確定申告をふるさと納税でする時は医療費控除とワンストップ未提出の時?

確定申告をふるさと納税でする時は医療費控除とワンストップ未提出の時? 起業後の資金調達 – 起業後に実施しておくべき準備
確定申告 ふるさと納税

2004年からスタートしているふるさと納税。開始当初はそれほど浸透していませんでしたが、2019年現在ではポータルサイト(さとふる、ふるさとチョイスetc)の数が20を超える盛況ぶりです。

最近ではワンストップ特例制度のおかげで、ふるさと納税の手続きもそれほど難しくはありません。 けれども、ふるさと納税をしていて一部の条件に当てはまる方は、確定申告をしなければいけません。

今回の記事では、どのような方がふるさと納税で確定申告が必要なのか、というテーマを中心に解説いたします。

 1.ふるさと納税で確定申告をする必要がない方とは

①ワンストップ特例申請をされた方

ワンストップ特例申請制度とは、平成27年4月1日以降に総務省により創設されたふるさと納税の税控除を受けられる仕組みを言います。ワンストップ特例申請書とは、その手続きに必要な申請書のことです。

 ワンストップ特例申請制度がなかった時代は、ふるさと納税の利用者(=寄付者)は寄付のあとに自分で最寄りの税務署で確定申告の申請をする必要がありました。しかし、ワンストップ特例申請では寄付者は寄付と同時に税金控除の申請書(=ワンストップ特例申請書)を自治体に送付すればいいというメリットがあります。

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また、ワンストップ特例申請書のフォーマットは確定申告書よりもシンプルで、記入するのも難しくありません。そのため、ふるさと納税の寄付者にとっては確定申告をするよりも心理的なハードルは低くなります。

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※上記の画像の左側がワンストップ特例申請書、右側が確定申告書の一部です。

 しかし、ワンストップ特例制度にもデメリットはあります。まず、1回の寄付で1枚の申請書を提出しなければいけないのです。年間に20回のふるさと納税(寄付)をする方は、20枚のワンストップ特例申請書を記入しなければいけません。

 また、ワンストップ特例申請制度自体がすべての人が使える制度ではありません。以下のようにワンストップ特例申請制度を使うためには6つの条件があります。

 【ワンストップ特例制度を使うための6つの条件】

  • ①1月1日~12月31日までの1年間で寄付した自治体の数が5自治体以下の方
  • ②寄付の度にワンストップ特例の申請書を提出できること
  • ③ワンストップ特例制度の締め切りに間に合うこと(翌年の1月10日)
  • ④給与所得者で、医療費控除などの確定申告の必要がない方(源泉徴収のみで完結できる方)
  • ⑤給与所得者で、給与が2,000万円以下の方
  • ⑥不動産収入のない方

【参照:資金調達ノート|(確定申告)ふるさと納税の書類作成でのQ&A~書類提出・なくした場合

以上の条件に合う方で、ふるさとの納税のワンストップ特例申請の手続きをされた方であれば、別で確定申告を行う必要はありません。

 ②5団体以下の寄付をする方

ふるさと納税は任意の自治体に寄付をすることにより、寄付金額から2,000円を差し引いた金額を税控除できる仕組みです。寄付はひとり1回まで、などのように回数は決められていないため、ひとりで10団体以上などの複数の自治体へ寄付をする方もいらっしゃるかもしれません。

 5団体以上の寄付を行う場合には、ワンストップ特例申請制度は利用できません。確定申告書を税務署へ提出しましょう。

 ちなみに、ひとりあたまの寄付金額の上限額(年額)ですが、年収と家族構成によって以下のように決められています。

 【ふるさと納税の寄付金額上限(年額)】~年収500万円の場合

  • 独身または共働き→6,1000円
  • 夫婦→49,000円
  • 共働き+子供一人(高校生)→4,9000円
  • 共働き+子供一人(大学生)→44,000円
  • 夫婦+子供一人(高校生)→40,000円
  • 共働き+子供二人(大学生と高校生)→3,6000円
  • 夫婦+子ども二人(大学生と高校生)→28,000円 

中学生以下の子供はカウントに入れません。例えば、夫婦二人で中学生のこどもが一人いる世帯では49,000円の上限額となります。

 ③医療費控除や還付金などで確定申告をする必要がない方

確定申告とはその年の1月1日から12月31日までのすべての収入・支出を申告することにより、支払うべき税金額を明らかにする制度です。医療費控除や還付金を受けるなど、一部の手続きは確定申告でしか申請できません。

 (1)医療費控除とは

医療費控除は年間で10万円以上の医療費をつかった方が利用できる税控除の仕組みです。控除を受けるためには、会社で年末調整をするのではなく、ご自身で確定申告をする必要があります。

 【医療費の範囲とされる項目】

  • 診療または治療代
  • 治療または療養に必要な医薬品の購入費
  • 通院費
  • 松葉づえ・義歯の購入費用
  • 柔道整復師による施術代
  • 出産費用・助産師による分娩の介助代

