決算書の作成は会社経営の必須項目です
飲食店や会社経営など、事業を営む経営者であれば、やらなければならないのが決算書の作成です。 特に飲食店を営む方は、起業をし、いざ決算書の作成をしようとしても、作成方法が分からないままでは大変です。 こうならないためにも、起業前にしっかりと作成方法を学んでおきましょう!!
1.決算書とは?
まずは基本的なこと、決算書がどういうものなのかをご説明します。
決算書というのは、ある定められた期間の営業成績・ある一時点の財務状態等を明らかにするために作られる書類の事を指します。
そして決算書には一般的に広く知られているものが3種類存在し、それぞれ「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」と呼ばれています。
他にも、決算書と呼ばれている物は存在しますが、代表的なものはこの3つになるかと思います。
2.決算書を作成する目的とは?
そもそも、決算書を作成する目的はどこにあるのか、このことをハッキリ分かっていなければ、決算書を理解することも、作成することもなかなか難しいものです。
会社を経営していくうえで、「資金調達」→「投資活動」→「営業活動」の流れで、この3つは常に循環している状態です。
どこかの部分で途絶えてしまったり、循環がうまくいかず止まってしまうとなると、当然経営状態も悪化してしまいます。
経営状態の悪化、つまり、倒産の危機に陥ってしまうのです。
倒産せずに、経営を続けていくには、実際に数字で表し、目で見て確認ができる、決算書の存在が必要不可欠となるのです。
実際に、自分が関わっていない業務には、なかなか意識を向けづらく、経営者ならば尚更、経営者としての役目を果たしながら、毎日会社の端から端までに目を向けるのは難しいことでしょう。
決算書は、会社の経営状態を把握・判断する為には、最も重要かつ必要なものとなる事を忘れずに覚えておいてほしいです。
3.決算書を作成する方法
いざ、作成をしようと思ってみても、初めての方や全く分からない方にとっては、大きな負担となる事もあります。
その理由として、、、
■業務に関わる全ての取引を記録・仕訳しなければならない
■ある程度の知識が必要
■手間と時間がかかることになる 等
これらの理由により、決算書の作成を会計士にお願いをしたり会計ソフトを使うなど、作成方法は会社により様々です。
また、会社内に経理担当者等がいる場合は、経理の人が行ったりする会社もあります。
これらの方法で作成するのももちろんいいのですが、上記で挙げた作成方法には、いくつか問題点もあります。
その問題点というのが以下のようなことです。
資金に余裕がある会社であったり、大企業であれば、問題なく作成することが可能かもしれませんが、全ての会社が資金に余裕があるわけでもなく、経理担当者がいるわけでもありません。
特に飲食店を営む人は、決算書を自分で作成している方が多いのではないでしょうか?
最終的に自分で作成するとなった時に、作成する為に必要なことはどんなことか、何を用意したらいいのかを、しっかりおさえて、対策をしておきましょう。
4.決算書の作成に必要なこと・必要となる資料
Ⅰ.現金の管理
どんな事業でも、現金に関する危険性が高いのは飲食店です。
飲食店では、振込等ではなく、その場で直接お金のやり取りを行うため、多額の現金がレジの中に入っていることが分かれば、そのお金を狙う犯罪に巻き込まれることもないとは言えません。
また、信用していた従業員からも横領をされたり、思わぬレジの打ちミス、火を扱う飲食店では火災の危険性など、常に危険と隣り合わせと言っても良いでしょう。
これらのことから、常日頃のお金の管理を怠ってはいけません。
Ⅱ.預金の管理
多くの会社では、預金が入っている口座へ振込等によって売上金の入金がある、口座から振込等によって支払いによる出金があるなど、預金でも入出金の動きがあることが分かります。
この場合は、預金通帳に記載されるため、通帳を見ることで内容を理解することができます。
ですが、小口現金から預金へ入金、預金からレジ金補充のための出金、などを行う場合もあります。
また、個人で経営を行っている方であれば、プライベートで現金を引き出すことなどもあり、これらの入出金の内容は、通帳に記載されません。
その為、現金を管理する際と同じように、預金出納帳の作成、入出金の内容を記録することが大切です。
Ⅲ.在庫の管理
決算日の段階で、使っていない在庫、未使用の切手や印紙などがどのくらいあるのかを、調べて明らかにさせることは、どの業種でもやる事ではありますが、飲食店では使用するものが細かく量が多い上に、賞味期限等があるため、在庫の管理も複雑になります。
Ⅳ.債権と債務の管理
現金のみで、取引先やお客様とやり取りを行う事業は問題ありませんが、カードを使用できるお金のやり取りなどでは、実際に商品を提供したのが1月だとしても、カード決済にすることによって、代金の支払いが翌々月となるなど、その場での計算ができません。
ですが、実際に提供したのは、1月となるため、代金はまだ受け取っていなくても、1月分の売上として、計上しなければなりません。
また、逆のパターンも考えられます。
業者からの仕入等で、カード決済を利用している場合は、仕入れた月に、引き落とされていなくても、翌々月には引き落とされることになります。
その為、しっかり債権と債務を把握しておかないと、二重で仕入れ・売り上げの計上を行ってしまうことになります。
Ⅴ.固定資産の管理
固定資産とは、長期で使用可能な車や家や土地、事業で言えば備品や機械、などのように消耗品ではない資産の事を指しますが、原則としてこれらの固定資産を会社で購入した場合に、購入した際に費用とするのではなく、使用する期間によって少しずつ費用としていきます。
これに伴い、経費管理も通常の経費管理とは異なるため、購入するものが固定資産なのかどうかを税理士等に相談するようにしましょう。
固定資産の取得は、会社や店舗の立ち上げ時に取得されることが多く、管理に関しては難しいものではありません。
また、仕訳に対しての記帳を自分でやるのではなく、外に依頼をしているのであれば、固定資産台帳を、作成してくれるため、会社や店舗側の対応としては、「固定資産の購入・売却の連絡」「請求書や領収書等の証憑書類提出」のみとなります。
まとめ
決算書を作成するにあたって、やるべきことがしっかりとお分かりいただけましたでしょうか?
経営状態の把握、会社やお店の将来の為にも、決算書の存在が大切だという事が分かります。
経営状態があまり良くなくても、決算書を作成することで見えてくる問題点もあるかもしれません。
面倒なことでも、やるだけ意味があるという事を覚えておきましょう。
資金調達マニュアルについてもっと見る(一覧ページへ)>
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://inqup.com/