創業融資で起業前に利用できる2つを比較!制度融資VS日本政策金融公庫

創業融資の2つの制度を比較!制度融資VS日本政策金融公庫 起業のための資金調達 – 銀行/信用金庫からの融資
創業融資 制度

これから起業をお考えで資金調達をしたいなら、オススメなのは制度融資か日本政策金融公庫の公的な融資制度です。

なぜなら、多くの事業主は「起業時にできるだけムダなお金をかけたくない」と考えるもの。公的な制度を使った融資であれば、融資の金利が他の融資に比べ1%~2%台とかなり低金利です。

また、創業融資では規定の条件さえ満たせば万人が審査に通る可能性があり、その公平性も魅力です。

今回の記事では、2つの創業融資(制度融資と日本政策金融公庫)の内容、違い、メリットとデメリットを詳しくご紹介いたします。

制度融資について簡単な概要だけをお知りになりたい方は

制度融資を利用して好条件の資金調達をする方法!

を、制度融資と日本政策金融公庫の新創業融資の制度の違いの概要だけをチェックしたい方は

創業融資と制度融資の違いとは?創業時に利用できる資金調達方法2つ

もぜひ併せてご覧ください。

 1.そもそも創業融資とは?

創業融資は、銀行や公庫などの金融機関がこれから起業・創業する方に向けて利子付きで貸付する融資のことを言います。起業・創業するためには、300~1,000万円ほどの資金をかけて開業するのが一般的です。しかし、事業を始めたい方が必ずしもそんな大金を持ち合わせているわけではありません。参考までに以下のグラフをご覧ください。

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【引用:金融調査研究会報告書 政策金融機関と民間金融機関の関係のあり方】

このグラフは事業主が開業時に苦労したことの年度別に表したものです。このグラフを見ると、年度が変わっても約40~50%の方は開業時に資金繰り・資金調達に苦労しているということが分かります。

そこで、金融機関が起業・創業したい方に向けて利子付きで資金を貸付する制度があり、それが創業融資なのです。

もしあなたが、創業融資の審査に通れば、金融機関はあなたが指定する銀行口座にお金を振り込んでくれます。あなたはそのお金を事業の人件費や広告費(運転資金)として、また、店の不動産賃貸料など(設備費)として充てることができます。但し、創業融資で借りたお金は生活費として使うことはできません。

2.創業融資で最も有名なのは、制度融資と日本政策金融公庫

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創業融資はすべての銀行で行っているわけではありません。三井住友銀行、みずほ銀行などの大手メガバンクには、そもそも創業融資という商品がありません。(ビジネスローンはあり)

理由は、創業融資は金融機関にとってリスクがあるからです。

事業をこれから始める方に金融機関が何百万円も低金利でお金を貸すということは、金融機関にとってはあまり利益になりません。

もしあなたが創業融資をお探しなのであれば、これからお話する①制度融資か②日本政策金融公庫2つの公的機関を通じた創業融資からの2択となることでしょう。制度融資と日本政策金融公庫以外では、一部の地方銀行が創業融資を取り扱っています。(あとは創業融資ローンという名で、実態はただのカードローンのサービスも存在します)

3.制度融資とは?

①自治体と信用保証協会と金融機関が連携した融資のこと

公的な創業融資として1つ目にご紹介するのは「制度融資」です。ネットでは別名、「信用保証会付の融資」「自治体の融資あっせん制度」「自治体融資」とも言われていますが、いずれも中身は同じです。制度融資で最初に知るべき特徴としては、以下の3点があります。

  • 1.東京都や渋谷区や千葉県や大分県など全国の自治体が実施している →そのため、制度融資で受けられる融資額や手続きは自治体によって差があります。
  • 2.信用保証協会という機関から審査を受けて、信用保証をしてもらわなければいけない →信用保証をしてもらうと、万が一あなたが返済できなくなった場合に、信用保証協会が金融機関へ一括で立替てくれます。
  • 3.実施している自治体で事業をしていなければいけない → 例えば、渋谷区の制度融資を使いたいのに、事業は千代田区で行っている場合、制度融資は受けられません。

