株式上場までにしておくべき資金調達とは

株式上場までにしておくべき資金調達とは 起業後の資金調達 – 起業後に実施しておくべき準備
株式上場までにしておくべき資金調達

上場に向けていくら資金調達したら良いの?

自分で起業をして会社を経営している方の多くが、いずれは上場することを視野に入れているのではないでしょうか。
しかし、多くの人にとって上場は初めて目指す目標のため、どのように準備をすればわからないという人が多いです。
特に問題となるのが資本政策。
株式上場に向けていくらの資金を調達しておけば良いのでしょうか。
今回は株式上場のためにしておくべき資金調達について説明します。

1.上場に向けて調達すべき資金の金額と時期

上場すれば公募増資によって株式市場から資金を直接調達することができますが、上場以前であれば銀行借入れなどの間接金融による資金調達が中心になります。

また、第三者割当増資などによって投資家から資金調達を行うケースもあるでしょう。

上場前の資金調達に関しては、次の3点を検討しましょう。

  • 上場までにある各事業年度にいくらの資金を調達しなければならないか。
  • 上場に必要な資金のうち、いくらを銀行借入れなどによって賄うことができるか。
  • 賄えない部分を第三者割当増資などによって埋め合わせる場合、増資を引き受けてくれる人や法人はあるのか。

各事業年度にいくらの資金が必要なのかは、中期事業計画をつくらないとはっきりとはわかりません。そのため、資本政策と事業計画は一緒に考える必要があります。

事業計画の甘さから、上場する前に資金ショートしてしまって追加で増資をし、安定株主のシェアが計画以下になってしまったり、逆に資金が余ってしまったりなど、作成していた資本政策が無駄になってしまったりします。

また、投資家からすれば上場前の会社に投資をするというのは非常に高いリスクを背負っているということになります。そのため、経営に干渉してきたり、長期的な経営よりも短期に上場することを要求してきたりすることもあり得ます。

会社としては返さなくていい資産として都合が良いのですが、返さなくてもよいというのはデメリットもあるということを忘れてはいけません。

2.上場までの株価について

上場する前に第三者割当増資をしたり株式を譲渡したりした場合、株価が問題となります。

株価は会社の価値を表すため、上場に向け業績が伸びている企業の株価は一般的に高くなっています。

資本政策においても、一般的に上場の時期が近付けば取引株価は高くなります。

会社の立場から見れば、安定株主対策としての増資や従業員の福利厚生としての従業員持株会に対する増資では株価は安い方が良いでしょう。

取引先やベンチャーキャピタルなどに対する増資をはじめとした外部調達では株価は高い方が良いです。

外部の調達先も株価が高すぎた場合は投資利回りが下がって出資しづらくなってしまい、思うような資金調達をすることができなくなってしまいます。

株価が上昇している前提で最適な株価にする必要があります。

3.安定株主対策

株式会社では株式シェアを一定保有しておくことで経営を安定化させることができます。その株式を保有するグループを決定することを「安定株主対策」といいます。

経営者は100%保有するのが一番安定的ですが、上場する前に外部から資金調達をすればそのシェアは低下します。上場する前に資金調達と安定株主対策をどのようにバランスを取るかが重要になります。

4.上場した際のキャピタルゲイン

経営者など上場する前からの株主は上場した後に株式を売却することでキャピタルゲインを受け取ることができます。

経営者はこのキャピタルゲインによって、今までの投資による負債を返済したり、今までの苦労が報われたりします。

経営者は上場するとインサイダー取引規制の関係で、株式を売却するのが難しくなりますので、上場の際が貴重なキャピタルゲインのチャンスとなります。

5.従業員や役員に対するインセンティブ・プラン

自社株を使ったインセンティブ・プランとして従業員持株会とストックオプションが存在します。

従業員持株会は給与の中から拠出金を天引きで積立てることで、従業員としては少しずつ資産を形成できることになります。

従業員持株会は従業員を対象としていますので、退職したり役員に昇進したりする場合は退会することになります。

また、従業員持株会は従業員としての規約を満たせば一律で入会できます。このように、公平に与えられるものですので、福利厚生としての性格が強いといえます。

一方で、ストックオプションは上場したあとに現在の価格で株を取得できる権利を与えるもので、従業員や役員以外にも外部関係者にも付与できます。

また、取得した人は上場して権利を志向するまで金銭の負担がありません。そのため、運が良ければリスクがなくキャピタルゲインを得ることができます。

経営者はそのようなことを踏まえて誰にいくら与えるのかを考えなければいけません。

まとめ

上場における資本政策は今後の経営を左右する非常に大切なものです。

上場してからもしっかりと安定した経営を続けるために、上場に向けた資金調達は手を抜けません。

これから上場を考えているがどのような資本政策が必要なのか分からないという方はぜひ参考にしてみてください。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。