資金提供する者には新しいアイデアを応援する喜びが、資金調達する者には少ないハードルでお金が手に入るWIN-WINの仕組みですよね。
クラウドファンディングの購入型は寄付型と異なり、プロジェクトの成功時に報酬をもらえるタイプのクラウドファンディングです。
今回の記事では、資金調達する側の立場として購入型クラウドファンディングの利用する際のマニュアルをご紹介しましょう。
1.購入型クラウドファンディングの特徴
①少ないハードルでお金が手に入る
銀行などの金融機関で資金調達するには、事業の財務状況の審査や自己資金など少なからずハードルがあります。しかし、そのようなハードルを越えられないため、せっかくのビジネスを諦めるのももったいない話です。
購入型クラウドファンディングでは、難しいことを抜きにしてユーザー(クラウドファンディングサイトを閲覧する人)の共感を得られるかどうか、これが一番のカギです。
もちろん、クラウドファンディングで資金調達するためにも、文書作成や見積もりの取得などやらなくてはいけない準備はたくさんあります。しかし、今までの実績のない方にも公平に開かれたチャンスがあるのが、購入型クラウドファンディングの魅力です。
②資金調達の審査が目に見えてわかる
銀行やカードローンでの資金調達の場合、審査は早くても数日かかります。遅い場合は2週間以上かかる場合もあります。 あなたが購入型クラウドファンディングにプロジェクトを投稿した場合、サイトでの掲載期間は1日~80日まで(サイトによって異なる)自分で選べます。
今いくら集まっているのか、リアルタイムで確認できるのが購入型クラウドファンディングの醍醐味です。
③クラウドファンディングサービスに成功時販売手数料を支払う
プロジェクトはできるだけ多くの人が見てくれるクラウドファンディングサイトに掲載しましょう。その方が、見てくれる人が多いから資金提供してくれる人も増える可能性がありますからね。
掲載してくれるサイト側にとっては、成功時の販売手数料が運営するための資金です。例えば、日本一の掲載数を誇るCAMPFIREでは2018年3月より12%の手数料が必要です。(2月中は8%)あなたが100万円の資金調達に成功した場合、12万円は手数料として飛んでいくという計算です。
2.購入型クラウドファンディングの始め方
①クラウドファンディングサービスを決める
クラウドファンディングサービスは現在、主なサービスだけでも20以上がひしめき合っています。その中で3つの特徴あるサイトをご紹介しましょう。
- CAMPFIRE http://camp-fire.jp/
日本国内最大規模のクラウドファンディング。累計65,000名から1,300を超えるプロジェクトへ6億円の寄付額を集める。オモシロ系から真面目系まで、幅広いプロジェクトが特徴。
- READYFOR? https://readyfor.jp
日本初のクラウドファンディングサイト。2011年4月に始めてオープンされた。動物愛護、貧困対策、日本文化の維持など、社会派プロジェクトがメイン。
- Motion Gallery http://motion-gallery.net/
芸術系のクラウドファンディングと言えばコレ。映画やCDリリースやものづくり系プロジェクトがならここに決めよう。
あなたのプロジェクトがサイトの趣旨にあっていなかったら、プロジェクトの成功率も低くなります。
②報酬を決める
報酬はプロジェクトの内容により決めましょう。新製品の場合、支援してくれたらプロジェクト成功時に割引価格で商品を購入できます、という権利を報酬にする場合が多く見受けられます。
また、新たに店を作る場合は報酬として1年間最初の1ドリンクをサービスします、飲食代の20%をOFFにします、といった飲食代金の割引が多いですね。いすれも、ユーザーにとって魅力的な報酬であることはもちろんですが、報酬が理由でプロジェクトの採算が合わなくては意味がありません。
③いつ売買が成立するかを決める
購入型では、目標金額に到達せずとも売買契約を成立させることができます。そのため、少しの資金でもいいから欲しい!クラウドファンディングで資金調達というよりは、むしろクラウドファンディングをヤフオク!のような販売のプラットフォームにしたいという方は即売買成立で設定しましょう。
1点注意点は、即売買成立にした場合は必ずプロジェクトの発起人に対して販売手数料が発生することです。資金提供してもらったということで、売上が発生し法人の場合は法人税、個人事業主・個人の場合は所得税が増加します。
集まる資金が目標金額に届かない場合はプロジェクトを実行しないという場合、中途半端な販売手数料が必要ないという利点があります。(オールオアナッシング形式)よく比較してから設定しましょう。
3.購入型クラウドファンディングはモノづくり、イベント系に向いている
購入型クラウドファンディングのプロジェクト投稿者は20~40代の世代がメイン層で、資金提供する場合も同じ世代がメインです。
そのため、ユーザーは買い物やお小遣い感覚で気軽に少額を資金提供してくれます。しかし、まとまった資金を集まるには100人以上から資金提供を受けなければ成立しません。
店を作りたい、もっと資金の必要なプロジェクトをしたい場合は、他の資金調達法(日本政策金融公庫)の方が向いている場合もあります。
まとめ
購入型クラウドファンディングは気軽に始められるのが一番の魅力です。しかし、本当に事業のための資金調達を100万円以上したいのであれば、 ハードルは高くなります。難度もクラウドファンディングで失敗する前に、日本政策金融公庫の融資も視野に入れましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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