確定申告時の「医療費控除」書き方から手続きまで徹底解説!

確定申告時の「医療費控除」書き方から手続きまで徹底解説! 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
確定申告の医療費控除
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医療費控除っていったいどうすれば申請できる?必要書類は……?

予期せぬ病気やケガなどが原因で、年間の医療費が予想よりも高くかかってしまったという方もいるのではないでしょうか。

「予想以上の出費で家計に重い負担がかかってしまった…」という声も少なくありません。

そんな方におすすめなのが確定申告時の医療費控除制度を使用することによる節税策です。確定申告で適切な手続きを踏むことで、所得税の節約に繋がります。

今回は確定申告における医療費控除について説明していきます。

令和元年(2019年)分の確定申告(締切:2020年4月16日)をまだ終えてないという方はぜひ参考になさってください。

1.医療費控除とは?

そもそも医療費控除とは1年間に支払った医療費が合計で一定の額を超過した際に、決められた計算方法に基づいて算出された金額だけ所得控除を受けられる制度のことを指します。

所得控除とは税金の金額を計算する際に元となる「課税所得」から除外することを認めることをいいます。

つまり、確定申告時に医療費控除を申請すれば、支払った医療費によって課税所得が減少し、結果として節税になります。

会社員など給与所得で生計を立てている場合は、給与をもらう時点では税金が差し引かれているので、支払い済みの税金のなかから還付金として税金が返金されます。自営業などであれば、確定申告時に国へ納める税金が減額されることになります。

詳しい計算方法はこの後説明していきますが、医療費控除額は、支払った医療費の合計金額から【「保険金などで補てんした金額」+「10万円」】を差し引いた金額です。

つまり、医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超えたときにはじめて使える制度です。また、医療費は確定申告をする本人だけでなく、生計を一にしている家族分も含めることができますので、まずは、生計をともにしている家族全体の医療費が10万円を超えているか確認しましょう。

※但し、総所得200万円未満の場合、差し引かれるのは10万円ではなく、総所得の5%になります。

2.医療費控除ではいくらの金額が戻ってくるのか?還付金の計算方法

①医療費控除額を算出する

医療費控除の金額を計算する際には、まずその年の1月1日から12月31日までの1年間にかかった医療費の合計を算出します。

そこから、生命保険や損害保険、出産育児一時金などで補填した金額を差し引くことで、実際に支払った金額を算出します。

さらにそこから10万円(もしくは総所得200万円未満の場合は総所得の5%)を差し引きます。

以上をまとめると、医療費控除額の計算式は下記の通りです。

【医療費控除額の計算式 ※その年の総所得金額等が200万円以上の方】

1年間に支払った医療費 - 保険などで補填した金額 - 10万円=医療費控除額

 

 

②所得税率を確認する

医療費控除額の次は、所得税率を確認します。

所得税率は、課税所得額に応じて定められていますので、まずは下記の式から課税所得額を計算しましょう。

【課税所得額の計算式】

年間の総所得(年間の収入合計額-給与所得控除)-各種所得控除=課税所得額


課税所得とは、年間の総所得から各種所得控除を引いた金額を指します。

サラリーマンなど給与を得ている場合、総所得は年間の収入合計額から給与所得控除額を引いた金額が課税所得です。給与所得控除額は、収入に応じてあらかじめ決められています。

給与を得ている方であれば、自分で計算する必要はありません。毎年会社からもらえる「源泉徴収票」に記載があるからです。源泉徴収票内の「給与所得控除後の金額」が年間の総所得、「所得控除の額の合計額」が各種所得控除額にあたりますので、そこから課税所得額を算出しましょう。

この課税所得が分かれば、それに対応する所得税率も分かります。下記は国税庁が発表している、所得税率の速算表です。所得金額に応じた所得税率を確認してください。

【所得税の速算表(平成27年分以降)

