「人材確保等支援助成金」の〔雇用管理制度助成コース〕とは

「人材確保等支援助成金」の〔雇用管理制度助成コース〕とは 助成金・補助金 – 助成金の基礎知識
「人材確保等支援助成金」の〔雇用管理制度助成コース〕とは

従業員の離職率低下につなげるための〔雇用管理制度助成コース〕

新卒で入社した会社で定年まで働くという時代ではなくなり、近年では、”3年後の離職率” という言葉もあるように、新卒者が3年後に同じ職場にいるかどうかの割合も毎年メディアで取り上げられるほど増加しています。お金や時間をかけて育てた社員が離職するのは、企業にとっても大変な損害となり、離職率を改善したい企業は多く試行錯誤をしています。

今回は、従業員の職場定着に関連する助成金「人材確保等支援助成金」の中から、従業員の離職を防ぐための〔雇用管理制度助成コース〕についてです。制度の目的や概要、離職を防ぐために何をしたら良いのか、また受給方法などについても解説していきます。

1.「人材確保等支援助成金」について

本助成金の目的

厚生労働省が支給する助成金の一種で、各企業の従業員の職場定着や人材確保を目指すことが目的として作られ、『企業が従業員のために魅力的な職場を作る努力をしてくれたら、その代わりに助成金を支給するよ』という制度です。

『従業員が辞めたがらない会社』というのは、企業のイメ―ジアップにもつながり、従業員も整った環境で仕事を行い、上司からの学び等を職場で受けることができるだけで、外部での教育や研修費を大幅にカットさせることができます。

本助成金は、職業や助成内容によって細かく11つのコースに分類され、コース別の内容は下記の通りとなっています。

11コースの内容

〔雇用管理制度助成コース〕

従業員の評価や待遇の改善、上司や指導者などのメンターや後輩や指導を受ける従業員に向けた制度の改善など、雇用管理の導入を行い、従業員の離職率を減少させる取り組みをした事業主に対して助成されるもの

〔介護福祉機器助成コース〕

介護や福祉に必要な機器の導入を行い、従業員の離職率を減少させる取り組みをした事業主対して助成されるもの

〔介護・保育労働者雇用管理制度助成コース〕

介護や保育現場で働く従業員の賃金の見直しを行い、離職率を減少させる取り組みをした事業主に対して助成されるもの

〔中小企業団体助成コース〕

新しく雇用を創ることが目的とされ、事業主団体が中小企業に対し、労働環境の向上を目指して新たに事業を行う場合に、事業主団体に対して助成されるもの

〔人事評価改善等助成コース〕

生産性を上げるために、人事評価や賃金の見直しを行い、生産性の引き上げ、賃金増加、離職率減少に取り組んだ事業主に対して助成されるもの

〔設備改善等支援コース〕

生産性を上げるための設備を導入し、賃金増加などの雇用管理改善、生産性アップなどを実現させた事業主に対して助成されるもの

〔働き方改革支援コース〕

働き方改革に取り組み、新しく従業員を雇用し、雇用管理の改善を実現させた中小企業事業主に対して助成されるもの

〔外国人労働者就労環境整備助成コース〕

日本とは異なる労働法制や雇用での常識、言語の違い、知識の不足がある中で働く外国人労働者のために、対象の労働者の事情を配慮し、働く環境の整備を行うなどして職場定着に取り組んだ事業主に対して助成されるもの

〔雇用管理制度助成コース(建設分野)〕

建設分野ではない〔雇用管理制度助成コース〕の支給を受け、本コースにて定められた若年者や女性の雇用率の目標を達成した建設事業主、もしくは〈登録基幹技能者〉の資格を持つ従業員の賃金表や資格手当を増額するなどの見直しを行った建設事業主に対して助成されるもの

〔若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)〕

若年者や女性の労働者の雇用定着を目指すことを目的とした事業を行った建設事業主に対して助成されるもの

〔作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)〕

被災を受けた3県(岩手県・宮城県・福島県)に所在する作業員の、宿舎、施設、賃貸住宅等を借りた建設事業主、もしくは施工管理を行う建設現場にて女性作業員専用の施設を借りた建設事業主に対して助成されるもの

各コースによって助成される内容は異なりますが、今回詳しく解説するのは、一般事業にて従業員の職場定着を目的としたコースである〔雇用管理制度助成コース〕です。どのような雇用管理を行ったら従業員の離職率を低下させ、助成される対象となるのか、また受給方法についても詳しく解説していきます。

