パン屋の開業における設備を揃えるときのポイントを解説

パン屋の開業における設備を揃えるときのポイントを解説 更新日:2023.08.31 公開日:2023.08.31起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
パン屋 開業 設備

パン屋を開業予定の人の中には、店舗に導入する設備を確認したい人もいますよね。また、設備を揃えるときのポイントが知りたい人もいるでしょう。

当記事では、パン屋の開業における設備を揃えるときのポイントを解説します。設備の購入手段も解説するため、パン屋の設備に関する情報が知りたい人は参考にしてみてください。

まずは設備を揃えるときのポイントを押さえる

パン屋の設備は多岐にわたるため、設備を揃えるときのポイントを押さえておかなければ、予定通りにパン屋を開業できないおそれもあります。設備に関する情報を調査している人は、まずは設備を揃えるときのポイントを押さえておきましょう。

【設備を揃えるときのポイント】

  • 設備の種類
  • 設備の基準
  • 設備の費用

設備を揃えるときのポイントは「設備の種類」「設備の基準」「設備の費用」です。これらのポイントを押さえておかなければ、管轄の保健所から営業許可を取得できないおそれもあるため、パン屋を開業予定の人はそれぞれの項目を確認しておきましょう。

設備の種類

パン屋を開業する場合、さまざまな種類の設備を導入することになります。「厨房設備」と「衛生設備」に分けることにより、必要な設備を抜け漏れなく確認できる可能性があるため、パン屋を開業予定の人はそれぞれの項目を確認しておきましょう。

【設備の種類の例】

項目 具体例
厨房設備 ・ミキサー
・ホイロ
・モルダー
・パイローラー
・オーブン
・作業台
・冷蔵庫、冷凍庫
・フライヤー
・バケットモルダー
・クレセントモルダー
・包餡器
衛生設備 ・換気扇
・エアコン
・2槽シンク
・手洗い設備
・排気フード

厨房設備はパンの製造に関する設備です。「ミキサー」「ホイロ」「モルダー」「パイローラー」「オーブン」などのパンの製造工程に欠かせない設備に加え、「作業台」「冷蔵庫」「冷凍庫」などの調理作業をする設備や材料を保管する設備が必要になります。

衛生設備は厨房の衛生環境を保つための設備です。「2槽シンク」「手洗い設備」などの雑菌の繁殖を防ぐ設備に加え、「換気扇」「エアコン」「排気フード」などの厨房の空気を新鮮な状態に維持するための給排気設備が必要になります。

なお、用意する設備は販売するパンの種類によっても異なります。「フライヤー」「バケットモルダー」「クレセントモルダー」「包餡器」など、特定のパンを作るための設備もあるため、販売するパンの種類を決めてから設備の導入を検討してみましょう。

設備の種類はパン屋の特徴によっても異なる

設備の種類は想定しているパン屋の特徴によっても異なります。食パン専門店やイートインスペース付きのパン屋など、設備の種類はパン屋の特徴によっても異なるため、パン屋の設備に関する情報を調査している人はその点も踏まえておきましょう。

【パン屋の特徴ごとに異なる設備の例】

項目 具体例
食パン専門店 ・スライサー
イートインスペース付きのパン屋 ・コーヒーマシン

たとえば、高級食パンを販売する食パン専門店を開業する場合、スライサーを設置する傾向があります。焼き立ての食パンを顧客の目の前でスライスし、丁寧に梱包することにより、贈答品としても使える高級感を演出できる可能性もあります。

また、軽食を提供するイートインスペース付きのパン屋を開業する場合、コーヒーマシンを設置する傾向があります。淹れたてのコーヒーを提供し、客席を用意することにより、出勤前の会社員や通学前の学生などの集客に寄与する可能性もあります。

なお、設置できる設備は取得する物件にもよります。パン屋の特徴に合わせた設備が設置できないことも考えられるため、こだわりたい設備がある人は物件を契約する前に専門業者に導入したい設備を相談することも検討してみましょう。

設備の基準

パン屋を開業する場合、各都道府県が定める設備基準を満たしている必要があります。パン屋を開業するときは厚生労働省の基準を参酌した「共通基準」と「特定基準」を満たしている必要があるため、まずはそれぞれの項目を確認してみましょう。

【各都道府県が定める設備基準の例】

項目 具体例
共通基準 ・手洗設備
・洗浄設備
・駆除設備
・保管設備
・冷蔵冷凍設備
・照明設備
・換気設備
・給水排水設備
・便所
特定基準 ・製造過程に必要となる設備

各都道府県が定める共通基準では、食品を扱う業種が設置しなければならない設備が定められています。パン屋に限らず、事業者が食品を扱うときは衛生的な作業を継続的に行うための共通基準を満たした設備を揃える必要があります。

各都道府県が定める特定基準では、菓子(パン)製造業の共通基準に加え、設置しなければならない設備が定められています。パンの製造に関する設備が該当し、生あんを製造する場合は特定基準を満たす設備を揃える必要があります。

なお、設備基準は定義や解釈が保健所ごとに異なる可能性もあります。具体的な設備要件が示されている場合もあるため、パン屋を開業予定の人は開業予定地を管轄する保健所の担当者に設備基準の詳細を確認することを検討してみましょう。