②制度融資の仕組みと流れ

制度融資の仕組みは金融機関とあなたという2者ではないため、少しフクザツです。理解するには、以下の仕組みの図をご覧頂くとわかりやすいです。

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  • 1.まず自治体の役所で制度融資の申し込みをする

制度融資ではまず融資に申し込みをしたい融資申込者は、自治体の役所の窓口で「制度融資を受けたい」という連絡をします。所定の審査を通過すれば、自治体から「斡旋書(あっせんしょ)」が交付されます。

  • 2.自治体と連携している金融機関へ融資の申し込みをする

次に、融資申込者は自治体からの斡旋書を持って、金融機関に融資の申込みをします。

  • 3.金融機関が信用保証協会へ保証の依頼をする(信用保証協会による保証を初めて受ける場合には、要面談)

融資の申込みを受けた金融機関は、信用保証協会へ信用保証の審査依頼の手続きをします。信用保証協会とは、あなたが万が一返済できなくなった際、金融機関に対して代位弁財をしてくれる存在です。信用保証協会が全国にひとつなのではなく、東京信用保証協会・千葉県信用保証協会といったように、地域ごとに設置されています。

【代位弁財とは】

~当人の代わりに第三者が借金などの負債を一括で返済すること。その代わり、第三者は当人や保証人に対して返済を求めます。~

  • 4.信用保証協会が金融機関へ信用保証の合否結果を連絡する

あなたの信用情報(カードのなど借金の有無)などをチェックして問題なければ、信用保証協会は「信用保証をしますよ」という保証の審査通過の連絡を金融機関にします。

  • 5.金融機関が自治体とあなたへ融資の連絡をする

信用保証協会から信用保証の連絡を受けた金融機関は、その旨を自治体とあなたに連絡し、最終的にあなたは融資を受けることができるのです。

③制度融資の内容と特徴

(1)制度融資の内容は自治体により差がある

制度融資の内容は、自治体によってさまざまです。制度融資はすべてが起業・創業者向けのものではありません。既に事業を何年も継続している中小企業者向けの事業融資のことも、自治体がやっていれば「制度融資」と呼ばれています。

例えば、東京都の場合は以下のような制度融資があります。

  • 東京プラスサポート融資制度(東京都と地域の金融機関が連携して実施する融資制度)
  • 東京都中小企業制度融資(小規模企業向け融資、一般事業資金融資、創業融資、産業力強化融資、経営支援融資、起業再生支援融資)
(2)制度融資の創業融資の融資限度額と年利~東京都の場合

東京都の創業融資の内容をみてみましょう。

資金使途

運転資金・設備資金

融資限度額

3,500万円

(自己資金プラス2,000万円の範囲内)

融資利率

【固定金利】

(責任共有制度の対象)

3年以内 1.9%以内

3年超5年以内 2.1%以内

5年超7年以内 2.3%以内

7年超 2.5%以内

(責任共有制度の対象外)

3年以内 1.5%以内

3年超5年以内 1.6%以内

5年超7年以内 1.8%以内

7年超 2.0%以内

【変動金利】

短プラ+0.2%以内

返済方法

分割返済

信用保証料補助

信用保証料の2/1

融資期間

運転資金 7年以内(据置期間1年以内を含む)

設備資金10年以内(据置期間1年以内を含む)

 【参照:東京都産業労働局|創業融資】

 制度融資の制度上の最大融資額は3,500万円です。ただし、自己資金プラス2,000万円が上限となっていますので、実際の融資額はこれより低くなっています。

前述した通り、制度融資の年利は低金利で現在(2019年11月現在)1%~2%台です。何年以内に返済するかで利率は変化します。

(3)責任共有制度・短プラとは?

