出資による資金調達とは?
ベンチャーキャピタルをただの企業だと思っている方も多いのではないでしょうか? 実は、ベンチャーキャピタルも将来成長していくであろう企業に対して、出資を行うなど、1つの【金融機関】として成り立っているのです。 今回は、金融機関の一つでもあるベンチャーキャピタルから、実際に資金調達を行う為にはどうしたらいいのか、そのコツをお教えします!
1.ベンチャーキャピタルって?
ベンチャーキャピタルというのは、将来成長していく見込みのある企業に対して、出資・投資を行う【金融機関】の役割をしています。
また、出資を行うとともに、出資した先の企業が、今後成長していく為に必要なことをアドバイスする、「経営コンサルティング」も行います。
融資とは資金を出したら返ってくるもの、出資は資金を出しても返ってはきません。
近年、様々なベンチャー企業が作られていますが、その理由として、今後の私たちの生活が快適になる事が狙いです。
その為、数多くあるベンチャー企業でも、十分発展していく可能性は高いと言えます。
ベンチャー企業の発展を見込んで、投資を行っているのがベンチャーキャピタルなのです。
2.出資を受けるためには?
ベンチャーキャピタルがどういうものか分かったところで、どんな企業に対しても、出資を行うのかというと、そういうわけではありません。
経営コンサルティングも行ってくれるとなると、出資を受けたい企業も多く存在します。
いくら出資を受けたいと望んでも、ベンチャーキャピタル側から、発展の見込みがないと判断されれば、出資を受けることは不可能です。
では、ベンチャーキャピタルを利用し、出資を受けるためにはどんなことが必要なのか、お教えしていきます。
Ⅰ.経営陣が優秀は人材であること
どんな職業や分野でも、全く知識や経験のない人より、ある程度の知識があり、何か問題が起こった時に対処できるような人の方が、信頼できるとともに、発展していける可能性も高まります。
問題が起こった時でも、冷静に考え判断し、行動に移し、改善していける人材を揃えることも出資を受けるためには、大切なことであり、重視したい点です。
Ⅱ.売り出す商品・サービスが有利な位置にあること
ベンチャーキャピタルが特に重要視している点として、「売り出そうとしている商品・サービスが有利な位置にあるのか」という事です。
このことに関しては、ベンチャーキャピタルに限らず、金融機関からの融資でも同じことが言えます。
売り出す商品・サービスが、既に存在しているものであれば、将来性は感じません。
「市場に出た時に有利な位置にいる」「商品・サービスに他とは違う独自のものがある」などは、ベンチャーキャピタルでも融資でも特に見られる点です。
また、以下の事についても意識を働かせておくことが大切です。
4つの観点から物事を常に意識するようにし、そこから「市場規模・業界の動向・構造」の調査を行うことで、現代に何が必要なのかが見えてきます。
調査には時間や労力を有するため、調査を専門的に行っている会社等もあり、「調査が難しい」という企業でも、有効的に活用することができます。
Ⅲ.商品・サービスが成功する市場環境があること
いくら商品・サービスが有利な位置に合っても、売り出そうとしている市場環境が整っていなければ、成功するはずのものも、低迷してしまいます。
自社企業の拠点とする市場が、今後成長していくのかどうか、という事も大切な点です。
ベンチャーキャピタルが出資するかどうするか、判断する点として、市場環境の成長性が判断基準ともなります。
Ⅳ.事業計画書が正確かつ綿密に書かれていること
事業計画書に、記載する内容として、以下のようなことは最低限記載するようにしましょう。
上記の記載事項の中でも、ベンチャーキャピタルが重要視する項目が「ライバル・市場調査」「販売戦略」「財務計画」の3点です。
ただイメージをして説明をするのでは、それがそのまま実績に繋がってしまう為、出資を受けることは難しいと言えます。
ベンチャーキャピタルに伝えたいこととして、実際の成長・販売戦略を記載し、その結果の利益がこのくらいになる、という事を数字で提示し、納得をさせることを目的とします。
その為、短期間で利益を獲得しようとするような、作成はやめておきましょう。
最初はこのくらいだけども、数年後にはこれだけの成長を見据えている、という確実性を伝えるようにすると良いでしょう。
Ⅴ.株式を公開する予定であること
ベンチャーキャピタルの利益は、発展後の企業が、株式を公開し、売却することで得られるものなります。
その為、発展後にもかかわらず、株式を公開せずにいたら、ベンチャーキャピタルの利益がなく、出資をした意味も無くなってしまいます。
今後、株式を公開する予定の企業であることが、必須でもある条件と言えます。
3.ベンチャーキャピタルから出資を受けるメリット
ここまでの話の中で、実際にベンチャーキャピタルを利用し、どんなメリットがあるのか、気になるところだと思います。
出資を受けることで、得ることができるメリットとは以下の通りです。
▪今後の資金調達に有利
どういうことかというと、ベンチャーキャピタルは「金融機関」「経営コンサルティング」の他にも「評価機関」としての役割も持っており、ベンチャーキャピタルを利用し出資を受けたという事は、世間から見たら、「ベンチャーキャピタルに認められた企業であるため、信頼ができる」という評価を受けるのです。
また、出資を受けた後に、企業の発展・株式上場が見られれば、更なる信頼度アップにもなり、他金融機関からの資金調達もしやすくなります。
▪新規提携先の紹介を受けられる
ベンチャーキャピタルは、多くの企業と取引を行っているため、繋がりも幅広いです。
その為、自社と関連のある企業であったり、ビジネスで提携を結べそうな会社等の紹介を受けることも可能です。
自社だけでは発見できなかった多くの企業・新たな事業の発見も、出資を受けることで学び、知ることができるというのは、今後の発展・市場の拡大にも大いに期待できる点です。
▪優れたノウハウの獲得
最初にもご説明した通り、出資を受ける事とともに経営コンサルティングも行ってくれるため、今まで知り得なかった知識や豊かな経験、今後の経営に役に立つノウハウの獲得までもでき、今後に繋がる大きなチャンスともなります。
企業の発展に頭を抱えているのならば、成功の為の一つの策として、ベンチャーキャピタルを利用するという事を考えてみても、いいのかもしれません。
まとめ
ベンチャーキャピタルは、銀行の融資とは異なり、多い時には億単位のお金が動く資金調達方法となります。
利用することにより、企業の発展や拡大を狙えるというのは、経営者として必要なことでもあり、多くの企業が利用したいと望むものです。
数多い企業の中から、出資を受けるためにも、必要なことはしっかりと押さえておきましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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