整骨院を開業するための全マニュアル

整骨院を開くための全マニュアル~2018年4月から施術管理者要件が変更! 起業のための資金調達 – 接骨院・介護・福祉・医療
整骨院 開業

整骨院の開業方法を教えます!

日本の整骨院の数は年々増えています。統計によると、平成20年では34,839箇所のところ平成26年では45,571箇所を記録し、たった6年で約10,000箇所も増えています。整骨院は保険が利用できるので一般の方が気軽に身体の痛みを和らげる場所として必要とされています。

 

整骨院の数は、今後も超高齢化社会を背景にまずますニーズは増えると見込まれています。では、整骨院を開くには具体的に「何を」「いつ」「どう」すればいいのでしょうか。今回の記事では、整骨院開業に必要な具体的な手続きなどを中心に解説します。

 1.整骨院の業務範囲を確認しよう

整骨院とよく間違えられるのが、整体やカイロプラティックです。整骨院をこれから開こうとするあなたなら整骨院について詳しいかもしれませんが、一般の方は違いについてあまり詳しくありません。ここでは簡単に整骨院とよく比較される施術院の特徴をまとめました。

 

・整骨院

国家資格に合格した柔道整復師免許を持つ専門家が捻挫、打撲、挫傷(筋・腱の損傷)骨折、脱臼などの施術を痛みの少ない施術で和らげる。治療範囲は骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などのケガだけでなく、肩こり、腰痛、頭痛から産後骨盤矯正、O脚骨盤矯正までも守備範囲。開業するには開業場所の保健所への届け出が必要。利用者は各種保険を利用可能で医療機関の1つとして位置づけられる。

 

・接骨院

整骨院、ほねつぎとも呼ばれる。整骨院と同じく、柔道整復師免許を持つ専門家が施術する。

治療範囲は整骨院と同じで両者の違いはほとんどないが、接骨院の方が古くからある言葉として知られている。近年、接骨院ではなく整骨院を名乗る施術所が増えている背景は、接骨院が骨をつぐようなイメージを抱かせるからという説もある。

 

・カイロプラティック

整骨院、接骨院が有資格者の行う医療行為である一方、カイロプラティックは民間療法WHOでは保管代替医療として位置づけられ、守備範囲は主に筋骨格系の障害を取り除くための一連の手技。整骨院・接骨院との違いは、部分的な治療に留まらず機能改善、身体の自然治癒力を高めながらゆがみの矯正、痛みの軽減、を高めることを目的としている点。日本では無資格で営業できるが、海外では資格や学歴が必要。保険の適用不可。

 

・整体

無資格で営業できる。別名マッサージ。脊椎・骨盤・肩甲骨・四肢(上肢・下肢)など、からだ全体の骨格や関節の歪み・ズレの矯正、骨格筋の調整などを、手足を使った手技と補助道具でおこなう技術を持ち施術を行う。保険の適用不可。

 

いかがでしたか?大ざっぱに言うと、整骨院は国家資格者が施術する保険適用の骨折、脱臼、打撲、捻挫や肩こりなどの痛みを緩和する施術所と言えます。

 

2.整骨院を開くために必須の資格とは

整骨院を開くには、柔道整復師という医療関係職種の国家資格と施術管理者としての認定が必要です。柔道整復師の資格を取るには、まず高校または大学・短大などを卒業し、その後柔道整復学科のある専門学校・大学・短大を経て柔道整復師の国家試験に合格します。

 

施術管理者になるには

国家試験は年1回、毎年3月に筆記試験が実施されます。医療資格のため、解剖学や生理学なども含まれ、全11科目あります。

 

柔道整復師の試験の合格率は64.3%と決して難関な試験ではないようです。しかし、科目数が多いことと年1回の実施ですので、合格のためには計画的に準備する必要があります。

 

