花屋を開業するときの届出を解説

花屋を開業するときの届出を解説 更新日:2024.01.30 公開日:2024.01.30起業のための資金調達 – 小売業
花屋 開業 届出

花屋を開業するときは、あらゆる届出が必要です。届出は「すべての花屋が必要となる届出」と「花屋の条件次第となる届出」に分けられるため、想定している花屋の条件と照らし合わせながら、必要となる届出を準備することになります。

花屋を開業したい人は、まずは花屋を開業するときの届出の概要を確認してみましょう。当記事では、各届出の概要に加え、花屋を開業するときの届出や提出条件の一覧表も紹介しているため、花屋を開業したい人は参考にしてみてください。

すべての花屋が必要となる届出

花屋を開業する場合、すべての花屋が必要となる届出があります。届出を提出しなければ、花屋の開業が遅れることも考えられるため、花屋を開業したい人はまずはすべての花屋が必要となる届出を確認してみましょう。

【すべての花屋が必要となる届出】

届出 提出先
開業届 税務署
事業開始等申告書 都道府県税事務所
防火対象物使用開始届出書 消防署

すべての花屋が必要となる届出は「開業届」「事業開始等申告書」「防火対象物使用開始届出書」です。提出先や提出期限は届出ごとに異なるため、花屋を開業したい人はそれぞれの届出の概要を押さえておきましょう。

開業届

花屋を開業する場合、「開業届」の提出が必要です。開業届は所得税を納める関係上、事業を開始したことを申告する書類となるため、花屋を開業する場合は開業届を税務署に提出することになります。

開業届の提出期限は「事業開始日から1か月以内」です。所得税法の第229条により、事業開始日から1か月以内の提出が義務付けられ、提出期限が「土曜日」「日曜日」「祝日等」にあたる場合はその翌日が提出期限となります。

開業届を提出せずとも罰則はありませんが、青色申告や屋号での口座開設ができないおそれがあります。花屋の場合は市場の仲卸業者から花を購入する権利となる「買出人章」を取得する際、開業届の控えが必要になることもあります。

なお、開業届のフォーマットは「国税庁の公式サイト」からダウンロードできます。書き方がわかる資料も掲載されているため、開業届に関する情報が知りたい人は国税庁の公式サイトを確認してみましょう。

事業開始等申告書

花屋を開業する場合、「事業開始等申告書」の提出が必要です。事業開始等申告書は地方税を納める関係上、事業を開始したことを申告する書類となるため、花屋を開業する場合は事業開始等申告書を都道府県税事務所に提出することになります。

事業開始等申告書の提出期限は都道府県ごとに異なります。各都道府県が定める税条例により、提出期限が決められているため、提出期限を知りたい場合は開業予定地を管轄する都道府県税事務所に確認することになります。

また、事業開始等申告書の名称は都道府県ごとに異なります。提出期限と同様、各都道府県が定める税条例により、書類の名称が決められているため、「個人事業開業・休業・廃業届出書」「個人の事業の開始等の報告書」など、都道府県によって名称が異なります。

なお、事業開始等申告書のフォーマットは各都道府県税事務所の公式サイトからダウンロードできます。 書き方がわかる資料も掲載されているため、事業開始等申告書に関する情報が知りたい人は各都道府県税事務所の公式サイトを確認してみましょう。

防火対象物使用開始届出書

花屋を開業する場合、「防火対象物使用開始届出書」の提出が必要です。防火対象物使用開始届出書は「テナントとして物件に入居する場合」や「建物の用途変更を行う場合」に申請する書類となるため、花屋を開業する人は防火対象物使用開始届出書を消防署に提出することになります。

防火対象物使用開始届出書の提出期限は原則として「建物の使用開始の7日前まで」です。消防法と各自治体の火災予防条例により、届出の規定が定められているため、提出期限は自治体ごとに異なる可能性があります。

