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居酒屋の開業に必要な届出を解説

居酒屋を開業するときは、あらゆる届出が必要です。具体的には、「すべての居酒屋が必要となる届出」と「居酒屋の条件次第となる届出」に分けられ、想定している居酒屋の条件と照らし合わせつつ、必要となる書類を提出することになります。

また、「提出期限」「提出先」「添付書類」など、届出ごとに規定が定められています。書類の準備に時間がかかる届出もあるため、まずは「すべての居酒屋が必要となる届出」と「居酒屋の条件次第となる届出」を確認するところから始めてみましょう。

すべての居酒屋が必要となる届出

居酒屋を開業する場合、すべての居酒屋が必要となる届出があります。届出に不備があれば、開業準備が遅れるおそれもあるため、居酒屋の開業準備を進めている人は、まずはすべての居酒屋が必要となる届出を押さえておきましょう。

【すべての居酒屋が必要となる届出】

届出 提出先
営業許可申請書 保健所
防火対象物使用開始届出書 消防署
開業届 税務署
事業開始等申告書 都道府県税事務所

すべての居酒屋が必要となる届出は「営業許可申請書」「防火対象物使用開始届出書」「開業届」「事業開始等申告書」です。提出が義務付けられている届出もあるため、居酒屋の開業準備を進めている人はそれぞれの届出の概要を確認してみましょう。

営業許可申請書

居酒屋を開業する場合、必要となる届出のひとつは「営業許可申請書」です。営業許可申請書は営業許可の取得を申請する書類となるため、居酒屋を開業するときは営業許可申請書を保健所に提出することになります。

営業許可申請書の提出期限は定められていませんが、施設検査を受ける関係上、「施設完成日の10日前」が目安となります。また、営業許可を取得するには、施設基準を満たす必要があるため、内装工事を始める前に保健所の担当者に相談することになります。

営業許可申請書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。添付書類の中には、「食品衛生責任者の資格を証明するもの」が含まれ、添付書類が必要となるときは営業許可申請書の提出前に食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。

なお、営業許可申請書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。営業許可の取得における要件は自治体ごとに異なる可能性があるため、営業許可申請書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

防火対象物使用開始届出書

居酒屋を開業する場合、必要となる届出のひとつは「防火対象物使用開始届出書」です。防火対象物を使用することを届け出る書類となるため、テナントに入居する場合や建物の用途変更にあたる場合は防火対象物使用開始届出書を消防署に提出することになります。

防火対象物使用開始届出書の提出期限は原則として「建物の使用開始の7日前まで」です。消防法と各自治体の火災予防条例をもとに定められている関係上、防火対象物使用開始届出書の提出期限は開業予定地を管轄する自治体ごとに異なる可能性もあります。

防火対象物使用開始届出書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「平面図」「立面図」「断面図」「室内仕上げ表」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する消防署に確認することになります。

なお、防火対象物使用開始届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。注意事項が掲載されている場合もあるため、防火対象物使用開始届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

開業届

居酒屋を開業する場合、必要となる届出のひとつは「開業届」です。開業届は消費税や所得税などの国税を納める関係上、事業を開始したことを税務署に申告する書類となるため、居酒屋に限らず、事業を開始した人は開業届を税務署に提出することになります。

開業届の提出期限は「事業開始日から1か月以内」です。所得税法の第229条により、事業開始日から1か月以内の提出が義務付けられ、提出期限が「土曜日」「日曜日」「祝日等」にあたる場合はこれらの日の翌日が提出期限となります。

開業届を出さなかったことによる罰則はありませんが、開業届を提出しなかった場合は青色申告できず、屋号での口座開設やクレジットカードの作成ができないおそれもあるため、居酒屋を開業予定の人は開業日から1か月以内に開業届を提出することになります。

なお、開業届のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。書き方に関する解説やマイナンバー(個人番号)に関する注意事項もあるため、開業届の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

事業開始等申告書

居酒屋を開業する場合、必要となる届出のひとつは「事業開始等申告書」です。事業開始等申告書は都道府県税を納める関係上、事業の開始を申告する書類となるため、居酒屋に限らず、事業を開始した人は事業開始等申告書を都道府県税事務所に提出することになります。

事業開始等申告書の提出期限は都道府県ごとに異なります。都道府県が定める税条例をもとに定められている関係上、「事業開始日から15日以内」「事業開始日から1か月以内」など、事業開始等申告書の提出期限は都道府県によっても異なります。

事業開始等申告書の名称は都道府県ごとに異なります。都道府県が定める税条例をもとに定められているため、「事業開始・変更・廃止申告書」や「個人の事業の開始等の報告書」など、事業開始等申告書の名称は都道府県ごとに違いがあります。

