キッチンカーでピザ屋を開業するために必要な設備を解説

キッチンカーでピザ屋を開業するために必要な設備を解説 2022.06.10起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
キッチンカー ピザ

ピザ屋をキッチンカーで開業したい人の中には、どのような設備が必要なのかを知りたい人もいますよね。どのくらい開業資金がかかるのかを知りたい人もいるでしょう。

キッチンカーでピザ屋を開業するために必要な設備は、主にピザ窯と車両です。必要な設備を揃えて開業するには、400万円程度の資金がかかります。

この記事では、キッチンカーでピザ屋を開業するために必要な設備を解説します。開業資金についても解説しているので、ピザ屋をキッチンカーで開業したい人は参考にしてみてください。

キッチンカーのピザ屋ではピザ窯を用意する

キッチンカーでピザ屋を開業するときは、ピザ窯の用意をしましょう。ピザ窯で調理すると、電子オーブンを使うよりも時短になり、効率的に営業を行うことができるからです。

ピザは仕込み場所で生地を焼き上げて冷凍保存しておけば、電子オーブンでの調理が可能ですが、解凍には5分程度の時間がかかります。ピザ窯であれば、90秒程度で焼き上げられる場合があります。

キッチンカーで売上を上げるには、販売数を増加させる必要があります。ピザ窯を用意することにより、提供までの時間を短縮でき、販売数の増加につながるため、キッチンカーでピザ屋を開業したい人はピザ窯の導入を検討してみましょう。

ピザ窯選びでは出来上がりの味をイメージする

キッチンカーに導入するピザ窯を選ぶときは、ピザが出来上がったときの味のイメージを持っておくといいでしょう。ピザ窯によって、出来上がりのピザの味が変わるからです。

ピザ窯は使用する燃料によって4種類に分けることができます。種類によって風味や扱いやすさが異なるので、作りたい味を作れることと扱いやすさを総合的に判断する必要があります。

【ピザ窯の種類】

  • 薪式ピザ窯
  • ガス式ピザ窯
  • ペレット式ピザ窯
  • 電気式ピザ窯

メーカーや性能によって、出来上がりの質が変わります。あくまで傾向として、ピザ窯を選ぶときにそれぞれの特徴を参考にしてみてください。

薪式ピザ窯

薪式ピザ窯は、薪を燃料に生地を焼き上げる方法で、本場イタリアでも伝統的でポピュラーなピザ窯であるため、焼き上がりや味にこだわった本格的なピザを作りたい人向けです。

薪式ピザ窯は、表面がパリッ中はふんわりとして燃えた薪の香りが香ばしい出来上がりにすることができます。窯に投入する薪の量を変えることにより、ピザ生地の焼き加減やトッピングの具材による火の通りを微調整することもできます。

ただし、気温や湿度によって焼き上がりが変わってしまうため、焼き上げるには技術が必要です。ピザ店で修業をしていないと取り扱うのが難しい傾向があるため、ピザ屋での修業経験がある人は、薪式ピザ窯を検討してみましょう。

ガス式ピザ窯

ガス式ピザ窯は、ボタンを押すだけで完了して、火力の微調整が必要ないため、焼きの手間を軽減したい人に向いています。

ガス式ピザ窯の特徴は常に出来上がりの味が安定しやすいことで、作り手が頻繁に入れ替わる大手ピザチェーン店などで導入される傾向にあります。誰が作っても一定のクオリティで作ることができて、焼きの失敗を防ぐことができます。

ただし、キッチンカーでガス式ピザ窯を使うとき、燃料としてプロパンガスが必要です。プロパンガスは都市ガスに比べて費用がかかるため、ガス式ピザ窯を利用したい人はランニングコストがかかることを留意しておきましょう。

ペレット式ピザ窯

ペレット式ピザ窯は、木質ペレットと呼ばれる本物の木材を1cm未満の塊に圧縮した燃料を使うため、薪よりも扱いやすい傾向があります。操作性も作り手が行うべき作業が簡略化されているため、手軽に薪式ピザ窯の香ばしい香りを再現したい人向けです。

たとえば、ピザ窯内部の温度を自動で管理し、温度が低ければ燃焼させる木質ペレットの量を調節してくれる機能を持ったペレット式ピザ窯があります。薪式のように火力の調整に技術を使わずに、薪式の香ばしい香りを付けることができます。

なお、燃料となる木質ペレットはサイズが小さいため、薪に比べて保管場所を確保する必要がありません。キッチンカー内での調理スペースを有効活用したい人は、ペレット式ピザ窯を検討してみましょう。