3.整骨院と保険の話

整骨院では各種健康保険を利用することができます。柔道整復師の施術は医療での「治療」とは区別され、「療育」と呼ばれます。患者さんが療育費支給申請書にサインをすることで、病院での保険適用と同様に、柔道整復師は保険請求ができます。

 

保険の範囲ですが、肩こりや頭痛などは対象外であり、以下の施術を受けた場合のみが保険の対象です。

 

・骨折

・脱臼

・捻挫

・肉ばなれ

 

上記以外の処置で保険請求する場合、不正請求としてみなされてしまうので注意しましょう。後ほど触れますが、上記の処置で保険請求をする場合には、施術所開設届けの写しが必要です。

 

柔道整復師の不正請求は年々問題化されています。2017年3月に厚生労働省から出された「施術管理者の要件について」という通達では、柔道整復師の不正請求対策について以下のような対策を明らかにしています。

 

【今まで】

学校を卒業し試験に合格するだけで施術管理者になれる

【2018年4月から】

施術管理者になるためには、16時間~2日間の研修と1~3年の実務経験が必要になる

 

厚生労働省|施術管理者の要件について

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000163334.pdf

※上記URLをクリックすると、厚生労働省の施術管理者についてのPDFに遷移します

 

2018年4月からは学校を卒業して試験に合格するだけでは整骨院を開けなくなります。一刻も早く整骨院を開いて街の人に貢献したい!と急いでいる方には、来年3月までの開業がよいと思われます。

 

4.整骨院を開くための申請&手続き

整骨院を開くためには、柔道整復師の試験に合格するだけでは不十分です。他の国家資格でもそうですが、試験に合格したあなたの名前を公益財団法人・柔道整復師名簿に登録しなくてはいけません。具体的な申請方法や申請先は、以下のリンクを参照してください。

 

柔道整復研修試験財団|柔道整復師免許証の登録事務

http://www.zaijusei.com/introduction_2_toroku.html

※上記URLをクリックすると、(公)柔道整復研修試験財団の公式ページにリンクします

 

5整骨院を開く経費は結構安い

整骨院を開く費用は、他の業種と比べあまり費用がかかりません。費用の平均は300万円~700万円ぐらい。ラーメン屋などの飲食店の場合は1,000万円以上がかかりますのでローコストといえるでしょう。

 

とは言え、整骨院を開くにはだいたい以下の費用がかかります。参考にしてみてください。

 

【設備資金】

物件取得費(実際に整骨院を開く場所の賃貸または購入費用)

内装費(受付、看板、カーテン取り付けなど)

備品購入費(シーツ、ベッド、椅子、棚、脱衣かごなど)

医療機器購入費(低周波治療器、マイクロ派治療器、打診器など)※リースも可

 

【運転資金】

人件費(従業員給料、交通費など)

物件費用(家賃または住宅ローン返済代金)

消耗品購入費(フェイスマット、フェイスペーパー。枕など)

水道高熱費

通信費(インターネット料金、サーバー費用、ドメイン料金など)

 

6.整骨院を開くための具体的な段取りは?

整骨院を開くためには、さまざまな段取りが必要です。ポイントは、開業してから施術所開設届を出すという点で、整骨院を保健所に登録して承認を受ける手続きがあります。

 

①整骨院を開く場所の確保

どこで開業するかは非常に重要なポイントです。どんなに良い技術を持った柔道整復師が揃っていても、肝心の整骨院の場所がわかりにくい場所だと集客は成功しないかもしれません。

 

理想的なのは、駅前・駅近で商店街の中のテナントが整骨院に向いています。また、団地などの集合住宅の中やオフィス外の中など、とにかく人が多く出入りするエリアに開業できると、稼げる整骨院になれるでしょう。また、病院や薬局の近くも穴場です。

 

②整骨院をオープンする

まずは近隣にチラシ配布やポスターなどで告知をして、ご近所さんにアピールすることからスタートしましょう。看板も分かりやすく作ることで、たまたま道を通りかかった方もみてくれることでしょう。

