創業後に銀行からの融資を受けよう!印象が良い決算書を作成するためのポイントとは?

創業後に銀行からの融資を受けよう!印象が良い決算書を作成するためのポイントとは? 起業後の資金調達 – 銀行/信用金庫の融資
日本政策金融公庫 決算書 書き方

決算書で融資の有無が決まる?

会社を創業して1期目以降に銀行から融資を受ける場合、融資審査の資料として会社の決算書を銀行に提出することになるでしょう。 決算書には、会社の売上や経営状況を把握するための情報が含まれています。 銀行の融資審査に通るためには、印象の良い決算書を提出することが大前提です。 今回は、銀行が特に注目して見る決算書の項目についてご紹介します。 銀行融資を利用した資金調達をお考えの方や、会社を経営している方は是非ご確認ください。

 

1.銀行融資の際に提出する決算書とは?

 

会社を形成している「資金」「投資」「営業」の三つのサイクルに伴うお金の流れを、時期ごとに数字で算出しまとめた書類を決算書と言います。

決算書に記載された数字を見ることで、その会社の経営がどのような状況なのかを知ることができ、融資を申し込んだ際などの会社の評価基準として活用されています。

 

2.銀行融資の際に見られる決算書の項目

創業後に銀行から融資を受ける場合、会社の決算書を融資審査の資料として銀行に提出する必要があります。

提出した決算書の印象が悪ければ、融資審査には通りにくいと言えるでしょう。

しかし、今回ご紹介するポイントを抑えた決算書を作成しておくことで、銀行からの資金調達を受けやすくなります。

(1)まずは「利益」を確認!?

決算書を構成している書類の中に「損益計算書」があります。損益計算書には5種類もの利益が記載されており、それぞれによって何の利益を示すかが異なるのです。

①売上総利益

損益計算書の売上総利益は、売上から原価を引いて算出する利益で「粗利益」とも呼ばれます。

売上総利益を算出する場合、商品の販売にかかった人件費や商品の管理費など様々な費用について省いて考えています。

ですから、多くの企業が売上総利益を算出すると黒字の状態になるでしょう。

 

しかし、売上総利益が万が一赤字であった場合、常に原価割れをしている商品を販売していることなり銀行からの融資を受けられる可能性はほぼありません。

行っている事業自体を見直す必要があるでしょう。

②営業利益が黒字であることが重要!

本業によって得た利益を表す「営業利益」は、売上総利益から商品の販売にかかった人件費などの必要経費を引いて算出します。

本業によって得る利益が赤字である場合、融資をしても返済できない企業かもしれないと判断されるでしょう。

③経常利益も重要な利益!

損益計算書に記載される利益の一つに「経常利益」があります。

経常利益は、営業利益に加えて投資や借入の利子なども計上されている利益です。

経常利益が黒字であることは、融資をした際に、他の利息等の支払いをしても会社に利益が残っていることを表しています。

よって銀行からの評価も高くなると言えるでしょう。

 

銀行融資の審査では、上記3つの利益を主に見ています。

利益が赤字の会社に融資をしても返済してくれる可能性が低いため、なかなか融資の審査には通らないでしょう。

「営業利益」「経常利益」が共に赤字になってしまった場合には、赤字は一時的なもので、短期で黒字に戻すことが可能であるとう説明が必要です。

決算書に記載されている5つの利益については以下の記事で詳しくご確認ください。

起業の前に知っておこう!損益計算書の利益5つとは?

 

(2)純資産は会社の自己資本!

銀行は決算書の純資産がどれくらいあるのかをチェックします。

会社の資産から負債を引いて算出する純資産は、会社の自己資本がどれくらいあるのかを表しています。

純資産がマイナスになっていませんか?

負債が多く自己資本比率が低い場合、債務超過であると判断され銀行からの融資を受けることは難しいでしょう。

 

中小企業の一般的な自己資本比率は15%程と言われています。

銀行融資を申込む前に決算書の純資産を見て、自己資本比率がどれくらいか計算してみましょう。

 

もし純資産がマイナスで債務超過の状態になっている場合、経営改善計画を作成し会社経営をどのようにして持ち直すかを銀行に伝える必要があります。

(3)会社のフリーキャッシュフローを確認しよう!

銀行は会社に使用できる現金がどれくらいあるのかで、融資を実施した場合に返済が可能かどうかを判断します。

フリーキャッシュフローは、設備投資費用や営業活動に必要な費用を支払った後に残る「会社が利用できる現金」です。

フリーキャッシュフローが充分にある会社は、銀行が融資した場合でも返済に充てる現金がある、と判断されるので融資審査の際の評価が高くなるでしょう。

(4)­­­役員への貸付はありませんか?

