地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)で過疎地を改善しよう!
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、雇用機会が特に不足している地域の事業主が雇用改善に貢献した場合に支給される助成金です。
少子高齢化と一都集中でますます地域間の人口に差が出ている現代。
企業が過疎地で雇用をしてくれると、地域住民だけでなく企業にも多くのメリットがあります。地域雇用開発助成金の詳細を早速みていきましょう。
助成金としていくらもらえるのか、利用できる助成金にどんな助成金があるのかなど、専門家の意見を聞いてみたいという方は下記診断をご利用ください。助成金の受給資格の有無など3分で確認できます。
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1. 地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の概要
域雇雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は平成25年に「地域求職者雇用奨励金」と「地域再生中小企業創業助成金」という2つの支援が統合され、平成29年に名称変更された助成金です。
大まかに説明すると、助成金の内容は以下の①~④となります。①~④のいずれかではなく、すべてを満たすことが助成金をもらうための条件(要件)です。
①指定された地域で
厚生労働省が指定する求人が少ない地域(同意雇用開発促進地域)または若者が東京などの都心に流れてしまい高齢者だらけになった地域(過疎当雇用改善地域)。これらの地域で新規の従業員を雇用する事業主が対象です。
②雇用に関する計画書を作り提出
新たな従業員の雇用に向け、「雇い入れに関する計画書」を事業主が作成する必要があります。
例えば、過疎地で新規に3名以上を雇うとすると、制服や休憩所やロッカーや机など、新たな準備です。1点20万円以上合計300万円以上の場合は、計画書に必要な設備を明記すれば、必要資金の一部が助成金として支給されます。
ということは、20万円以下の制服、ロッカー、文房具代、机代などは対象外ということですね。新規従業員のために必要な備品(例えばCADの機械)が高額な事業所に向いています。
出来上がったら、地域管轄の労働局長へ提出し認可される必要があります。計画日から計画の完了日までは通算で18か月間以内でなければいけません。目安として、だいたい1年ぐらいと覚えておくとよいでしょう。
③新たにその地域の住民を3名以上雇用する
計画作成日から18か月以内に1事業所あたり最低3人以上、その地域に居住する住民を継続的に雇う従業員としてハローワーク等を経由して雇い入れます。その上で、雇用保険一般保険者として登録します。
計画書の作成日と完了日を比べて、通算3名以上の雇用保険一般保険者が増えている必要があります。
図をご覧ください。例えば、計画作成日に雇用保険一般保険者が5名の事業所であれば、計画完了日には5+3名で8名以上が必要です。途中で誰かが退職したりした場合は、助成金の対象にはなりません。
2.雇用機会が特に不足している地域ってどこ?
厚生労働省の公式ページでは、地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の対象地域として以下の27都道府県80地域を挙げています。
<抜粋>
北海道(稚内、札幌、函館、紋別、釧路、北見、苫小牧)
青森(津軽、むつ、三沢)
岩手(花巻、久慈)
宮城(県南、登米)
秋田(南部、由利、秋田・男鹿南秋)
栃木(大田原、小山、佐野、矢坂)
・・以下省略。
ざっと見ただけでも、誰もが知っている観光地の名前もありますね。しかし、厳密にはこれらの地域の構成市町村と呼ばれるもう1段階小さい地域が、地域雇用開発助成金の対象になっています。
詳細については、以下のPDFデータをご参照ください。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)|同意雇用開発促進地域一覧
※上記をクリックすると、厚生労働省の公表しているPDFページにリンクします
ちなみに、沖縄に関しては地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)として別途規定されています。
3.最大3回もらえる助成金が魅力!受給について
①受給額は必要資金と雇用人数で異なる
この助成金でもらえる支給額は、雇う従業員の数とそれに応じて必要となった施設・設備に要した費用により以下のように異なります。
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引用:厚生労働省公式ページ|地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)受給額
②生産要件を満たすと支給額がアップ!
上記の表では、48万円/60万円のように2つの数字が記載されています。右側の数字は、事業所が生産性要件を満たした場合に支給される額となります。
生産性については、以下の記事で詳しくご説明しています。
③2回目と3回目をもらう条件は?
1回目を申請した時の雇用保険一般保険者数と支給対象者数、そして支給対象者(新規で雇った従業員)が職場を辞めていないという3つが必須条件です。
④計画完了日に完了届を労働局長に提出する
1回目の助成金をもらうには、計画作成日から20か月以内に完了届と必要書類を地域管轄の労働局長に提出します。
労働局側で受理後に書類審査と事業所の実地調査を行います。その後に、助成金受給の可否が決定されます。
4.大規模な雇用には最大2.4億円の支給が!
100人以上または200人以上といった大規模な雇用を行う企業には、受給額が億単位という高額なものにアップグレードします。
設置・整備費用が50億円以上で100人以上の雇用を計画している事業所は、以下の条件も同時に満たすことで「同意雇用開発促進地域における大規模雇用開発を行う事業主に対する特例」を受けられます。
1同意雇用開発促進地域内における雇用機会の増大に関する大規模雇用開発計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けること
2当該大規模雇用開発計画の定める雇用開発期間(最大2年間)内に、50億円以上の設置費用をかけて、新たに事業所を設置すること
32に伴い、当該地域に居住する求職者等を雇用保険一般被保険者(短時間労働者を除く。)として100人以上雇い入れること
5.その他の受給のための条件について
助成金の受給のための条件には、その助成金固有の条件だけでなく、全ての助成金をうけるための最低限の条件も設定されています。
そのため、本助成金を受給したいのであれば、以下の最低限の条件もクリアしていなくてはいけません。
- 1 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 2 支給のための審査に協力すること
- (1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
- (2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じ
- ること
- (3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など
- 3 申請期間内に申請を行うこと
この他にも、「こんな事業主は受給できない」という条件があります。それは過去に不正受給をした、風俗関係である、暴力団関係である、受給時に倒産している、など事業主側に問題のあるケースです。
詳細は、以下の厚生労働省の公表しているPDFをご参照ください。
※上記をクリックすると、厚生労働省の公表しているPDFページにリンクします
※診断フォームに必要項目を入力いただくと、提携先である東証マザーズ上場企業である株式会社ライトアップの助成金専門コンサルタントからお電話をさせていただきます。
6.助成金や補助金は取得までに時間がかかる?
助成金や補助金は、すぐに取得できるものはほとんどありません。
中でも、1年から1年半経過後に取得できるものが多いです。
助成金申請が実行される前に、資金繰りが悪くなってしまう会社が多い傾向があります。
そこで、多くの経営者が助成金とは別に、
金融機関や日本政策金融公庫からの借入もご検討することを推奨しています。
中でも、政府が100%出資している日本政策金融公庫については、
下記サイトで詳しく説明されていますので、情報収集しておくと万が一に備えられるでしょう。
まとめ
最大3回もらえる支給が魅力の地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)を上手に使えば、事業主も高額な備品の購入額をキャッシュバックすることができます。(助成金をもらえるのは購入したあと)
過疎地での雇用は大変な面も多いですが、都心よりも家賃が安い、人件費も安いというメリットもあります。ぜひ過疎地での雇用を検討してみてください。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/