ベンチャー企業におすすめする7つの資金調達方法

ベンチャー企業におすすめする7つの資金調達方法 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
ベンチャー企業におすすめの資金調達方法

ベンチャー企業を運営する資金を調達したい!でもどうやって?

企業を起業して、事業を運営するに辺り、資金調達は必須の課題です。
特に新しい事業やサービス展開を積極的に行うベンチャー企業は、計画的に資金調達できるかどうかが、今後の事業拡大のために非常に重要になってきます。
これなら確実に資金調達できる!と断言できる方法がないからこそ、資金調達方法ごとの特徴を知って、自分のビジネスプランに合った方法を選びたいところです。

そこで今回はそもそもベンチャー企業とは何なのか、ベンチャー企業に適した資金調達方法にはどのようなものがあるのか、その特徴をお伝えします。

1.ベンチャー企業の定義とは

そもそも、どのような企業を「ベンチャー企業」と呼ぶのかご存知でしょうか?

経済産業省が平成26年に発表しているベンチャー有識者会議のとりまとめには、次のような記載があります。

「ベンチャーとは、新しく事業を興す「起業」に加えて、既存の企業であっても新たな事業へ果敢に挑戦することを包含する概念である。

ベンチャーは、産業における新成長分野を切り拓く存在であり、雇用とイノベーションを社会にもたらす、経済活力のエンジンである。ベンチャーから次の世代の主要企業が生まれ、新たな経済成長を牽引することが期待されている。」

【引用:ベンチャー有識者会議とりまとめ II.ベンチャーの必要性

 しかし、実際のところ「ベンチャー企業」という言葉に明確な定義はなく、曖昧なままであるというのが現状です。

そのため、一般的には

  • 設立から5年以内の新興企業
  • 新しい事業、サービスを展開している
  • 成長志向が強い

といった特徴がある企業をベンチャー企業と呼ぶ向きがあります。

2.資金調達方法はどう選んだらいい?

企業の成長段階によって、適した資金調達方法は異なります。

ベンチャー企業は小回りが利く、スピード感がある…と言われるように、柔軟性と対応の素早さが非常に重要です。

また「ベンチャー企業の定義とは」でお伝えしたとおり、ベンチャー企業は新しい事業やサービスを展開している関係から、特に成長途上では、売上げの安定よりも先行投資を行いながら事業を運営します。

そのため一般に、銀行からの融資は安定企業と比べると受けにくくなってしまいます。

しかし、日本政策金融公庫などの公的融資であれば、創業支援も積極的に行っているので、これからベンチャー企業を創業し、事業を行っていこうと考えている場合には、資金調達方法として最も現実的です。

さらに、ベンチャーキャピタルや投資家などからの出資であれば、企業や事業の成長性などが重要視されるため、ベンチャー企業にとって相性の良い資金調達方法と言えるでしょう。

もちろんそのほかの方法も含めて、ベンチャー企業に適した資金調達方法には何があるのか、また方法ごとのメリットとデメリットは何かを理解して、自らの企業の状態、成長段階に合った資金調達方法を選ぶことが大切です。

3.ベンチャー企業に向いている7つの資金調達方法

では、ベンチャー企業は具体的にどんな資金調達方法を選べばよいのでしょうか?メリットとデメリットを表にまとめました。

また表の中で、当サイトにある詳細な解説記事をリンクしているのでご活用ください。 

資金調達方法 メリット・デメリット
日本政策金融公庫

【メリット】

・起業する前でも申し込める
・申込から融資まで1ヶ月から1ヶ月半
・他の金融機関に比べ低金利

【デメリット】

・返済義務がある
・自己資金が必要
・綿密なビジネスプランが必要

制度融資

【メリット】

・信用保証協会の保証が受けられるため、担保・保証人が必要ない
・低金利、自治体からの利子補給がある

【デメリット】

・融資を受けるまで2~3ヶ月かかる
・返済ができなくなっても、信用保証協会に対しては最後まで支払いを続ける必要がある

ベンチャーキャピタル(VC)

