社労士として独立後に安定した収入を得るためにはどれくらいの時間がかかる?

社労士として独立後に安定した収入を得るためにはどれくらいの時間がかかる? 起業後の資金調達 – コンサル・士業
社労士 開業後

社労士の資格を取ったからと言って、すぐに生活できるほどの収入が毎月入るわけではありません。

安定した生活を社労士として送るには、安定した仕事量が確保できなくてはいけません。

今回の記事では、社労士資格を既にお持ちの皆さまへ向け、少しでも安定した収入を得るためのヒントをまとめていきます。

 1.安定した収入っていくら?

「安定した収入」という言葉はわたしたちの生活上、よく使われる言葉です。新規でクレジットカードをつくる際にも「安定した収入があるのか?」と審査を受けますし、社会保険労務士として開業しようかと迷う場面でも「安定した収入を手にできるのか?」とあなたは考えたはずです。

 では、よく言われる「安定した収入」って一体いくらなのでしょうか?

 厚生労働省が発表した「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、全国78,248事業所の常用労働者の平成29年6月分の給与平均は男女合計で30万4,300円、男性のみで33万5,500円、女性にもの場合で24万6,100円という結果でした。30万4,300円を12か月でかけると365万円程度となります。

 平成 29 年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省・政府統計

※資料の詳細は、上記URLをクリックしてご確認ください

 一つの目安として、この30万4,300円という数字が指標になるのではないでしょうか。毎月この収入があれば、年で360万円程度の所得を稼げるのなら、そこから自分の生活費としての食費や家賃などは十分捻出できるはずです。

 

2.独立・開業した社労士の平均月収はいくら?

では、社労士として独立・開業した場合の平均月収はいくらぐらいなのでしょうか。社労士として独立した場合、企業内で社労士として雇用されているわけではないので、基本的には自分で営業をかけて契約を1件1件とっていくしかありません。その契約の種類ですが、大きく分けると以下のように「顧問契約」と「人事・労務管理契約」という2つに分けられます。

【顧問契約の月単位の報酬(相場)】

顧問契約内容(事業所の対象従業員の人数)

金額

10名未満

15,000円~30,000円

10~20名未満

25,000円~40,000円

20~30名未満

35,000円~50,000円

30~40名未満

45,000円~60,000円

40~50名未満

55,000円~70,000円

50~70名未満

65,000円~80,000円

70~100名未満

80,000円~10,000円

100名以上

別途見積

顧問契約でもらえる報酬は顧問料と言われています。顧問料を頂戴する代わりに、社労士は毎月発生する中小企業の労働保険・社会保険に関わる各種届出と申請(労働基準監督署・公共職業安定所・年金事務所)と共に労務管理の相談や情報提供を行います。

 最近ではこの顧問料がかなり低く設定されている事務所が増え(基本料金3,980円~など)、その代わりに労務コンサル契約や法務コンサル契約などをセットでつけて単価を上げるという戦略で動いているようです。

 

【人事・労務管理契約の報酬(相場)】

社員採用時の健康保険・

厚生年金保険被保険者資格取得届 代行

3,00円~5,000円

雇用保険被保険者資格取得届 代行

3,00円~5,000円

就業規則の作成

100,000円~20,0000円

就業規則の変更

30,000円~80,000円

助成金の成功報酬

支給額の12~15%

給与計算(~10人までの場合)

15,000円

社会保険労務士は人事・労務のスペシャリストですので、その守備範囲は多岐にわたります。同じ社労士事務所でも、サービス内容は同じではなくセット価格をメインに提示している事務所もあれば、個別で料金を提示している事務所もあります。

 

3.何件の顧客があれば生活は安定する?どれくらいの時間で安定した収入は可能?

さて、上記の報酬を参考にして、月に30万円を稼げるほどの収入を得るには月に何件の契約がないといけないのか計算してみましょう。

 

【顧問契約のみの場合】※従業員人数30名の事務所と仮定

目標月収30万円÷顧問料50,000円=6件

 

【顧問契約と人事・労務管理契約の場合】※従業員人数30名の事務所と仮定

・顧問料50,000円×2件=10万円

・就業規則の作成×1件=10万円

・就業規則の変更×1件=40,000円

・給与計算×4件=6万円      

計:30万円

 

上記はご説明のために無理やり合わせた数字なので不自然ではありますが、あなたが社労士として安定した収入を得るには顧問料5万円の場合は月に6件の顧客契約か、またはそれに応じた契約をだいたい月に10件ぐらいとる必要があることが分かります。

社労士として開業する前に、最低でも3~5件の見込み客は確保してからスタートした方が良いでしょう。見込み客をベースに紹介などで顧客を増やせれば、半年~1年後には安定した収入を得られる基礎が出来上がることでしょう。あなたが社労士事務所や一般企業で勤務していた経験が最低でも3年以上などあるのであれば、その際に仲良くなった事業所や上司がいると開業後も心強いはずです。

 

4.独立後に安定した収入を得るための3つのヒントとは

①得意分野をはっきりさせる

社労士は全国に4万1千人以上存在し、開業者は2015年から最近にかけて全国で2万3千ほどあります。(出展:全国社会保険労務士会連合会)インターネットの普及前は、何となく近所だから頼もうかな、というご近所さんで探す中小企業者も多数いらっしゃいました。

 しかし、今やネットの普及で社労士に頼まなくとも自社で手続きしやすい環境が整っています。社労士に頼むメリットを存分にアピールする必要があります。社労士に頼むメリットとは、その経験や専門知識です。社労士として名乗るためには、最低2年間の実務経験が必要です。その実務経験で、あなたが得意と言える分野は何でしょうか。

 労務・人事に関わる法律は毎年のように変わっています。社労士ならではの知識や経験をメルマガやDMにし、あなたの顧客へ届けることで新規契約をゲットしていきましょう。

 

②魅力的なホームページや年賀状などの挨拶状で集客を促す

インターネットでの集客がもはやサブではなくメインと言える時代になっています。ネットに詳しくない士業はなかなか集客しづらい状況になっています。

 同業他者である社労士のホームページをいくつも閲覧することで、ネット集客が上手な社労士事務所とそうでない社労士事務所の判別をつけられる目が養われます。他者の良い点を参考にし、ホームページの構成や文言を更新して魅力あるWebサイトつくりをして集客していきましょう。

 なお、当サイトでは社労士などの士業の方々の無料登録を行っています。資金調達ノートの記事を読んだ方からの問い合わせですので、起業や会社設立や助成金に興味のある方からの問い合わせを見込むことが可能です。よろしければ、以下リンクより無料登録をご検討ください。

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③地域性を考慮しよう

全国社会保険労務士会連合会の公式ホームページを見ると、社労士の数は地域によりかなり差があるということがわかります。2018年の東京で社労士試験の合格者数が711名でしたが、埼玉の場合はその1/10の71名となっています。

 東京で社労士として開業したい!という絶対的な希望があるのであれば別ですが、競合を避けるという意味で事務所を構える際は地域性もよく考えてみましょう。社労士事務所登録の少ない地域は、多い地域よりも物理的に競合とぶつかる可能性が低くなります。

 

まとめ

 社労士として安定した収入を得るには、一にも二にも顧客数と契約数がものを言います。雇用時代のお客様の取引実績があり今後も付き合いが続く顧客リストが提出できる場合、日本政策金融公庫での融資も通りやすくなります。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。