制度融資を知る上で知っておきたい二つの言葉を解説します。

・責任共有制度とは

制度融資では、あなたが行う事業が「責任共有制度」に該当するかどうかで融資の金利が異なります。責任共有制度とは、金融機関と信用保証協会が連携して「融資申込者が返済できなくなった場合は、責任を取り合おうね!」という取り決めをした制度です。この制度ができたおかげで、融資申込者が返済不能となった場合は信用保証協会が80~100%代位弁財(借金を肩代わりする)をします。そのため、責任共有制度の対象事業に対して金融機関は有利な金利を適用しています。

責任共有制度の対象となる事業は基本的にすべての事業ですが、以下にあてはまる事業は対象外です。

  • 経営安定関連保証(セーフティネット保証)1号~4号、6号
  • 危機関連保証
  • 災害関係保証
  • 創業関連保証(再挑戦支援保証を含む)、創業等関連保証
  • 特別小口保険に係る保証
  • 事業再生保証
  • 小口零細企業保証
  • 求償権消滅保証
  • 中堅企業特別保証
  • 東日本大震災復興緊急保証
  • 経営力強化保証制度
  • 事業再生計画実施関連保証制度

創業関連では責任共有制度は対象外となります。そのため、金利は東京都の場合1.5%~2.0%以内となります。(2019年11月現在の場合)

・短プラとは

短プラは短期プライムレートの略です。短期プライムレートは、金融機関が業績や財務状況の良い優良企業に向けて適用する、1年以内の貸付時に適用する最もオトクな金利です。

ちなみに、日本銀行が発表した令和元年の7月10日現在の短期プライムレートは0.95%でした。もし短プラが適用されれば、制度融資の金利は0.95%+0.2%=1.15%と非常に低くなります。

(4)信用保証料補助がある

制度融資の魅力として、信用保証料の補助があります。信用保証料とは、あなたが信用保証協会に保証してもらっていることの代わりに毎月支払わなければいけない料金のことです。通常、信用保証料率は9の区分に分かれ、事業の優位性により0.45~1.90%のいずれかが適用されます。しかし、創業融資の場合は一律で信用保証率は決められています。

信用保証料は通常、以下の計算式で求められます。

貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/12

 例えば、1,200万円の制度融資を受けて信用保証料率が年1.15%で保証期間が24か月の場合は、27万6千円が信用保証料となります。信用保証料は融資を受ける際に一括で支払わなければいけません。

<東京都の制度融資の場合>

信用保証料の半額が補助されます。東京都千代田区の場合は、融資実行から3か月以内に商工観光課へ申請します。期限をすぎれば補助はされません。

④制度融資に必要な書類

制度融資の申し込み書類は金融機関に提出します。例えば、東京都の制度融資の場合は以下の書類が必要です。

【法人の場合】

信用保証委託申込書

信用保証委託申込書

個人情報の取扱いに関する同意書

印鑑証明書

(申込人及び連帯保証人のもの)

商業登記簿謄本

確定申告書(決算書)の写し

(原則直近2期分)

納税証明書(法人税<その1>又は事業税)

見積書又は契約書の写し

(設備資金の場合のみ必要)

創業計画書

(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要)

【個人事業主の場合】

信用保証委託申込書

信用保証委託申込書

個人情報の取扱いに関する同意書

印鑑証明書

(申込人のもの)

所得税の確定申告書の写し

(原則直近2期分)

納税証明書

(所得税<その1>又は事業税)

見積書又は契約書の写し

(設備資金の場合のみ必要)

創業計画書

(創業融資を利用する場合及び業歴1年未満の場合に必要)

【参照:東京都賛同労働局|必要書類】

また、制度融資の要綱には書かれていない場合でも、信用保証協会の基準として「自己資金」がわかる書類の提出を求める場合があります。

 例えば、東京信用保証協会の公式ページの「創業保証について」というQ&Aのページには以下の記載があります。

 Q9 保証協会を利用して資金調達をする場合、自己資金は必要ですか?

