不動産仲介業の開業に必要な資金の目安とスケジュール|資金調達方法についても解説

不動産仲介業の開業に必要な資金の目安とスケジュール|資金調達方法についても解説 2017.12.21起業のための資金調達 – 不動産(販売・仲介・内外装・リフォーム)
不動産仲介業で日本政策金融公庫から開業資金を調達するためのノウハウをご紹介します。

日本政策金融公庫からの融資を受けて不動産仲介業で開業!

不動産会社で働いている方や宅建をお持ちの方の中には、将来独立して開業したいとお考えの方もいることでしょう。

なぜなのか?それは、不動産業界ならではの以下のような労働条件に不満をお持ちだからかもしれません。

  • 土日が毎週休めない
  • 売上ノルマが達成できない
  • 景気に左右される。景気が悪いと深夜残業もザラ

あなたが不動産仲介業を開業するとして、具体的にはどのような手続きを踏めばいいのでしょうか?資金はいくらぐらいかかるのでしょうか?今回の記事では、不動産仲介業の開業資金とスケジュールについて解説します。

1.賃貸仲介か売買仲介か?

不動産業と一口に言っても、賃貸管理、賃貸仲介、売買仲介といった業務範囲の違いがあります。不動産仲介業を開業する上でまず決めたいのは、賃貸仲介なのか売買仲介なのか、またはどちらもするのかという業務範囲です。

不動産仲介業の種類と仲介手数料の相場

  • 賃貸仲介⇒家賃の0.5~1か月分+消費税
  • 売買仲介⇒物件価格の3%+6万円+消費税が上限

不動産業での経験が浅い方はまず賃貸管理業から始めましょうという意見もありますが、賃貸管理業で生計をたてるには件数を稼がなければいけません。開業当初は元付け(お客様から直接依頼を受ける)にいきなりなるのが難しいので、まずは客付け(部屋を借りたい人を探す、サポートする)からトライしましょう。

2.宅地建物取引士の資格が必須

①事務所に必ず一人は必要な専任の宅地建物取引士

不動産仲介業で開業するのであれば、法律で定められた数以上の(5人に一人の割合)宅地建物取引士をたてなければいけません。宅地建物取引士を別途雇うという手もありますが、オーナー自身の勉強にもなるので事業主が専任登録をするのをオススメします。

宅地建物取引士の登録をするには、免許申請に2~3週間、行政庁の審査期間が1か月かかります。余裕を持って準備を進めましょう。

②宅地建物取引士になるには

宅地建物取引主任者資格試験に合格し、その後取引主任者資格登録をして取引主任者証の交付を受けなくてはいけません。取引主任者資格登録をするには、2年間の実務経験か講習を受ける必要があります。

宅地建物取引士の資格に必要な費用は、以下を目安としてください。

  • 受験費用:7,000円
  • 資格登録手数料:37,000円
  • 宅建士証交付申請手数料:4,500円

③専任とはなにか?

専任とは、以下の条件を満たすことを言います。

  • 常勤をしている
  • 他の法人の代表取締役や他の職業を兼任していない
  • 他の個人事業を営んでいない、宅地建物取引業に専念できる
  • 常勤のために通勤できる場所に住んでいる

3.開業スケジュールについて

不動産仲介業を開業するには、会社設立の手続きや資金の準備などやるべきことが沢山あります。ここでは、宅建に既に合格して専任登録は済みという前提でご説明します。

①事務所物件を探す&契約をする

不動産仲介業をスタートするには、事務所の契約をするのが一般的です。宅地建物取引業法により、不動産仲介業をするには「継続的に業務を行なうことができる施設」を事務所として設定する必要があります。

宅地建物取引業法で不動産仲介業社の事務所として認められるには、以下の要件を満たしている必要があります。

  • 標識の掲示
  • 個人の生活部分や他業者から独立している

以上の条件を満たすには、レンタルオフィスやコワーキングスペースなどは利用できません。そのため、不動産仲介業を開業するには、店舗テナントを賃貸契約して事務所を構えるのが一般的です。

なお、個人の自宅を事業所にすることは可能ですが、事務所は生活部分と独立している必要があり、専用の入り口を作るなどリフォームをしないと、事業所として認められません。

②会社設立をする(期間:1~2週間)

