キッチンカーでパン屋を開業するために準備すること

キッチンカーでパン屋を開業するために準備すること 2022.07.19起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
キッチンカー 開業 パン屋

パン屋を開きたいと思っている人の中には、キッチンカーでの開業を検討している人もいますよね。開業に向けてどのような準備をすればいいのかを知りたい人もいるでしょう。

キッチンカーでパン屋を開業するときは、車両の準備や出店場所に合わせたパンの準備などをする必要があります。開業費用を抑えたいときは、パンの調理法やキッチンカーの改造を工夫する方法を考えましょう。

この記事では、キッチンカーでパン屋を開業するために準備することを解説します。

キッチンカーでパン屋を開業するために準備すること

キッチンカーでパン屋を開業するためには、開業に向けていくつかの準備することがあります。パン屋を開業する際、キッチンカーでの開業を検討している人は、それぞれの項目を参考にしてみましょう。

【キッチンカーでパン屋を開業するときの準備】

  • キッチンカーの車両を準備する
  • パンの調理に必要な設備を準備する
  • 材料の仕入れ先を探す
  • 食品衛生責任者の資格を取得する
  • 保健所から営業許可を取得する

なお、これらはあくまで一例です。それぞれの状況に合わせて、追加で準備が必要になる可能性があるため、キッチンカーでパン屋を開業予定の人は、あくまでも参考としてそれぞれの項目を確認してみてください。

キッチンカーの車両を準備する

キッチンカーでパン屋を開業するためには、販売に使うための車両を準備しましょう。キッチンカーでの営業では、軽トラックや軽バンを改造し、調理設備や販売スペースを取り付ける必要があるからです。

たとえば、軽トラックをキッチンカーにするときは、荷台に骨組みを組み、床板を敷き詰めて、給排水設備や戸棚などを取り付けます。また、内装だけでなく、外装においても塗装やラッピングを行います。

キッチンカーの改造は、専門の業者に依頼する傾向があります。業者によっては、キッチンカーのベースとなる車両の販売も行っていて、購入からデザインの相談、改造まで一括して行うことができます。

車両の購入と改造には、300万から400万円程度が必要になる場合があります。車両の種類や搭載する設備によっては、500万円以上かかることもあるため、目安にしてみてください。

パンの調理に必要な設備を準備する

キッチンカーでパン屋を開業するためには、パンの調理に必要な設備を準備しましょう。パンを調理するには、「業務用オーブン」「ホイロ」「フライヤー」などの調理設備を搭載する必要があるからです。

キッチンカーには、実店舗で使うような大型の設備を積み込むことができません。そのため、調理設備の大きさや種類は、1回の焼き上げで作るパンの数や何種類のパンを販売するのかを考慮しなければいけません。

【キッチンカーのパン屋に必要な調理設備】

業務用オーブン

業務用オーブンはメーカーによって焼き方が異なります。業務用オーブンを選ぶときは、キッチンカーのスペースや一度に何個のパンを焼きたいのか考慮して選ぶようにしましょう。

価格帯:10~50万円

ホイロ

ホイロは大きさによって、中に入れられるパンの大きさが左右されます。小型のホイロでは、フランスパンや食パン1斤は入れられない場合もあるので、作りたいパンを発酵させられる大きさのものを選びましょう。

価格帯:2~20万円

フライヤー

フライヤーは、揚げパンやカレーパンなどを販売するときに必要です。卓上型のフライヤーを使えば、スペースが限られるキッチンカーでも設置しやすいでしょう。

価格帯:2~20万円

ただし、販売するパンの種類によっては、追加で専用の設備が必要になる場合もあります。設備が増えることにより、必要な費用も増える傾向があるため、費用を抑えたい人は中古の機材を購入することも検討してみてください。

材料の仕入れ先を探す

キッチンカーでパン屋を開業するためには、薄力粉やバターなど、パンの材料の仕入れ先を開業時期から余裕をもって探しましょう。仕入れ先は、短期間で見つけられるとは限らないためです。

たとえば、添加物を使用しない材料や特定の産地で生産された材料は、仕入れ先を確保するのに時間がかかるおそれがあるため、仕入れ先を見つけるのが間に合わない可能性があります。