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円を超え 330万円以下

10%

97,500円

330万円を超え 695万円以下

20%

427,500円

695万円を超え 900万円以下

23%

636,000円

900万円を超え 1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円を超え4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

【出典:No.2260 所得税の税率(国税庁)

③算出した「医療費控除額」と「所得税率」を掛け算する

医療費控除額と所得税率が確認出来たら、この2つを掛け算します。その結果が、医療費控除後に戻ってくる金額(還付金)の目安となります。

【手元に戻ってくる還付金(目安)の計算式】

医療費控除額×所得税率=医療費控除で戻ってくる還付金の金額

 

3.必要書類は4種類。保管も重要

確定申告時に医療費控除を適用するために必要な書類は以下の4種類です。

  • 1.医療費控除の明細書
  • 2.医療費通知 (平成29年分から)
  • 3.確定申告書Aもしくは確定申告書B
  • 4.源泉徴収票(※サラリーマンなど給与所得をもらっている方が申告する場合)
  • 1.医療費控除の明細書
    医療費控除の明細書の書式は、最寄りの税務署もしくは下記のリンクから入手できます。

医療費控除の明細書

  • 2.医療通知書 (平成29年分から)
    医療通知書は、加入している健康保険組合から送られてくる、医療費などが記載された書類です。医療費控除の申請のためには、下記の項目記載が必須です。
  • 健康保険の加入者などの氏名
  • 療養を受けた年月
  • 療養を受けた人の名前
  • 療養を受けた場所(病院、診療所、薬局など)の名前
  • 健康保険加入者が支払った医療費の額
  • 健康保険組合等の名称

なお平成31年度分までは、従来の領収書の内容を医療費控除の明細書に転記する方法でも問題ありません。

後日、明細の確認が求められることがあるので、いずれの場合も、医療費の領収書は5年間の保管する必要があります。

申告が済んでも、医療費の領収書は破棄せずにきちんと保管しておきましょう。

  • 3.確定申告書Aもしくは確定申告書B

確定申告書の書式にはAとBの2種類あります。

・確定申告書A:申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得・配当所得・一時所得のみの、予定納税額のない人が利用する。基本的に会社員はこちらを利用。

・確定申告書B:誰でも使用可能。自営業の方はこちらを利用。

確定申告書の書式は最寄りの税務署もしくは下記のサイトから入手可能です。

確定申告書A

確定申告書B

4.源泉徴収票(※サラリーマンなど給与所得をもらっている方が申告する場合)

2019年4月1日以降の確定申告からは、源泉徴収票の添付の必要がなくなりましたが、会場に直接行ってその場で確定申告書を作成する場合は、源泉徴収票を持参しましょう。

4.医療費控除の申請書類の書き方



①医療費控除の明細書

まず、自分が1年間に支払った医療費の明細を書きましょう。あわせて、医療を受けた人の氏名と病院の名称、医療費のカテゴリー、支払金額を記入します。

また、医療費のうち生命保険や社会保険などで医療費の一部を補填した場合は、その金額を記載しなければならない点に注意しましょう。

そして、支払った医療費の合計と保険で補填した金額の合計をそれぞれ記載します。

次に、控除額の計算を記載します。

支払った医療費と保険で補填した金額の合計をそれぞれ記載し、その下にその2つの差を記載します。そして、源泉徴収票に記載された給与所得控除後の金額が記載されているので、その金額を写します。

次に、その金額に5%を掛けた値と10万円を比べて、どちらか低い方の金額を記入します。

最後に、その数字を医療費と補填費の差から差し引いた金額を記入すれば完了です。

②確定申告書A

会社員は確定申告書Aを、自営業の方は確定申告書Bを準備しましょう。

書式AとBで基本的な書き方は変わりませんので、下記では確定申告書Aの場合に絞って説明します。

医療費控除の明細書で求めた医療費控除の金額を「医療費控除」の欄にそのまま記入します。

社会保険料控除や生命保険控除、扶養控除などがある場合は、それらも金額を記載します。

最後に、それらの控除額をすべて合計して、最終的に所得から控除される金額を記載して完了です。

確定申告書の第二表に医療費と補填費の合計を記入するのを忘れないようにしましょう。

5.申告の期限はいつまで?