なお、事業開始等申告書のフォーマットは各都道府県税事務所の公式サイトからダウンロードできます。注意事項が掲載されている場合もあるため、事業開始等申告書の情報が知りたい人は都道府県税事務所の公式サイトを確認してみましょう。

居酒屋の条件次第となる届出

居酒屋を開業する場合、提出の有無が居酒屋の条件次第となる届出があります。「営業の時間帯」「建物の規模」「従業員の有無」など、居酒屋の条件次第となる届出となるため、居酒屋の開業準備を進めている人は条件次第となる届出を押さえておきましょう。

【居酒屋の条件次第となる届出】

届出 提出先
防火対象物工事等計画届出書 消防署
火を使用する設備等の設置届出書 消防署
防火管理者選任届出書 消防署
深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書 警察署
所得税の青色申告承認申請書 税務署
青色事業専従者給与に関する届出書 税務署
給与支払事務所等の開設届出書 税務署
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署
酒類販売業免許申請書 税務署
保険関係成立届 労働基準監督署
概算保険料申告書 労働基準監督署
雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所
雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所

なお、サービスの内容やメニューの種類など、想定している居酒屋の条件次第では、これら以外の届出が必要になる可能性もあります。居酒屋の開業準備を進めている人はその点を念頭に置きつつ、それぞれの届出の概要を確認してみましょう。

防火対象物工事等計画届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「防火対象物工事等計画届出書」の提出が必要です。事業者が防火対象物の修繕や模様替えなどの工事をする場合は防火対象物工事等計画届出書を消防署に提出することになります。

防火対象物工事等計画届出書の提出期限は原則として「建物の工事開始の7日前まで」です。消防法と各自治体の火災予防条例をもとに定められている関係上、防火対象物工事等計画届出書の提出期限は開業予定を管轄する自治体ごとに異なる場合もあります。

防火対象物工事等計画届出書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「概要表」「平面図」「断面図」「室内仕上げ表」「建具表」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する消防署に確認することになります。

なお、防火対象物工事等計画届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。注意事項が掲載されている場合もあるため、防火対象物工事等計画届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

火を使用する設備等の設置届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「火を使用する設備等の設置届出書」の提出が必要です。「厨房設備」や「給湯湯沸設備」など、一定規模以上の火を使用する設備を設置する場合は火を使用する設備等の設置届出書を消防署に提出することになります。

火を使用する設備等の設置届出書の提出期限は原則として「設備を設置する7日前まで」です。設備の使用を開始する前に消防署の担当者による検査を受ける場合があるため、書類を消防署に提出するときは検査の日程を担当者に相談することになります。

火を使用する設備等の設置届出書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「概要表」「平面図」「断面図」「ダクト図」「仕様書」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する消防署に確認することになります。

なお、火を使用する設備等の設置届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。注意事項が掲載されている場合もあるため、火を使用する設備等の設置届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

防火管理者選任届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「防火管理者選任届出書」の提出が必要です。建物の収容人数が30人以上の場合は防火管理者を選任し、防火管理者選任届出書を消防署に提出することになります。

防火管理者選任届出書の提出期限は定められていませんが、防火管理者となる人は防火管理者選任届出書の提出前に防火管理者の資格を取得する必要があるため、防火管理者選任届出書の提出期限の目安となるのは「居酒屋の開業日」や「建物の入居日」です。

防火管理者の資格は「甲種」と「乙種」の2種類あります。原則として延床面積が300㎡以上の場合は甲種ですが、延床面積が300㎡未満の場合は乙種となるため、建物の状況に応じた防火管理者の資格を取得することになります。

なお、防火管理者選任届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。防火管理者の定義や解釈が自治体ごとに異なる可能性もあるため、防火管理者選任届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」の提出が必要です。午前0時から午前6時までの時間帯に主にお酒を提供する場合は深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書を警察署に提出することになります。

深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書の提出期限は「営業を開始しようとする日の10日前まで」です。深夜営業する場合は風営法に基づき、「客室の床面積が9.5㎡以上あること」「見通しを妨げる設備がないこと」などの設備基準を満たすことになります。

深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「営業方法を記載した書類」「平面図」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する警察署に確認することになります。

なお、深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書のフォーマットは各自治体の公式サイトからダウンロードできます。注意事項が掲載されている場合もあるため、深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書の情報が知りたい人は各自治体の公式サイトを確認してみましょう。

所得税の青色申告承認申請書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。事業者が青色申告による確定申告を希望する場合は開業届に加え、所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出することになります。