(省略)当協会の保証審査において自己資金は事業経験とともに重要な項目になります。東京信用保証協会|創業保証について

 ※自己資金については、このあとの見出しで詳しくご紹介いたします。

 制度融資にはさまざまなプランがあるため、プランによっては(女性・若者・シニア創業など)他の提出物を求められる場合もあります。

 ⑤制度融資と利子補給

利子補給とは、融資を受けた融資申込者の利子の負担を減らすために、利子の一部または全額を行政(自治体)が給付する制度です。制度融資で利子補給を受ければ、実質金利がゼロまたは限りなく低い金利となります。

 利子補給はキャッシュバックの制度であり、最初は金利付きの元本を融資申込者は支払わなければいけません。毎年1/1~12/31の利子分を2~5年ほど返済してくれます。(事業者によって異なる)例えば、越前ガニで有名な福井県越前市の場合、利子補給は以下の利率で行っています。(2019年11月現在) 

利子補給(一般)

【運転資金】1%相当額を2年間

【設備資金】1.3%相当額を3年間

利子補給(優遇)

【運転資金】1.5%相当額を2年間

【設備資金】1.5%相当額を3年間

 利子補給で1.5%が適用となった場合は、創業融資の金利が2.5%の場合、融資の実質金利は2.5%-1.5%=1.0%で1%と非常に低くすることが可能です。

 利子補給の申込先は自治体と連携している金融機関です。

 4.創業融資の申し込み時に必要となる「自己資金」とは

自己資金とは一体なんのことなのか少しご説明いたします。

自己資金とは、ご自身の持つ現金のうちで生活費やその他の目的で使用する目的がないものを言います。わかりやすく言えば、銀行や郵便局に預けている現預金です。

例えば、焼き肉屋を開きたいAさんが1,000万円の資金が必要だと仮定します。Aさんの持つ自己資金(銀行預金)は300万円で、開業資金の1,000万円には不足していました。

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Aさんは創業融資で700万円を借りることができれば、焼き肉屋を無事にひらくことができます。このように、創業融資は基本的に「起業・創業したいけど自己資金だけでは今すぐ開業できない」方をお手伝いするという意味合いのある融資となっています。

自己資金が必要な理由としては、創業融資が「事業が初めての事業主」に対して貸す制度だからです。初めての事業の場合、必ずしも事業は成功するわけではありません。返済に困る場合でも、自己資金があれば融資の返済や事業が継続できます。

創業融資では原則、自己資金を証明できる預金通帳や預金残高の推移を確認できる書類を金融機関に提出します。

5.創業融資の観点から見た制度融資のメリットとデメリット

(1)制度融資のメリット

制度融資は利用したい方が非常に多く、人気のある融資制度です。その主な理由は、①信用保証協会が保証してくれるので担保を設定する必要がない②自治体による利子補給があるので、実質金利がかなりオトクである(ほぼ0金利も夢ではない!?)③自治体による信用保証料の補助があるという3点です。

 【制度融資のメリット】

  • 信用保証協会が保証してくれるので、担保や保証人が必要ない
  • 低金利である
  • 自治体による利子補給があるので、実質金利がかなり低い
  • 自治体による信用保証料の補助がある
(2)制度融資のデメリット

制度融資でデメリットと考えられる点には、以下があります。

【制度融資のデメリット】

  • 自治体間の地域格差がある
  • 申込みから着金するまで2か月以上かかる
  • 自治体、金融機関と2か所で手続きしなくてはいけない
  • 実際に融資してもらえる額は日本政策金融公庫より少なめの場合がある
  • 認定支援機関が使えないため、融資担当者を選べない
  • 事業がつぶれたら、信用保証協会に対して返済しなければいけない
  • 税金未納者は融資を受けられない

 最も大きなデメリットとしては、制度融資では信用保証協会が間に入っているため、事業がうまくいかず金融機関に返済できない場合でも最終的に信用保証協会に対して支払らい続ける必要があるという点があります。