電気式ピザ窯

電気式ピザ窯は、ピザ生地をじっくり焼き上げたい人に向いています。火力を使わない分焼き上がりに時間がかかりますが、焦げ目を付けずにふっくらとした焼き上がりにすることができるからです。

たとえば、電気式ピザ窯はアメリカピザのように厚い生地を低温でじっくり焼き上げる調理法に向いています。電子レンジのオーブン機能と同じ要領で焼き上げるため、火を使う「薪式」「ガス式」「ペレット式」と比べて焦げ付きの失敗を防ぐことができます。

ただし、キッチンカーで電気式ピザ窯を使用するには、一定の電力が必要です。出店場所によっては電力が弱く、供給を受けられないおそれがあるため、業務用の発電機を用意しなければならないことに留意しておきましょう。

キッチンカーのピザ屋を開業するには400万円以上必要

キッチンカーのピザ屋を開業するには、400万円以上の開業資金が必要です。キッチンカーの車両の購入に300万円前後、ピザ窯の購入に100万円以上がかかる傾向にあるからです。

たとえば、薪式ピザ窯を導入したキッチンカーを制作するときは、1tトラックの車と薪式ピザ窯の購入費と車両に搭載する改造費が必要です。1tトラックの購入と改造に350万円、薪式ピザ窯は、小型のものでも100万円前後するため、総額450万円前後がかかります。

なお、購入したキッチンカーを自分で改造すれば、発生する出費は工具や材料費のみになるため、費用を50万円から150万円程度に抑えられる場合があります。

キッチンカーの自作については「キッチンカーを自作するときに知っておきたいメリットと流れを解説」で説明しているので、キッチンカーを自作したい人は参考にしてみてください。

開業費用を抑えたいなら中古車の購入も検討する

開業費用を抑えたいなら中古車の購入を検討してみてください。すでにキッチンカーとして出来上がっている車両を購入すれば、費用の節約になるからです。

たとえば、キッチンカーでピザを販売するときは、すでにピザ窯を搭載している車両を購入すれば、手を加えなくても使用できる場合があります。中古のキッチンカーは150万円前後から購入することができます。

ただし、追加で必要な設備や老朽化で設備の入れ替えが必要な場合があります。とくに、ピザを販売していたキッチンカーを手に入れることができても、提供したいピザの調理に向いていないピザ窯が搭載されているときは、ピザ窯の変更が必要になり、結果として費用がかかってしまうおそれがあることを留意しておきましょう。

サイドメニューを提供する設備も搭載する

キッチンカーでピザ屋を開業するときは、ピザ窯だけでなくサイドメニューを提供するための設備も用意しましょう。キッチンカーのピザ屋ではピザだけではなく、フライドポテトやサラダなどのサイドメニューを提供する傾向にあるからです。

たとえば、サイドメニューとしてフライドポテトを販売するときはフライヤーの設備を導入します。導入するべき設備は提供するサイドメニューによって異なりますが、ドリンクを提供するジューサーやピザのトッピングの具材を保管しておく冷蔵庫が必要です。

追加する設備を考えるときは、必要だと思われるものをリストアップするのも効果的です。提供するピザやサイドメニューを作るのにどんな道具が必要なのかを考えてリストアップすると、機材の準備に漏れが発生しにくくなるので試してみてください。

テイクアウト用の容器は食べ歩きがしやすいデザインにする

キッチンカーのピザ屋で使用するテイクアウト容器は、食べ歩きがしやすいデザインにしましょう。キッチンカーを利用するお客さんは食べ歩きで利用する傾向にあるからです。

たとえば、持ち手のついているピザ箱やドリンクのプラスチックコップを用意する方法があります。ドリンクのコップは蓋がついていると、持ち運びがしやすく、こぼれる心配も減ります。

ただし、テイクアウト容器を必要以上に発注してしまうと、経営を圧迫してしまう可能性もあります。最初は最低限の売上目標分だけを発注し、出店を繰り返して徐々に販売数の目安がわかってきたら、発注数を調整するといいでしょう。

キッチンカーのピザ屋を開業するときは営業許可が必要

キッチンカーのピザ屋を開業するときは、保健所から営業許可を取得する必要があります。営業許可なしでキッチンカーを営業してしまうと、食品衛生法違反に該当してしまい2年以下の懲役または200万円以下の罰金の対象になるからです。

たとえば、都内にキッチンカーを出店したいときは、東京都の保健所から東京都一円の営業許可を取得します。また、東京都と千葉県のように2つの地域で営業するときは千葉県の保健所からも営業許可を取得しなくてはいけません。

なお、保健所から営業許可を取得する際にはキッチンカーを提出して、食品衛生上の安全が確保されていることを証明しなければいけません。キッチンカーの営業許可の取得の仕方については「キッチンカーの開業で必要な営業許可を解説」の中で解説しているので、参考にしてみてください。