所得税の青色申告承認申請書の提出期限は原則として「青色申告の承認を受けようとする年の3月15日」です。その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合は例外として「業務を開始した日から2か月以内」となります。

所得税の青色申告をする場合は原則として複式簿記に基づく帳簿をつけなければならず、「貸借対照表と損益計算書の添付」「電子申告または電子帳簿保存を行う」など、確定申告における条件を満たさなければならないこともあります。

なお、所得税の青色申告承認申請書のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、所得税の青色申告承認申請書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

青色事業専従者給与に関する届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。青色申告を行う事業者が配偶者や親族の給与を必要経費に算入したい場合は青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出することになります。

青色事業専従者給与に関する届出書の提出期限は原則として「青色事業専従者給与額を必要経費として算入したい年の3月15日」です。その年の1月16日以後に開業した場合や新たに専従者がいることになった場合は例外として「その日から2か月以内」となります。

青色事業専従者給与として認められるには、「青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること」「青色事業専従者給与の額は労務の対価として相当であると認められる金額であること」など、所得税法により定められている要件を満たしている必要があります。

なお、青色事業専従者給与に関する届出書のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、青色事業専従者給与に関する届出書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

給与支払事務所等の開設届出書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。事業者が従業員を雇用し、給与を支払う場合は給与支払事務所等の開設届出書を税務署に提出することになります。

給与支払事務所等の開設届出書の提出期限は原則として「事業開始日から1か月以内」です。居酒屋を開業したときは従業員を雇用せず、開業後に従業員を雇用した場合は「雇用が決定した日から1か月以内」となります。

給与支払事務所等の開設届出書を提出した後は源泉徴収した所得税を納付するための用紙が送られてきます。給与支払事務所等の開設届出書が未提出の場合は源泉徴収した所得税を納付するための用紙が届かず、所得税の納付期限を過ぎてしまうおそれがあります。

なお、給与支払事務所等の開設届出書のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、給与支払事務所等の開設届出書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の提出が必要です。事業者が源泉所得税の納付手続きを年2回にまとめる特例を受ける場合は源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を税務署に提出することになります。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出期限は定められていませんが、特例が適用されるのは原則として提出した日の翌月の給与からになるため、書類の提出日を決めるときは特例を受けたい時期と照らし合わせながら決めることも方法のひとつです。

源泉所得税の納期の特例が適用されるのは給与の支給人員が常時10人未満の場合に限られるため、給与の支給人員が常時10人未満の要件に該当しなくなった場合は「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出する必要があります。

なお、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

酒類販売業免許申請書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「酒類販売業免許申請書」の提出が必要です。居酒屋の店舗内におけるお酒の提供に加え、ボトルや缶などのお酒を小売りする場合は酒類販売業免許申請書を税務署に提出することになります。

酒類販売業免許申請書の提出期限は「酒類の販売業を行う前」です。免許の取得には、税務署の審査を通過する必要がある関係上、免許の取得に時間がかかる場合があるため、提出日を決めるときは免許を取得したい時期から逆算することも方法のひとつです。

酒類販売業免許申請書を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「免許要件誓約書」「履歴書」「納税証明書」「登記事項証明書」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する税務署に確認することになります。

なお、酒類販売業免許申請書のフォーマットは国税庁の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、酒類販売業免許申請書の情報が知りたい人は「国税庁の公式サイト」を確認してみましょう。

保険関係成立届

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「保険関係成立届」の提出が必要です。事業者が保険の適用対象となる従業員を雇用し、お互いの保険関係が成立した場合は保険関係成立届を労働基準監督署に提出することになります。

保険関係成立届の提出期限は「保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内」です。保険の適用対象となる従業員を雇用し、労働基準監督署に届出が必要となるにもかかわらず、保険関係成立届を提出しなかった場合は追徴金を徴収される可能性もあります。

労働保険や雇用保険の手続きをするときは、まずは保険関係成立届を提出する必要があります。保険関係成立届を提出することにより、雇用保険の届出に使用する労働保険番号が割り振られるため、保険関連の手続きをするときは第一に保険関係成立届の提出が必要です。

なお、保険関係成立届は労働基準監督署から受け取れます。複写式の書類となる関係上、公式サイトからダウンロードすることはできないため、保険関係成立届の情報が知りたい人は開業予定地を管轄する労働基準監督署に問い合わせることを検討してみましょう。

概算保険料申告書

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「概算保険料申告書」の提出が必要です。事業者が保険の適用対象となる従業員を雇用し、お互いの保険関係が成立した場合は保険関係成立届に加え、概算保険料申告書を労働基準監督署に提出することになります。

