焼肉屋開業のための資金調達マニュアル

焼肉屋の開業時の資金調達マニュアル~成功する焼き肉屋を開くには? 起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
焼肉屋 開業

潰れない焼肉屋を開業しませんか?

焼き肉屋は「焼肉女子」という言葉もあるように、男性だけが好む食材ではありません。焼肉好きを公言する女優さんも少なくなく、女性が気軽に一人焼肉もできる焼き肉屋も最近とても人気があります。

さて、日本人の多くが大好きな食材・焼き肉屋を開くにはどのくらいの資金が必要なのでしょうか?またどのような手続きが必要なのでしょうか?成功する焼き肉屋を目指すあなたに解説します。

 

1. 焼き肉屋を開くための開業資金は平均2,000万円以上

飲食店を開く場合、例えば移動式のワゴンカー販売では300万円ぐらいの低予算からスタートできる場合もあります。しかし焼き肉屋の場合は、肉をお客様に焼いていただくという特殊な施設が必要です。そのため、必要な設備資金(物件取得費・改装費)がおのずと高くなります。

 

・【設備資金】厨房機器&設計施工費の目安⇒1,350万円

 

また、焼き肉屋の場合は煙がこもってしまうため、ラーメン屋のようにカウンターしかない店というのは考えにくいものです。また、コンロを客席に設置するためある程度の座席の幅も確保しなくてはいけません。焼き肉屋を開くには、最低でも30坪~50坪以上の面積は必要です。

 

設備資金には、テーブルとイス、そして肉を焼く時の煙や油対策として脱臭・排煙の設備も見積もりに加えましょう。

 

・【設備資金】物件取得費(初月の家賃+保証金)の目安⇒350万円

 

店舗を借りるには、月々必要な家賃とは別に保証金が必要です。例えば、ひと月の家賃が30万円の物件を借りるのであれば、その10倍の300万円を目安とします。

 

・【運転資金】人件費+広告費+雑費の目安⇒400万円

 

他に必要なのは、アルバイトを集めるための求人費用や給料、Webサイト構築費用、パソコン、ノート伝票などの細かい費用がかかります。開業費用がギリギリだと、店舗の従業員や焼き肉の品質にも影響され、結果、廃業する可能性が高くなります。人気のある焼き肉屋は、肉も美味しく清潔感があり、アルバイトの接客も好感度が高いものです。成功する焼き肉屋を開くために、できるだけ余裕を持って資金準備することが大切です。

 

なお、上記でお伝えした開業資金の目安は、土地やオーナーのこだわりなど個人の計画により大きく左右されます。必要な資金はあくまで目安としてご覧ください。

 

2.大切な競合焼き肉屋のリサーチ!どうやればいい?

日本全国に焼き肉屋はたくさんあります。きちんと利益を出す繁盛店を目指すなら、競合店のリサーチは欠かせません。競合店の調査は、やみくもにやるのではなく、以下のようにポイントを絞って実行すると効率的です。

 

①自分が目指す焼き肉屋のマインドマップを作る

他の業種やビジネス論でもよく出てくる手法ですが、自分の頭の中を具現化する1つの方法として、マインドマップが挙げられます。

 

マインドマップとは、1つのテーマ(例、私が開きたい焼き肉屋)を中心に置き、それに派生するワードコメントをどんどん思いつく順に書き留めて整理していくのです。

 

例えば、筆者が開きたい焼き肉屋をマインドマップにすると、以下のようになります。

 

実際には、もっと細かく作りこみます。また、マインドマップはできるだけ【土地】【お金】【サービス】【接客】【メニュー】などのカテゴリ別に作った方が、あとから見て分かりやすいと思います。

 

②自分の作ったマインドマップに合う実際の競合店を探す

前項で、どのような店を自分が作りたいのかを明らかにしました。それを基準に、同じような店をネットや書籍で探して、どんどん自分の足で競合焼き肉店に行き実際に食べてみましょう。家族や友人に協力してもらうのもアリです

 

競合リサーチのポイントは、以下を注意してみましょう。

・業態はどうか

焼き肉屋は焼肉屋でも、居酒屋風なのか。回転率重視のファストフード系なのか、等

・内装の雰囲気はどうか。ポイントとなっているモチーフは何か

焼き肉店なのに白を基調としたオシャレな内装、モチーフはステンレス×シルバー等

・メニュー数はどうか、独自メニューは何か

人気メニューな何か、何故人気があると思うか、他メニューはどの層にアピールしているのか等

・立地はどうか

初めて行く時、迷ったか、看板はどうだったか、客はどこから来ていると思うか

・衛生状態

食器・テーブル、店内、トイレの清潔度はどうか。従業員の制服はどうか

・味

焼肉の味はどうか。独自のたれを使っているか。満足感はどうか

・混雑具合

平日と土日、ランチ、ディナーなどと時間を変えて訪問。どのくらいの客数が入っているか

 

リサーチ結果は、ノートやエクセルなどに書き留めてわかりやすくまとめます。この競合調査は、後で融資を受ける際の添付書類としても使う事ができます。

 

3.融資を受けるための事業計画書を作成する

さて、自分の目指す焼き肉屋のイメージが固まったら、それを元に今度は創業計画書という書類をつくってみましょう。創業計画書は日本政策金融公庫で創業時の融資を受ける際に必ず提出する書類です。まだ融資を受けると決まっていなくても、創業計画書を記入すると「オーナーになると、こういう視点が必要なのか」と今まで知らなかった視点は身に付き、経営者として得るものがあるに違いありません。