 

2.〔雇用管理制度助成コース〕で助成対象となる雇用管理制度

本制度は、労働者のための雇用管理制度5つのうちの1つ以上を導入することが前提にあり、導入するためにはそれぞれの制度に設けられた下記の条件を満たすことが必要となるため、確認していきましょう。

また、各制度の条件に出てくる ”通常の労働者” については、下記項目のすべてに該当している労働者のことを表しているため、あらかじめ確認しておきましょう。

【 ”通常の労働者” に該当する労働者の条件】

〈1〉 事業主から直接雇用を受け、期限のない労働契約を結んだ労働者である

〈2〉 該当する事業所にて、正規従業員という立場に置かれている

〈3〉 該当する事業所にて、同じ職種かつフルタイムで働く正規従業員と、所定労働時間が同じである

〈4〉 社会における一般的な常識と照らし合わせ、雇用形態や賃金体系、待遇や定期的な昇格等が、正規従業員として正当なものである

〈5〉 短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者以外の、雇用保険被保険者である

〈6〉 雇用されている事業所が、社会保険適用事業所であれば、該当する労働者が社会保険被保険者である

① 評価・処遇制度

【本制度の具体例】

賃金制度の見直し・昇進昇格の仕組みを改善・各手当制度の見直し 等

【導入条件】

〈1〉 制度の対象が通常の労働者であり、事業主は本制度の具体例を導入する者である

〈2〉 本制度を導入した結果、対象の全労働者の賃金合計が導入前よりも低下が見られない

〈3〉 本制度実施のための、勤続年数や実施時期等の合理的条件が、労働協約もしくは就業規則にはっきり示されている

〈4〉 各手当制度の導入を行う場合は、それに伴った基本給の減額をしないこと、また、既存手当を無くし新手当の導入を行う場合は、無くす手当の支給額よりも新手当の支給額の方が上回っている

〈5〉 退職金制度の導入を行う場合は、退職する労働者の在職年数等に見合った金額を事業主が積み立てるための制度であり、積立金や掛け金等の費用は、事業主が全額負担する(事業主が出す金額に、従業員が上乗せして出す金額については対象外)

〈6〉 【雇用管理制度整備計画】の期間内に、退職予定の労働者に向けた制度ではない

② 研修制度

【本制度の具体例】

各研修の導入(職種別研修・新入社員研修・階層別研修 等)・教育訓練の実施 等

【導入条件】

〈1〉 導入する教育訓練や研修制度は、通常の労働者の業務に必要である知識安やスキル等を身につけることが目的で決められた、カリキュラム内容や受講時間である

〈2〉 導入する訓練および研修は、通常業務と区別し、業務を行う過程以外で行われるものである

〈3〉 本制度の対象労働者1人あたりの受講時間が10時間以上であり、この時間のうち3分の2以上が、労働関係法令などによって義務付けられた実施ではない

〈4〉 本制度の導入に伴う、受講時間内の賃金、入学金、教材費、受講料、交通費等の経費は、事業主が全額負担する

〈5〉 本制度期間中の賃金は、通常の労働時の賃金と同等に支払われ、訓練や研修が所定労働時間以外もしくは休日に行われる場合は、割り増し賃金を支払う

〈6〉 本制度実施のための合理的条件、かつ事業主が費用を負担することが労働協約もしくは就業規則にはっきり示されている

〈7〉 【雇用管理制度整備計画】の期間内に、退職予定の労働者に向けた制度ではない

③ 健康づくり制度

【本制度の具体例】

人間ドッグ・生活習慣病予防検診・メンタルヘルスカウンセリング 等の実施

【導入条件】

〈1〉 本制度の対象となる通常の労働者に、法定の健康診断の他にも、下記に挙げた1つ以上の項目の導入を行う事業主である

  • 胃がん検診
  • 肺がん検診
  • 大腸がん検診
  • 子宮がん検診
  • 乳がん検診
  • 歯周疾患検診
  • 骨粗しょう症検診
  • 腰痛健康診断

〈2〉 本制度導入に伴い、医療機関での費用が必要な場合には、事業主が半額以上を負担する、もしくは労働者本人が希望する医療機関にて、労働者が負担した費用を、事業主が半額以上支給する

