日本政策金融公庫からの融資を受けやすくするための【創業計画書】の作成方法とは?
創業時に、日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、【創業計画書】を作成しなければなりません。 創業計画書では、【必要な資金と調達方法】を記載しなければならない部分があるのですが、この部分が融資を受けるためには、非常に大切になります。 では、必要な資金と調達方法は、どのように記載すればよいのでしょうか? 総投資額を明確にすることが融資のポイントになってくるので、総投資額を記載することになる【必要な資金と調達方法】を記載するための正しいノウハウをご紹介します。
1.必要な資金と調達方法の書き方
(1)設備資金の書き方
設備資金は、会計処理上、資産計上されるものを入力していきます。
保証金
車両
ソフトウエア
備品
内外装工事費
などが計上されます。
こちらに記載するものについては、お見積書を添付する必要がありますので、見積もりをしっかりとっておきましょう。
30万円以下の少額のものについては、お見積りがなくても問題がないケースもあります。
(2)運転資金の書き方
運転資金には、
人件費
家賃
広告宣伝費
など、毎月かかるコストを計上していきます。
運転資金として借りられる金額は、月商の2か月~3か月程度です。
適当な金額を記載すると、印象がかなり悪くなるので、控えましょう。
(3)自己資金の書き方
自己資金には、ご自身で貯めてきたお金を記入してください。
ご自身で貯めたお金が500万円ある方であれば、自己資金を500万円と記載してもよいですし、500万円よりも減額した、200万円や300万円と記載しても問題ありません。
借入のご希望金額と調整をしながら自己資金に記載する金額を確定させましょう。
法人の場合には、資本金の金額を基本的には自己資金のランに記載してください。
【注意点】
法人の資本金が、完全に見せ金の方がおります。
通帳を見れば、見せ金か見せ金じゃないかは確実にわかります。仮に資本金がただの見せ金としての資本金だった場合、自己資金はゼロと判定されてしまうので、注意してください。
個人の方でも、見せ金を自己資金として記載する方も多いですが、見せ金は、基本的に自己資金として認めてくれないので、見せ金しか用意できていない方は注意が必要です。
(4)親、兄弟、知人、友人等からの借入の書き方
誰からいくら借りて、どれくらいの期間で返済するか記載してください。
借入の契約書があるのであれば、その資料も添付しておくと親切でしょう。
(5)日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入の書き方
借入もご希望金額を記載してください。
創業期は、
ご自身で進める場合、支店決裁権が1,000万円
認定支援機関の融資の専門家を経由して進める場合には、支店決裁権は2,000万円です。
それ以上の金額を記載しても、確実に借りられないので、借入額を記載する際は、注意しましょう。
※担保があれば、支店決裁権が上昇するケースもあります。
【注意点】
借入の希望額が妥当な金額を記載していない方は、計画性がゼロと判定されて、1円も融資を受けられないことがあります。
いくら必要で、いくら借りれば業務がうまく回るのかをしっかり考えて記載するようにしてください。
【記載する上でのポイント】
借りられる金額は、制度上、自己資金の最大9倍です。
もちろん最大が9倍なので、実際には、自己資金の2倍~3倍程度しか借りられないことが多いです。
この考え方をもとに、自己資金の金額や、借入額を記載するようにしてください。
(6)他の金融機関等からの借入の書き方
他の金融機関と日本政策金融公庫の2つの金融機関から融資を受ける場合には、この欄も埋めてください。
2つの金融機関から一緒に融資を受けることを協調融資と言いますが、基本的に協調融資を利用するときに記載するランです。
協調融資を利用する場合には、他の金融機関から融資を受けられることが確定したタイミングで、日本政策金融公庫からの融資も確定します。
(7)合計の書き方
表の一番下の合計金額は、必ず一致させなければなりません。
合計金額が一致しているかどうかを必ず確認しましょう。
2.総投資額が明確であれば、融資は受けやすくなる?
運転資金で1,000万円ほしいから貸してください!というプレゼンをするよりも、
設備資金として
内外装工事費300万円(見積書あり)
備品100万円(見積書あり)
保証金400万円(不動産の条件資料あり)
運転資金として
仕入 100万円
家賃 50万円
広告宣伝費 50万円
が必要なので、1,000万円貸してください!とプレゼンした方が、何にいくら使うかが明確になるため、その総投資額が妥当な数字であれば、融資は受けやすいです。
3.信用金庫で最も借りやすいのは、設備資金
信用金庫で設備資金を買うために必要なお金の融資を受けた場合、その業者に対して借りたお金の全額が直接支払われます。
使い道が決まっており、その設備を買うことによって売上の上昇やコスト削減が可能であるというプレゼンができれば、設備資金は運転資金で借りるよりも借りやすいです。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/