日本政策金融公庫から1,500万円の資金調達!
Nさんは、もともと、柏駅から徒歩5分程度にある焼肉屋で創業時から7年間店長として、営業しておりました。 焼肉屋のオーナーに、1,500万円で買い取らせてほしい!と頼み、1,500万円の融資を受け、そのお金で焼肉屋を買い取った事例をご紹介します。
Nさんの融資は、創業融資!創業融資の落とし穴
Nさんは、7年間焼肉屋の店長で、そのお店を買い取り創業しました。
すでに経営されているお店を買収しているので、お店はすでに開業はしているのですが、Nさんが経営者となるのは、買い取ってからです。
つまりNさんは、店長歴は長いのですが、経営者としては、1年目ということになります。
1年目に日本政策金融公庫から融資を受ける場合、基本的に新創業融資の制度を利用しなければならないのですが、
【新創業融資制度】を利用した場合には、日本政策金融公庫の支店決裁権は、1,000万円です。
本店決裁になれば、もっと借りられる金額が大きくなるのですが、創業時に本店決裁で融資を受けられることはほとんどありません。
つまり、【新創業融資制度】を利用した場合には、MAX1,000万円しか借りられないのです。
上記の一番下に、融資限度額は、3,000万円(うち運転資金1,500万円)と記載されておりますが、この金額は、あくまで支店の担当を通過し、その後、本店を通過した最大値です。
あくまで、支店決裁権の枠は、1,000万円なので、新創業融資制度を利用した場合には、どんなに頑張っても1,000万円しか借りられないのです。
Nさんは、なぜ1,000万円超の1,500万円借りられたのか?
Nさんは、【新創業融資制度】を利用した場合には、そもそも希望額の1,500万円は借りられません。
しかし、【新創業融資制度】ではなく【中小企業経営力強化資金】という制度を利用すれば1,500万円を借りられる可能性があったため、
【中小企業経営力強化資金】を利用して融資の手続きを進め、1,500万円を借りることに成功しました。
中小企業経営力強化資金とは?
中小企業経営力強化資金という制度は、融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)と記載されております。
この限度額にも落とし穴があり、創業時に中小企業経営力強化資金を利用して、融資を受けた場合には、支店決裁権は2,000万円です。
支店決裁権を超えて融資を受けられる可能性は、ほぼゼロに近いので、創業時に中小企業経営力強化資金を利用した場合の借入限度額は2,000万円と考えておくべきでしょう。
【創業融資のポイント】
新創業融資制度を利用した場合に最大で借りられる金額 1,000万円
中小企業経営力強化資金を利用した場合に最大で借りられる金額 2,000万円
Nさんは、中小企業経営力強化資金という制度を利用して、1,500万円の借入に成功
Nさんは、中小企業経営力強化資金を利用することで、1,500万円の借入に成功しました。
創業時に少しでも多くの融資に成功したいという方は、中小企業経営力強化資金という制度を利用して融資手続きをするのがベストでしょう。
中小企業経営力強化資金を利用するためには、認定支援機関(認定経営革新等支援機関)を経由して融資を受ける必要があります。
認定支援機関に登録している事務所は、多いのですが、登録するのはそこまで難しくありません。
認定支援機関に登録しており、かつ、日本政策金融公庫の融資支援実績豊富な会社に依頼するとスムーズに資金調達することができるでしょう。
中小企業経営力を利用しても、1,000万円を超える融資はむずかしい!
創業時に、中小企業経営力を利用すれば、MAX2,000万円を借りることはできるのですが、2,000万円借りられる方は、ほとんどいないのが現状です。
1,000万円を超えるのもなかなか難しいです。
少しでも多くの融資を受けるためには、
- 設備投資が多い
- 自己資金が豊富
- 今までの経験が豊富
- 提出書類の精度が高い
- 信用情報に傷がついていない。
など、プラスの要因が多くなければ高額の融資を通すのは難しいでしょう。
Nさんが日本政策金融公庫から1,500万円の借入に成功した理由
理由① 7年経営しているお店で利益が出ていた。
Nさんの場合には、すでに7年経営しているお店の買取資金のための融資でした。
買い取ろうとしている焼肉店は、売上好調でした。
お金を借りても、確実に返済できるというプレゼンをすることができたのが、高額融資の成功につながりました。
理由② 提出書類を完璧なものにした
認定支援機関を経由して、中小企業経営力強化資金という制度を利用したので、書類は、プロに依頼して制度を高くしました。
そのため、書類に不備がなく、減点されることもありませんでした。
理由③ 借りるお金の使い道が明確だった
お店の買取資金が1,500万円だったため、1,500万円の借入使途が明確でした。
何に使うかが明確な方が融資は受けやすいです。
また、運転資金よりも、設備資金(決算書上、資産計上されるもの)の方が借りやすいです。
運転資金で融資を受ける場合には、高額融資は難しいのでご注意ください。
まとめ
すでに営業しているお店を買い取るための資金を取得するため、Nさんは、1,500万円の融資を希望しておりました。
すでに営業しているお店を買い取る場合には、営業しているお店がどれくらい利益が出ているかを合理的に説明できる書類が提出できた方が、融資成功確率はあがります。
Nさんは、売上の証明となるレシート(毎月の売上合計が記載されたもの)を提出できたのが融資の成功につながったと言えるでしょう。

平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/