焼き鳥屋をキッチンカーで行う上で、どうすれば儲けられるか気になる人もいるでしょう。
焼き鳥は子どもから大人まで世代を超えて人気の食べ物で、キッチンカーでも売れ筋で儲けを出しやすい商品です。しかし、キッチンカーの焼き鳥屋として生活ができるほどの儲けを出すには、売れる商品の開発や利益を出すための準備などをしなければいけません。
この記事では、キッチンカーの焼き鳥屋で儲けるために押さえておくべきことについて解説します。
焼き鳥は移動販売の中でも安定して儲けやすいメニュー
焼き鳥は移動販売の中でも安定して儲けを出しやすいメニューなので、キッチンカーで提供するメニューとして選ばれやすいです。鶏肉は牛肉や豚肉などど比べて原価が安く、販売価格を安価に抑えても利益を出しやすいからです。
焼き鳥は「誰もが知っていて」「価格が安く」「まとめて購入すればお腹に溜まる」料理であるため、キッチンカーに求められる要素を満たしやすく、安定して売上を上げられる可能性があります。
美味しい焼き鳥を作るには技術が必要
美味しい焼き鳥を作るには、相応の技術がいります。
キッチンカーの焼き鳥販売で儲けを出すには、近所のスーパーなどでは買うことのできないオリジナリティのある味を提供する必要があります。オリジナリティのある焼き鳥を作るには、焼き鳥の基礎である串打ちや焼きの技術が重要になるからです。
単純に鶏肉を串にさして売るだけなら未経験でも開業することができます。しかし、他店舗と差別化して、儲けを出せる焼き鳥を作りたいなら最低限の技術は身に着けておいた方がいいでしょう。
焼き鳥作りの技術は焼き鳥の専門店や居酒屋で修業をするほかに、料理の専門学校で学ぶことができます。学校によっては2か月程度で学ぶこともできるので、短期間で基礎を学びたい人は専門学校の受講も検討してみてください。
キッチンカー(移動販売)で焼き鳥を売るために決めるべきメニューと価格
キッチンカーで焼き鳥を売るためには、メニュー決めと価格の設定が大切になります。キッチンカーでは、メニューで他店舗と差別化をし、かつ手に取ってもらいやすい価格を設定しなければいけないからです。
キッチンカーで焼き鳥を販売するときは、次に紹介するポイントを参考にしてみてください。
色々な客層を取り込めて他店と差別化できるメニューが必要
キッチンカーでは、色々な客層を取り込めて他店と差別化できるメニューが必要です。
焼き鳥はスーパーで手軽に購入することや、専門店に足を運べばこだわりの美味しい焼き鳥を食べることができるので、メニューで差別化をしないと集客することができないからです。
焼き鳥は使う部位やたれの味付けなどを変えることで、様々なバリエーションを増やすことができます。たとえば、「レバー」「ハツ」「トサカ」などを焼き鳥にしてみる、ピリ辛の特性のたれを使ってみるなどの方法があります。
また、特定のニーズを持った顧客に向けたメニューを作ってみてもいいでしょう。たとえば、オーガニック野菜の串やアボカドなど美容や健康に良い食材を使ったり、彩の良いおしゃれな盛り付けをしたりすると、健康志向の女性客の集客につながるかもしれません。
キッチンカーを出店するときは、出店エリアの他店舗の調査やどんなニーズを持った顧客がいるのかなどのリサーチをして、差別化と集客ができるメニューを検討してみてください。
焼き鳥の価格は1本100~200円前後にする
焼き鳥の価格は1本100円~200前後に設定しましょう。焼き鳥は高くても1本300円くらいが相場で、それ以上の価格になると売りにくい傾向があるからです。
メニューの価格は、客単価の合計が原価率の30%前後に設定するのが望ましいです。たとえば、通常の焼き鳥は150円、看板メニューの焼き鳥は200円で販売するなど、目玉商品と定番の商品で価格のバランスを調整するといいでしょう。
メニューの価格は1日にどのくらいの量を売るのかによって異なります。焼き鳥の場合、1本1本ばらで売ると効率が悪いです。何本かセットにし1,000円程度で売ると儲けやすくなるので、試してみてください。
キッチンカーの焼き鳥屋で儲けるためのコツ