また、防火対象物使用開始届出書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「概要表」「平面図」「室内仕上げ表」「建具表」など、いくつかの書類を添付することがあるため、不安な人は開業予定地を管轄する消防署に確認することになります。

なお、防火対象物使用開始届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。書き方がわかる資料も掲載されていることがあるため、届出の情報が知りたい人は開業予定地を管轄する自治体の公式サイトを確認してみましょう。

花屋の条件次第となる届出

花屋を開業する場合、花屋の条件次第となる届出があります。「青色申告の有無」「従業員の有無」など、条件によって必要となる届出が異なるため、花屋を開業したい人は花屋の条件次第となる届出を確認してみましょう。

【花屋の条件次第となる届出】

届出 提出条件
所得税の青色申告承認申請書 青色申告をする場合
青色事業専従者給与に関する届出書 家族従業員の給与を経費に算入する場合
給与支払事務所等の開設届出書 従業員を雇用する場合
保険関係成立届 従業員を雇用する場合
概算保険料申告書 従業員を雇用する場合
雇用保険適用事業所設置届 雇用保険が適用される従業員を雇用する場合
雇用保険被保険者資格取得届 雇用保険が適用される従業員を雇用する場合
防火対象物工事等計画届出書 建物の工事をする場合
防火管理者選任届出書 建物の収容人数が30人を超える場合

花屋の条件次第では、その他の届出も必要となる可能性があります。想定している花屋の条件によっては今回紹介する届出以外の届出が必要となる可能性があるため、花屋を開業予定の人は一例としてそれぞれの届出の概要を確認してみましょう。

青色申告をする場合に必要となる届出

花屋の条件次第となる届出の中には、青色申告をする場合に必要となる届出があります。青色申告を行うことにより、所得税の優遇措置を受けられる可能性があるため、花屋を開業する人は届出の概要を押さえておきましょう。

【青色申告をする場合の届出】

届出 提出先 概要
所得税の青色申告承認申請書 税務署 ・青色申告による確定申告を行うことを届け出る書類
・提出期限は青色申告の承認を受けようとする年の3月15日

青色申告をする場合は「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。青色申告による確定申告を行うことを申請する書類になるため、青色申告を希望する場合は所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出することになります。

青色申告による確定申告をする場合は原則として複式簿記に基づく帳簿をつけることになります。「貸借対照表と損益計算書の添付」「電子申告または電子帳簿保存を行う」など、青色申告特別控除の額に応じた条件を満たさなければならないこともあります。

なお、所得税の青色申告承認申請書のフォーマットは「国税庁の公式サイト」からダウンロードできます。書き方がわかる資料もあるため、所得税の青色申告承認申請書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

家族従業員の給与を経費として計上する場合に必要となる届出

青色申告を行う中で、家族従業員の給与を経費に算入したい場合に必要となる届出があります。書類を提出することにより、配偶者や家族への給与を経費に算入できる可能性があるため、花屋を開業する人は届出の概要を押さえておきましょう。

【家族従業員の給与を経費に算入する場合の届出】

届出 提出先 概要
青色事業専従者給与に関する届出書 税務署 ・配偶者や親族の給与を経費に算入することを届け出る書類
・提出期限は配偶者や親族の給与を経費に算入したい年の3月15日

家族従業員の給与を経費に算入する場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。配偶者や親族への給与を経費に算入することを届け出る書類となるため、算入を希望する場合は青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出することになります。

青色事業専従者に該当するためには要件があります。「青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること」「その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること」など、所得税法により定められている要件を満たすことになります。

なお、青色事業専従者給与に関する届出書のフォーマットは「国税庁の公式サイト」からダウンロードできます。書き方がわかる資料もあるため、青色事業専従者給与に関する届出書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

従業員を雇用する場合に必要となる届出

花屋の条件次第となる届出の中には、従業員を雇用する場合に必要となる届出があります。それぞれの届出の提出先や提出期限が異なるため、花屋を開業したい人はそれぞれの届出の概要を押さえておきましょう。

