日本政策金融公庫で、創業してすぐ融資を受けることのススメ

日本政策金融公庫で、起業してすぐ融資を受けることのススメ 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
日本政策金融公庫 創業 融資

会社を起業したらすぐに日本政策金融公庫から資金調達をしよう

事業主の方の中には「借金は絶対にしない」と頑なに融資を拒む方も中にはいらっしゃいます。

確かに、個人の場合はクレジットカードの残債だらけだと信用度が低くなり、新たなお金を借りる事もできなくなるでしょう。

 

しかし、個人と事業主では借金の意味合いが異なります。事業主の場合、むしろ融資という借金を背負うことで将来的に事業が安定する可能性があるのです。今回の記事では、なぜ事業主が融資を受けるべきなのか、それも起業後すぐがベストタイミングなのかを解説します。

 

1.【理由その1】起業時にしか使えない貸付制度があるから

日本政策金融公庫は、日本国民みんなのための金融機関です。住宅ローンや教育ローンもありますが、特に事業主向けの貸付金の制度が充実しています。

 

日本政策金融公庫|創業支援

※上記URLをクリックすると、日本政策金融公庫の公式ページにリンクします

 

こちらのページをご覧いただくと、日本政策金融公庫が起業する方のために様々な支援をしてくれるのが分かります。起業して日本を元気にするための公庫ですが、注目すべきは「新創業融資制度」と「中小企業経営力資金」という2つの制度です。

 

この2つの制度は、法人でも個人事業主でも利用できます。

 

①新創業融資制度とは?

事業資金を最高1,500万円(設備資金+運転資金で最高3,000万円)まで2%台という低金利、しかも無担保無保証人で貸してくれる制度です。まるで、住宅ローンのような低金利ですよね。資金調達について調べたことがある方ならご存じですが、銀行のカードローンや消費者金融で借りる場合はどんなに低くても5%前後の金利です。(リボ払いの場合は15%)

 

新創業融資制度でお金を借りた場合の返済期間は、以下のようになっています。

 

・運転資金で最長7年以内

・設備資金は基本10年以内

 

長期間の設定ですので、2~3年以内で返済しなくては!と焦る必要もなく、腰を据えて事業に集中できます。例えば1,500万円を年利2.06%で借りられた場合、毎月返済すべき利子はわずか25,750円となります。順調に事業が成長すれば、ひと月25,750円の利子はほとんど負担にならないのではないでしょうか。

 

新創業融資制度を利用できるのは以下の条件に当てはまる方です。

 

・起業後すぐの事業主か決算2期までの事業主(創業して2年以内)

・「雇用創出等の要件」に当てはまる方(雇用を生む事業でなくてはいけません)

・自己資金が融資額の1/10以上ある方(株や不動産ではNG。通帳コピーを確認します)

 

②中小企業経営力資金とは?

中小企業経営力資金もまた、日本政策金融公庫の創業者に嬉しい貸付金(融資)制度です。

 

新創業融資制度よりも融資の上限額は高く、事業資金を最高7,200万円(設備資金2,400+運転資金4,800万円)まで2%台という低金利、しかも無担保無保証人で貸してくれます。

 

最高7,200万円まで借りられるからといって、誰しもが7,200万円を借りられる訳ではありません。無担保・無保証人で借りる場合は、最大2,000万円までで特別利Sという利率が適用されます。最新の利率は、以下のページの5.中小企業経営力強化資金という見出しから確認できます。

 

日本政策金融公庫|国民生活事業(主要利率一覧表)

※上記URLをクリックすると、日本政策金融公庫の公式ページにリンクします

 

中小企業経営力資金でお金を借りた場合の返済期間は、以下のようになっています。

 

・運転資金で最長7年以内

・設備資金は基本20年以内

 

中小企業経営力資金を利用できるのは以下の条件に当てはまる方です。

・経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方

・自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方

 

何だか難しい言葉がでてきましたね。1つ目の条件は、割とどんな事業でも当てはまります。新規事業だけではなく、市場の創出がクリアできればOKです。どんな商売をしている事業主だって、顧客ニーズを満たし市場を創出するために稼いでいます。

 

2つ目の条件ですが、これは認定支援機関という中小企業庁から認定を受けた街の税理士や弁護士などの専門家を通すこととなっています。大金を貸すので、まずは専門家のフィルターを通してOKが出た人を審査に回して欲しいということでしょうね。認定支援機関は、ネット検索で簡単に探すことができますよ。

 

③両者の違いとは?

新創業融資制度はとにかく、起業すぐか決算2期以内という条件を満たす事業主のみが申込みできる制度です。雇用をする、自己資金があるというその他2つの条件を満たせば、自分自身で電話をして申し込むことも可能です。

 

これに対し、中小企業経営力資金は起業後3年目の事業主でも申し込みはできます。雇用や自己資金に対しての条件はありませんが、認定支援機関を通さないと申し込むことはできません。

 

融資額も高くなっていますが、日本政策金融公庫でお金を借りるのが初めてであれば初回は1,000万円~2,000万円までが上限と考えましょう。

 

2.【理由2】お金を借りられると金融機関からの評価が上がるから

会社が借金をしていると悪いイメージがつく?いいえ、そんなことはありません。ソフトバンク、楽天、ソニー、KDDI、パナソニック。どんな大手企業であろうとも、銀行にお金を借りる⇒有効に使う⇒利益を出す、ということの繰り返しで成長して大企業になっているのです。

 

会社や個人事業主がお金を借りられるということは、一種の試験にパスしたようなものです。「あの事業主の事業はしっかりしている」「その事業主はきちんと利益を出している」というお墨付きを金融機関からもらったのと同じ評価となります。

 

そのため、一度目の融資の審査にパスしてきちんと返済した場合、2度目の審査もよほどのことがない限りはパスすることでしょう。

 

いつでも事業資金が借りられるという状況は、事業を経営する上で大きなメリットとなるのは事業主の方であればお分かりになると思います。逆に、いつお金が借りられるか分からない状態はある意味危険です。事業をしていると、思うようにいかないことも多いのです。

お金が底をつきてから融資に申込みをしたとしても、その時は既に遅いかもしれません。

 

経営状態が悪くなってからの融資はたいてい、審査で落とされるからです。

3.【理由3】お金を貯める時間を削る=ビジネスチャンスを逃がさない!

あなたが今思い描いているビジネスプランですが、1年後に実施するか10年後に実施するかで鮮度は違うものになってしまいます。ビジネスプランのように、思考にも野菜のように鮮度はあるのです。

 

例えば、あなたがゲームの開発をしたいと仮定しましょう。「リモコンがワイヤレスで複数人でオンラインでできるゲームを開発したい!」と意気込んだとしても、そのゲームは既に10年前に任天堂が発売しています。

 

ビジネスは顧客のニーズを満たすこと、そして見えない競合と戦い利益を出すことです。顧客のニーズも競合も、日々変化していきます。

 

時間をかけて温めたビジネスプランを、無借金で経営したいからとコツコツお金を貯めている間に、市場のニーズや社会は変わっていく可能性は大です。お金は練られたビジネスプランで借りられる時に借りて、健全経営で走りながら返していく。

 

これが、ビジネスチャンスを逃がさないコツです。

 

まとめ

起業時から起業2年以内は一番事業主がお金を借りやすいベストタイミングです。このタイミングでお金を借りるのか借りないのかは、事業主の手腕にかかっています。あとから後悔をしないよう、「借金=悪いもの」という既成概念を少し違う角度で見てみることも、事業主には必要です。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。