交通量調査を別紙にまとめて提出すると融資が受かりやすい?

交通量調査を別紙にまとめて提出すると融資が受かりやすい? 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
通行量調査 融資

融資を受ける際には創業計画書や損益計算書などと一緒に添付資料を提出できます。

多くの方はマニュアル通りの書類を提出しますが、起業への熱意を伝えるために「交通量調査」の資料を添付することで融資に成功した事例があります。

今回の記事では、なぜ交通量調査が融資の成功に関係するのか、そして資料のまとめ方についてお話します。

 1. 交通量調査には交通量と通行量の2種がある

歩道やターミナル駅の乗り換えホームなどで椅子に座り、手元にカウンターを持ち「カチカチカチカチ」とカウントしている方を見かけたことはありますか?あれは、まさに交通量調査のお仕事をされている最中の現場です。

 交通量調査は、人通りの多い駅や交通的な問題(渋滞など)があるエリアを対象に何年かに一度、日本政府または民間により定期的に行われている調査です。

 交通量調査はカウンターと言われるストップウォッチのようなボタンと数字が連なる表示画面のある機器で計測します。車の通行は交通量調査で、通行人を対象にした調査は通行量調査と言います。

 あなたが道路に面した飲食店や美容室などの店を開業する場合、融資の際の資料に付けると良い資料は通行量調査の方です。一体なぜでしょうか?

 2.通行量調査と融資~実は密接な関係がある

店舗を作り開業する場合、店の売上と集客は密接な関係があります。そして、集客と商圏人口、そして店舗前通行量もまた密接な関係があります。

【商圏人口とは】

店舗に集客できる人口がどれくらいあるかを示す数値です。商圏人口は地域や業態(コンビニ、スーパーなど)や来店手段(徒歩、自転車など)により異なります。商圏人口は有料サイトや無料アプリで調べることができます。

 どんなに良い店で良いサービスを提供したとしても、そもそもあまり店の前に人が通らない場所での出店であれば営業は苦戦するでしょう。人を呼び込むために多額の広告宣伝費を投入しなくてはいけません。店舗系ビジネスをされる方が通行量調査を融資の際に提出すると、以下のメリットがあります。

【店舗系ビジネスで通行量調査をするメリット】

・なぜその場所を選らんだかの裏付けになる
・集客できるイメージがわくので、売上のイメージができる
・経営者のやる気や、計画性が出せる

 融資をする金融機関としては、貸したお金がきちんと返済されるかを重要視します。通行量調査を元に創業計画書を作成すれば、「事業主は店舗を作る前にきちんと通行量や商圏人口を把握して集客を考えている」と評価される可能性があります。

 3. 融資の添付資料として交通量調査を使うには

①PowerPointを使おう

日本政策金融公庫の場合、創業融資では創業計画書の提出が必須です。日本政策金融公庫のサイトから創業計画書などの提出書類のフォーマットがダウンロードできますが、創業の熱意を伝えるためにはこれだけでは不十分でしょう。

 資金繰り表や損益計算書を添付する方は多いですが、これに加えPowerPointで参考資料として店舗周辺情報を作成しましょう。

 ②交通量調査の資料の作成ポイント

(1)出店エリアの基本データ

店舗前に通行量をいきなり書く前に、まずは出店するエリアがどの県でどの市(区)にあるのかを記載しましょう。

【例】

■出店エリア

所在地 神奈川県平塚市4 ※地図別紙参照

商圏人口 28,000人

最寄り駅 JR平塚駅 徒歩〇分

乗降者数 120,000人/日

近隣施設 平塚市役所、平塚郵便局、平塚市博物館、 平塚市美術館、平塚市図書館、平塚八幡宮

     平塚球場、湘南スタジアム平塚、平塚総合公園、日産車体湘南工場本社、不二家平塚工場、

     横浜ゴム平塚、パイロットコーポレーション平塚工場、ヤオコー、

     大型商業施設(ららぽーと)建設予定、UR賃貸マンション、アパート、戸建て多数

その地に行ったことがなくても、このデータを見るだけでだいたいどのような地域なのか何となくイメージできますよね。会社が多ければその従業員が来店するかも、と想像できます。学校が多ければ業種によっては学生がターゲットになります。

書き方は、例のようにマクロの情報(所在地や商圏人口)を書き、次第にミクロ(近隣施設)へと落とし込んでいきます。 このデータを書くのは難しくはありません。ネット検索で調べられます。

ポイントは、複数のサイトを比べて本当に正しいと思える数値を記入することです。また、近隣施設のところでは大型施設だけでなく住民の住む家屋がどのような形状(マンション、アパートなど)まで記載します。そうすることで、その地域の住民の生活スタイルも予測することができます。

 ③グラフもあると分かりやすい

添付資料は文章だけでなく効果的に画像やグラフを入れるべきです。融資担当者は仕事とは言え、一日に多くの融資資料を確認します。

 画像

 グラフは視覚的にデータを使える重要なツールです。PowerPointの挿入タブから簡単なグラフをすぐに作れます。例えば、上記のグラフは60歳以上と以下で区分けした男女の店舗前交通量の時間帯ごとのグラフです。

 このグラフに付けくわえる言葉として、以下のような文言で記載できます。

調査は平日の営業時間(予定)内に実施。近隣に大型スーパーや八百屋があるため、日中は自転車で食材買い出しに来る女性が比較的目立ち、また、昼休みの営業マンや近隣に勤めているOLサラリーマンがお弁当などを買いに出てきている姿も見受けられた。出店エリア内にランチを出している競合店が少ないので、これらをターゲットにできると考える。

通行量調査は1地点3万円~で通行量調査会社から買うことができます。しかし、開業まで時間があるのであれば自分や従業員などと一緒にリアルにカウントするのがオススメです。

事業主自ら 実際に調査をしている上でのコメントは説得力があります。融資の書類は説得力があるかがカギです。説得力のある書類にするには、データを見せることが一番です。

 まとめ

創業融資で必要な書類には是非、通行量データを元にした添付資料を付けましょう。また、これに加え競合調査の資料もあると理想的です。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。