 上記の利用代が年間10万円を超えているのであれば、ふるさと納税では確定申告をした方がよいでしょう。ちなみに、医療保険などで保険金が支払われた場合は、その額を差し引いて計算します。

 【医療費控除額の計算式】

(当年に支払った医療費の総額-保険金等で補てんされる金額)-10万円=医療費控除額

 医療費控除に似た仕組みとして、平成29年からセルフメディテーション税制もスタートしています。セルフメディテーション対象商品マークのついた商品を年間で12,000円以上購入している場合は、レシートなどの書類を添付して申請できます。

 (2)確定申告で還付金を受け取れる方とは

還付金とは、年間の所得税を支払いすぎた方が確定申告することにより、自身の口座に振り込まれるお金のことを言います。例えば、1月から12月まで同じ会社で同じ給与で働き続け何もライフスタイル変わらない場合は還付金の可能性はありません。

 けれども、出産した、病気になった、入院した、泥棒に入られた、などのケースに該当した場合、税金の控除に該当します。確定申告をすれば、払いすぎた所得税は還付金として戻ってきます。配偶者控除・扶養控除・生命保険料控除・社会保険料・イデコについては会社の年末調整で手続きができますが、以下の控除はご自身で確定申告しなければいけません。

 【自分で確定申告しなくてはいけない控除の種類】

  • 住宅ローン控除(減税)→住宅ローンを組んで対象物件を購入した場合、控除率に沿った控除が受けられる。(例、3,000万円の物件の場合は1%で30万円)
  • 雑損控除(ざっそんこうじょ)→災害、盗難、横領などで試算に損害を受けた場合に損失額から所得を際引いた額に10%をかけた額の控除を受けられる
  • 医療費控除→年間で10万円以上の医療費をつかった方が利用できる控除(保険金が出た場合はその額は差し引く)
  • 地震保険料控除
  • 障害者控除
  • 寡婦(寡夫)控除→夫または妻と死別または離婚したあとで扶養親族がいる場合の控除
  • 勤労学生控除

 還付金を申請できる期限は、控除できるケースが発生してから5年間です。そのため、「あ!3年前に出産したから、もしかすると医療費控除が受けられたのかも?!」という方は今からでも遅くないので、確定申告した方がオトクです。

 2.ふるさと納税で確定申告をする必要がある方とは

逆に、ふるさと納税をして確定申告をしなければいけない方とは、以下の条件に当てはまる方です。 

【ふるさと納税で確定申告しなくてはいけない方】

  • 医療費控除や還付金で確定申告する予定の方
  • 年間のふるさと納税寄付が6団体以上の方
  • ふるさと納税のワンストップ特例申請制度の締めきりに間に合わなかった方
  • 個人事業主
  • 不動産収入がある
  • 給与が年間2,000万円を超える
  • 会社員で年間20万円以上の副業による所得がある方
  • 年金暮らしの方で年間20万円以上の所得がある方

 結構、当てはまる方はいらっしゃるのではないでしょうか。特に、ワンストップ特例申請制度の締め切りは毎年1月10日です。この締め切りに間に合わなかった方は、必然的に確定申告をする必要があります。(しないと、税控除が受けられません!)

 【Q1】ふるさと納税で確定申告をする必要があるのに、もう期限が過ぎてしまった場合は?

確定申告は前年の1月1日から12月31日までの記入分を翌年3月15日までに提出することになっています。この期限を過ぎて納税が間に合わなければ、追加徴税の対象となる可能性があります。

 また、残念ですがふるさと納税としての寄付金控除の期限にも間に合わなかったことになります。所得税の還付金の申請期限は5年あるのですが、ふるさと納税とは別の話です。ふるさと納税をした方で確定申告をされる方は、寄付をしただけの人にならないためにも、なるべく早めに確定申告の準備を済ませておきたいところです。

 【Q2】ふるさと納税をしている会社員で、年末調整を出してしまった場合は?

年末調整は会社が従業員のために行ってくれている「簡易版」確定申告です。ふるさと納税の手続きは会社の年末調整ではできません。そのため、年末調整とふるさと納税の申告は別々に行う必要があり、年末調整を出してしまっても何の問題もありません。

 会社員でふるさと納税をしている方が寄付金控除を受ける方法は、ワンストップ特例申請書を提出するか確定申告書を提出するかの2択です。

 【会社員でふるさと納税をしていて年末調整して方の対処法】

  • 1.寄付金控除以外の控除がない→ワンストップ特例申請書を提出できます
  • 2.医療費控除などの控除もある→確定申告しましょう

 ご自身でふるさと納税の確定申告をする際は「給与所得の源泉徴収票」という書類を見ながら記入します。年末に会社の方からもらえる書類ですので、大切に保管しておきましょう。

 まとめ

ふるさと納税で確定申告をするべき人は、医療費控除などの控除がある方、ワンストップ特例申請書を提出しなかった方、以外にも、6団体以上の寄付をした方、個人事業主、不動産収入がある方、副業での所得が20万円以上ある方、などです。

ふるさと納税のワンストップ申請書の提出は1月10日までです。間に合わないと控除は受けられないので、早めに準備していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
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【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。