令和元年(2019年)分の確定申告の期限は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4月16日までに延長されていました。

しかし、4月6日に国税庁は期限内に申告・納税することが困難な方については、期限を区切らずに4月17日以降であっても確定申告書を受けつけると発表しました。4月17日以降以降に確定申告書を提出する方は、申告書に新型コロナウイルスによる申告・納付期限の延長を申請する旨の記載が必要ですので、詳しい記載方法については、国税庁のホームページでご確認ください。

申告・納付期限の個別延長手続きについて|国税庁

延長の詳細に関しては、下記記事で説明しておりますのでご一読ください。

令和元年分の確定申告期間が4/16までに延長決定!新型コロナウイルス拡大の影響で

医療費控除では、還付金として受け取る申告であれば医療費を支払った年の翌年の1月1日から5年以内まで申告することができます。

また、過去にかかった医療費に対して医療費控除を申告していなかったのであれば、過去5年以内にかかった医療費の申告が可能です。

ただし、医療費を支払ってから何年も経つと申告を忘れてしまったりして、還付金を受け取れなくなることもあります。

そのため、医療費控除の手続きはその翌年からできるだけ早めに終えるようにしましょう。

「まだ確定申告を終えておらず、焦っている!」という方には、フリーランスの確定申告に便利なクラウドサービスもおすすめです。下記既存記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

フリーランスが確定申告に便利なクラウドソフトをレビュー!【画像付】

.セルフメディケーション税制を使う場合、医療費控除できない点に注意!

平成29年(2017年)から、医療費控除の特例制度として「セルフメディケーション税制」が開始されています。「セルフメディケーション税制」は、1年間で一定金額以上の医薬品(スイッチOTC医薬品)を購入した場合、所得控除が適用されるという制度です。

※スイッチOTC医薬品とは:薬局のカウンター越しで販売者から助言を受けた上で、医師の処方箋無しでも購入できる医薬品。

健康維持のために自身で医薬品を購入したり、健康診断等の検査や予防接種等を受けたりといったセルフケアを推奨することを目的に作られました。

セルフメディケーション税制では、平成29年(2017年)1月1日から令和3年(2021年)12月31日までの期間にスイッチOTC医薬品を購入し、その年の合計額が1万2,000円を超えるとき、限度額8万8,000円までを所得控除することができます。

但し、このセルフメディケーション税制を使う場合は、通常の医療費控除は申請できない点にご注意ください。

しかし、医療費は1年間にどのくらいかかるか予測できませんので、どちらの制度を使うことになっても良いよう、普段から下記の習慣をつけておくのがおすすめです。

  • 病院等医療機関を受診した際や市販薬購入時の領収証を必ず保管しておく
  • 健康診断や予防接種を受けた際の証明書を必ず保管しておく
  • 市販薬購入時はできるだけ「スイッチOTC医薬品」を選んで買う

なお、日本一般用医薬品連合会の下記Webサイトでは、医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらがお得になるか計算できる、シミュレーションの仕組みも用意されていますので、ぜひ参考にしてみてください。

知ってトクする セルフメディケーション税制(日本一般用医薬品連合会)

7.まとめ

医療費控除を活用すれば、多額の医療費が発生した際に支払うべき税金を減額することができます。

そのため、ある程度家計への負担を軽減することができるのではないでしょうか。病院に行った際にはかならず領収書を保管しておく癖をつけておくのがおすすめです。

ご説明してきた通り、医療費控除を申告するためには適切な必要書類を用意し、手続きを行う必要がありますので、もしもの時に慌てることがないよう、上記の内容を参考に進め方を把握しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。