〈3〉 本制度の導入は、診断結果や所見などの必要情報の提供を受け、状況に応じて配慮を行うことを目的としている

〈4〉 本制度実施のための合理的条件、かつ事業主が費用を負担することが労働協約もしくは就業規則にはっきり示されている

〈5〉 【雇用管理制度整備計画】の期間内に、退職予定の労働者に向けた制度ではない

④ メンター制度

【本制度の具体例】

専門家等の外部メンターの活用・メンターによるカウンセリング・メンターによる後輩サポート

※内部でメンター制度を導入する場合は、メンター役の通常の労働者に対して、メンター制度以外の雇用管理制度を実施する必要があります。

【導入条件】

〈1〉 通常の労働者に対する課題や職場での問題解決を支援することを目的としたメンタリング措置、もしくは会社や所属する部署などでの上司ではなく、指導及び相談役の先輩が後輩をサポートするために導入をする(メンタリングに関する知識やスキルがあり、メンターとして適正である者であれば、外部メンターの活用も可能)

〈2〉 先輩やメンターに対して、メンター研修やメンター養成講座、メンタリングに関する必要知識やスキルを習得することを目的とした講習等を、受講させる

〈3〉 〈2〉で必要となる受講料、交通費、メンターの賃金等は、事業主が全額負担する

〈4〉 先輩・メンター、後輩・メンティの面談方式でのメンタリングの実施をする

〈5〉 メンター制度に関する説明を、先輩・メンター、後輩・メンティに対して事前に行う

〈6〉 本制度実施のための合理的条件、かつ事業主が費用を負担することが労働協約もしくは就業規則にはっきり示されている

〈7〉 【雇用管理制度整備計画】の期間内に、退職予定の労働者に向けた制度ではない

・・・メンター制度について・・・

メンターとは、聞きなれない言葉ですが、仕事上で新入社員などに精神的なサポート・助言を行うための専任者を設けるという考え方です。

近年、日本ではこのメンター不在のため大企業で新卒の若者が離職や不幸な結果となる事件もあります。メンター制度は、新入社員や後輩のメンタル面での支えとなり、離職率を低下させると同時に、サポートや助言を行う専任者にとっては、事業面でのサポートや、今後の指導方法の改善、また後輩のことを知るきっかけとなる制度なのです。

⑤ 短時間正社員制度(保育事業主のみ)

【本制度の導入による短時間正社員の規定】

〈1〉 事業主から直接雇用を受け、期限のない労働契約を結んだ労働者である

〈2〉 該当する事業所にて、正規従業員という立場に置かれている

〈3〉 該当する事業所にて、同じ事業主から雇用を受けフルタイムで働く正規従業員(以降〔A〕とする)と比べて、所定労働時間が短い、および下記①~③のうちの1つに当てはまる従業員である

  • ① 〔A〕の1日の所定労働時間が7時間以上→ 1日の所定労働時間が〔A〕よりも1時間以上短い労働者
  • ② 〔A〕の1週間当たりの所定労働時間が35時間以上→ 1週間当たりの所定労働時間が〔A〕よりも1割以上短い労働者
  • ③ 〔A〕の1週間当たりの所定労働日数が5日以上→ 1週間当たりの所定労働日数が〔A〕よりも1日以上短い労働者

〈4〉 労働条件(賃金の計算、支給の形態、休日、昇給の有無 等)は、〔A〕への待遇と同等に当てはめられている

〈5〉 期間中の労働条件(基本給、退職金 等)は、〔A〕と比べて同等である

〈6〉 該当する労働者が雇用保険一般被保険者である

【導入条件】

〈1〉 新しく雇用する労働者、もしくは事業主が既に雇用している労働者を、上記の【~規定】に当てはまる、短時間正社員とする制度である

〈2〉 本制度実施のための合理的条件(対象労働者の要件、基準、手続き 等)が労働協約もしくは就業規則にはっきり示されている

〈3〉 【雇用管理制度整備計画】の期間内に、退職予定の労働者に向けた制度ではない

 

各制度の詳細は下記パンフレット4~7ページにも記載されています。

『 厚生労働省:雇用管理制度助成コースの支給の流れ 』

 

3.受給のための要件

本制度が定める雇用管理制度の内容を理解した上で、支給を受けるためには、下記の手順に沿って(1)~(3)を行う必要があり、手順ごとに定められた内容を確認していきましょう。