 

創業計画書のフォーマットは、以下の日本政策金融公庫の公式ページからダウンロードできます。

 

日本政策金融公庫|借入申込書等ダウンロード

※上記のリンクをクリックすると、日本政策金融公庫の公式ページへとびます

 

この創業計画書の記入のポイントは、誰がみても分かりやすく、根拠のある数値が書かれているかどうかです。焼肉屋のメイン商材は、精肉です。その肉の仕入れ先と以前からの取引履歴がある場合、融資の評価としてはポイントが上がります。

 

また、売上の計算ですが、開業前はまだ実際的な数値は記入できません。以下のように、営業時間と客単価をベースに計算して記入します。

 

・営業時間(例、11時~14時、17時~24時)

・客数(例、35人、50人)

・客単価(例、1,000円、3,000円)

・座席数(例、35席)

計:185,000円/1日

 

4、焼き肉屋を開くために必要な資格や手続き

①食品衛生責任者の取得

焼き肉屋を開くには、他の飲食店同様、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者になるには、以下いずれかの資格を持った上で講習会(一日で完了)に参加する必要があります。

 

栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注1)の有資格者。

引用:食品衛生責任者養成講座|トップ―ページ

 

食品衛生責任者の資格は、1つのお店で一人以上とされています。オーナー(自分)または店長が取得するとよいでしょう。受講費用は1万円かかりますが、これは必須資格ですので必要経費です。

 

食品衛生責任者養成講習のスケジュールですが、毎日のように多数実施されています。直近の講習はすぐ満席になります。できれば、1か月前までには予約しましょう。

 

食品衛生責任者養成講習会|トップページ

※上記のリンクをクリックすると、食品衛生責任者養成講習会の公式ページへとびます

 

②保健所に相談&営業許可申請をする

焼き肉屋を開こうと実際の店舗図面ができあがったら、まずはその時点で管轄の保健所に自治体の許認可基準を満たすかどうか、確認してもらいましょう。保健所の確認なしで勝手に工事を進めてしまうと、工事完了後に保健所から「このままだと営業を認められません」と言われてしまうかもしれません。

 

図面に問題なしと許可を得たら、営業許可の申請書を保健所に提出します。約2週間後に保健所の担当者が検査に入り、許可が出ると晴れて営業証が発行されるという流れになります。

 

【保険所とのやりとりの流れ】

店舗図面を持って保健所に相談

⇒修正と言われたら施行業者とやりとり

⇒また店舗図面を持って保健所に相談⇒許可が出て、必要書類を教えてもらう

⇒店舗完成1週間~10日前に必要書類と添付書類を保健所に提出

⇒実際の店舗で保健所の担当者が確認(認可基準を満たすかどうか)

⇒同格した場合、数日後に認可賞の交付

 

5.メニュー開発と仕入れは独自性を持とう

必要な手続きと同時に進めたいのが、焼き肉屋メニューの開発と仕入れの準備です。オーナーとしては、一番楽しい時間ではないでしょうか?

 

現在、飲食店の流行りとしては高級路線VSファストフードの2極路線が目立っています。

一番失敗するのは、お店の顔が見えづらいメニュー作りです。独自ルートのA5ランク以上の国産牛のみを扱うというわけでもなく、安くもなく、特色もなく、という場合、きっとその焼き肉店は成功しないことでしょう。

 

売れるメニューを作るには、「あなたが絶対売りたいもの」と「お客様が絶対食べたいもの」の2つのバランスをとるのがうまくいく秘訣です。あながた売りたいものがないのであれば、その店のメニューにこだわりは生まれません。しかし、お客様の食べたいものばかりを売っていては、他社に勝つことはできないでしょう。

 

リサーチの話に戻りますが、お店の商圏における客層や販売価格を調べたうえで、最適なメニューを考えましょう。客単価・滞在時間・原価率などを計算し、自分独自の最高のメニュー案を考えましょう。

 

6.仕上げはスタッフの笑顔!スタッフの感じの良さは財産だ

最後にやるべきことは、人材です。開業前1か月には、店頭ポスターやWebなどで求人をかけましょう。お手軽なのは、通り沿いの店舗の壁にスタッフ募集のポスターを張る事。近所の学生や主婦を雇えば交通費も安く上げられ、店舗商圏の情報ももらえるので為になります。

 

どんなに美味しい焼肉を提供しても、スタッフ教育がマズいと顧客アンケートには「スタッフが感じ悪い」と書かれ二度と来てくれないことでしょう。今はネット社会なので、実際には何も言わなくてもWebで悪い口コミを書かれることも多々あります。

 

お客様に感謝の気持ちを伝える事ができる、最高のオープニングスタッフを育て上げましょう。

 

まとめ

 

焼き肉屋を経営することは、簡単なことではありません。しかし、なぜ焼きに屋を志す人はあとを絶たないのでしょうか?それは、焼肉自体に多大な魅力があるからではないでしょうか。焼肉店は、自己資金だけでは開けない人がほとんどです。焼き肉店での資金調達は日本政策金融公庫があると、ぜひ覚えておきましょう。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。