作するアイテムごとに異なりますが、「ハサミ」「グルーガン」「エプロン」など、ワークショップの内容に応じた備品を検討することになります。

また、冠婚葬祭用の装花を行う場合は「フローラルフォーム」「フローラルテープ」「ワイヤー」などの備品が挙げられます。結婚式の場合は「ウエディングブーケ」や「ブートニア」を製作することもあるため、式の内容に応じた備品を検討することになります。

なお、備品の数は少なめに準備する方法もあります。必要となる備品の数は開業後の集客状況や販売状況によっても異なるため、備品を揃えるときは開業後に買い足すことを念頭に置きつつ、開業前は少なめに準備することも検討してみましょう。

届出

花屋を開業する場合は届出が必要です。届出は「すべての花屋が必要となる届出」と「花屋の条件次第となる届出」に分かれるため、花屋を開業したい人は届出の概要を押さえておきましょう。

【花屋の開業における届出】

提出条件 届出 提出先
すべての花屋が必要となる届出 開業届 税務署
すべての花屋が必要となる届出 事業開始等申告書 都道府県税事務所
すべての花屋が必要となる届出 防火対象物使用開始届出書 消防署
花屋の条件次第となる届出 所得税の青色申告承認申請書 税務署
花屋の条件次第となる届出 青色事業専従者給与に関する届出書 税務署
花屋の条件次第となる届出 給与支払事務所等の開設届出書 税務署
花屋の条件次第となる届出 保険関係成立届 労働基準監督署
花屋の条件次第となる届出 概算保険料申告書 労働基準監督署
花屋の条件次第となる届出 雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所
花屋の条件次第となる届出 雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所
花屋の条件次第となる届出 防火対象物工事等計画届出書 消防署
花屋の条件次第となる届出 防火管理者選任届出書 消防署

すべての花屋が必要となる届出のひとつは「開業届」です。開業届は所得税を納める関係上、事業を開始したことを申告する書類となるため、花屋を開業する場合は事業開始日から1か月以内に開業届を税務署に提出することになります。

花屋の条件次第となる届出のひとつは「防火管理者選任届出書」です。消防法の規定により、建物の収容人数が30人を超える場合は、防火管理者の資格を取得した後、防火管理者選任届出書を消防署に提出することになります。

想定している花屋の条件によっては、これら以外の届出が必要となる可能性もあります。花屋を開業予定の人はすべての花屋が必要となる届出の準備を進めつつ、条件次第となる届出の要否を確認してみましょう。

花屋を開業するときの届出の情報が知りたい人は「花屋を開業するときの届出を解説」を参考にしてみてください。

販売する商品によっては資格や許可が必要となる

販売する商品によっては資格や許可が必要となります。花屋を開業するときは特別や資格や許可は不要ですが、販売する商品によっては資格や許可が必要となる可能性があるため、花屋を開業したい人は予備知識として覚えておきましょう。

【販売する商品に応じた資格や許可】

項目 資格や許可
フラワーカフェの併設 ・飲食店営業許可
・食品衛生責任者
花を使ったリキュールの販売 ・一般酒類小売業免許

たとえば、花屋にカフェを併設する「フラワーカフェ」の場合、飲食店営業許可の取得が必要です。飲食店を開業するときは食品衛生責任者の資格を取得したのち、保健所に「営業許可申請書」を提出し、飲食店営業許可証の交付を受けることになります。

また、花を使ったリキュールやワインなどのお酒を販売する場合、一般酒類小売業免許の取得が必要です。お酒を小売りするときは税務署に「一般酒類小売業免許申請書」を提出し、一般酒類小売業免許通知書の交付を受けることになります。

なお、想定している花屋の状況によっては、これら以外の資格や許可が必要になる可能性もあります。資格や許可の取得に時間がかかる場合もあるため、花以外の商品も販売したい人は資格や許可の要否に留意しておきましょう。

必要なものを用意するときはチェックリストを作成する

花屋の開業に必要なものを用意するときはチェックリストを作成する方法があります。花屋に必要なものは多岐にわたるため、チェックリストを作成することにより、開業準備の進捗状況を可視化できます。

【花屋の開業におけるチェックリストの例】

項目 チェックの内容 備考
資金 ・開業資金の額は?
・借り入れの額は?
・自己資金の額は?
事業計画書 ・仕入れ先は?
・営業拠点は?
・集客方法は?
備品 ・展示に使う備品は?
・包装に使う備品は?
・清掃に使う備品は?
届出 ・税務署に出す届出は?
・消防署に出す届出は?
・都道府県税事務所に出す届出は?

チェックリストを作成するときは項目ごとに分類することも方法のひとつです。「資金」「事業計画書」「備品」「届出」など、複数の項目ごとに分類することにより、それぞれの項目の進捗状況を把握しやすくなります。

また、チェックリストを作成するときは備考欄を設けることも方法のひとつです。「チェックの有無」「対応日」「優先順位」など、チェック内容に応じた情報を自由に書き込める欄を設けることにより、情報を整理しやすくなります。

なお、紹介したチェックリストはあくまでも一例です。作成方法に決まりはありませんが、いくつかの項目や欄を設けることにより、計画的に開業準備を進められる可能性があるため、必要な物を揃えたい人は独自のチェックリストを作成することも検討してみましょう。

まとめ

花屋を開業する場合、必要なものは多岐にわたります。計画的に必要なものを揃えていかなければ、スケジュール通りに花屋を開業できないおそれもあるため、花屋を開業したい人は必要なものを押さえておきましょう。

花屋の開業に必要なものは「資金」「事業計画書」「備品」「届出」の項目に分類できます。営業拠点やサービス内容など、開業したい花屋の条件によって各項目の準備物は異なるため、自身の希望する条件と照らし合わせながら必要なものを整理してみましょう。

なお、花屋の開業に必要なものを用意するときはチェックリストを作成する方法があります。チェックリストを作成することにより、開業準備の進捗状況を可視化できるため、花屋に必要なものを揃えるときは独自のチェックリストを作成することも検討してみましょう。

この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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