中小企業の場合、社長などの役員へ貸付をしていることも珍しくありません。

しかし、貸付があるなら、貸付金を回収することで事業資金を賄うことができるのではないか?と判断され、銀行融資の審査においてあまり良い印象を与えません。

銀行融資を受けたいが役員貸付金がある場合には、役員貸付金の仕組みを今一度確認しておくべきでしょう。

(5)売掛金は少なくしておくべき!

どのような企業であっても、少なからず掛けと引きをしているでしょう。

決算の時に、未回収の売掛金があることは全く不思議ではありません。

売掛金は一定期間を過ぎると回収することができますが、回収までの期間をどれくらい短くするかが重要です。

銀行の融資審査の評価を良くするためには、売掛金回収までの期間を短くする努力をし、資金繰りが円滑になる努力をしていることを示しましょう。

(6)仮払金や立替金が多くなっていませんか?

決算書を作成するときの仕訳処理の時点で、何に使用するお金なのか明確に判明していない「仮払金・借受金・立替金・預り金」が多く計上されていることは良い印象を与えません。

決算書において、使い道が分からないお金を出来るだけ少なくしておくように心がけましょう。

(7)税金はきちんと払っていますか?

融資を受けるための条件として、法人税はもちろん消費税などの税金をきちんと支払っていることが挙げられます。

融資を受けたお金で税金を払うつもりである、という言い訳はNGです。

きちんと支払うべき税金は納めておきましょう。

(8)担保にできる不動産がある?

融資をした際に担保にできる不動産があると、融資額の幅が広がるでしょう。

会社ではなく社長が持っている土地でも構いません。

(9)所有している土地や有価証券の価値を確認しましょう。

土地や有価証券を所持していることは、必ずしも融資審査に有利になる訳ではありません。

土地や有価証券を取得した時と比較して、現在の価値が下がってしまった場合、売却したら損をしてしまうでしょう(含み損)。

資産を売却した時の含み損が大きい場合、担保として評価されないことがあります。

決算期に所有している資産の価値を確認しておきましょう。

ただし、含み損が出た場合でも、資産評価額が高い場合には担保として扱ってくれる場合もあります。

もちろん、担保があれば融資は受けやすくなります。

(10)現金化可能な固定資産はありますか?

会社や社長が所有している固定資産の中で、早い時期に現金化できるものがあるかどうか確認しておきましょう。

所有している固定資産の中で、すぐに現金化ができるものや、今後の資産価値が下がりにくいものは、銀行融資の際に担保として認めてくれるため融資をうけやすくなります。

(11)毎月の勘定科目内訳書を作成していますか?

麻衣追の入出金を記録した内訳書を作成しておきましょう。

毎月勘定科目内訳書を作成し、融資の際に提出することで、決算期にごまかしをしていないことを示すことができ、銀行からの信用度もあがります。

(12)保証人の個人資産があれば信用度があがる!

会社で融資を受ける場合、社長個人が保証人になることがほとんどです。

役員報酬や不動産物件などの評価価値のある個人資産を保証人が所有していることで、銀行融資の審査に通り安くなるでしょう。

また、決算をしている年度で損失がでている場合であっても、保証人である社長の資産があることで銀行からの評価は高くなります。

(13)定期的に明確な棚卸しをしていますか?

棚卸しによって明確になる在庫数は「棚卸資産」として計上されます。

会社にとって、在庫である棚卸資産を多く抱えることは、経営を圧迫する要因の一つです。

売上に相応以上の棚卸資産がある場合、会社が破たんしてしまう可能性が高いため、銀行融資の審査は通りにくいでしょう。

(14)なんといっても預金は大切!

個人で事業融資を受ける場合、どれくらいの預貯金があるかは自己資金として判断されるため非常に大切なポイントです。

しかし、会社で銀行融資を申込む場合であっても、会社の預金がどれくらいあるかはとても大切なのです。

まとめ

今回は、起業後に銀行からの融資を受けるためのポイントをご紹介しました。

銀行の融資では決算書の提出が必須で、銀行融資の審査では決算書の内容が重要視されます。

普段の経営から、決算期に作成する決算書の内容が審査の不利にならないように心掛けましょう。

 

銀行の融資を受けて資金調達をすることができた場合、きちんと返済を続けることで金融機関からの信用度もあがり、会社として大きく成長することが可能です。

 

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。