ピザ屋はほかのキッチンカーとメニューの差別化がしやすい

キッチンカーのピザ屋は、たこ焼きやホットドッグなどを販売するキッチンカーと比べてメニューの差別化を図りやすいという特徴があります。ピザはトッピングを変えるだけでメニューのバリエーションを増やしやすいからです。

たとえば、競合他社が販売していないオリジナルのトッピングを用意できれば、差別化ができて集客効果が期待できます。競合他社の状況によっては、マルゲリータやマリナーラ、ビスマルクなどの定番メニュー以外の商品開発が必要になる場合があります。

ただし、まったく新しい具材の組み合わせを一から考えてメニューを作るのは難しい場合があります。地元の野菜や魚などの具材を使うことにより、差別化につなげられる場合があるので、メニュー作りの参考にしてみてください。

キッチンカーのピザ屋で儲けるにはコストを下げて客単価を上げる

キッチンカーのピザ屋で儲けるには、コストを下げて客単価を上げる施策が必要です。コストを下げて、1人のお客さんにより多くの商品を購入してもらえれば、儲けにつながるからです。

コスト削減と客単価を上げる施策には、いくつかあります。売上の向上を図りたい人は、それぞれの項目を参考にしてみてください。

【コスト削減と客単価向上の施策】

  • ピザ生地は自作する
  • 原材料は必要な分のみを仕入れて食品ロスを軽減する
  • ピザ以外のメニューも充実させる

ただし、コストと客単価を意識することにより、ピザの品質が悪くなったり、様々なメニューを用意してしまいコストが増えたりすることが想定されるため、注意が必要です。

ピザ生地は自作する

キッチンカーのピザ屋ではピザ生地を自作すると、コストの削減につながります。手作りのピザ生地は作る手間がかかりますが、すでに成形されている業務用ピザ生地などと比べて1枚あたりのコストが安いからです。

たとえば、業務用ピザ生地によりますが、100枚のピザを作るのに13,000円程度の費用が発生します。手作りであれば半額以下程度まで費用を抑えられる場合があります。

ただし、キッチンカー内で仕込み作業は行えません。キッチンカーで手作りのピザ生地を使ったピザを販売するときは、事前に必要な枚数を冷凍保存しておきましょう。

原材料は必要な分のみを仕入れて食品ロスを軽減する

原材料を仕入れるときは、使い切れる量を仕入れるようにしましょう。食品ロスを軽減することによって、コストの削減につながるからです。

たとえば、マルゲリータやマリラーナのようにピザの味付けやトッピングに使われやすいトマトは多めに仕入れ、フィッシュピザのように用途が限られる魚介類は仕入れ量を抑えるなどです。ピザはトッピングとして使う食材の種類が多いので、食材の使用頻度で原材料の仕入れ量の調整が必要です。

また、売れ行き次第では、メニューを撤廃する必要があります。売れるメニューに注力することにより、効率的な経営を行うことができます。

食品ロスを軽減すると、廃棄にかかるコストの削減のほかに、調理時間や仕込み時間などの効率化につながります。時間を有効活用できるようになるため、食品ロスの軽減を検討してみてください。

ピザ以外のメニューも充実させる

客単価を上げるには、ピザ以外のサイドメニューを充実させましょう。ピザと一緒に購入してもらえれば、客単価の向上につながるからです。

たとえば、サイドメニューとしてドリンクやサラダを用意しておけば、ピザと一緒に購入してもらえる可能性があります。ジェラートのようなスイーツを用意すれば、ピザ以外の購入客も見込めます。

また、ピザの提供を工夫する方法があります。ピザを1枚丸々提供するのではなく、数切れ単位で提供したり、ピザロールにしたりして食べ歩きをしやすくすると、遊園地やサービスエリアなどで売れる可能性があるため、検討してみてください。

キッチンカーのピザを販売するなら家族連れのいる場所に出店する

キッチンカーでピザ屋を営業する場合、「遊園地」「公園」「マルシェ」などの家族連れのいる場所に出店しましょう。大人から子どもまで幅広い客層を狙うことができるからです。

マルシェやイベント会場に出店するには、イベントの主催者と直接出店交渉を行う場合があります。出店するための交渉では「出店をしていいのか」「出店料はいくらなのか」「電源は使用できるのか」などの項目を話し合うことになります。

出店場所を提供したいオーナーとキッチンカーのマッチングサービスを利用する方法もあります。条件に合う出店場所を探すことができるため、交渉が苦手な人や出店場所を見つけられなかった人は利用を検討してみましょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
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