昼はカフェ、夜はバー。2つの顔を持つカフェバーは、イタリアやフランスでよく見かける飲食店です。
いつでも気軽に立ち寄れるのが最大のカフェバーですが、その分営業時間は長く、お酒も提供するため開業にはしっかりした準備が必要です。
今回の記事では、カフェバーを開業するために必要な知識やノウハウをご紹介しましょう。
1. カフェバーとは何か?
カフェバーで有名なチェーン店と言えば、株式会社プロントコーポレーションの運営するPRONTでしょうか。朝行くとモーニングセットが提供され、昼間に行くとパスタが提供され、そして一日の最後である夜に行くとアルコールやおつまみが提供される。
まさに、第二の家のように「いつでも」「気軽に」立ち寄れるのがカフェバーの最大の魅力です。
2. カフェバーのメニューは手早く提供できるものがベスト
しっかりと作りこんだ料理を、事前にお客様に予約してもらい提供するのがカフェバーではありません。お客様がカフェバーに求めているのは、あくまでお気軽感。
そのため、メニューも昼はパスタやサンドイッチなど、夜はお酒とおつまみといった軽食が中心です。長い営業時間のため、メニュー構成は工夫を凝らしましょう。生鮮品(トマト、レタス等)は一部に留め、使いまわしのきく食材(ハム、フライドポテト等)や保存食品(パスタ、缶詰老等)を利用します。
3. カフェバーの開業には1,000万円は必要!その内訳は?
カフェバーを開くには、自己資金と融資合わせ最低でも1,000万円は必要でしょう。何故かと言うと、カフェバーの特徴としてまず立地が良くなくてはいけません。
カフェバーは元々、ヨーロッパで定着しているスタイルです。目貫通り沿いや観光地からほど近い目立つ場所など、ヨーロッパにあるカフェバーの立地はとても良いのです。
日本で成功している多くのカフェバーも立地が良いため、成功しています。もちろん、オーナーの個性やこだわり、メニューの良さなども成功の裏にはあるでしょう。立地は良く、面積は狭い。こんな条件の不動産を是非探してみてください。
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カフェバー開業に必要な費用 |
店舗取得費用 |
【都内:家賃33万円の場合】 ・33万円 家賃の6か月分の保証金 ・前家賃198万円 ・仲介手数料 33万円 計 264万円 |
内装工事費 |
水道・ガスの工事からエアコン取付やトイレの設置などで 100~300万円以上 (居抜き物件で自作の場合は安くできます) |
調理器具 |
扉付き食器棚、温度計付き冷蔵庫、シンクなど 150万円前後 |
店内設備 |
テーブル、椅子、ソファや内装小物などで 100万円前後 |
宣伝費 |
ホームページ作成やチラシ媒体などで 100万円 |
運転資金(半年分)
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食材仕入れ、光熱費、人件費等、家賃 (46万円×6) 280万円 |
4. カフェバー開業に必要な資格や手続き一覧
カフェバーを開くには、以下のような資格や手続きが必要です。
(1)食品営業許可証
店舗完成の2週間前ぐらいに、最寄りの保健所へ申請します。
(2)食品衛生責任者
飲食店を開業する場合、各店舗に1人以上の食品衛生責任者の設置が必須です。食品衛生責任者と指定できる人物は、まず食品衛生責任者の講座を受講した方以外に、栄養士、調理師、菓子衛生士のいずれかの資格を持つ方でも可能です。
管轄の保健所では随時、食品衛生責任者講習会が実施されています。受講料10,000円で講習会に参加すれば認定されます。申込先は、各地の食品衛生責任者養成講習会のサイトです。
※上記リンクをクリックすると、食品衛生責任者養成講習会の公式ページにリンクします
(3)深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
深夜12時以降にアルコールを提供する場合は、営業を開始する10日前までに警察署に届出をしておきましょう。
5. 開業するのは計画を立てよう!売上予測は3パターン作る
開業前に、頭の中で綿密にお金の出入りをシミュレーションします。売れる店舗のオーナーは、このシミュレーションが得意な方が多いのです。
①立地の人通りは充分か?交通量のシミュレーション
不動産に言われたことをそのまま信じ、高い家賃の物件を契約してはいけません。自分の足でも交通量をみましょう。また、同時に付近の飲食店に顔を出し客層をみます。外食をしそうなビジネスマンが多いか、高齢者が多い土地なのか、次第に肌感覚でわかってきます。
②収支計画
融資を受けて資金調達をするのであれば、収支計画書というものを提出するでしょう。収支計画とは、一日にどれくらいの客が入り、どのくらいの食事をして支払うか、という予想をベースに作られます。
しかし、この収支計画が甘いとカフェバーを経営してから「こんなはずじゃなかった」と店をたたまなくてはいけない事態となります。調子の悪い時、普通の時、調子のよい時と3パターンのシミュレーションをしましょう。その際、季節イベントや地域の行事や宣伝計画とも合わせることも忘れません。
まとめ
いついってもステキなオーナーがいて、気軽に食べられる食事を提供してくれ、顔なじみのお客さんとおしゃべりができる。そんな素敵なカフェバーがあれば、筆者も是非常連になりたいなあと思います。
カフェバーの起業は簡単ではありませんが、夢があります。融資をお考えであれば、ぜひ日本政策金融公庫を利用しましょう。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/