【メリット】

・返済義務がない
・コンサルティングなど支援が受けられる
・企業であるため、多めの融資が見込める場合もある

【デメリット】

・上場、高度成長が見込まれなければ出資されない
・出資比率次第で経営権を握られる可能性がある

エンジェル投資家

【メリット】

・返済義務がない
・コンサルティングなど支援が受けられる
・投資家と相性が良ければ、期待以上の支援が得られる

【デメリット】

・投資家との相性が悪いと経営が上手く行かなくなる
・出資比率次第で経営に強く関わられる

クラウドファンディング

【メリット】

・多くの人々に向けて、企業やプロダクトの宣伝にもなる
・SNSなどの活用により、人脈を築く機会になる

【デメリット】

・多くの人々に理解しやすい宣伝をしないと賛同が集まらない
・1人当たりの投資が少額になりがち

助成金・補助金

【メリット】

・返済義務がない
・経営権、株式を他者に握られない

【デメリット】

・公募期間が決まっている
・申込から受給まで1年以上と期間が長い

ファクタリング

【メリット】

・素早く資金調達が可能
・保証人・担保が不要

【デメリット】

・売掛先に信用がない場合は利用できない
・手数料が15~20%以上と非常に高額

 (1)融資

融資とは、銀行や信用金庫などの金融機関から資金を借りる方法です。

「公的融資」と「民間融資」の2つに分けられます。

公的融資に比べ民間融資のほうが融資審査の基準などが厳しい傾向にあり、特に創業時は融資が難しいとされています。

ベンチャー企業に関して言えば実績が無いまたは浅く、金融機関から直接融資を受ける「プロパー融資」は受けられないことも珍しくありません。

 また融資には返済義務がありますし、その返済額には金利がプラスされます。返済期間にもよりますが、月々の返済額が高くなり、出費が嵩むかも知れません。

そうなると、融資金の返済のために経営を圧迫する恐れがありますので、借入額と返済期間の設定は十分に考えてから決めましょう。

 日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政府系金融機関です。

中小企業や個人事業主を支えることを目的とした金融機関であるため、

「事業の計画性」

「過去の経験」

「自己資金」

などの土台がきちんとしていれば、民間の金融機関から融資が難しいと言われる創業支援も積極的に行ってくれます。

例えば、日本政策金融公庫には「新創業融資制度」という、これから起業する方や事業を開始して間もない経営者向けの融資制度では、融資額は最大3000万円、無担保・無保証で受けることができます。
ただし、実際の融資実行額の平均は700万円程度です。

融資の申込みをしてから実際に着金されるまで、1ヶ月~1ヶ月半ほどで、この後に説明する「制度融資」と比べてスピード感があります。また、すでに一度公庫から融資を受けている場合には、2週間ほどで融資実行されるケースもあります。

しかし、上述したようにある程度自己資金がないと融資は受けられません。日本政策金融公庫の新創業融資制度の概要によると、自己資金要件としては創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金がある方、との記載があります。融資を受けるためには最低でも100万円を目安に貯蓄しておきましょう。