キッチンカーの焼き鳥屋で儲けを出すためには、儲けが出るような施策を打つ必要があります。
- 客単価を上げる
- 需要のある出店場所に出店する
- SNSを活用しキッチンカーをPRする
特にキッチンカーでは、上記3つのコツを意識してみてください。
客単価を上げる
キッチンカーの焼き鳥屋で儲けるには、客単価を上げることが重要です。焼き鳥は1本150~200円程度で、顧客1人に対して200円ずつ売上を上げていたのでは効率が悪く、売上が立ちにくいからです。
キッチンカーを出店するときは、出店場所のオーナーに対して出店料(5,000円程度)を支払わなくてはいけません。そのため、1日で最低5,000円を超える売上を出さないと赤字になってしまいます。
キッチンカーの焼き鳥屋で客単価を上げるための施策としては、次のようなものがあります。
【客単価を上げる施策】
ドリンクを提供する |
焼き鳥は塩味があるので、焼き鳥と合わせてドリンクを販売すると売りやすいです。ビールは出店場所によって売れ行きが左右されやすいですが、お茶やコーラなどの炭酸なら汎用性高く提供できます。 |
高単価メニューを提供する |
通常のメニューに加えて、300円など単価の高い焼き鳥を用意してもいいでしょう。高単価メニューがほかの店舗でなかなか買えない焼き鳥なら、キッチンカーの付加価値にもなります。 |
まとめ買いで割安にする |
5本や10本と焼き鳥をまとめて買ってもらったら1本分安くなるなどの値段設定も客単価を上げる施策としては有効です。ボリュームがありつつ、お得感をアピールできます。 |
一定の売上を確保するには、1人あたり500~1,000円程度支払ってもらえるような施策を打たなくてはいけません。しかし、値段を相場より上げてしまうと売りにくくなってしまいます。
キッチンカーの焼き鳥屋では、サイドメニューやボリュームで思わず手に取ってしまうような工夫を意識してみてください。
需要のある場所に出店する
キッチンカーでは、需要のある出店場所に出店することも大切です。出店場所のニーズによって、売れ行きが変わってくるからです。
たとえば、焼き鳥は食べ歩きがしやすいから、祭りやフェスなどのイベント会場と相性がいいです。
しかし、イベント会場は常に開催されているわけではないので、コンスタントに売上を上げるには特定の出店場所の確保が必須です。
事前に出店場所の市場調査をし、ショッピングモールやスーパーなどの一定の売上が立ちそうな場所に継続的に出店するようにしましょう。
SNSを活用しキッチンカーをPRする
キッチンカーでは、SNSを活用しキッチンカーをPRする必要もあります。出店場所が変わるキッチンカーでは、どこに出店しているのかを顧客に知ってもらわなくてはいけないからです。
SNSでは、出店場所の情報とともにキッチンカーの外観や焼き鳥の写真を撮影してアップしましょう。どんな商品を販売しているのか、写真を通してイメージがつくと足を運んでみようと思ってもらいやすくなります。
また、店頭ではPOPを利用しましょう。人目を惹くPOPでキッチンカーを飾ると足を止めて興味を持ってもらいやすいでしょう。
キッチンカーの焼き鳥屋で必要な設備
キッチンカーの焼き鳥屋を開業するには、焼き鳥を調理する設備とキッチンカーとなる車両の2つが必要になります。
用意する設備によって、使い勝手や必要費用が異なってきます。自身の予算や提供するメニューに合わせた設備を用意しましょう。
焼き鳥を調理するのに必要な設備
焼き鳥を調理するだけなら、焼き鳥焼き器や焼き鳥の材料を保管するための冷蔵庫、換気扇などの設備が必要です。
とくに重要になるのが、焼き鳥焼き器の選び方です。焼き鳥焼き器は、大きく分けて次の3つに分類できます。
【焼き鳥焼き器の種類】
ガス式 |
ガス式は点火するだけで簡単に焼き始めることができるのが特徴です。高温で一気に焼くことができるので、外はカリッ、中はジューシーに仕上がります。 価格:2~15万円程度 |
木炭式 |