また、価格面で納得できる仕入れ先を見つけるのにも時間がかかる場合があります。仕入れ先の候補を複数調べたら、相見積もりを取って、価格と品質のバランスを見極め、自身の納得のいく仕入れ先を見つける必要があります。

なお、特定の業者から仕入れれば、価格面で優遇してもらえる可能性があります。人には返報性という心理的性質があり、1度の仕入れでまとまった量を購入するといった場合に価格の交渉に応じてもらいやすくなる傾向にあるので、参考にしてみてください。

食品衛生責任者の資格を取得する

キッチンカーでパン屋を開業するためには、食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。キッチンカーの営業では、食品衛生責任者の資格を持っている人が1人以上搭乗するように、食品衛生法で定められているからです。

食品衛生責任者とは、設備の衛生管理や食材が傷まないように適切に保管しているかを管理する人のことです。複数人で販売をする場合は、スタッフの衛生管理の意識教育や健康管理も食品衛生責任者の仕事となります。

食品衛生責任者の資格を取得するには、「食品衛生学」「食品衛生法」「公衆衛生学」などの講習を受ける必要があります。食品衛生責任者の講習は、各都道府県にある食品衛生協会や保健所が開催しています。

現地に足を運んで受講する方法とeラーニングで受講する方法があります。現地で受講する場合は、試験に合格すれば1日で資格を取得できることがあるため、早く食品衛生責任者の資格が必要な人は、現地での受講を検討してみてください。

保健所から営業許可を取得する

キッチンカーでパン屋を開業するためには、保健所から営業許可を取得しなければいけません。営業許可は、キッチンカーを出店する地域の保健所から取得する必要があります。

たとえば、東京でキッチンカーを出店するときは、東京都の保健所から東京都一円の営業許可を取得します。東京都で取得した営業許可は、東京都のみで有効で、千葉県や埼玉県など、別の道府県で出店する際は、その地域の営業許可を別途取得しなければいけません。

また、実店舗でパン屋を開業するときは、飲食店営業許可と菓子製造業許可の2種類を取得しなければいけませんが、キッチンカーの場合は飲食店営業許可を取得すれば開業できます。

なお、保健所に営業許可を申請する際には、車両を保健所に持ち込んで施設検査を受ける必要があります。審査基準は各地の保健所によって異なる可能性があるので、事前に施設検査を受ける保健所に問い合わせるようにしてください。

キッチンカーでパン屋を開業するときのポイント

キッチンカーでパン屋を開業するときは、押さえておくべきポイントがあります。開業準備や開業後の経営にも影響する可能性があるので、キッチンカーの開業が決まったときは事前に確認してみましょう。

【キッチンカーでパン屋を開業するときのポイント】

  • 出店場所によって販売するパンが変わる
  • 季節によって売上が変わる
  • パンの調理場所によって開業費用が変わる

なお、これらはあくまで一例です。キッチンカーでパン屋の開業を検討中の人は、あくまでも参考としてそれぞれの項目を確認してみてください。

出店場所によって販売するパンが変わる

キッチンカーを開業するときは、出店場所によって販売するパンの種類が変わる可能性があります。キッチンカーでの販売では、出店場所によってコンセプトも変わります。

たとえば、住宅街に出店するときは、総菜パンや食パンなどを販売し、パンマルシェのようなイベントや遊園地といった場所では、菓子パンやスイーツ系のパンの販売に特化するなどです。出店場所の客層やニーズに合わせて、パンを販売することで集客が期待できます。

また、出店場所によって販売するパンの種類を変更するときは、その都度パン屋としてのコンセプトを考えましょう。販売するパンの種類に合わせてコンセプトを考えて、パン屋としての価値を明確にできれば効果的なPRを行うことができます。

なお、出店場所に合わせるのではなく、パンに合わせて出店場所を選ぶ方法もあります。国土交通省が公開している全国の人流データを参考に人流を調査すると、出店場所の候補を立てやすくなるでしょう。