【従業員を雇用する場合の届出】

届出 提出先 概要
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 ・従業員の給与から所得税分の額を源泉徴収することを届け出る書類
・提出期限は給与支払い事務所を設けた日から1か月以内
保険関係成立届 労働基準監督署 ・事業所と従業員間の労働保険関係が成立したことを届け出る書類
・提出期限は従業員の雇用開始の翌日から10日以内
概算保険料申告書 労働基準監督署
都道府県労働局
所定の金融機関
・年度内に支払い予定の賃金から算出した労働保険料を届け出る書類
・提出期限は従業員の雇用開始の翌日から50日以内

従業員を雇用する場合は「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。書類を提出することにより、源泉徴収した所得税を納付するための用紙を入手できるため、従業員を雇用する場合は給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出することになります。

また、従業員を雇用する場合は「保険関係成立届」の提出が必要です。事業所と従業員間の労働保険関係が成立したことを届け出る書類になるため、雇用関係を問わず、従業員を1人以上雇用した場合は保険関係成立届を労働基準監督署に提出することになります。

他にも、従業員を雇用する場合、「概算保険料申告書」の提出が必要です。従業員の分の保険料を概算して納付するため、従業員を雇用する場合は保険関係成立届に加えて概算保険料申告書を提出しなければなりません。

「給与支払事務所等の開設届出書」のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。「保険関係成立届」「概算保険料申告書」は労働基準監督署から受け取れるため、必要な人は問い合わせてみましょう。

雇用保険が適用される従業員を雇用する場合に必要となる届出

雇用保険が適用される従業員を雇用する場合は必要となる届出があります。「労働時間」「雇用見込み期間」といった要件を満たす従業員は雇用保険が適用されるため、花屋を開業したい人は届出の概要を押さえておきましょう。

【雇用保険が適用される従業員を雇用する場合の届出】

届出 提出先 概要
雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所 ・雇用保険の被保険者を雇う事業所の設置を届け出る書類
・提出期限は雇用した日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所 ・雇用保険の被保険者となる従業員を雇うことを届け出る書類
・提出期限は雇用した日の翌月10日

雇用保険が適用される従業員を雇用する場合は「雇用保険適用事業所設置届」の提出が必要です。「週の労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込み」といった要件を満たす従業員を雇う場合は雇用保険適用事業所設置届を公共職業安定所に提出することになります。

また、雇用保険が適用される従業員を雇用する場合は「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。書類を提出することにより「雇用保険被保険者証」の交付を受けられるため、該当する場合は雇用保険被保険者資格取得届を公共職業安定所に提出することになります。

なお、これらの届出のフォーマットは公共職業安定所の公式サイトからダウンロードできます。記入事項のデータもダウンロードできるため、雇用保険が適用される従業員を雇用する場合の届出の情報が知りたい人は公共職業安定所の公式サイトを確認してみましょう。

建物の工事をする場合

花屋の条件次第となる届出の中には、建物の工事をする場合に必要となる届出があります。内装工事や建替工事など、店舗の工事をする場合は工事の開始前に書類を提出しなければならないため、花屋を開業したい人は届出の概要を押さえておきましょう。

【建物の工事をする場合の届出】

届出 提出先 概要
防火対象物工事等計画届出書 消防署 ・建物の修繕や模様替えなどの工事を行うことを届け出る書類
・提出期限は建物の工事開始の7日前

建物の工事をする場合は「防火対象物工事等計画届出書」の提出が必要です。修繕や模様替えなど、テナントとして入居した建物の工事を行うことを届け出る書類となるため、建物の工事をする場合は防火対象物工事等計画届出書を消防署に提出することになります。

防火対象物工事等計画届出書を提出するときはいくつかの書類を添付する場合があります。「平面図」「室内仕上げ表」「建具表」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する消防署に確認することになります。

