労働移動支援金(中途採用拡大コース)
景気の変動などによって事業の縮小をせざるを得なくなった場合に離職する労働者の方の再就職を支援することによって受給することができる助成金です。労働移動支援助成金には5つのコースがあり、今回は中途採用による再就職を支援することで受給することができる労働移動支援金の中途採用拡大コースについてご紹介します。
※平成31年4月から、当支援金は「中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)」に変更となりました。※
1.労働移動支援金の中途採用拡大コースとは
就労していた企業の事業縮小によって離職した労働者の採用計画を立てたうえで中途採用者として採用した事業主の方が利用することができるコースです。また45歳以上の労働者をはじめて雇用した事業主の方も利用することができます。離職した労働者の中途採用を増やし会社の生産性を向上することで助成金を受給することができるため、求職者の方にとっても事業主の方にとってもメリットがあるため支給内容や受給額について確認していきましょう。
2.支給対象の労働者
労働移転支援金の中途採用コースの利用対象となる求職者の要件をみていきましょう。
①助成金の申請を行う事業主から中途採用によって雇用された労働者
②助成金の申請を行う事業主から雇用保険一般被保険者・高年齢被保険者のいずれかとして雇用された労働者
③パート従業員を除く、無期限の労働者として雇用された方
3.受給申請をする事業主の要件
助成金の申請を行う事業主の方の要件をみていきましょう。
(1)以下の内容を含む中途採用計画を作成し管轄の労働局へ提出した事業主
(2)対象労働者を中途採用した計画実施期間に、以下の項目について中途採用の拡大を目標に制度を実施する事業主
①計画実施期間の前の中途採用率が50%未満であった対象の事業所の中途採用率を、計画実施期間中に20%以上向上させる
②計画実施期間の前に45歳以上の従業員を中途採用していない対象の事業所で、計画実施期間中の45歳以上の従業員を初めて中途採用する
①中途採用率の向上を図る場合
・途採用率の向上を目指す計画期間(1年間)に助成金受給対象の労働者を2人以上雇用する
・計画を実施している1年間の中途採用率が、計画実施期間前日までの3年間の中途採用率より20パーセントの増加をはかる
※中途採用計画期間中に雇用した中途採用者数が50人を超えた場合の中途採用率は、助成対象の中途採用者のうち10人を超える分を「1人を2人分」として換算する。
・計画実施期間中の助成対象労働者で離職した割合が、雇用から6ヶ月後に20%未満であること
②45歳以上の助成対象労働者を初めて採用する場合
・中途採用計画の実施期間中に、助成対象の要件を満たす45歳以上の中途採用従業員を1人以上雇用する
・中途採用をした45歳以上の従業員の中で、雇用日から6ヶ月後に継続して従事している中途雇用者が1人以上いる
③生産性の向上を図ること
事業主が申請を行う年の直前の年度と、3年度前の生産性を比較し、伸び率が6%以上であること
※その他の雇用に関する助成金に共通する要件は厚生労働省のホームページで確認しましょう
厚生労働省ホームページ:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000160739.pdf
4.受給額
労働移動支援金の中途採用コースの要件を満たし受給することができる助成額をみていきましょう。
5.申請方法
事業主の方が助成金の申請をおこなう手順を確認しましょう。
(1)中途採用計画の提出
中途採用計画を作成し、助成金受給の対象となる中途採用計画の実施初日の前の日からさかのぼって、6ヶ月前の日から中途採用計画の実施初日の前日までに必要書類と併せて管轄の労働局またはハローワークへの提出をおこなう。
(2)中途採用計画の実施
「中途採用率の向上を図る計画」「45歳以上の中途採用者を始めて雇用する」うちいずれかの計画を提出した中途採用計画に沿って実施する
(3)支給申請
対象の計画が修了した後に必要申請書類を管轄の労働局へ提出する。また、実施する計画によって提出期間の期限がことなるので確認しましょう。
①中途採用率の増加をはかる場合
実施している助成対象の計画期間が修了した日の6ヶ月後の翌日から2か月以内に
②45歳以上の助成対象労働者を初めて採用する場合
実施している助成対象の計画期間に雇用した支給対象の労働者の雇用日の6ヶ月後の翌日から2か月以内
※申請の注意
【中途採用率の増加を図る場合と45歳以上の従業員を初めて雇用する場合において、重複する計画実施期間がある場合、両方の計画の助成は受けられません。「45歳以上の中途採用者を初めて採用した場合」の助成金のみ受給することができます。】
まとめ
今回は労働移動支援金の中途採用拡大コースについてご紹介しました。離職した求職者を中途採用の拡大を行い雇用した事業主に支給されるため、人手不足に悩む事業主の方におすすめです。
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