個人事業主から法人化!どんなメリットがあるの?

個人事業主から法人化!どんなメリットがあるの? 起業後の資金調達 – 起業後に実施しておくべき準備
法人成りするとメリットあるの?

法人成りってした方が良いのかな?メリットとデメリットから比較!!

個人で事業を行っている方は、この時期になると確定申告に追われる日々ではないでしょうか?確定申告をしていると、法人成りした方が得なんじゃないか?!という思いが芽生えることはありませんか?? 今回は、個人事業主の方が法人化する際のメリット・デメリットについてご紹介します。

1.そもそも法人化とは?

法人化(法人成り)とは、個人事業主の方が法人を設立し、今まで個人事業で行っていた事業を法人に引き継いで行うことを言います。

個人事業主の事業を会社が引き継ぐ

ポイントは「今まで個人事業で行っていた事業を引き継ぐ」という事です。

事業という言葉の中には、業務内容だけではなく、個人事業主としての資産や負債も含まれています。

会社設立の方法は、通常の会社設立と同じです。しかし、資産と負債の引き継ぎを行う必要があるため、通常の会社設立よりも設立までのプロセスが長くなります。

2.個人事業主が法人化するメリット

個人事業主として仕事をしている方が法人化すると、お金と業務それぞれメリットがあります。

メリット1.税金を抑えることができる可能性が高い!

個人事業主の方の場合、確定申告を行って所得税を納めます。毎年、2月16日前後~3月15日前後までに前年の所得を申告し、それによって算出された所得税を納める必要があります。

所得税は収入から経費等を引いた課税所得に課税される税金です。課税所得が高くなると所得税も高くなる累進課税という方法が取られています。所得税率

しかし、法人の場合には所得税ではなく法人税が課税されます。法人税率は税引前当期純利益の金額で税率が異なります。

法人税率

税引前当期純利益が800万円以下の部分に対しては15%となり、800万円を超えた部分に対して23.4%(23.2%)の税率が課税されます。

つまり税引前当期純利益が900万円の場合には800万円までの税額120万円と800万円を超えた100万円の税額が23万4,000円となり合計で143万4,000円が税額となります。

個人事業主の所得税が高い!と感じている方が法人成りを考える場合には、所得税と法人税を比較してどちらの方が良いかという点を基準に考えるという方法もあります。

ただし、法人の場合には、法人税以外にも事業税などが課税されることになりますので、税金面のみで法人成りを検討される場合には、必要な税金をすべて調査しておく必要があります。

メリット2.自分の給与も経費になる!

個人事業主の場合、事業で得た収入から経費を引いた残りがご自身の所得となります。給与という概念がありませんので、給与を経費するということはありません。

しかし、法人化することで、ご自身の給料を役員報酬という形で設定することが出来ます。役員報酬だけでなく、ご自身が引退する際の退職金も経費に算入することが出来ます。

さらに、法人の場合には家族の給与も経費にすることが出来ます!個人事業の方が家族を従業員とする場合、専従者の届出が必要となりますが、法人の場合には特別な届出は必要ありません。

メリット3.決算期を自由に設定できる!

個人事業主の決算は12月31日と決められています。そして、翌年の3月15日までに確定申告を行ない、納税額の申告と納付を行ないます。確定申告時期になると税務署も混雑して、とにかく時間がとられる!と思っていた方も多いのではないでしょうか?

法人化すると、決算期は会社の自由に設定することが可能です。確定申告で税務署が混雑する時期を避けることも出来ますし、税金面から決算期を決めることも出来ます。決算は社内的にも事務手続きが多くなるため、繁忙期を避けて決算期を設定するとう会社もあるようです。

ちなみに、決算期は後から変更することも可能です。ただし、勝手に変更することは出来ません。株主総会による決議、税務署へ異動届の提出などが必要になります。

メリット4.社会保険加入者になれる!

個人事業主であれば国民健康保険・国民年金への加入が義務付けられています。(ただし、個人事業主の場合でも従業員が5名以上いる場合は社会保険の加入が義務付けられています。)

法人化すると社会保険へ加入が義務付けられます。(従業員の人数は関係ありません!)社会保険の中の厚生年金は国民年金よりも将来受取ることができる年金額は高くなります。また、配偶者や子など扶養している家族も社会保険加入者という扱いになります。

メリット5.消費税が最大2年免除になる!

個人事業主の場合には、事業開始から2年間は課税売上高が1,000万円を超えていても消費税が免除されます。一方、法人の場合にも、資本金が1,000万円未満の場合には創業から2年間は消費税が免除されます。

既に個人事業主として事業を行ない2年以上経過していても、法人化した段階での判断となりますから、個人事業主として事業を開始して2年経過したタイミングで法人化すると最大で4年間、消費税が免除されることになります。

メリット6.業務に関するメリット

個人事業主が法人化するにあたり、得ることができる業務に対するメリットは「信用力が上がる」という点です。社会的な信用力が上がることで、大手との取引を行うことが出来るようになったり、人材が採用しやすくなります。

資金調達を行う際にも、金融機関によって法人の方が借りやすい、借りられる金額が増えるというケースもあるようです。

3.個人事業主が法人化するデメリット

デメリット1.支払う必要があるものは増える

法人住民税の均等割

個人事業主の場合、利益が出ていなければ税金を納める必要はありません。しかし、法人の場合、赤字だとしても法人住民税の均等割を納める必要があります。

法人住民税の均等割

社会保険料の会社負担

法人の場合には、社会保険の加入が義務付けられています。社会保険料は従業員が半分、会社が半分負担することになっています。さらに、労災保険や子ども・子育て拠出金等に関しては全額会社が負担する必要があります。

従業員の人数には関係がないということになるので、ご自身お一人で法人化した場合、保険料を倍払うようなイメージになります!

始めるときも辞めるときも費用がかかる

法人を設立するためには、法務局で設立登記の手続を行ないます。この際に最低でも約24万円の費用が掛かります。さらに、会社を廃業することになった場合にも、解散登記に30,000円、清算結了登記に2,000円と廃業するための費用がかかります。

法人の場合には、始めるときも辞めるときも費用がかかってしまいます。

デメリット2.設立登記はお金だけではなく時間もかかる

会社の設立は以下のような流れで行ないます。

法人成りの手続流れ

上記の流れだけみると複雑そうに感じないという方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれの項目の中に、やるべきことがたくさん詰まっています。そのため、設立のための準備を考えたら法人化は見送ったという個人事業主の方もいらっしゃいます。

会社を設立するための手続は司法書士などにお願いするということも出来ますが、其の場合には登記費用以外にも費用がかかることになります。

デメリット3.会計や税務も理解しておく必要がでてくる

個人事業主の頃よりも、会計や税務に関する事務手続き等が増えることになるため、ご自身でもある程度の知識を持っておく必要があります。経費の扱いなども個人事業主とは異なる点があるため、個人事業主の頃と同じような感覚でいると大変なことになるということも考えられます。

まとめ

個人事業主の方が法人化するということは、法人という新しい人格が生まれることになります。それによって、今までよりも大きな取引が可能になったり、社会保証が充実するなどのメリットがたくさんあります。しかし、最初から法人を設立する起業家の方と異なり、個人事業主として事業を行われていた方だからこそ、手続の煩雑さや売上の扱いの変化などデメリットに感じる部分も多く存在します。

個人事業主としての現在の状況、今後の展望、税金面での差など様々な点を考慮し、法人化を検討してみてくださいね。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。