創業前に知っておこう!消耗品費と雑費の違いとは

創業前に知っておこう!消耗品費と雑費の違いとは 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
消耗品費と雑費の違いを理解しておきましょう

決算処理であたふたしないためにも知っておきましょう!

費用が発生したとき、これは消耗品費なのか?それとも雑費なのか?どちらで計上すべきか仕訳に迷う方もいらっしゃるでしょう。

消耗品費は金額は少額ですが、発生時に適切な経理処理をしていないと決算業務に大きな負担がかかります。

今回は、消耗品費と雑費の違いを明確にして、いざ起業して経費処理をするときに適切な仕訳ができるようにしておきましょう。

 1.消耗品費とは

消耗品費とは、

● 使用可能期間が1年未満のもの

● 取得価額が10万円未満のもの

上記のいずれかに該当するものを購入する際の費用を言います。

消耗品に該当する具体的な物品を挙げると、次のとおりです。

ここで注意が必要なのが、取得価額は取得した物品の単位ごとに判定されるということです。

例えば、パソコンの場合、モニターやキーボード、マウスなどがセットで取引されます。

個々の金額が10万円以下だったとしても、まとめて10万円を超えた場合には消耗品としてでなく、資産として計上しなければなりません。テーブルと椅子で1組である応接セットなども同様です。これを少額減価償却資産と言います。

少額減価償却資産は、事業年度において損金算入の経理処理をした場合のみ有効です。一度減価償却資産として計上すると、翌事業年度に損金処理を行おうとしても認められませんので注意してください。

ただし、青色申告者である中小企業者に限り例外があり、少額減価償却資産の特例が使用できます。

この特例を適用すると、取得金額が30万円未満の減価償却資産についても、合計額300万円を限度としてその取得金額の全額を一括して消耗品として損金処理することが可能になります。

また確定申告の際には、少額減価償却資産の取得価額に関する明細書の添付が必要です。

 2.雑費とは

雑費とは、他のどの科目にも該当しない費用や科目はわかるが少額なもの、使用頻度が少なく一時的に発生した費用などのことを言います。

例えば、各種証明書の発行手数料や引っ越し費用、贈答用の花などが挙げられます。 

雑費は、内訳が記入されず、費用の使い道があやふやな勘定科目です。

何にでも使える便利な科目ですが、基本的には消耗品費など他の科目に振り分けられる費用がほとんどです。どの科目に振り分けていいかわからないからと何でも雑費にしてしまうのではなく、雑費として計上するのは、どうしても他の科目に当てはまらない費用だけにしましょう。

3.雑費とする場合の注意点

雑費が多くなると、次のようなデメリットが出てきます。

● 支出の増減が把握しづらくなる

● 雑費が多額になると、税務署の調査が入る可能性がある

何でも雑費に入れてしまうと、その支出の内容が見えなくなってしまいます。経費削減しようと考えても何を削れば良いのか判断ができず、適切な経営分析や経営判断の妨げとなるでしょう。

また、雑費が高額になると、不正に経費計上しているのではないかと税務署から目をつけられ、税務調査に入られる可能性もあります。

使用目的が明確でない雑費は、できるだけ減らしましょう。目安としては、経費の5%~10%以内に抑えるのが望ましいです。

既存の科目に当てはまらない場合でも、取引が頻繁にあり費用が多額になるであろう項目については、新たに勘定科目を作成し管理するのもひとつの手です。

4.消耗品費は決算時に振替が必要

購入した消耗品の仕訳方法は2通りあります。

● 購入価格を費用である消耗品費として処理

● 購入価格を資産である消耗品として処理

どちらの方法で処理をしても構いませんが、決算時には使用した分は「費用」として、未使用分があったら「資産」として計上しなければなりません。

(1)購入時に「費用」として計上する場合

購入した消耗品の購入価格を「費用」として計上するのであれば「消耗品費」勘定を使用します。

仕訳は、借方に消耗品費、ここでは現金で支払ったと仮定して、貸方を現金とします。

決算時、使いきれず残ったものがある場合には、使用しなかった分について「消耗品」勘定に振り替え資産として処理する必要があります。この場合の仕訳は、借方が消耗品、貸方が消耗品費となります。

 

(2)購入時に「資産」として計上する場合

購入したときに「資産」として処理をするには、借方を消耗品、上記の場合と同様に消耗品を現金で購入したとして、貸方に現金と仕訳をします。

決算時には使用した分の消耗品を資産である「消耗品」勘定から「消耗品費」勘定に振り替えて、費用として処理を行います。

ただし、各事業年度において一定数量を取得して、かつ経常的に消費する消耗品に限っては、その事業年度の費用として購入価格の全額を損金として計上して良いと税法上、認められています。期末に資産として振り替えする必要がないということです。 

5.まとめ

今回は、消耗品費と雑費の違いについてまとめました。

全体の費用から見たら消耗品費は少額ですが、日常的に使うことが多い科目です。

適切な経営分析をするためにも特徴をしっかりと押さえ、正しく処理を行うようにしていきましょう。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。