実際の店舗よりも、ネットショップの方がハードルは低そうに感じますよね。
しかし、起業する方の85%は3年以内に廃業すると言われていますがネットショップ運営も例外ではありません。
今回の記事では、希望や夢を持ちネットショップを開業したものの失敗してしまった方の失敗事例にスポットを当ててみたいと思います。
1.【事例1】ネットショップで絶対に外せない広告について無知だった
店舗であれば地域の人が店の前を歩いてお店を除いてくれるかもしれませんが、ネットショップの場合はどうでしょうか。たまたま入ってくれる人を待っていては、到底売り上げに結び付きません。
実際の店舗の場合は商圏というものが存在します。店舗に集客できる範囲のことです。
例えば、新宿や銀座や渋谷の場合は商圏が広いことで知られています。魅力的なショッピングセンターや映画館や飲食店が多数集まっていて、そこに行くと人々は「何か楽しいことがある」と分かっているのでわざわざ遠くからでも人は新宿や銀座や渋谷に向かいます。商圏が広い地域はその分家賃は高いですが、お客様はどんどんやってきます。
インターネットの世界には商圏はありません。そのため、広告出稿という宣伝を行い人を誘導していかないとお客様はやってきません。ここで、ネット広告の種類についてご紹介しましょう。
【ネット広告の種類】
- バナー広告(Yahoo!のトップページの右側の枠にあるような広告)
- GDN(サイトやブログなどの特定のページに表示される広告)
- アフィリエイト(アフィリエイターと契約して商品購入があった際に報酬を支払う広告)
- 動画広告(YouTubeやGYAO!などの動画プラットフォームに差し込まれている広告)
- Facebook広告(Facebook上に表示させることができる広告です)
- Twitter広告(・Twitte上に表示させることができる広告です)
- リスティング広告(Google検索ページにユーザーが検索したワードに関連する文言が掲載される仕組みの広告。クリックされて初めてGoogleへ支払う広告料が発生する)
大まかなものでこれぐらいあります。それぞれ必要な費用が異なり、潜在層(広告を見る人の性別や年齢や生活スタイル)も異なります。あなたがネットショップで売るものが若者向けのものであればTwitter広告やアフィリエイトで、万人向けで予算をかけられるのであればバナー広告にするなど、販売計画に沿った広告の計画を立てる必要がネットショップ運営にはあります。
2.【事例2】固定費と変動費について把握できていなかった
「ネットショップだから家賃ないし、ほぼお金かからないでしょ」なんて月の資金計画を立てずに突き進み、1年後には廃業するケースが多く見受けられます。ネットショップであっても、営業の基本を理解する必要があります。
営業の基本とは損益分岐点のことです。赤字を出さずに事業を継続するために、ネットショップを運営する時でもグラフのように固定費と変動費を毎月計算し、最低いくらまでは売り上げないと赤字になるかを常に意識して営業しなければいけません。この、最低いくらまでをという基準が損益分岐点です。事業ではなく個人の場合は、給料が30万円の場合はそこから家賃と食費と携帯代出して、、と計算しますよね。しかし、事業の場合は給料がないので「自分がどれだけ稼ぎたいのか」を起点に、販売計画を立てていかなくてはいけません。
具体的にみていきましょう。まず、ネットショップの固定費とはまず以下のものが挙げられます。
【ネットショップの固定費】
- 月額利用料(例、4800円)
- システム利用料(例、20,000円。システム資料量10%の場合)
- クレジット契約料(例、なし)
ネットショップをするのに自分でサーバーをたて、ゼロからサイトを構築できる方は上記ではなくドメイン使用料やサーバー利用料が必要です。今は、手軽な方法としてAmazonや楽天などに手数料を支払ってスタートする方が多いのではないでしょうか。前項で「インターネットには商圏はない」とお伝えしましたが、Amazonや楽天などのショッピングサイトはインターネットの商圏と言えるかもしれません。
これらのショッピングサイトに登録してネットショップを始めるのであれば、クレジット契約料はなしになります。
世界的に有名なAmazonの場合ですが、月に50品以上出品する場合は月に4,900円の大口出品料がかかります。そして、販売手数料は商品により異なりますが売り上げの8~20%となっています。一つ2,000円の商品を月に100個売る場合は、上記のようにまず固定費として約25,000円が月額利用料としてかかります。
【ネットショップの変動費】
- 商品の仕入れ代金
- 商品仕入れに必要な税金等
- 梱包材の仕入れ代金
次にご紹介するのはネットショップの変動費です。そもそも売るものである商品の仕入れ代金や仕入れに必要な運賃や税金。そして買ってくださったお客様にお届けするための梱包材(封筒やプチプチ、段ボールなど)が必要です。
一つ2,000円のものであれば原価は3割として、600円はかかります。600円のものを100個仕入れるのであれば、商品仕入れ代金は60,000円。その他の代金などと合わせて80,000円とすると、固定費25,000円と足すと85,000円です。
つまり、固定費+変動費合わせて85,000円ということはそれがこの店の損益分岐点です。月の売り上げが85,000円以下であれば赤字です。85,000円を超える売り上げから広告宣伝費を捻出しますので、より多くの売り上げを出さなくてはいけません。
まとめ
ネットショップは店舗運営に必要な家賃や光熱費がない代わりに、自分でサイト運営する場合はサーバー利用料やドメイン利用料、Amazonなどのショッピングサイトを利用する際はいくつかの手数料を固定費として支払わなくてはいけません。
出店する前に「毎月どれだけ売れば損益分岐点を超えられるか」「これだけ売るための広告はどれくらうしなければいけないか」を考えて計画を立てる必要があります。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
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