木炭式は、遠赤外線で焼き鳥のうま味を中に閉じ込めつつ、じっくり焼くことができる方法です。備長炭の香ばしいにおいもつきます。 しかし、「炭火起こし」「火消し器」「うちわ」などのプラスで用意するものがあります。煙も出るため、車内が煙くなってしまう可能性もあります。 価格:1~9万円程度 |
電気式 |
電気式は火を起こす必要がないので、安全面でありながら、高温の火で焼いたような焼き上がりに仕上げることができるのが利点です。しかし、電気式はガス式や木炭式に比べて費用が高くなりがちです。 価格:10~50万円程度 |
焼き鳥焼き器は、焼き方の方式によって焼き鳥の出来上がりが変わります。未経験の人が焼き鳥を始めるなら、扱いやすいガス式か電気式がいいでしょう。
キッチンカーは軽トラでもOK
キッチンカーの焼き鳥屋は、軽トラでも開業することができます。焼き鳥屋は必要な設備が最小限で済むため、軽トラなどでも車内の調理スペースは十分に確保することができるからです。
キッチンカーを用意する方法は主に「新車を購入する」「中古車を購入する」「レンタルする」の3つに分けられます。
【キッチンカーの準備方法】
新車を購入する |
軽トラや軽バンなどを購入し、キッチンカーに改造する方法です。 軽トラなどであれば、150~180万円程度で購入することができます。 |
中古車を購入する |
中古車の場合は、すでにキッチンカーとして改造されている軽トラなどを購入します。焼き鳥用の設備が整っていれば、改造費は発生せず、50~120万円程度で用意できます。 しかし、メンテナンスなどでコストがかかる可能性があります。 |
レンタルする |
一定の期間、キッチンカーをレンタルする方法です。1か月30万円で借りられるため、短期間の運営に向いています。 しかし、長期間運用するときは、車両を購入した方が安上がりのケースがあります。 |
キッチンカーで開業するときは新車の場合、車両の用意と改造費用で300万円程度は必要になります。無駄な費用を発生させないためにも、運用期間や予算の兼ね合いをもとに検討してください。
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キッチンカーで焼き鳥屋を開業するときには営業許可が必要
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するには地域の保健所から営業許可を取得しなければいけません。営業許可がないと、キッチンカーを出店することができないからです。
営業許可はキッチンカーを出店する地域ごとに取得する必要があります。たとえば、東京と千葉に出店するときは、東京と千葉の2つの保健所で営業許可を取得しなければいけないのです。
キッチンカーで営業許可を取得するには、食品衛生責任者と仕込み場所の準備が必要です。
食品衛生責任者は講習を受講すれば1日で取得できる
食品衛生責任者は特定の講習を受講すれば1日で取得することができる資格です。
食品衛生責任者は、地域の自治体が開催する講習会に参加することで取得できます。講習への参加費用は1万円程度です。
開催日程は自治体によって異なります。食品衛生責任者の講習開催日程については、地域の保健所に問い合わせて確認してください。地域の保健所は厚生労働省の「保健所管轄区域案内」で検索することができます。
キッチンカーの営業許可では仕込み場所も用意する
キッチンカーで営業許可を取得するには、仕込み場所も用意しておかなければいけません。
キッチンカーは車内で仕込みを行うことができません。また、仕込み場所にも営業許可がおりていなくてはいけないので、自宅で仕込むこともできません。
仕込み場所としては、シェアキッチンやレンタルキッチンの使用を検討してみてください。シェアキッチンやレンタルキッチンは、施設によって調理できる料理に違いがあるケースがあります。焼き鳥の仕込みができる設備が整っている施設を選ぶようにしましょう。
「東京 シェアキッチン」などと検索をすれば、近くで利用できる施設を見つけることができるので、利用を検討してみてください。
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