(1)計画の作成と認定

雇用管理制度にあたる下記①~⑤を導入することを記した【雇用管理制度整備計画】の作成をし、事業所の管轄である労働局へ提出し、認定を受けます。

  • ① 評価・処遇制度
  • ② 研修制度
  • ③ 健康づくり制度
  • ④ メンター制度
  • ⑤ 短時間制社員制度(保育事業主のみ)

計画の期間は3カ月~1年とされており、雇用管理制度の導入を行う月の初日が計画開始日となります。作成した計画の提出は、計画開始日以前の6か月~1か月前の日の前日までに行う必要があるため、提出日を過ぎないように注意しましょう。

(2)計画の導入と実施

(1)で認定を受けた計画に基づいて、実際に該当する計画期間に雇用管理制度の導入を行い、制度の実施を行います。制度導入、および実施についての規定は下記パンフレット8ページに記載されています。

『 厚生労働省:雇用管理制度助成コースの支給の流れ 』

計画開始日が近づいていて、提出を行った労働局から認定に関する連絡がない場合には問合せをし、結果を伺うようにしましょう。

また、下記例のような場合が発覚した際には、支給対象とはならないため、注意しましょう。

・・・認定を受けた計画通りとはいえない例・・・

  • 計画内容に記された雇用管理制度の導入および実施が一部、または全て見られなかった場合
  • 計画の対象となった通常労働者(対象労働者の離職や、雇用が通常で無くなった労働者の場合は対象外)への実施が一部、または全員に見られなかった場合
  • 計画の対象となった事業所(対象労働者の存在がなくなった場合や、事業所の廃止があった場合は対象外)への導入および実施が一部、または全部に見られなかった場合
(3)目標の達成

(2)にて導入と実施を行い、計画に記した期間終了から1年を経過するまでの期間の離職率を、計画提出前の1年間よりも、下記の目標値を越える低下が見られることが必要です。

対象事業所内の雇用保険一般被保険者数

離職率の目標値

1~9人

15%

10~29人

10%

30~99人

7%

100~299人

5%

300人以上

3%

 

4.助成対象となる事業主

受給が可能となる事業主は、下記12項目を満たす必要があります。

① 雇用保険適用事業の事業主にあたる

② 認定を受けた【雇用管理制度整備計画】に記した期間、および雇用管理制度の導入を、事業所に雇用される全ての“通常の労働者”1人に対して、1つ以上の実施を行った

③ 計画期間内に導入と実施を行った雇用管理制度を、評価時離職率の計算を行う期間の末日まで続けて実施し、労働者のための適正な雇用管理を心がける

④ 離職する労働者がいる場合は、下記条件に当てはまる

  • 計画期間初日の前日から計算し、半年前の日から、本助成金の支給申請期間の末日までに、倒産もしくは解雇によって離職となった労働者数が、計画提出日の時点の被保険者数の、6%未満にあたる

⑤ 計画開始日前日から計算し、半年前から計画期間末日までに、雇用保険被保険者の労働者を、事業主の都合によって解雇等をしていない

⑥ 離職率の目標値(評価時離職率が30%以下)を達成している

⑦ 〔⑤ 短時間正社員制度〕の導入を行う場合は、下記条件に当てはまる

  • 保育事業主にあたる

⑧ 介護事業主の場合は、下記条件に当てはまる

  • 介護事業を行う事業所それぞれに、「雇用管理責任者」を選び、選ばれた責任者を各事業所に明示し、労働者が周知している

⑨ 法律に規定された定期健康診断等は行っている

⑩ 事業所が社会保険要件を満たす場合は、下記条件に当てはまる

  • 社会保険が適用される事業所であり、その事業所に社会保険要件を満たす労働者がいる場合、社会保険被保険者である

⑪ 本助成金以前に、下記の助成金を受給している場合、下記条件に当てはまる

  • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース/目標達成助成)
  • 職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース/制度導入助成又は目標達成助成)
  • 中小企業労働環境向上助成金(雇用管理制度助成)
  • 建設労働者確保育成助成金(雇用管理制度助成コース/制度導入助成)

→ 受給時と同じ雇用管理制度を含み、今回の制度導入に関する計画書を提出する場合、以前の支給決定最終日の次の日から計算して3年が経っている

  • 人事評価改善等助成金(制度整備助成/制度整備助成もしくは目標達成助成)
  • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース/制度整備助成もしくは目標達成助成)