また、日本政策金融公庫からの融資を受けたい時には、国に認定されたサポート機関である認定支援機関を経由することで

・融資がスムーズに進む

・融資の成功確率が上がる

という大きなメリットがあります。

当サイトを運営している株式会社SoLaboは、認定支援機関として経営者の方の融資サポートを行っております。

相談は無料です。融資を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。 ソラボに無料で相談する

制度融資

制度融資とは、中小企業や個人事業に向けて、主に地方自治体が信用保証協会、金融機関と連携して提供している制度です。

会社を起業、運営していく自治体の制度融資を受けることになります。

例えば千代田区で事業を行う場合に受けられる制度融資は千代田区のもののみで、渋谷区など別の自治体の制度融資を受けることはできません。

制度融資のメリットとしては、信用保証協会の保証が受けられるため、担保や保証人が必要ないことが挙げられます。

また低金利であることに加え、自治体からの利子補給があるため、実質金利は低く抑えられます。

デメリットとしては、事業がうまくいかずに返済ができなくなったとしても、信用保証協会に対しては最後まで支払いを続ける必要がある、という点が大きいでしょう。

また融資を受けるまでの期間もやや長く、地方自治体の審査、金融機関の審査、信用保証協会の審査を受ける必要があるので2ヶ月~3ヶ月ほどかかります

自分が利用できる制度はどのようなものがあるのかわからない場合には、自治体のホームページで調べたり、直接問い合わせたりしてみると良いでしょう。 

(2)出資

出資の場合、基本的に返済の必要が無いのが大きなメリットです。

出資者は株式の値上がりによるリターンを目的としており、事業が上手くいくよう経営のサポートをしてくれることもあります。

一方、自社株を購入してもらって出資を受ける形になるので、出資者も経営に参加することになります。そのため、出資者が一定の議決権を得ることになることには留意しましょう。

株式の配分をきっちりコントロールしておかなければ、経営の主導権を失いかねません。 

ベンチャーキャピタル(VC)

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業への投資を専門とした投資ファンドです。

高度な成長が見込まれる未上場企業に対し、出資を行います。そして出資した企業が株式を公開すると、株の売却や譲渡によって利益を得ます。

そのため、上場や高度な成長が見込まれなければ、出資を受けられないかも知れません。

ベンチャーキャピタルから出資を受ける場合、銀行などの金融機関から融資を受けるときと同様、事業計画書などの書類が必要で、企業のビジネスモデルが重要視される傾向があります。

また、株式の保有比率によっては経営権を多く握られるリスクもあります。

しかし、出資した企業の成長によってベンチャーキャピタルも利益を得るので、一度出資した企業に対しては経営の助言や事業提携先の紹介、コンサルティングなど、大きな利益をもたらしてくれるでしょう。

実際にベンチャーキャピタルから出資を受けるための流れについては、こちらの記事をご参照ください。

ベンチャーキャピタルから出資を受けて資金調達!その流れとは?

 エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、事業を支援してくれる個人投資家です。

ベンチャーキャピタルは投資ファンドですが、エンジェル投資家は投資家本人の自己資金から投資します。

元起業家元実業家元経営者などであることが多く、自らが持つ人脈を活用したり、経営のノウハウを提供するなどして協力してくれることが多々あります。

またベンチャーキャピタルが企業であるのに対し、エンジェル投資家は個人です。そのため、アイデアなどを個人的に気に入ってもらえた結果、思わぬ額の出資を受けられたり、想像以上のサポートをしてもらえることもあります。

しかしやはり株式の保有比率によっては経営権を多く握られることもあり、特に経営者と投資家の相性が悪いと経営そのものが上手く行かなくなるリスクもあります。

あなたの事業に賛同してくれるエンジェル投資家を探すために、マッチングサイトや交流会などに参加してみるのもひとつの方法です。

エンジェル投資家はどうやって探すの?

 (3)その他の資金調達方法

資金調達には他の方法もあります。

代表的な3つの方法として、近年活用が進んでいる「クラウドファンディング」と公的機関から資金を得る「助成金・補助金」、売掛債権を現金化する「ファクタリング」についてお伝えします。

 クラウドファンディング

クラウドファンディングは、近年注目度が上がっている資金調達法です。

SNSやウェブサイトを通じて事業内容を公にし、賛同してくれた人々から資金を集めます。

いわゆる一般の人々から資金を募るため、多くの人々に賛同されるビジネスプランや商品かどうかが重要になります。

また1人1人は少額の投資であることが多いため、思ったように資金が集まらないこともあります。

一方でSNSの積極的な活用、宣伝により、多くの人に企業の名前を覚えてもらう有効な機会になります。更にエンジェル投資家と出会う機会ともなり得ます。

クラウドファンディングで資金調達をする流れとは?

