ペットホテル開業には特別な資格は必要??資金調達はどうしたら良い??
どうしてもペットを一緒に連れて行くことが出来ない旅行などの際に、ペットホテルを利用される飼い主さんが増えています。 ワンちゃんや猫ちゃんなどのペットは家族の一員として迎えられることが多くなっている現代では、ワンちゃんや猫ちゃんのためのサービスをお仕事にされる方も増えています。 動物が大好きだから動物と関わる仕事がしたいと開業を検討される方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、飼い主さんにとってもありがたいペットホテルを開業するために必要な手続きや資金調達方法などをご紹介します。
1.ペットホテル開業のために必要な届出
ペットホテルを開業するためには、動物取扱業の登録が必要です。登録をせずにペットホテルの営業を行うと20万円以下の罰金という罰則が定められています。
動物取扱業の登録は、開業場所の都道府県知事への届出を行い登録してもらいます。
(1)動物取扱業の登録要件
動物取扱業は事業として動物を扱う場合に必ず登録が必要です。
登録には上記の書類が必要となります。そして、もっとも重要な点は、動物取扱業の登録を行うためには「動物取扱責任者」の選任が必要です。
(2)動物取扱責任者の要件
動物取扱責任者は誰でも良いというわけではありません。動物取扱責任者として登録出来る人は以下のいずれかに該当する人になります。
専門学校や資格の詳細に関しては各自治体に問い合わせてください。
ちなみに、東京都の場合は、東京都動物愛護相談センターHPより動物取扱責任者の要件を確認することが出来ます。
2.ペットホテル開業のために必要な資格はある?
ペットホテルを開業するためには、動物取扱業の登録と動物取扱責任者の選任以外に特別な資格等は必要ありません。
しかし、お客様のワンちゃんや猫ちゃんをお預かりするという点では、ペットシッターや愛玩動物飼養管理士、動物看護士、トレーナーなどの資格を取得していると強みとしてアピールすることが出来ます。
また、トリミング施設を併設するなど、ペットホテル+αとして事業の展開を計画されている場合には、トリマーとしての資格も取得しておくなど、事業の展開に合わせて資格を取得するようにしましょう。
3.ペットホテルの開業にかかる費用はどれくらい?
ペットホテルの開業に必要な費用はおおよそ800万円~1,000万円程度です。
物件を借りて開業するか自宅の一部で開業するかによって開業に必要な費用は大きく変わります。
また、ホテルの形態によっても必要な備品が異なります。ケージを準備して個室のようなスタイルにする場合には、ケージの準備が必要です。
ケージレスにする場合でも、他のワンちゃんや猫ちゃんが苦手な子もいるため、区切れるような対応はとっておいたほうが良いでしょう。
ー運転資金もしっかりと考えておきましょうー
開業資金と聞くと、開業時に必要な資金と思いがちですが、開業後すぐにビジネスが軌道にのる保証はありません。
全く売上がない状態でも営業とご自身の生活ができるようにするためには、最低でも3ヶ月程度の運転資金は開業時に準備しておきましょう。
4.ペットホテル開業のために注意すべきこと
開業場所の立地
ペットホテルを利用される方が利用しやすい立地で開業することが大切です。
ワンちゃんや猫ちゃんを連れて来るという行動を考えると、出来るだけ移動距離は少なくしたいところです。
公共交通機関等を利用される方もいらっしゃるとは思いますが、どちらかと言えば、住宅立地など近隣でワンちゃんや猫ちゃんを飼われている方が多い場所を選ぶようにしましょう。
提携できる動物病院を探す
お預かり中のワンちゃんや猫ちゃんに、異変が起こった時に対応をお願いできる動物病院を探しておくことも大切です。
立地を探す際には、近くの動物病院も一緒に探しておくようにしましょう。
周辺環境の確認
お預かりするワンちゃん・猫ちゃんのストレスを軽減するため
近所に大きな音がする施設や大きな道路がある場合など、音に敏感なワンちゃんや猫ちゃんには恐怖やストレスを感じることがあります。
緊急車両が頻繁に通るような大きな道路はないか、大がかりな工事を行っているなど場所や工事が始まりそうな場所はないかなども確認しておきましょう。
飲食店が隣接している場合などは衛生面への配慮はしっかりとしておきましょう。
また、鳴き声やニオイなどで近隣トラブルに発展することも少なくありません。
施設側で対策できることはしっかりと行い、お預かりするワンちゃんや猫ちゃんの飼い主さんに守ってもらうルールなども伝えられるようにしておきましょう。
また、複数のワンちゃん、猫ちゃんをお預かりするため、ワクチン接種等のルールも明確にしておきましょう。
5.ペットホテル開業のための資金を日本政策金融公庫で融資してもらうには
ペットホテルの開業には少なくとも800万円~1,000万円はかかります。
すべてをご自身で準備して開業するというのはなかなか大変です。日本政策金融公庫であれば創業のための融資や創業直後の融資も受けることが出来ます。
日本政策金融公庫で融資をうけるためには以下のポイントを抑えておきましょう。
ポイント1:ペットホテル業界での経験を持っている方が良い!
創業時の融資はその事業での実績を判断することが出来ません。そのため、経営者となられる方の過去の経験が重要です。
ペットホテルを開業したい場合には、同業種で一定期間勤務し、ペットホテルを運営するためのノウハウを取得しておくことが融資成功に繋がります。
動物取扱業の登録時に選任する動物取扱責任者も同業種での経験があれば登録をすることが出来ます。事業を始める前に経験を積んでおきましょう。
ポイント2:自己資金は最低100万円準備!
創業時の融資では、経営者となられる方の過去の経験と、自己資金が評価のポイントです。
先ほど、運転資金の話をしましたが、自己資金が全くないという方の場合、売上がたたない時期にどうやって生活していくのか、その期間の返済を滞りなくしてくれるかという点に疑問が残ります。
自己資金がしっかりとある方の場合、一定期間収入が無くてもなんとかなるということを証明することが出来ます。
また、立ち上げるビジネスに対する本気度も自己資金によって評価されます。
ポイント3:見込み客を確保しておきましょう
経営者の方の人脈や、今までの経験で繋がりのあるお客様など、ペットホテルを開業した後に利用してもらえるお客様のリストなどを作成しておきましょう。
売上の見込みの根拠として日本政策金融公庫の担当者にアピールすることが出来ます。
まとめ
ペットホテルの開業のためには動物取扱業の登録と、動物取扱責任者の選任は必須です。
開業立地は利用者の方の利便性やワンちゃん、猫ちゃんに負担のかからない場所を探すなど立地選定がとても重要です。良い立地が見つかっても、準備が不十分な状態では融資を受けることも難しくなります。
独立開業を目指す方は、早い段階からしっかりと独立に向けた準備を整えていきましょう。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/