創業時の資金調達をお得に!!
創業するからには資金が必要となりますが、創業時に利用できる融資には、日本政策金融公庫が実施する「新創業融資」と、融資取引の間に信用保証協会と自治体が入る「制度融資」の2種類があります。 どちらも金利は比較的低い為、どちらを選んでも損ではありませんが、せっかくなら少しでもお得に融資を受けたいと思うのが当然です。 今回は、2種類の融資制度の概要と金利の違いについてお答えしていきます。
1.「新創業融資」について…
創業をお考えの方、創業してまだ間もない方を対象とした融資制度で、この融資制度のみを利用するのではなく、日本政策金融公庫内の他の融資制度と一緒に利用するものです。
「新創業融資」を利用することのメリットとしては以下のことが挙げられます。
上記のメリットの中で創業者として一番嬉しいことが、「無担保・無保証人」ということではないでしょうか。全く実績のない相手の保証人になることはリスクが高く、保証人を見つけるのはなかなか難しいものです。保証人が見つけられず、融資が受けられないという方も多くいらっしゃいます。
返済することは大前提ですが、「新創業融資」では会社が倒産してしまっても代表者が返済を行うという必要がありません。
2.「制度融資」について…
公的機関である信用保証協会と自治体が、創業者と金融機関の間に入り、創業者の資金調達の支援を行う融資で、信用保証協会が創業者の融資の保証人となり、自治体が保証料や金利の一部を金融機関に支払うことで、金融機関が貸し倒れてしまうリスクを減らしています。
「制度融資」を利用することのメリットとしては以下のことが挙げられます。
創業者にとって、融資時の難点の1つとして挙げられることが、審査が通りにくいということです。「1.」でもお伝えした通り、実績のない会社に融資を行うのは金融機関側のリスクも高いため、審査段階で非常に厳しくなります。
ですが制度融資では、信用保証協会と自治体が間に入り融資を行う為、金融機関側も安心して資金を提供することが出来るのです。
3.それぞれの制度の金利はどのくらい違う?
新創業融資での金利は約2%、制度融資での金利は約1%、一見して制度融資の方が低金利のように思えますが、制度融資の方は自治体による保証料や金利の一部負担があるためであり、負担されている分も含め、新創業融資と比べると、大差はありません。
それに比べ、新創業融資の方では、低い金利を更に下げるためのいくつかの措置が用意されているのです。
十分に低い金利を更に下げる事が出来るとなれば、新創業融資の方が若干ですがお得のように思えます。
4.金利以外に違う点とは?
これら2種類の創業融資では融資限度額にも違いがあります。新創業融資の場合は限度額が3,000万円に対して、制度融資での限度額は1,000万円程度となり、大きな違いがあることが分かります。
どんな融資制度でも、限度額いっぱいの融資が受けられるわけではありませんが、限度額が高く設定されている分、より多くの融資を受けられる可能性もあるということが言えます。
まとめ
同じ創業融資であっても、金利面での違いは創業者にとって重要視したい部分でもあります。どちらも低金利での利用が可能ですが、ただでさえ低い金利をさらに引き下げる事が出来るとなれば、日本政策金融公庫の「新創業融資」の方が有利だと言えます。
例え0.1%の違いでも、積み重ねれば大きなものとなるため、特に創業時は慎重に余裕を持って融資を行うようにしましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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