 助成金・補助金

助成金・補助金は、国または自治体からの資金です。

助成金は主に厚生労働省、補助金は主に経済産業省の管掌になっています。

助成金や補助金は返済の必要がないため、ベンチャー企業にとって使いやすい制度に思えますが、公募期間が決まっていたり、書類の用意にも手間が掛かったりするほか、実際の受給まで長くて一年半ほどかかります

さらに受給要件を満たすために支払った金額に対していくら支給、といったように助成金や補助金は基本的には後払いで支給されます。

そのため、起業のためにすぐ何かを購入・導入するための手元資金がほしい方には向いていません。

とはいえ、要件を満たしているのに、申請をしなかった為に助成金を受けられないというのは非常にもったいないことです。

申請するためにはどのような手続きが必要なのかなど、ぜひ専門家に相談してみましょう。 助成金診断

※診断フォームに必要項目を入力いただくと、提携先である東証マザーズ上場企業である株式会社ライトアップの助成金専門コンサルタントからお電話をさせていただきます。

 ファクタリング

ファクタリングとは、売掛金や債権の売却を行い、対価として資金を得る方法ですので、他者へ何かを売却した証拠書類(債権譲渡登記)等がないと利用することができません。

素早く資金調達ができること、保証人や担保が不要ということがメリットとして挙げられますが、売掛先の信用がない場合、ファクタリングを申し込んでも審査に通らない可能性が高いです。

また、ファクタリング会社へ支払う手数料が15%~20%以上と非常に高く、結局資金が足りずに追加で資金調達をしなければならない、といった事態にも陥りやすいため、注意が必要です。

どうしてもファクタリングを利用しなければならない場合には、信頼できる会社に依頼するようにしましょう。

OLTA ファクタリング

 4.資金調達をする際の注意点

資金調達自体はベンチャー企業にとって必須とも言える要素です。

特に創業したばかりの頃は、展開するプロダクトやサービス、またその規模に対して資金が足りなくなることも少なくありません。

そうなると、やはり先行投資や事業展開に利用できる資金をまとめて調達したいと思うのは自然なことです。

しかし気をつけなければならないのが、急激な成長による環境の変化です。

ベンチャー企業は柔軟性が高く、対応や意思決定が素早いのが大きな特徴です。

資金調達によって急激に企業が成長した時、人材が増えることによって意思決定が遅くなったり、選択肢が増えたばかりにやりたいことがばらばらになってしまい、経営そのものが上手くいかなくなったりする懸念もありますので、資金調達ができたからといって安易には使わないようにしましょう。

自分たちで売り上げたのではない資金を得てしまうと追加投資などをしたくなるかも知れませんが、本当に必要な投資なのかはよく検討してから資金を使いたいところです。

しかしこれらの懸念をもって「資金調達をしない」という決定になってしまうのはもったいないことですし、経営の幅を狭めてしまいます。

それでも資金調達のデメリットを考えずに行ってしまうのか、メリットとデメリットをきちんと把握した上で資金調達を行うのかで、経営への意識は変わってくるでしょう。

まとめ

無暗に資金を調達しようとするのではなく、企業の規模、成長速度などに適した調達方法を常に考えることが重要です。

創業しようとする時やまた創業間もない場合は、実績のない状態ですので、投資家やベンチャーキャピタルから出資を受けたり、銀行からのプロパー融資を受けようとしても難しいことが多いです。

そのため、日本政策金融公庫や自治体の制度融資などを利用して、公的融資で資金を調達するのがおすすめです。

公的融資を受けて事業が安定してきたら、経営が上手く行っている、事業計画に基づいて運営できているなど実績ができます。

すると今度は銀行からのプロパー融資が受けられたり、このプロダクトやサービスであれば出資しよう、と考えてくれる投資家や投資企業からの出資も望めます。

 また出資に伴いしばしば受けられるコンサルティングについても、創業当初からコンサルティングに入ってもらうよりも、企業運営が軌道に乗ってから入ってもらったほうが経営の主導権を保ちやすいでしょう。

その意味でも、出資を受けるのは経営が安定しはじめてからの方がおすすめです。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。