なお、防火対象物工事等計画届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。自治体ごとに規定が異なる可能性もあるため、防火対象物工事等計画届出書の情報が知りたい人は開業予定地を管轄する自治体の公式サイトを確認してみましょう。

建物の収容人数が30人を超える場合

花屋の条件次第となる届出の中には、建物の収容人数が30人を超える場合に必要となる届出があります。該当する場合は書類の提出前に防火管理者の資格を取得することになるため、花屋を開業したい人は届出の概要を押さえておきましょう。

【建物の収容人数が30人を超える場合の届出】

届出 提出先 概要
防火管理者選任届出書 消防署 ・防火管理者を選任することを届け出る書類
・提出期限は期限の定めなし(目安は開業日まで)

建物の収容人数が30人を超える場合は「防火管理者選任届出書」の提出が必要です。防火管理者の有資格者を花屋に配置することになるため、建物の収容人数が30人を超える場合は資格を取得した後に防火管理者選任届出書を消防署に提出することになります。

防火管理者の資格には「甲種」「乙種」の2種類があります。花屋の場合は原則として延べ面積が300㎡以上の場合は甲種、延べ面積が300㎡未満の場合は甲種または乙種と定められているため、建物の規模に応じた資格を取得することになります。

なお、防火管理者選任届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。防火管理者の定義や解釈が自治体ごとに異なる可能性もあるため、防火管理者選任届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

花屋の開業における届出の一覧表

今回は花屋の開業における届出の一覧表を用意しました。提出先や提出条件といった項目も記載しているため、花屋の開業準備を進めている人は参考にしてみてください。

【花屋の開業における届出の一覧表】

届出 提出先 提出条件 提出期限
開業届 税務署 必須 事業開始日から1か月以内
事業開始等申告書 都道府県税事務所 必須 都道府県ごとに異なる
防火対象物使用開始届出書 消防署 必須 建物の使用開始の7日前
所得税の青色申告承認申請書 税務署 青色申告をする場合 青色申告の承認を受けようとする年の3月15日
青色事業専従者給与に関する届出書 税務署 家族従業員の給与を経費に算入する場合 給与を経費に算入したい年の3月15日
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 従業員を雇用する場合 給与支払い事務所を設けた日から1か月以内
保険関係成立届 労働基準監督署 従業員を雇用する場合 従業員の雇用開始の翌日から10日以内
概算保険料申告書 労働基準監督署
都道府県労働局
所定の金融機関
従業員を雇用する場合

従業員の雇用開始の翌日から50日以内

雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所 雇用保険が適用される従業員を雇用する場合 雇用した日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所 雇用保険が適用される従業員を雇用する場合 雇用した日の翌月10日
防火対象物工事等計画届出書 消防署 建物の工事をする場合 建物の工事開始の7日前
防火管理者選任届出書 消防署 建物の収容人数が30人を超える場合 定めなし(目安は開業日まで)

なお、花屋の条件によっては、今回紹介した届出以外の届出が必要となる可能性があります。花屋の状況次第では、これら以外の届出が必要となる場合もあるため、不安な人は各自治体の担当者に相談することも検討してみましょう。

まとめ

花屋を開業するときの届出は多岐に渡ります。「すべての花屋が必要となる届出」と「花屋の条件次第となる届出」に分けられるため、まずはそれぞれの届出の概要を押さえておきましょう。

花屋の条件次第となる届出は条件ごとに分類できます。「青色申告をする場合」「従業員を雇う場合」「建物の工事をする場合」など、色々な条件があるため、想定している花屋と照らし合わせながら、必要となる届出を確認してみてください。

ただし、花屋の条件によっては今回紹介した届出以外の届出も必要となる場合があります。自治体ごとに提出条件や記載内容が異なる可能性もあるため、花屋を開業する人は各自治体の担当者に相談しながら手続きを進めることも検討してみましょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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