何か自分で新しい事業を始めたい人が資金を集める方法として、「クラウドファンディング」が普及しています。クラウドファンディングは成功すれば多額の資金を集めることができますが、このように集めた資金にも税金がかかるのでしょうか。 今回は、あまりよく知られていないクラウドファンディングと税金の関係について詳しく説明していこうと思います。
1.クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとはインターネット上で自分の事業を紹介し、そのための資金を不特定多数の人から集める方法です。
クラウドファンディングには資金の提供に対するリターンによって投資型と非投資型の2種類に分かれます。
投資型には「融資型」、「ファンド型」、「株式型」の3種類があります。
出資者が事業主に資金を提供し、それによって利息や配当などのリターンが発生します。
リターンの形がそれぞれ違いますが、どれも金銭としてのリターンがあるため投資型の資金提供となります。
非投資型には「寄付型」と「購入型」の2種類があります。
投資型とは違って、金銭でのリターンは発生しません。
寄付型は完全な寄付でリターンは発生しません。購入型は金銭でのリターンがない代わりに、出資した事業による商品やサービスなどの形でリターンを得ることができます。
また寄付型でしたら、出資した資金の一部を個人では寄付金控除、法人でしたら損金算入が認められます。
2.クラウドファンディングに税金はかかるのか
それではクラウドファンディングで集めた資金に対して税金はかかるのでしょうか。
その答えとして、資金を受け取る側が個人か法人か。出資者が個人か法人かによって税金がかかることがあります。
(1)投資型
投資型の場合は、金融商品取引法が適用されるため、会計処理の方法は投資型の種類によって変わります。
融資型でしたら貸付金及び借入金の合計処理と同じ方法で処理をし、ファンド型と株式型でしたら新株発行と同じ方法で処理をします。
出資者も資金調達者も、資金提供が行われた時には税金はかかりませんが、投資によって得た利益に対しては税金がかかります。
(2)購入型
購入型は資金提供の代わりに、商品やサービスを受け取っているとみなされるため、商品売買と同じ会計処理の方法となります。
つまり、振り込まれた資金が売り上げとみなされ、それに対して消費税がかかります。
また、資金調達者が会社員などの給与所得者だった場合は、いくつか注意点があります。
という条件を満たしている場合は確定申告の必要があります。
また、これらの条件に当てはまらず、確定申告の必要がない場合でも、住民税申告は行わなければならないため注意が必要です。
(3)寄付型
寄付型の場合はリターンが発生しないため、贈与と同じ扱いとなります。
寄付型の会計処理は資金提供者と資金調達者の関係によって以下の4つに分けられます。
「個人から個人」に資金を提供する場合は、贈与とみなされるため贈与税が発生します。贈与税は110万円の基礎控除を超えた場合に発生します。
「法人から個人」への場合は、一時所得とみなされます。一時所得の金額は自身が受け取っている総収入額から収入を得るための費用と、最高50万円以上の特別控除額を差し引いて計算します。
「個人から法人」または「法人から法人」の場合は、寄付によって受贈益が発生するため、法人税が課せられます。また、事業費かかる必要経費と手数料は損金算入することができます。
まとめ
自分で事業を始めるにあたってクラウドファンディングで集めた資金には課税されることがあります。しかし、どのような税金がかかるのかはクラウドファンディングの種類や資金提供者と資金調達者の関係によって変わります。
そのため、これからクラウドファンディングを使って資金を集め、事業を始めようと考えている方は、その資金に税金がかかるのかどうかをしっかりと判断して、課税されるようでしたら確定申告を忘れずに行いましょう。
この作業を怠ると、加算税や延滞税などの罰則がはっせいするため注意が必要です。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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