他には、東京都とその他地方のように融資制度自体の実施状況に差があること、融資で着金されるまでの期間が長いため急いでいる時には不向きなこと、認定支援機関(経済産業省によるサポート機関)を使えないため、融資サポートとしてカウンセリングや創業計画書の作成をやってもらえない、という点もあります。

5.日本政策金融公庫で創業時に使える融資

日本政策金融公庫は以前「国民生活金融公庫」という名前で営業していました。100%日本国家が出資している株式会社の金融機関です。メイン事業は中小企業や漁業・災害・農業などへの資金の貸付ですが、一般家庭向けに教育ローンも取り扱っています。

【公式】日本政策金融公庫

①【1つ目】新創業融資制度

(1)新創業融資制度の内容

【無担保・無保証人の場合】

資金使途

運転資金・設備資金

融資限度額

3,000万円

(うち運転資金1,500万円)

融資利率

【令和元年11月1日現在】

基準利率 2.16~2.45%

特別利率A 1.76~2.05%

特別利率B 1.51~1.80%

特別利率E 0.76~1.05%

特別利率J 1.11~1.40%

特別利率N 1.86~1.87%

特別利率P 1.96~2.04%

特別利率R 1.96~1.97%

特別利率U 1.66~1.67%

返済方法

分割返済

返済期間

運転資金5~7年以内(据置期間2年間含む)

設備資金5~10年以内が一般的(据置期間2年間含む)

 上記は無担保・無保証人の場合ですが、不動産などの資産で評価額が高いものがあるのであれば、担保を付けることも可能です。

日本政策金融公庫の融資には制度融資の信用保証協会のように「責任共有制度」はありません。なぜなら、日本政策金融公庫とは信用保証協会の保証をしている企業だからです。(信用保証協会自体は金融機関ではなく資金源がないため、実際の資金調達は日本政策金融公庫からしています)

その代わりに、基準利率と特別利率という制度があります。通常であれば基準利率が適用され、審査上で優遇金利を適用できる条件にあてはまれば(女性である、シニアであるなど)特別金利が適用されます。

実際の融資額は制度融資のように~1,000万円前後の場合が大半です。しかし、日本政策金融公庫で融資を受ける場合は「認定支援機関」という機関を使うことによって、融資額がアップされる場合があります。

詳細は、当サイトの以下既存記事にてご説明しております。

融資を受ける際に認定支援機関を経由することで得られる特典

(2)新創業融資制度の利用条件

日本政策金融公庫で創業時の融資を受けたいのであれば、最も適した融資プランがこの「新創業融資制度」です。新創業融資制度に申し込みするための条件は、以下の通りです。

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なんだか難しい言葉がならんでいるような印象を受けると思いますが、基本的には「これから事業を開始される方」または「事業を開始して2年以内(2期以内)の方」が大前提となる条件です。

2つめの「雇用創出要件」と書かれた条件をわかりやすく言うと、①人を雇う予定のある事業であること②現在勤務している事業と同じ業種で起業すること③認定特定創業支援事業に認定されている、または既に他社から融資を受けている、という意味です。これらの条件3つすべてを満たす必要はなく、この中の1点でも満たしていれば条件としてはクリアしています。そのため、多くの方は現在勤務している事業と同じ業種で起業する方が多いので(例.いまラーメン屋の方が新たに自分の店を開く)だいたいの方はこの条件もクリアできます。

3点めは制度融資と同様に「自己資金」が審査のマスト条件となっています。日本政策金融公庫の場合、自己資金の最低基準の目安は50~100万円前後となります。(多ければ多いほど審査は有利です)

創業から創業後2期以内の方、今勤務している事業と同じ事業で開業される方、自己資金50100万円以上を準備できる方は、日本政策金融公庫の新創業融資制度をぜひオススメします。

新創業融資制度の利用条件については、当サイトの以下既存記事も併せてご覧ください。

日本政策金融公庫の融資で資金調達!新創業融資制度って何?