季節によって売上が変わる

キッチンカーを開業するときは、季節によって売上が変わる可能性があります。天候やイベントの開催頻度によって集客数が変動するからです。

たとえば、梅雨やイベントが開催されない期間は閑散期となり、売上が低下する恐れがあります。反対に、夏フェスのようにマルシェやイベントが開催されやすい季節は、売上を確保しやすくなる傾向があります。

キッチンカーでは、繁盛期と閑散期を見極めて、1年で挙げたい利益目標を達成するための販売計画や出店計画を立てましょう。1か月や1日にどの程度の売上を確保して、費用をいくらまでに抑えたらいいのか、具体的な目標を立てやすくなります。

利益目標を達成するには、利益計画の作成することにより見える化ができます。利益計画は仕入れ費用や燃料代、車両の維持費などの費用とパンの販売価格や1日の集客目安などを基に作成するため、事前に必要経費や販売価格を明確にしておきましょう。

パンの調理場所によって開業費用が変わる

キッチンカーを開業するときは、パンの調理場所によって開業費用が変わる可能性があります。キッチンカーの車内で調理をするのか、実店舗や仕込み場所で調理をするのかによって、必要になる開業費用が異なるからです。

たとえば、キッチンカーでパンを焼くときは、キッチンカーとなる車両の購入と改造費と業務用オーブンや発酵機などの調理設備の購入費用を合わせて、500万円ほどが必要になります。使用する車両の大きさや機能によっては、さらに費用がかかります。

実店舗や仕込み場所で調理をするときは、調理設備が整っている場所を使用できるため、開業費用を抑えられる場合があります。仕込み場所の場合としては、レンタルキッチンや公共施設で公開されている厨房などが使用できます。

ただし、レンタルキッチンは施設によって使用できる設備や営業許可の種類が異なります。設備やレンタルキッチンが取得している営業許可の種類によっては、パンの調理ができないおそれがあることを留意しておきましょう。

資金に不安がある人は開業費用を抑える方法を確認しておく

資金に不安がある人は、開業費用を抑える方法を確認しておきましょう。開業費用を抑えるには、いくつかの方法があるため、気になる人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

【開業費用を抑える方法】

  • QBD製法で調理する
  • キッチンカーをDIYする

なお、これらはあくまでも一例です。開業費用を抑えたいと考えている人は、あくまでも参考としてそれぞれの項目を確認してみてください。

QBD製法で調理すると開業費用を抑えられる

QBD製法で調理すると、開業費用を抑えられる場合があります。QBD製法では、キッチンカーに導入する調理設備の数を減らすことができるからです。

通常、パンを作るには生地を練り上げて、十分な発酵をさせなければいけません。作り手のこだわりをパンに反映しやすいですが、その分手間や必要となる設備が増える傾向にあります。

QBD製法は、すでに発酵まで済ませて冷凍してあるパン生地を仕入れます。店舗では解凍して焼き上げるだけなので大型の設備は必要なく、キッチンカーに導入する調理設備の数を減らすことができます。

ただし、QBD製法は1から生地を作るわけではないため、パンの味にオリジナリティを出しにくい傾向があります。開業当初はQBD製法を使用し、経営が軌道に乗ってきたら設備投資をすることにより、自分でパンを作れる環境を整備することも検討してみてください。

キッチンカーをDIYすると開業費用を抑えられる

キッチンカーをDIYすると、開業費用を抑えられる場合があります。車両の改造を自分で行えば、業者に改造を依頼する必要がないからです。

キッチンカーの改造を業者に依頼する場合、人件費に費用がかかる傾向にあります。軽トラックの改造にかかる費用は100万円から200万程度が必要になり、車体が大型化すれば、その分必要になる費用も増えます。

キッチンカーの改造をDIYすると、かかる費用は工具のレンタル代や材料費程度で、50万円ほどにまで抑えることも可能です。細部までこだわって作ることができるため、自身が思い描くデザインにすることができます。

ただし、DIYしたキッチンカーの場合、車検や保健所の施設検査で不合格になるおそれがあります。不合格になると修正が必要になるため、骨組みや外装作りは業者に頼み、塗装や内装設備の取り付けは自身で行うといったようにDIYの範囲を限ることを検討してみてください。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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