設備の基準は開業場所によっても異なる

設備基準は開業場所によっても異なる可能性があります。パンの製造過程上、機械音の騒音問題や油脂の詰まりによる悪臭問題などのトラブルが想定されるため、パン屋の開業場所次第では、導入する設備や作業できるスペースが制限されている場合もあります。

【開業場所により異なる設備規定の例】

項目 概要
第1種低層住居専用地域 ・パン屋として使用する部分の床面積の合計が50㎡以内
・住宅部分の面積が全体面積の1/2以上であること
・原動機の出力合計が0.75kw以下のものに限る
第1種住居地域 ・パン屋として使用する部分の床面積の合計が3,000㎡以内
・作業場の床面積の合計は50㎡以内
・原動機の出力制限はない

第1種低層住居専用地域は低層住宅のための地域です。小規模な店舗や事務所など、近隣住民の生活に支障をきたさない規模の場合は営業が認められていますが、作業スペースや原動機の制限が設けられ、導入できる設備の選択肢も制限されます。

第1種住居地域は周辺住民の生活環境を守るための地域です。店舗やホテルなど、第1種低層住居専用地域よりも第1種住居地域のほうが営業できる施設の幅が広いため、原動機の出力制限がなく、導入できる設備の選択肢も広がります。

なお、原動機の定義は管轄する行政によっても異なります。ミキサーやモルダーなどの機械だけでなく、冷蔵庫や冷凍庫も原動機に含む場合があるため、パン屋を開業予定の人は開業場所が決まり次第、自治体に制限の詳細を問い合わせることも検討してみましょう。

設備の費用

パン屋を開業する場合、設備を導入するための費用が発生します。設備を導入する費用が工面できなければ、予定通りにパン屋を開業できないおそれもあるため、パン屋を開業予定の人はパン屋の設備における購入費用の目安を確認してみましょう。

【厨房設備における購入費用の例】

項目 購入費用の目安
ミキサー 3万円~300万円
ホイロ 3.5万円~300万円
オーブン 10万円~300万円
作業台 1万円~7万円
冷蔵庫 3万円~200万円

たとえば、「ミキサー」を販売している製造業者を調査したところ、価格帯は3万円~300万円程度でした。種類や容量によっても金額が異なることにより、ミキサーの価格帯は3万円~300万円のように幅がある調査結果となりました。

また、「オーブン」を販売している製造業者を調査したところ、価格帯は10万円~300万円程度でした。種類や容量によっても金額が異なることにより、オーブンの価格帯は10万円~300万円のように幅がある調査結果となりました。

パン屋における設備は価格帯に幅があります。とくに、パン屋の厨房設備は他の飲食店よりも種類が多くなる傾向があるため、まずは必要最低限の設備を揃え、設備に充てる予算と照らし合わせながら他の設備を導入することを検討してみましょう。

設備の費用は設置費用も考慮する

パン屋を開業するときの設備の費用には、設備の設置費用も含まれます。設置するための工事が必要になる関係上、設置費用がかかる設備もあるため、パン屋を開業予定の人は設備の設置費用が発生する可能性においても考慮しておきましょう。

【工事が必要になる設備の例】

項目 工事費用の目安
空調設備 <工事内容>
空調ダクトや厨房ダクトなどの換気設備の設置
<工事費用の目安>
80万円~120万円
給水排水設備 <工事内容>
水道管やグリストラップなどの排水設備の設置
<工事費用の目安>
40万円~120万円
配電設備 <工事内容>
分電盤や照明などの配線設備の設置
<工事費用の目安>
80万円~120万円

たとえば、「水道管」や「グリストラップ」などの排水設備を導入する場合、工事が必要になる可能性があります。パン屋は油脂を扱うことにより、排水管が詰まりやすい傾向があるため、グリストラップの設置が義務付けられている地域もあります。

また、「分電盤」や「照明」などの配線設備を導入する場合、工事が必要になる可能性があります。パン屋はオーブンを長時間使うことにより、電気の使用量が大きくなる傾向があるため、電盤を取り換えなければならない場合もあります。

設備の設置費用は「設備の種類」「物件の状態」「工事の内容」などの条件次第です。価格帯は依頼する業者によっても異なるため、導入する設備が決まった人は厨房工事や内装工事を専門とする業者に設置費用を相談することも検討してみましょう。

次は設備の購入手段を検討する

設備を揃えるときのポイントを押さえた人は購入手段を検討してみましょう。設備の購入費用や設置費用は購入手段によっても異なるため、パン屋の設備におけるポイントを押さえた人は、次の工程として設備の購入手段を考えてみましょう。

【設備の購入手段の例】

  • 新品を購入する
  • 中古品を購入する

設備の購入手段として挙げられるのは「新品の購入」と「中古品の購入」です。いずれの購入手段もメリットとデメリットが存在するため、パン屋の設備におけるポイントを押さえた人はそれぞれの購入手段のメリットとデメリットを確認してみましょう。

