ストックオプションを上手に活用すれば業績がUPする?

ストックオプションを上手に活用すれば業績がUPする? 起業後の資金調達 – 起業後に実施しておくべき準備
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ストックオプション制度の適用で業績向上!

会社の経営者であれば、一度は「ストックオプション」という株に関する言葉を見聞きしたことがあることでしょう。

株は企業の業績により値が上下するものですが、ストックオプション制度ではこの株の価格をあらかじめ定額にし、将来株価があがった時も定額で購入できるという制度です。

 

このストックオプション制度は一見、株を割安な価格で手放さなくてはいけないため経営者が損をする制度という認識の方もいらっしゃいます。

 

しかし、企業によってはこのストックプション制度を有効活用し、事業を有利に発展させることができるのです。今回の記事では、そのあたりについて説明します。

 

1.ストックオプション制度と似ている持ち株会との違いとは?

ストックオプションとは、会社が従業員や代表取締役、そして株主に対して会社の株価が上昇した際もあらかじめ定められた価格(権利行使価格)で売り渡すことを定めた報酬制度です。

 

例えば、株式公開時の価格は1株1,000円だとして、10年後に5,000円に値上がりしたとしましょう。あなたがストックオプションの権利を持っているならば、1株5,000円の株を1,000円で購入できるのです。通常の1/5の価格で株を購入できるのですから、非常にメリットとなりますよね。

 

似たような制度として、持ち株会があります。筆者は2000年に定食屋の大戸屋の正社員でした。その際に持株会がありましたが、「給与が減るからな」と購入をしませんでした。(買っておけばよかったです)持ち株会は、自分が働いている会社が従業員に対して自社株の購入を募集するものです。

 

両者の違いは、ストックオプションが株購入権利なのに対して持ち株会は実際に株を買う行為であり、社員の預金代わりという意味合いがある点です。ストックオプションを保持している社員であっても、実際に株を購入するかどうかは本人の自由です。しかし、持ち株会の場合は解約しない限り、毎月一定額が給料から差し引かれるのです。

 

2.ストックオプション制度の経営者へのメリット

それでは、本題に戻りましょう。ストックオプション制度を経営者として利用するメリットはどこにあるのでしょうか?ストックオプションには有償と無償のものがありますが、今回は無償のストックオプション(インセンティブ)という仮定で説明します。

 

①自社の社員が株を保持することは金融機関にとって高評価

自社の社員がたくさん株を保持している会社、そうでない会社と2種類の会社がある場合、どちらの会社が投資家にとって評価が高いと言えるでしょうか?

 

株は会社の一部のようなものですが、会社の一部は社員たちです。社員自ら株を持っている会社は、投資家にとっても「社員に愛社精神がある」「今後も伸びシロがある」と好意的に受け止められます。

 

投資家から高評価の企業は、銀行などの金融機関からももちろん評価が高いものです。

 

②優秀な人材を確保できる

優秀な社員は仕事のやりがいなどで働く会社を選ぶことも多いですが、年収や福利厚生で選ぶ人も多いもの。年収を上げるのは難しくても、ストックオプションをつけることは経営者にとってそこまで負担ではありません。

 

自社株を定額で購入できる権利があると、その株価を上昇させたいとモチベーションが上がる社員も存在します。特に、優秀な人材は将来設計や株などの投資に関心のある方が多いものです。

 

確実に値上がりすると始めからわかっている自社株の購入権利があるのであれば、優秀な人材へのアピール材料となります。

 

③経営陣への意識付けとなる

ストックオプションを代表取締役始めとする経営陣にも付与することで、自社株の下落を招く行為をする可能性を下げる事ができます。

 

どういうことかと言うと、よくあるのが経営を左右する役員の中での意識の違いにより、経営の方向性が定まらないというかじ取りの問題です。会社組織が大きくなればなるほど、部長・課長といったように次期社長を育てなくてはいけません。

 

ストックオプションを付与することによって、将来の経営者であるという意識付けをすることができ、より経営陣というチームにいるという意識の明確化を可能にします。

 

④会計処理でストックオプションを有償化できる

ストックオプションには有償と無償のものがあります。有償と無償の違いは以下の通りです。

 

 

有償ストックオプション

無償ストックオプション

メリット

割り当てで対象者に手数料が発生しない

費用計上が不要

デメリット

費用計上が必要

割り当てで対象者に手数料が発生する

 

会計処理をすることにより、有償化できます。有償化には、会社の会計処理が必要です。ストックオプションの権利を行使できる日を「権利確定日」と呼びますが、権利確定日以前は新株予約券として純資産へ計上します。

 

権利確定日が決定すると、各会計期間において「公正な評価単価×ストックオプション数」という計算で計上します。ストックオプションの計上は発行された全ての数を計上するのではなく、退職者の数は差し引いて損益として計上します。

 

ストックオプショの会計については様々な取り決めがあるため、公認会計士などの専門家に相談した上で有償化をしましょう。

 

3.ストックオプション制度の経営者のデメリット

ストックオプション制度でさまざまなメリットが経営者にあることをご紹介しました。しかしながら、デメリットもありますので併せてご紹介しましょう。

 

①ストックオプションを保持した従業員が流出する

メリットとまさに逆ですが、ストックオプションを保持したまま外部へ流出するというケースも考えられます。なぜなら、持ち株会と異なりストックオプションはあくまで権利行使の権利だからです。

 

このような事がないよう、ストックオプション制度の設定時にはコンサルティング業者なども利用して、ストックオプションの外部持ち出しを禁止する規定を盛り込むなどの抑制を入れるのが通常です。

 

②外部要因により株価の下落で従業員のモチベーションが悪化

社員がどんなに頑張っても、日本経済自体が低迷している、気象が今年は良くなかったなどの外的要因で株価が下がることは充分あり得ます。

 

その場合、会社の一部として頑張ってきた従業員の中には少なからずモチベーションが下がってしまう方もいるかもしれません。株価が下がった場合にはどのような対処をするのか、という規定もあらかじめ用意しておくと、このデメリットは克服できるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか?ストックオプションを効果的に使えば、社員のモチベーションUPや次期経営者への意識付けなどの効果が期待できます。ストックオプションに向いている企業は、ベンチャー企業や株式公開を目指す企業です。是非参考にしてください。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。