 

最近の整骨院では、電話予約だけでなくWeb予約ができる整骨院も多いようです。わかりやすいWebサイトを構築してURLをチラシに入れると、ネット経由での集客も増えていきます。

 

③開設後10日以内が必須!整骨院の登録手続き

整骨院を開業する地域管轄の保健所に問い合わせて、「施術所開設届」という書式を取り寄せましょう。この書面は、開業後10日以内に提出しなくてはいけません。

 

施術所開設届は、以下5つの添付が必要です。

・ 柔道整復師免許の原本と写し

・ 施術所の平面図

・ 最寄駅からの案内地図

・ 法人の場合は定款(写し)と登記簿謄本

・ 施術所が賃貸の場合は賃貸契約書のコピー

 

⑥開設後10日以内が必須!受領委任契約をする

整骨院で骨折・捻挫などの処置をした場合、保険請求することができます。保険請求をするには、①地方厚生局と受領委任契約を結ぶ、または②社団法人会員になるという2種類の方法があります。

 

①の場合、具体的にはへ以下の書類を開業後10日以内に管轄の地方厚生局へ提出します。

 

・確約書

・申出書

・柔道整復師の写し

・保健所解説届・変更届の写し

・柔道整復療育費の受領委任の取り扱いに関わる申し出

 

⑤資金調達法の選択

整骨院をひらくためには最低300万円でも必要とお伝えしましたが、実際には資金ギリギリのスタートは事業が失敗する傾向にあります。

 

手元に300万円ある場合でも、もう300万円ぐらいの資金を調達してから開業するほうが、事業主自体があとで後悔しないと思います。なぜなら、事業をする上で予期せぬ出費は必ずあるからです。

 

資金調達の方法ですが、まずは自己資金(貯蓄など)と家族・親類へ借金ができるかを検討します。次に考えるのが、日本政策金融公庫での融資です。整骨院を開業する方の多くは、日本政策金融公庫で融資を受けて事業をスタートしています。気になる金利ですが、だいたい1~2%が基準となっています。返済期間は運転資金が7年以内設備資金は10年以内が目安です。

 

⑥融資の書類を準備&面談

日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資の政策金融公庫です。融資を受けるには、以下の書類を準備します。

 

・借入申込書

・創業計画書※認定支援機関を通す場合は、別途「事業計画書」も必要

・履歴事項全部証明書または登記事項証明書

・(担保ありで借りる場合)不動産の登記簿謄本または登記事項証明書

 

⑦融資決定後に忘れずにすること

日本政策金融公庫のから融資の決定を受けたら、日本政策金融公庫から送られてくる

「ご融資のお知らせ」と「預金口座振替利用届」そして、印鑑証明書と収入印紙の4点を用意し、返送します。

 

必要書類の到着後、約3営業日後に1回目の着金があります。

 

7.整骨院は稼げるのか?初年度の平均年収は

柔道整復師の給料は平均月収20~23万円とあまり高くないとされています。給料の目安は地方か東京かでも差が出るところですが、院長の場合はこれにプラス5~6万円を見込むとよいでしょう。

 

稼げる整骨院になるには、人の出入りがある立地で起業できるか、またサービスを特化して常連客を呼び込めるか、などの課題があります。しかしながら、業界自体はニーズが高い業界です。地域の人気店を目指し、高収入を得ている整骨院もなかにはあります。

 

まとめ

 

厚生労働省からの通達により、2018年3月以降の整骨院の起業は一時期のピークを過ぎて下降傾向になる可能性があります。しかしながら、世間でのニーズは依然高いと思われる業界です。身体の痛みを和らげるスペシャリストとして、是非起業をお考えの方はご検討ください。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
【プロフィール】
平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上

【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup     » https://inqup.com/

【 動画で確認! 】株式会社SoLabo代表 田原がチバテレビに出演しました。