概算保険料申告書の提出期限は「保険関係が成立した翌日から起算して50日以内」です。保険関係成立届よりも先に提出することはできませんが、同時に提出することはできるため、概算保険料申告書と概算保険料申告書を同時に提出することも方法のひとつです。

概算保険料申告書のみを提出する場合は労働基準監督署以外の提出先もあります。所轄の都道府県労働局に加え、全国の銀行や郵便局でも提出できるため、概算保険料申告書のみを提出するときは労働基準監督署以外の提出先も候補として挙げられます。

なお、概算保険料申告書は労働基準監督署から受け取れます。複写式の書類となる関係上、公式サイトからダウンロードすることはできないため、概算保険料申告書の情報が知りたい人は開業予定地を管轄する労働基準監督署に問い合わせることを検討してみましょう。

雇用保険適用事業所設置届

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「雇用保険適用事業所設置届」の提出が必要です。事業者が雇用保険の被保険者となる従業員を雇う場合は雇用保険適用事業所設置届を公共職業安定所(ハローワーク)に提出することになります。

雇用保険適用事業所設置届の提出期限は「被保険者となる従業員を雇用した日の翌日から起算して10日以内」です。労働保険番号の記入が必要となる関係上、保険関係成立届を提出した後に雇用保険適用事業所設置届を提出する流れになります。

雇用保険適用事業所設置届を提出するときは添付書類が必要となる場合があります。「保険関係成立届の事業主控」「賃金台帳」など、複数の添付書類が必要になることもあるため、不安な人は開業予定地を管轄する公共職業安定所に確認することになります。

なお、雇用保険適用事業所設置届のフォーマットは公共職業安定所の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、雇用保険適用事業所設置届の情報が知りたい人は公共職業安定所の公式サイトを確認してみましょう。

雇用保険被保険者資格取得届

居酒屋を開業する場合、その条件によっては「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要です。事業者が雇用保険の被保険者となる従業員を雇う場合は雇用保険被保険者資格取得届を公共職業安定所(ハローワーク)に提出することになります。

雇用保険被保険者資格取得届の提出期限は「被保険者となる従業員を雇用した日の翌月10日まで」です。雇用保険適用事業所設置届と同様、提出先が公共職業安定所となるため、雇用保険適用事業所設置届と同時に提出することも方法のひとつです。

雇用保険被保険者資格取得届の提出後は「雇用保険被保険者証」が交付されます。手続きが完了したことを証明する書類となる関係上、退職後の転職や再就職に使用する場合もあるため、雇用保険被保険者証は原則として従業員本人に渡すことになります。

なお、雇用保険被保険者資格取得届のフォーマットは公共職業安定所の公式サイトからダウンロードできます。提出方法に関する注意事項もあるため、雇用保険被保険者資格取得届の情報が知りたい人は公共職業安定所の公式サイトを確認してみましょう。

居酒屋を開業するときの届出と提出先の一覧表

今回は居酒屋を開業するときの届出と提出先の一覧表を紹介します。居酒屋を開業予定の人は参考にしてみてください。

【届出と提出先の一覧表】

提出先 届出
保健所 ・営業許可申請書
消防署 ・防火対象物使用開始届出書
・防火対象物工事等計画届出書
・火を使用する設備等の設置届出書
・防火管理者選任届出書
警察署 ・深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
税務署 ・開業届
・所得税の青色申告承認申請書
・青色事業専従者給与に関する届出書
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・酒類販売業免許申請書
都道府県税事務所 ・事業開始等申告書
労働基準監督署 ・保険関係成立届
・概算保険料申告書
公共職業安定所 ・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届

なお、想定している居酒屋の条件次第では、これら以外の届出が必要になる可能性もあります。今回紹介した届出に加え、その他の届出も必要になる可能性があるため、居酒屋の開業準備を進めている人は各自治体の担当者に相談しながら手続きを進めましょう。

まとめ

居酒屋の開業における届出は「すべての居酒屋が必要となる届出」と「居酒屋の条件次第となる届出」に分けられます。とくに、条件次第となる届出は想定している居酒屋次第となるため、まずはその前提を踏まえておきましょう。

また、届出の提出先は多岐にわたります。「保健所」「消防署」「警察署」「税務署」「都道府県税事務所」など、あらゆる提出先があるため、居酒屋の開業準備を進めている人はそれぞれの提出先についても確認してみてください。

なお、届出に関する要件や書類は自治体ごとに異なる可能性があります。根拠法令が改正されることも考えられるため、居酒屋の開業準備を進めている人は開業予定地を管轄する自治体の担当者に確認を取りながら手続きを進めることを検討してみましょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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