合同会社を設立!どんなメリットがある?

合同会社を設立!どんなメリットがある? 起業のための資金調達 – 起業前に実施しておくべき準備
合同会社 メリット

会社と言えば株式会社のことでしょ!いいえ、そんなことはありません。

そんなイメージを持つ方が会社については大変多いのではないでしょうか。しかし、近頃、株式会社ではなく合同会社を設立する事業主が増えています。

税金面でトクするから?資本金が少なくていいから?合同会社を設立するメリットは一体どこにあるのでしょうか?今回の記事では、合同会社を設立するメリットについてお話していきます。

1. あの大手スーパー「西友」も合同会社です!

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ご存じですか?合同会社が最近増えています。大手スーパー西友は元々セゾン/西武グループの会社でしたが、2009年にアメリカのウォルマート合同会社の子会社となりました。その際に、西友も株式会社ではなく合同会社へと移行したのです。

 他にも、有名なところではAmazonが2016年に合同会社へ移行しています。その背景には、2006年の会社法改正で新たな会社の設立形態として制定されたLLCがあります。LLCはアメリカで普及している会社形態で、日本の合同会社はこのLLCに類似しています。

なんとなく飛行機のLCCと字面が似ていますが、LLC(Limited Liability Company)は航空会社ではなく有限責任会社という意味の言葉です。

 2. 有限責任会社「LLC」を知るための○つのヒント

①株主総会がない

株式会社では株主が資本の多くを出資しています。そのため株式会社では、決算終了ごとに株主総会を行い、事業者が株主に対して今期の事業成績の説明を行います。株主が力を持つ大企業では、多くの決算期である3月前には何とか事業成績(売上)を上げようと事業者は躍起になってセールなどを行います。

 しかし、LLCにはそもそも株主がいないため、株主総会がありません。代わりに、社員総会を行います。株主という強大な権力を意識せずに、会社の意思決定を自由に行えるのがLLCの特徴です。

 ②社員全てが出資者である

株式会社の場合、まずは代表者である事業主がいくらか自己資本(現預金など)を最初に出し、会社の資本金とするケースがほとんどです。そして、事業主が事業に沿って必要な従業員を雇用するのです。このため、従業員の義務はあくまで仕事に特化したものであり、取締役などの役員にならない限りは会社経営について意識することはまずないでしょう。

 しかし、LLCの場合は会社の代表だけでなく全ての社員が資本金を出資します。例えば、従業員100名の企業で一人が10万円の資本金を出す場合は、資本金は1,000万円となります。

 ③責任が有限である

株式会社の場合、その責任は無限責任です。例えば資本金3,000万円のエステの株式会社が倒産したとしましょう。その際、エステ会員が購入したエステの料金は1億円であったとします。その場合、そのエステ会社の出資者(代表、役員など)は1億円までの負債を背負わなくてはいけません。

 しかし、LLCの場合は資本金までの責任である有限責任です。先ほどのエステ会社がLLCであった場合は、エステ会員の支払った1億円分の料金を背負うのではなく、資本金3,000万円までを支払う有限責任となります。

 ④株式会社よりも設立費用が安い

株式会社では登録免許税(15万円)と会社の定款承認(5万円)という費用のかかる手続きを法務局で行わなくてはいけません。しかし。合同会社の場合は6万円の登録免許税のみで設立が可能です。

 ⑤利益配分を株主に相談せずに社員同士で決められる

株主は企業に対して資金を提供する代わりに、事業で利益を得た場合に一定割合の利益を還元されます。例えば、株式会社Aに1億円営業利益が出たとしましょう。そして、株主が株式を購入する際、30%の利益配分をもらえるという規約であったとします。この場合、1億円の30%の利益なので、3,000万円が株主への利益配当となります。

しかしLLCの場合は株主自体がいないため、社員間で営業利益の配分を取り決めます。

 ⑥節税の仕組みは株式会社と同じ

会社設立の費用が株式会社よりも安い合同会社ですが、節税という点では株式会社と同じ税制が適用されます。

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図をみると、個人事業主と法人での税金の計算方法が異なるのがお分かりいただけると思います。 例えば、個人事業主の場合は所得税が課せられますが、法人の場合は法人税として課せられます。個人事業主の所得税の税率は利益が大きくなればなるほど高くなり、年間所得が900万円を越えると税率:33%となります。しかし、法人事業であれば税引き前当期純利益が800万円を超える部分については一律23.4%となり、個人事業主よりも税金が安くなります。

⑦注意!増資はできません→小規模な会社経営に向いている

「合同会社は知名度がない」という見方もありますが、小規模な会社をこれからスタートする事業者のみな様にはメリットの多い種類の会社であると言えます。しかし、会社規模が大きくなるにつれ、意思決定の力をもつ社員同士での話し合いが困難となり、経営はやりづらくなるかもしれません。

 また、株式会社との大きな違いは増資ができないことです。増資については、以下の当サイト既存記事をご参照ください。

増資ってなに?株式会社の基礎知識

まとめ

 合同会社には設立費用が安い、株主を意識しない自由な意思決定ができる、有事の際の責任が資本金額までである、というメリットがあります。最近合同会社に移行した会社は、その恩恵を受けるために会社形態を変えたのでしょう。

その反面、金融機関からの資金調達には頼れず、増資はできない、社員間でのトラブルが起こりやすいというデメリットもあります。規模が大きくなった際には株式会社に移行もできるため、経営者は会社の規模により最適な会社形態を選択すべきでしょう。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。