飲食店の開業に店舗保険の加入は必須?

飲食店の開業に店舗保険の加入は必須? 公開日:2018.04.16起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
飲食店を経営するのであれば店舗保険に加入しましょう

経営者としてリスクに備えましょう

飲食店を経営していると、さまざまなリスクが起こる可能性があります。

例えば、火災や水漏れなどで店舗が破損したり、食中毒が発生して賠償責任を負担することになったり。

もちろん経営者として、このようなリスクに対する対応策はしっかりと準備しておく必要があります。

今回は、もしものことがあったときに補償してくれる飲食店のための保険について、解説していきます。

 

1.飲食店を開業!想定されるリスクは?

では、飲食店を開業して店舗運営をしていると、どのようなリスクが起こりうるのでしょうか?

想定されるリスクは、主に次の5種類に分けられます。

 

2.店舗総合保険とは何か?

前述したリスクが発生してしまった場合、経営者はすべての責任を負わなくてはなりません。

もし火災が起きて自分のお店はもちろん、隣接する店舗にまで被害が及んだ場合、賠償額が高額になることも予想されます。

そこで、万が一被害を受けたときに損害を補償してくれる保険への加入が大切になってくるのです。

各保険会社ごとに名称は異なりますが、「店舗総合保険」というものが飲食店向けの保険としてあります。

複数の保険に入って、それぞれのリスクをカバーする方法もありますが、補償漏れの危険や管理の手間、余計なコストなどがかかります。

店舗総合保険は、店舗運営で想定されるほとんどのリスクをカバーしているのでオススメです。

 

店舗総合保険に加入することで、次のような損害に対する補償してくれます。

 

補償内容は保険会社ごとに異なります。

また、補償の範囲内の場合や特約などのオプションで補償を追加できる場合など、取り扱っている保険会社によって違いがあるため、事業規模や立地条件など事業形態に適したものを選ぶようにしましょう。

 

店舗総合保険を比較するときは、「保険金を受け取れるのは、どのような場合か?」といった保険金の支払い要件を必ず確認しておく必要があります。

せっかく保険料を払っているのに、いざというときに保険金が支払われなければ意味がありませんからね。

保険会社のホームページでチェックしてもよくわからない…という方は、一度保険代理店などで尋ねてみるのも良いかもしれません。

その際、補償内容とあわせて、保険金が支払われる要件も確認するようにしましょう。

 

3.さまざまな特約があります!

オプションで付けられる特約にもさまざまな種類があります。

ここでは、「借家人賠償保険特約」と「施設賠償責任保険特約」について解説します。

(名称は保険会社によって異なる場合があります。)

 

(1)借家人賠償保険特約

店舗の借主が、火災や水漏れなどが原因で破損させてしまい、物件の貸主に対して賠償責任を負担する場合に補償される特約です。

また、自分のお店ではなく、上の階からの水漏れなどで被害があったケースやお店に車が突っ込み破損したケースで、自己費用で修理を行った場合にも補償されます。

 

(2)施設賠償責任保険特約

店舗の安全性や構造に問題があった場合やお客様にケガをさせてしまったり、お客様の所有物を壊してしまったりした場合にも補償されるオプションです。

具体的には、次のような例が挙げられます。

建物の外壁のタイルが崩落し、駐車中の車を傷つけてしまった

店員が飲み物をこぼし、お客様にやけどを負わせてしまった

料理を誤って落としてしまい、お客様の洋服を汚してしまった

 

4.不動産屋から勧められた保険ではダメ?

店舗を借りたときに、テナントを扱っている不動産屋から店舗総合保険を勧められることもあるでしょう。

そのときは、すぐに契約するのではなく、他の保険と比較検討することが大切です。

勧められた保険が、あなたのお店の事業形態にとって最適な補償を満たしているとは限りません。

補償範囲が広くて、保険料を余計に支払う可能性もありますので、まずは現在の事業規模に合ったものに加入し、規模が大きくなったら補償を見直すなど細かく調整していくのが、合理的です。

 

5.店舗総合保険とあわせて加入を検討しましょう!

店舗総合保険だけではカバーしきれないリスクも、もちろんあります。

そのため、店舗総合保険とあわせて、次に紹介する保険についても加入を検討するのも良いでしょう。

 

(1)地震保険

例えば、

● 地震が原因で火災が発生、店舗が焼けてしまった

地震が原因で店舗が倒壊してしまった

地震が原因で津波が発生、店舗が流されてしまった  など

 

地震保険に加入していないと、地震や噴火、これらによる津波が原因で起きた火災や損壊については補償の対象外です。

また、地震保険は単独での加入ができないため、店舗総合保険とあわせて契約します。

保険料について、保険会社によっての違いはなく、都道府県ごとに決められている点も押さえておきましょう。

ちなみに2017年1月1日より、保険金が支払われる区分が4つに分類されています。

 

(2)店舗休業保険

名前の通りですが、店舗を休業することによって売り上げが減ってしまったなどの損害を補償する保険です。

店舗が休業に追い込まれた場合であっても、従業員の雇用を維持するために人件費などは発生しますので、万が一の時の補償があれば安心ですよね。

具体的には、次のような場合に損害が補償されます。

● ダクト内の塵や油に引火。厨房を消失したため、休業

夜間、車両が飛び込み逃走。店舗の入り口が破損したため、休業

隣接店舗の火災により類焼。什器備品などが焼失したため、休業

 

6.保険料は経費として計上できる!

店舗を対象とした保険になりますので、保険料は全額経費として計上することができます。

仮に自宅の一部を改装し店舗とした場合には、店舗部分にかかっている保険料のみ経費として認められますので、家賃などと同様、面積や使用時間をもとに計算しましょう。

 

まとめ

飲食店を経営するとなると、さまざまなリスクを予測し、対策を取っておく必要があります。

保険会社によって補償内容も異なりますので、ご自身の事業形態に合った補償を選択するようにしましょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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