→ 〔① 評価・処遇制度〕を含む計画書を提出する場合、以前の支給決定最終日の次の日から計算して3年が経っている

  • 「人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)」の計画を考え、開始する場合

→ 本助成金(雇用管理制度助成コース)と上記助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)の、評価時離職率の計算期間が重複するかしないかにより、どちらか一方の助成金を選択し、どちらか一方の助成金を支給停止とする併給調整がかけられる可能性があり、2つのコースの併用を考えている場合には、本助成金の計画書を提出する前に、都道府県労働局に相談をする必要があります。

⑫ 「生産性要件を満たした場合」の支給額加算を受ける場合には、下記の”生産性要件”に当てはまる

  • ”生産性要件”の計算対象となった期間に、事業主の都合による離職者がいない
  • 本助成金の申請をする直前の会計年度の生産性が、3年度前と比較して6%以上伸びている、もしくは金融機関からの”事業性評価”を一定に得ていて、3年度前と比較して1%以上6%未満伸びている

※ 生産性の計算式→ 付加価値 ÷ 雇用保険被保険者数 × 100

※ 企業の付加価値の計算式→ 営業利益 + 人件費(役員報酬等は対象外で従業員給与のみ) + 減価償却費 + 不動産賃借料 + 租税公課

※ 企業会計基準を使用できない事業所の付加価値は、管轄の労働局へ問い合わせ

※ 生産性要件についての具体的な説明については、下記HPにも掲載されています

厚生労働省:『 労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます 』

                           

5.支給額

本助成金の支給額は、定額で57万円となり、生産性要件を満たした場合には、15万円が割増され、72万円となります。雇用管理制度①~⑤は、1つ以上であれば複数を同時に導入することも可能です。ですが、導入制度が多いからといって、その分支給額が多くなることはありませんのでご注意ください。

 

6.受給のための申請手順

(1) 【雇用管理制度整備計画】の作成と提出

提出期間内で本社を管轄している労働局へ提出を行いますが、申請書類の提出は労働局の他にも、ハローワークでも可能な場合があるため、管轄の労働局へ問合せをしてみましょう。

また、郵送での提出を行う場合には、決められた期限内に書類が届いていることが必須となるため、提出期限と到達日をよく確認しておきましょう。

(2) 【雇用管理制度整備計画】の認定と導入

提出し認定を受けた計画書をもとに、事業所にて実際に導入を行いますが、労働協約もしくは就業規則にて、労働者に対してはっきり示し、周知されるようにしましょう。労働者への周知は、雇用管理制度①~⑤のどの制度の導入でも、導入条件として定められています。

(3) 計画通りに制度の実施

導入と労働者への周知を行った後は、計画書に記載した導入制度と実施期間通りに制度の実施を行います。

(4) 本助成金の支給申請

計画期間が終了してからの12か月間が、本助成金の定める離職率の目標を達成したかどうかの算定期間となります。目標とする離職率を達成していた場合には、算定期間が終了してから2か月以内に支給申請を行いましょう。

(1)同様に、事業所を管轄する労働局へ申請の提出を行いますが、ハローワークへの提出が可能な場合もあります。

(5) 助成金の支給

申請書が受理された場合には、57万円の支給、生産性要件を満たした場合には、72万円の支給があります。

・・・例・・・

計画書の申請を、2020年8月1日に行い、認定を受けたとします。

計画書に記載した制度の導入と実施は、2020年10月1日~2021年9月30日としました。

 

制度実施期間の終了後、2021年10月1日~2022年9月30日が、離職率の算定期間①となり、計画書申請前の、2019年8月1日~2020年7月30日が、離職率の算定期間②となります。

 

目標とする離職率を算出するために、〔① ― ②〕を行い、離職率が何%低下しているかを調べ、本助成金が定める目標値(雇用保険一般被保険者数によって異なります)を達成したかどうか比較しましょう。

 

目標を達成していた場合、2022年10月1日~2022年11月30日が、支給申請期間となるため、この期間中に申請書を提出しましょう。

 

まとめ

「従業員の離職率を下げ、助成金を受給できる」という、企業にとっては魅力的な助成金のご紹介をしました。

本助成金で定められた雇用管理制度を導入し、離職率の目標値を達成させることが前提にありますが、従業員が離職してしまう理由は何か、どうしたら離職する従業員を止めることができるのか、本助成金を活用し、自身の会社の再生に努めることを考えてみてはいかがでしょうか。

多くの企業がこの助成金をきっかけに、職場環境の改善、職場再生に成功し、発展し続けています。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
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