他の業種であれば事務所や店舗なしで開業できるものもありますが、不動産仲介業の場合は事務所を構えた方が顧客の信頼度が上がります。筆者の経験でも以前、相見積もりをとった不動産業者が自宅開業している個人事業主だったということがありました。比較検討していた渋谷不動産よりも安く提案してくれましたが、何か不安を感じ結局渋谷不動産で契約をしたという経緯があります。

本題がずれましたが、会社設立は以下の流れで行います。

  1. 商号(会社名)決定
  2. 印鑑作成
  3. 定款作成
  4. 定款認証
  5. 登記書類作成
  6. 資本金払込
  7. 会社設立登記
1.商号(会社名)決定

会社名を決めます。社名として使用できる文字には制限がありますので、ご注意ください。

2.印鑑作成

法人用の印鑑を作成します。

3.定款作成

事業目的、本店所在地、設立のための出資金、発起人氏名等を記載します。

4.定款認証

管轄の公証人役場で事前に定款をチェックしてもらい、その後、定款認証を行います。

5.登記書類作成

設立登記申請書、本店・資本金決定書、代表社員就任承諾書、印鑑届出書など作成します。

6.資本金払込

資本金は1円からでもできますが、融資を受けたいと検討している場合は100万以上にするのがよいでしょう。

7.会社設立登記

本店所在地を管轄する法務局で行います。郵送やオンラインでも登記することができます。

会社設立に関しては下記記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。

inQup|株式会社設立|初めての人でも1週間で会社を作り起業する為の全手順

4.不動産仲介業はいくらあればスタートできる?

さて、不動産仲介業の開業で必要な資金はどのくらいなのでしょうか?以下にまとめてみたいと思います。

不動産業を営む場合は、本店1,000万円、支店1店舗につき500万円の「営業保証金」を最寄の供託所に供託しなければなりませんが、 保証協会の社員(会員)になると、「営業保証金」が免除されます。

ここでは保証協会に加入した場合で計算しています。

資格 宅地建物取引士の資格取得費 約5万円
不動産保証協会加入費用 約180万円
会社設立 資本金 700万円
書類・印鑑の作成費、申請費用等 30万円
店舗・事務所
(例:家賃25万円)
物件取得費(保証金等) 150万円
店舗内装工事費用 300万円
店舗器具備品等 150万円
主な運転資金 家賃(6か月分) 150万円
人件費(従業員2名×3か月分) 180万円
広告宣伝費(3か月分) 90万円


会社を設立して事務所を賃貸契約する場合、開業資金には2,000万円近くかかります。自宅で開業するならば家賃が必要なくなるので、500万円程度から不動産仲介業を始めることもできます。

しかし、開業資金のすべてを自己資金で準備するのは難しいことが多いです。そのため、不動産仲介業を始める方の多くは、日本政策金融公庫という日本政府が100%出資している政府系金融機関から融資を受けて、事業をスタートしています。 

5.日本政策金融公庫で融資を受けるためのポイントは?

日本政策金融公庫は、これから開業する方に対して積極的に支援している金融機関です。金利が2%前後であり、返済期間も運転資金で7年以内、設備資金で10年以内で借りることができるのも魅力です。

日本政策金融公庫から融資を受けるためのポイントは、まず自己資金の有無です。借りたい金額の1/10程度は最低限持っていないと、計画性のない開業としての評価を受けてしまいます。

次に、申込者の信用情報です。過去5年以内のクレジットカードやローン、携帯電話の支払いに遅延があったり、過去に任意整理をしたことがあるなど、信用情報に傷がついている方は審査に落ちる可能性が高いです。信用情報に少しでも不安がある方は、事前に自身の信用情報を確認してから申込みを検討しましょう。

当サイトでは、開業までに準備できる自己資金と、現在の借り入れ状況などの状況を基に、日本政策金融公庫から借入できるかどうかを無料で診断しています。

不動産仲介業を開業したいけれど、開業資金が足りないので融資を検討している方は、ぜひ一度お試しください。

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【受付】平日9:00~19:00

まとめ

不動産仲介業は経験や資格を活かしてできるため、人気の高い事業の一つです。取引するものの金額が高額であるため、マンションの一室で始めるより事務所を構えた方が結果的に有利になるでしょう。

融資を受けるために、創業計画書の書き方について知りたい方は下記記事を参考にしてください。

創業融資の鍵!創業計画書をつくろう―不動産業界編-

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/