個人事業主として、生活費と分けて事業用ローンを組みたい
こんなご希望をお持ちの方は、「事業資金としてローンに申し込みできるのか」という点が気になるようです。
確かに、事業用ローンには決算書の提出など、法人でなければ申込ができないと思われる記載が見受けられます。また、実績のない創業時の融資の場合、銀行ではほとんどの場合不動産担保を求められることでしょう。
今回の記事では、個人事業主が事業資金としてのローンを組めるのか、また個人事業主の方にオススメのローンについてご紹介いたします。
1. 個人事業主が利用できる事業者ローンは最近多い
まず結論から申し上げて、個人事業主の方が利用できる事業者ローンは数多くあります。個人事業主の数は日本の中でおよそ250万人。全ての方が自己資金や親族間での貸し借りで事業資金をまかなっているわけではありません。
法人向けの融資よりは全体的に種類は少ないかもしれませんが、最近個人事業主向けの事業ローンは増えています。 個人事業主の方が利用できる事業者ローンは、具体的には以下のような区分があります。(金利や商品名は2018年2月現在の情報です)
- 信販系(例、オリックスVIPローンカード BUSINESS / 担保:不要 / 金利: 6~17.8%)
- 消費者金融系(例、アコム ビジネスサポートローン / 担保:不要 / 金利: 12~18.0%)
- 通信系(例、スモールビジネスローン / 担保:不要 / 金利: 9.98~18.0%)
- 銀行系(例、東京都民銀行 / 担保:不要 / 年4.0~9.0% ※固定金利)
- 政府系(例、日本政策金融公庫/ 担保:不要 /金利:2%前後)
この中で異色なのが通信系です。「通信系?!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。スモールビジネスローンはビジネスパートナーという、光通信という会社の経理部門が独立した形で台頭しています。リースやクレジット業務も手掛け、ここ最近の注目株と言えるでしょう。
2.金利はどこが低い?オススメの個人事業主向け事業者ローンは?
上記でご紹介した全ては、個人事業主向けの事業者ローンです。しかし、どれでもいいという訳ではありませんよね。できれば、金利が低い方がいいに決まっています。
①金利では日本政策金融公庫が断然トップ!
金利がダントツ低いのは日本政策金融公庫です。
※上記のURLをクリックすると、日本政策金融公庫の公式ページにリンクします
金利は低いのですが、着金が遅めです。最速でも3週間はかかり、平均1か月以上となっています。また、申込みには確定申告書だけではなく事業計画書や損益計算書といった各種書類の提出を求められます。
※認定支援機関を通した場合は代理で書類作成をしてくれます
②次に金利が低いのが銀行系
次いで金利が低いのは銀行です。東京都民銀行以外にも、十八銀行(長崎県)や南都銀行(なら)といった地方銀行で事業者ローンを取り扱っています。
南都銀行|<ナント> 個人事業主さま向けビジネスローンやりくり上手
※上記のURLをクリックすると、南都銀行の公式ページにリンクします
地方銀行の場合、「〇〇県に〇年以上住んでいる方」「保証会社の保証を受けられる方」といった条件があります。三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行といった大手都市銀行ではよほどの収益を上げている優良事業でないと、相手にされません。
低金利の事業融資を求めるのであれば、地方銀行にも目を向けてみましょう。
③金利は高いが他のメリットがある信販、消費者金融、通信系
金利の面では負けてしまうのが信販、消費者金融、通信系の事業者ローンです。これらは気軽に申し込め、審査と着金がスピーディという利点があります。
そのため、「来週には返済できるけど、今一時的にお金がない」といった緊急時や、既に融資を受けていてその返済がどうしても事業で返せないといった時のライフラインとして覚えておいて損はありません。
3.事業ローンを申し込むための条件とは?
事業者ローンは、個人のローンと比べ申込時の審査が本来は厳しめです。しかし、最近では単なるフリーローンなのに「個人事業主の方向け」などとアピールする商品もあります。(!)
カードローン(別名:フリーローン)は個人向け商品です。借りたお金を事業資金として使った場合、バレると全額返還を要求される場合もあるので注意しましょう。
①業歴1~2年以上
創業したての事業主には事業資金として融資しないのが通例です。なぜなら、まだ事業が安定していないからです。
日本政策金融公庫では、創業したてでも審査に通れば融資をしてくれます。創業2期以内の方に平均金利1~2%という優遇金利を適用する「新創業融資制度」という貸付金があり、最高3,000万円まで借りられます。(初回の方は最高1,000万円程度)
※認定支援機関を通した場合は融資額が上がります
②収入証明書類の提出(確定申告書など)
確定申告書2期分の提出が必要です。年度内で会社員から事業者になった方は源泉徴収票も提出してくださいと言われることがあります。
③個人としての借入額が膨大ではない
借金=悪い、というわけではありません。収入に対してどのくらいの負債額があるのかという点が審査されます。収入が毎月10万円程度なのに100万円以上のリボ残高があるなら、消費者金融の融資も落ちる可能性が高いと言えるでしょう。
4. 総量規制の対象ではないが、借り過ぎに注意!
金融庁の賃金業法で定められている総量規制についてはご存じの方が多いと思います。年収の1/3以上を借りる事はできないという決まりですが、個人事業主が事業資金を借りる場合はそれ以上に借りる事が可能です。
しかし、事業がうまくいってないのに多額の事業資金を借りてしまうと、あとが大変です。代表者の個人としても事業主としても信用情報に傷をつけることになります。
まとめ
個人事業主が融資を受けるのであれば、日本政策金融公庫が最もオススメです。申し込みには書類の準備や面談などが手間はかかりますが、認定支援機関を通せばカウンセリングや書類作成などの支援をしてくれます。
認定支援機関によっては、電話相談までは無料で、その後は着手金を払う場合や成功しない場合は無料という成功報酬の場合など料金に差があります。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
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資金調達ノート » https://start-note.com/
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