確定申告書、きちんと理解していますか?
個人事業主であれば毎年避けることができないのが確定申告です。
しかし、確定申告書は内容が非常に細かくごちゃごちゃしているため、どうやって見ればよいのかわからないという人が多いことも事実です。
そこで今回は確定申告書の見方について説明します。
1.日付と税務署名
日付の欄にはその確定申告書を提出する年月日を記入します。
そして、税務署名には確定申告書を提出する先の税務署名を記入します。
管轄の税務署がどこかわからない場合は、国税庁のサイトで調べましょう。
参照:国税庁 税務署の所在地
2.個人事業主に関する情報
(1)住所
個人事業主として自宅で事業を行っているのであれば自宅の住所を記載します。
別で部屋を借りている場合や店舗がある場合は事業所の住所でも構いません。
(2)令和〇年1月1日の住所
確定申告書を提出する年の1月1日における住所を記載します。
上記の住所と同じである場合には「同上」と記入します。
「令和〇年」の欄には、提出する年を書けば大丈夫です。
(3)個人番号
個人番号とはマイナンバーのことです。与えられた12桁の番号を書きます。
(4)職業
職業の名前を記入します。
具体的に言えば、デザイン業や食品卸売業、サービス業などがあります。
(5)屋号・雅号
ご自身の事業の屋号を記入します。屋号がなければ空欄でも構いません。
画家や作家であれば雅号を記入します。
(6)世帯主の氏名・世帯主との続柄
世帯主の氏名とその人との続柄を記載します。
世帯主が父親であれば「子」と書き、自分が世帯主であれば「本人」と書きます。
他にも、「孫」、「母」、「祖父」、「祖母」などの場合があります。
(7)生年月日
ご自身の生年月日を記入します。
一番左のマスには元号に合った数字を記載します。明治=1、大正=2、昭和=3、平成=4です。
(8)電話番号
自宅や勤務先、携帯電話などの電話番号を記入します。
税務署から電話があった際に連絡がとれる番号であれば問題ありません。
(9)種類
確定申告の種類を記入します。
例えば、青色申告であれば「青色」を、申告書第三表を使用するのであれば「分離」を選択します。
3.収入金額等
自分に関係する収入の項目だけ、収入の種類ごとにその金額等を記載します。
多数の欄が用意されていますが、たいていの場合、ア欄「事業―営業等」のみに収入金額を記載することが多いです。
他に当てはまる所得や収入があれば、その金額も記入します。
収入とは入ってきたお金を指し、所得とは収入から費用を差し引いたものを指します。
ア~ク欄では収入の金額を記載し、ケ・コ・サ欄には所得の金額を記載します。
ア・イ・ウ欄には決算書に記載した金額を書きます。
4.所得金額
上記の収入の欄から、費用を差し引いた金額が所得です。
会社員であれば、給与から給与所得控除を引いた金額が給与所得になります。
上記の「収入金額等」で、「事業―営業等」だけの記入だった人は、ここでも①欄「事業―営業等」だけに金額を記載します。
そして、他にも関係するような所得があるのであれば、それについても記載しましょう。
①・②・③欄では、決算書に記載した所得金額を記入します。
例えば青色申告であれば、青色申告特別控除を控除したあとの所得金額を記載します。
5.所得から差し引かれる金額
税金の計算をする際に、所得から控除することができる金額を記載します。
雑損控除や医療費控除、社会保険料控除などさまざまな種類の控除がありますが、それぞれの要件をよく確認し自分に適用できるものを選んで記入するようにしましょう。
6.税金の計算
課税対象となる所得や納めなければならない所得税の額を計算して記載します。
上記で記載した所得控除以外にも、特別控除を適用できるのであればその控除できる金額を記載することができます。
また、すでに源泉徴収によって収めた税額や予定納税によって収めた税額などは差し引いて、実際に収める所得税の税額を計算します。
かなりの項目があり、ひとつひとつ見るのは大変かもしれませんが、自分には関係のない項目も多いのではないでしょうか。
自分に関係のない項目に関しては、空白にしておいて問題ありません。
7.延納の届け出
資金繰りの事情などで所得税の納税を延納した際に記載します。
確定申告の申告期限までに納める金額と延納届出額を記入し提出することで、納税の延納が可能です。
延納した税金は次期に納めることができますが、延納している間は利子が付与されますので注意が必要です。
8.還付される税金の受取り場所
税金が還付される際に、還付金が振り込まれる銀行口座を記載します。
ただし、ネット銀行は使用することができませんので注意が必要です。
ネット銀行以外は、銀行名や支店名、口座番号などを記入するだけで大丈夫です。
まとめ
確定申告は普通に会社員をしている人であれば会社が源泉徴収として行ってくれているため、馴染みがない人が多いかもしれません。
しかし、自分で事業を始めた人や副業を始めたという人であれば、確定申告は必須の知識です。
事業者として確定申告書の見方はしっかりと押さえておきましょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
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