新品を購入する

パン屋を開業する目的として設備を導入する場合、選択肢のひとつとして挙げられるのは「新品の購入」です。新品を購入する場合は一長一短の側面があるため、まずは新品を購入するメリットとデメリットを確認してみましょう。

【新品を購入するメリットとデメリットの例】

項目 概要
メリット ・中古品と比較した場合は保証が充実している
・中古品と比較した場合は高い性能を備えている
デメリット ・中古品と比較した場合は金額が高い
・中古品と比較した場合は導入期間が長い

新品を購入するメリットは「中古品よりも保証が充実している」「中古品よりも高い性能を備えている」といった点です。一方、新品を購入するデメリットは「中古品と比較した場合は金額が高い」「中古品と比較した場合は導入期間が長い」といった点です。

新品を購入する場合は一長一短の側面があります。その人の考え方やその時の状況にもよりますが、「設備の保証内容」や「設備の性能」など、新品を購入するときは希望条件と照らし合わせながら決めることを検討してみましょう。

中古品を購入する

パン屋を開業する目的として設備を導入する場合、選択肢のひとつとして挙げられるのは「中古品の購入」です。中古品を購入する場合は一長一短の側面があるため、まずは中古品を購入するメリットとデメリットを確認してみましょう。

【中古品を購入するメリットとデメリット】

項目 概要
メリット ・新品と比較した場合は導入期間が短い
・新品と比較した場合は金額を抑えられる
デメリット ・新品と比較した場合は傷や汚れがある
・新品と比較した場合は保証期間に差がある

中古品を購入するメリットは「新品よりも導入期間が短い」「新品よりも金額を抑えられる」といった点です。一方、中古品を購入するデメリットは「新品と比較した場合は傷や汚れがある」「新品と比較した場合は保証期間に差がある」といった点です。

中古品を購入する場合は一長一短の側面があります。その人の考え方やその時の状況にもよりますが、「設備の導入期間」や「設備の費用」など、中古品を購入するときは希望条件と照らし合わせながら決めることを検討してみましょう。

物件が決まってない人は居抜き物件も検討する

物件が決まってない人は居抜き物件を選択することも方法のひとつです。居抜き物件は設備が備え付けられている場合もあるため、設備が備え付けられている居抜き物件を選ぶことにより、設備にかかる初期費用を抑えられる可能性があります。

【居抜き物件に備え付けられている設備の例】

項目 具体例
厨房設備 ・オーブン
・冷蔵庫
・フライヤー
衛生設備 ・エアコン
・2槽シンク
・排気フード

契約上、備え付けられている設備が造作譲渡として扱われていれば、居抜き物件に備え付けられている厨房設備や衛生設備は賃借人のものになります。造作譲渡料を支払うことにより、賃借人は物件に備え付けられている設備を使用できるようになります。

また、以前の業種がパン屋だった場合、設備費用に加え、内装費用も抑えられる可能性があります。コンセントの配置や厨房エリアの間仕切りなど、パン屋として営業していた状態が残っていれば、内装工事費用が抑えられることも考えられます。

ただし、居抜き物件に備え付けられている設備を使用できるかどうかはオーナーさんの意向にもよります。設備にかかる費用を抑える目的として居抜き物件を検討するときは、設備に関する契約内容を確認しておきましょう。

パン屋の物件に関する情報が知りたい人は「パン屋の開業における物件探しのポイントを解説」を参考にしてみてください。

居抜き物件を検討する場合は設備の状態を確認する

居抜き物件は以前の内装や設備が残る状態の物件ですが、古い設備の場合は修理や交換が必要になることも考えられます。設備費用として修理費用や交換費用が発生するおそれもあるため、居抜き物件を検討するときは内見時に設備の状態を確認しておきましょう。

【確認項目の例】

  • 残っている設備はどんなものがあるか?
  • 所定の基準は満たしているか?位置は適切か?
  • 汚れや破損はないか?清掃は行き届いているか?

居抜き物件を内見する場合、まずは残っている設備を確認します。設備の状態や設備の位置など、管轄する保健所が定めている条件を満たしているかどうかを確認しつつ、汚れや破損に関しても内見時に確認する必要があります。

居抜き物件に備え付けられている設備によっては、買い替え費用やリフォーム費用など、費用負担が増すことも考えられます。設備の状態に不安がある人は、造作譲渡契約を結ぶ前に専門業者に設備の状態を確認してもらうことも検討しましょう。

まとめ

パン屋の設備は多岐にわたるため、設備を揃えるときのポイントを押さえておかなければ、予定通りにパン屋を開業できないおそれもあります。設備に関する情報を調査している人は、まずは設備を揃えるときのポイントを押さえておきましょう。

また、設備の購入手段として挙げられるのは「新品の購入」と「中古品の購入」です。いずれの購入手段もメリットとデメリットが存在するため、パン屋の設備におけるポイントを押さえた人はそれぞれの購入手段のメリットとデメリットを確認してみてください。

なお、物件が決まってない人は居抜き物件を選択することも方法のひとつです。居抜き物件は設備が備え付けられている場合もあるため、取得する物件が決まっておらず、設備にかかる初期費用を抑えたい人は居抜き物件を選択することも検討してみましょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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