起業時の資金調達方法として要確認です!
新しく起業する場合、または追加融資をしたい場合、平均2%前後という低金利でお金を貸してくれる日本政策金融公庫は、私たちの社会になくてはならない頼りになる金融機関です。
実際に融資の申し込みをしてからお金が振り込まれるまでは平均1~1.5ヶ月と言われています。どのような流れで融資に申込みをするのでしょうか?早速みていきましょう。
1.認定支援機関を通すか通さないかで異なる融資の流れ
日本政策金融公庫で融資を受けようとするのであれば、是非知っておきたいことがあります。それは、「認定支援機関」という存在です。
認定支援機関とは、中小企業庁から認定を受けたあなたの街の税理士や弁護士などのことです。彼らと接触すれば、ホームページや名刺などで「認定支援機関です」と名乗ることでしょう。
認定支援機関は、中小企業庁が円滑な融資のために一定の専門知識を持つスペシャリストを認定し、彼らのサポートで少しでも多くの中小企業が活躍することを求めています。そのため、認定支援機関を経由して日本政策金融公庫に申込みをすると、以下のようなメリットがあります。
1.自分で申し込みをするよりも借入の金利が低くなる
2.自分で申し込みをする時よりも借入額が高くなる
しかしながら、認定支援機関の方もボランティアではありませんので、利用は無料ではなく有料です。「手数料を払いたくないから、自分で融資を成功させる!」という方は、まず以下の「2.融資を自分で申し込む場合の流れ」をご覧ください。
2. 融資を自分で申し込む場合の流れ
①電話またはWebで相談予約をする
融資を自分で申し込みには、日本政策金融公庫に自分で電話をします。または、Webから相談申込をすることもできます。
上記の日本政策金融公庫の公式ホームページから相談予約をします。日本政策金融公庫は全国に支店がありますので、お住いの地域での近くで面談をすることが可能です。予約相談の申込みフォームには一番下に融資制度の案内を希望するのかチェックを入れる箇所があるので希望する」にチェックを入れます。メリットは自分で全部やるので不要な手数料を払わなくていい、という点です。デメリットとしては、融資が初めてなのであれば分からないことがたくさんあるので、1つ1つ自分で調べる時間がかかるという点です。
②支店を訪問する
さて、次のステップは予約した期日に融資担当者を訪問です。訪問の際は、手ぶらではなく事業計画書(創業計画書)を持参しましょう。そうでないと、具体的な融資の話が進みません。なんのために時間を割いて会ってもらうのか、意味がなくなってしまいます。
主な内容は、創業する目的や動機と経営上の課題項目の選定、業績推移と今後の計画です。これから起業する方は、あくまで創業前の計画となりますので業績推移については予定の数値で構いません。フォーマットは、日本政策金融公庫の公式ページからダウンロードできます。以下リンクを参照してください。
日本政策金融公庫|中小企業事業 当事業へのご依頼、ご連絡の書式について
③借入申込書を提出する
実際に融資を申し込むという話になれば、いよいよ借入申込書という申込書の提出をします。借入申込書には個人または法人の印鑑が必要です。融資を受けたい資金の内訳(運転資金が〇〇万円、設備資金が〇〇万円)も記入します。
そのため、資の書類を提出する前に運転資金と設備資金がだいたいいくらぐらいなのか、目途をたてましょう。
【運転資金とされる費用】
商品仕入 / 人件費 / 外注費 / 広告宣伝費 / 地代家賃/消耗費 など継続的にかかる費用
【設備資金とされる費用】
内装費 / 機械 / ホームページ作成費用 / 不動産初期費用 / パソコン電話 / 机 など一時的にかかる費用
④必要な書類を準備する
借入申込書を提出すると、「次回の面談までに、この書類を準備してくださいね」と必要書類の詳細を担当者から教えてもらいます。
必要な書類は、以下の通りです。
【事業開始後にすぐ融資を受ける時に必要な書類】※法人・個人事業主共通
(1)基本の書類①=借入申込書
(2)基本の書類②=運転免許証などの本人確認書類のコピー