 (3)新創業融資制度の申込み方法

新創業融資制度に申し込む方法は2通りあります。1つ目は自分で申し込む方法です。2つ目は認定支援機関を通じて申し込む方法です。どちらの場合も、まず必要なアクションは電話をすることです。次に必要な書類を準備します。最終的には、日本政策金融公庫の面談担当者と面談をします。

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認定支援機関とは、経済産業省から認定を受けた税理士事務所などの機関です。経済産業省は、「もっと融資を受けて事業を活発化させ、日本を活性化してほしい」という目的から、一般の事業主の融資サポートをする存在として専門的知識や実務経験が一定レベル以上の者を「認定支援機関」として認定しています。(当サイトの運営会社である株式会社SoLaboも認定支援機関です)

認定支援機関とは?|中小企業庁 ミラサポ

認定支援機関は創業計画書や資金繰り表が苦手な事業主に対し、アドバイスや創業計画書の作成などを行っています。

(4)新創業融資制度で必要な書類

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新創業融資制度で必要な書類は制度融資で必要な書類と実質あまり変わりません。これらの書類以外に、競合調査をしてまとめた書類や事業を説明する概要書や資金繰り計画書などもあった方が、審査はより有利になります。

②新創業融資制度のメリットとデメリット

(1)新創業融資制度のメリット

新創業融資制度の最大のメリットは、信用保証協会を経由しなくてよいという点です。無担保・無保証人で利用できる制度のため、万が一事業が失敗した場合は事業者に支払いの義務はありません。

 【新創業融資のメリット】

  • 担保や保証人が必要ない
  • 低金利である
  • 信用保証料が必要ない
  • 据置期間が制度融資より長め
  • 事業が破綻した場合は、事業者に支払い義務はない
  • 認定支援機関のサポートを受けられる(有料)
 (2)新創業融資制度のデメリット

【新創業融資のデメリット】

  • 創業計画書の出来栄えが融資の審査を左右する
  • これから創業しようとしている事業で未経験の場合、審査は厳しい
  • 自己資金要件がある
  • 税金未納の場合は融資が受けられない

 新創業融資制度は制度融資のように信用保証協会を経由しません。そのため、創業計画書などの書類の完成度が求められます。また、きちんと返済できる事業なのか見極めるため、新創業融資制度では融資申込者の経歴や経験、自己資金額、信用情報(カードローンの残債があるかなど)も厳しくチェックされます。

 ③中小企業経営力強化資金とは

日本政策金融公庫で創業時から利用できる融資プランには、もう一つ「中小企業経営力強化資金」というプランがあります。当サイトでは以下の既存記事でもご紹介しております。

創業者にうれしい中小企業経営力強化資金ってどんな融資なの?

(1)中小企業経営力強化資金の内容

中小企業経営力強化資金では、新創業融資制度の年利よりも最小値と最大値が共に低くなっています。(新創業融資制度の基準金利は2.16~2.45%)また、融資限度額が新創業融資制度よりも2倍となっています。 

資金使途

運転資金・設備資金

融資限度額

7,200万円

(うち運転資金4,800万円)

融資利率

【令和元年11月1日現在】※無担保・無保証人の場合

1.融資限度額のうち2,000万円以内で無担保・無保証人で利用する場合【特別利率S】

2.26~2.34%

※「中小企業の会計」を利用している方は特別利率Sからさらにマイナス0.1%

2.1.以外の方【基準利率】

2.16~2.45%

返済方法

分割返済

返済期間

運転資金5~7年以内(据置期間2年間含む)

設備資金5~15年以内が一般的(据置期間2年間含む)

 中小企業経営力強化資金の特徴として、「中小企業の会計」を利用しているかで金利が下がるというものがあります。中小企業の会計とは、中小企業庁が実際の中小企業の会計を調査してまとめた「中小会計要綱」という会計ルールのことです。