(3)基本の書類③=印鑑証明書
(4)お金系の書類①=申込人名義の銀行通帳コピー
(5)お金系の書類②=【借入金ありの場合のみ】支払い明細書
(6)お金系の書類③=代表の自宅の水道・光熱費の支払状況の分かる資料
(7)事業系の書類①=創業計画書
(8)事業系の書類②=営業許可書、資格・免許
(9)事業系の書類③=【現在、別の会社の代表をされている方のみ】関連企業の確定申告書および決算書
(10)不動産系の書類①=賃貸借契約書
(11)不動産系の書類②=【設備投資する方のみ】見積書、工事請負契約書
3. 融資を認定支援機関経由で申し込む場合の流れ
続きまして、認定支援機関を通して申し込む場合の流れをご説明いたします。
①認定支援機関の担当者に電話で問い合わせをする
認定支援機関は1つだけではなく、全国に複数存在します。(当サイトも認定支援機関の関係サイトです)まずは電話で問い合わせをしてみましょう。または認定支援機関のWebサイトから詳細を記載してメール送信しましょう。折り返し、担当者から電話が入るでしょう。
認定支援機関の担当者が知りたい内容は、主に以下の内容です。
・今現在の職業
・借入希望額
・他社の借入額や遅延について
・自己資金について
また、人によりその他の項目についても丁寧にカウンセリングしてくれます。融資が大丈夫か判断するために、源泉徴収票や通帳コピーなどの資料の提示を求められる場合もありますので、心の準備をしておきましょう。
②必要書類の作成・準備
必要書類は、自分で融資を申し込む時よりも少ない時間で済みます。なぜなら、認定支援機関の方で①事業計画書②業績推移については作成してくれるからです。
その他で必要な書類は、個人で申し込む場合と同様です。法人の場合は履歴事項全部証明書を法務局で取り寄せる必要もあるので、順序立てて効率的に書類を用意しましょう。用意した書類は、日本政策金融公庫ではなく認定支援機関の専門家へ郵送やFAXをします。その後、専門家があなたの提出した書類をチェックします。
③専門家が融資資料を日本政策金融公庫へ郵送する
チェックされた書類は、専門家から日本政策金融公庫へ郵送されます。もちろん、その前に専門家から日本政策金融公庫の支店担当者へ電話連絡をしています。
④日本政策金融公庫の担当者が書類のチェック・事業所場所を訪問
日本政策金融公庫の担当者が専門家から送られた申込者の書類をチェックします。不足分や疑問があれば、あなたではなく専門家へ随時質問をします。
また、同時に事業所の開業予定地を実際に公庫の担当者が訪問します。立地がよい場合は、それだけで審査の評価がアップします。
⑤融資の決定
融資の決定は、認定支援機関と申込者本人に電話連絡されます。この時点で不足している書類がある場合は、再度提出を求められることもありますが、融資の決定が変更となることはありません。
⑥借入金が振り込まれる
申込者名義の銀行口座にとうとうお金が振り込まれます。おめでとうございます。しかし、認定支援機関の担当者とはこれでサヨナラではありません。追加融資について、返済についてなど、随時相談をすることが可能です。
4.認定支援機関を通すメリットとデメリットとは?
メリットは、日本政策金融公庫に面談をする前に審査に通りやすくなるようなアドバイスをしてくれます。その他にも、事業計画書の作の代行と融資の合格率が高くなる、融資をしてくれる金額が高くなる(個人での融資は最高1千万円までだが、認定支援機関を通すと最高2千万円まで)というメリットもあります。デメリットとしては、有料であること。認定支援機関に支払う手数料が融資額の数パーセントかかります。
まとめ
いかがでしたか?融資の流れが具体的にみえてきたのではないでしょうか。場合によっては、認定支援機関を通す方が審査は有利に進みます。融資の際の1つの検討材料としていきましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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