中小企業庁|中小会計要綱について

あなたの事業が「中小会計要綱」を基準にした会計をしていると証明できるのであれば、中小企業経営力強化資金ではより金利を下げることができます。

(2)中小企業経営力強化資金の利用条件

中小企業経営力強化資金はこれから起業・創業しようという方や創業して2期を過ぎた方、一度創業融資を日本政策金融公庫から受けた方でも利用できる、利用しやすい融資プランです。

日本政策金融公庫の公式ページでは、利用できる方の条件は以下のように記載があります。

次のすべてに当てはまる方

1.経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方

2.自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方

 1.に関しては基本的にどのような事業であっても該当します。(不動産投資などの投機的事業を除く)2については、前述しました「認定支援機関」を経由することで条件をクリアできます。

④中小企業経営力強化資金のメリットとデメリット

(1)中小企業経営力強化資金のメリット

中小企業経営力強化資金のメリットはさまざまありますが、新創業融資制度と最も違う点は「認定支援機関を使うことにより、金利を0.1%程度下げられる」という点があります。

 【中小企業経営力強化資金のメリット】

  • 担保や保証人が必要ない
  • 新創業融資制度より低金利になる可能性が大
  • 信用保証料が必要ない
  • 据置期間が制度融資より長め
  • 事業が破綻した場合は、事業者に支払い義務はない
  • 認定支援機関のサポートを受けられる(有料)
  • 創業2期以内を過ぎていても利用できる
  • 融資額が公庫の新創業融資制度と制度融資よりも高くなる可能性がある

 また、認定支援機関を経由することにより融資額の限度額が~1,000万円までではなく2倍程度までに上がる可能性があります。(但し、融資額は融資申込者の審査により決定されます)

(2)中小企業経営力強化資金のデメリット

中小企業経営力強化資金を利用するための必須条件は、認定支援機関を利用することです。そのため、事業計画書などの資料は認定支援機関が作成してくれるのであなたは認定支援機関から言われた書類を探して提出すればいいのです。

 【中小企業経営力強化資金のデメリット】

  • 認定支援機関を通じないと申込みができない(自分での申し込みは不可)
  • これから創業しようとしている事業で未経験の場合、審査は厳しい
  • 自己資金要件がある
  • 税金未納の場合は融資が受けられない
  • 認定支援機関への報酬を支払わなければいけない

 その反面、認定支援機関への支払いが発生します。中小企業経営力強化資金では制度融資のように信用保証協会への支払い(10~20万円台が相場)がない反面、認定支援機関への支払い(10~20万円など機関により違う)があります。

6.制度融資と日本政策金融公庫、結局どっちがいいの?

制度融資と日本政策金融公庫の融資はどちらも無担保・無保証人で利用できる公的な低金利融資制度です。両社はよく似ているため、よく比較されます。どちらも事業の計画書を提出しますし、どちらも自己資金を重視しますし、どちらも過去の借金歴や現在の借入額をっ気にしますし、どちらも面談が1回は必要です。

融資を早く済ませたい方、書類を自分ですべて作るのがイヤな方、より融資額を多くしたい方、万が一事業が失敗した際に安心な融資がいい方にお勧めなのは、日本政策金融公庫の融資です。

しかし、「とにかく絶対に低金利がいい!」「補助制度がある方がいい!」「認定支援機関にお金を払いたくない!」という方には制度融資をおすすめします。(その代わり、信用保証料の支払いがあります)

まとめ

創業融資でよく比較される制度融資と日本政策金融公庫の新創業融資制度、中小企業経営力強化資金をご紹介しました。

どちらも非常に似ている融資制度ですが、いずれも低金利でこれから起業する方の頼りになる存在であることには間違いありません。

自分にはどちらがあうのか?それぞれのメリット・デメリットをよく確認し、最適な選択をしてください。 

 

 

 

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。