キッチンカーのサイズは、調理環境や開業後のランニングコストに影響を及ぼすため、自分に適しているサイズを知りたい人もいるでしょう。
キッチンカーのサイズは、料理を調理できるスペースと出店場所の駐車スペースを考慮しなくてはいけません。
今回はキッチンカーのサイズを決めるときのポイントと、サイズによるランニングコストの違いについて解説します。
キッチンカーのサイズは提供する料理と出店場所をもとに決める
キッチンカーのサイズは、提供する料理と出店場所をもとに決めましょう。
キッチンカーで提供している料理には、「カレーライス」「ピザ」「ケバブ」「たこ焼き」「クレープ」などがあります。「使用する調理器具がたくさん必要」「大型の設備を導入しないといけない」などの場合では、キッチンスペースが広くなくてはいけません。
また、出店を検討している場所も考えなければいけません。たとえば、オフィス街に出店を検討しているときに大型トラックをキッチンカーにしてしまうと、車両を駐車するスペースが確保できずに出店ができないという事態に陥ることがあります。
キッチンカーのサイズを決めるときは、「料理を提供できる大きさ」と「出店場所に収まる大きさ」の2つを押さえるようにしましょう。
キッチンカーのサイズと車種
キッチンカーのサイズは、主に「小型」「中型」「大型」に分けることができます。
キッチンカーに利用される車種は「軽トラック」「軽バン」「普通車バン」「1tトラック」「1.5t以上のトラック」の5種類で、それぞれの車種と寸法は次の通りです。
【キッチンカーのサイズと車種】
|
該当する車種 |
平均的な寸法 |
小型キッチンカー |
・軽トラック ・軽バン ・普通車バン |
・幅3.5m ・奥行1.5m ・高さ2.5m |
中型キッチンカー |
・1tトラック |
・幅4.5~5m ・奥行1.8m ・高さ2.5~3m |
大型キッチンカー |
1.5tトラック以上 |
・幅6~6.5m ・奥行2m ・高さ3~3.2m |
キッチンカーとして小型、もしくは中型のキッチンカーが利用される傾向があります。車両が大きくなるとその分、営業できるエリアが限られてくることがあるため、大型キッチンカーは使いどころが限られてくる可能性があります。
キッチンカーのサイズを選ぶときは、サイズごとの特徴を押さえて、営業スタイルに合った車両を入手しましょう。
キッチンカーのサイズと価格
キッチンカーの価格はサイズや車種によって異なります。キッチンカーのサイズ別の購入価格は次の通りです。
【キッチンカーのサイズと価格】
|
価格 |
小型キッチンカー |
・新車:150~180万円程度 ・中古:50~120万円程度 |
中型キッチンカー |
・新車:200万円程度~ ・中古:150万円程度~ |
大型キッチンカー |
・新車:350万円程度~ ・中古:170万円程度~ |
中古車を購入すると開業費用を抑えることができます。しかし、中古車を長期運用すると頻繁なメンテナンスが必要になる可能性があります。結果的に運用期間が長くなるほど、新車を購入するよりも費用が掛かってしまうことがあります。
キッチンカーを購入するときは、長期運用なのか短期運用なのかを考慮するようにして、新車か中古かを決めるようにしてください。
小型キッチンカーは小回りが利くが積み込める材料は減る
キッチンカーの中でも比較的小型に分類される「軽トラック」「軽バン」「普通車バン」は、小回りが利くのが強みです。オフィス街や住宅地からイベント会場まで、幅広く出店することができます。
ただし、調理機材や調理スペースを確保すると手狭になってしまう場合もあり、積み込める食材が限られてくるという一面もあります。
1日の回転数を高くしないで、予め設定した売上だけ達成できれば問題ないという人や、実店舗の宣伝として短期的にキッチンカーの営業を検討している人には向いているでしょう。
軽トラックはどんな出店場所や料理でも対応可能
軽トラックはキッチンカーの中でも特に人気の高い車種のひとつです。理由は主に2つあります。
1つは小回りが利くため、「オフィス街」「住宅街」「イベント会場」など場所を問わず営業することができます。
もう1つは、荷台部分にキッチンスペースを後付けしていて、車高に十分な高さが得られるため、立って調理をすることができます。結果的に店舗の厨房で作業するのと変わらない状況で調理をすることができます。
軽トラックでは「切る」「焼く」などの2工程程度で完結する料理を提供できます。キッチンスペースを確保しやすく、給排水設備も80リットル程度を搭載することができるためです。
また、事前に仕込みを終えていれば、揚げ物やカレー、ケバブやクレープなどを提供することもできます。
軽バンや普通車バンは車高の高さを気にしないで済む
軽バンや普通車バンは車高を気にする必要がないため、立体駐車場などの高さ制限も問題になりにくい強みもあります。出店場所の環境に左右されず、いくつかのエリアで出店したい人には向いている車種でしょう。
給排水設備も軽トラックと同じ80リットル程度までなら導入することができます。
ただし、後部座席を取り外してキッチンスペースに改造しているため車高が低く、車内で立って調理をするのは難しい場合があります。提供できる料理が座って調理できるクレープやたこ焼きなどに限られることがあることを留意しておきましょう。
中型のキッチンカーは汎用性が高い
中型のキッチンカーは1tトラックが主流で、汎用性の高さが特徴です。
軽トラックと同様、キッチンスペースに車高があるため、立って調理をすることができます。車両サイズも大きすぎることがないため、小回りが著しく損なわれるということはありません。
中型のキッチンカーになると、給排水設備も200リットル程度のものまで搭載することができ、2工程以上の料理でも提供することが可能になります。
「カレーとメンチカツ」「オムライスとナポリタン」というように、本格的な料理を複数提供したいのなら、中型のキッチンカーを検討してみてください。
大型のキッチンカーは大きな機材も搭載可能
1.5t以上の大型のキッチンカーは、本格的な冷蔵・冷凍設備、鉄板やコンロにフライヤーなどの設備を搭載することができ、ピザやパエリアなど手間のかかる料理も提供可能です。
食材のストックを十分保管して置けるだけのスペースも確保できるので、イベント会場などでの長時間の出店ができます。
そのため、複数人のスタッフで調理を回し、1回の出店で大きな売り上げを狙いたい人に向いている車両でしょう。
ただし、大型キッチンカーはオフィス街や住宅街など駐車スペースが狭い場所での出店には向いていません。そのため、大型キッチンカーではイベント会場での営業が主になります。イベント開催の有無によっては出店機会が失われる可能性もあるので注意してください。
車両サイズが小さいほどランニングコストは低くなる
キッチンカーを所有すると、維持するために燃料代や税金などが発生します。
キッチンカーにかかる燃料代は走行距離によって変わりますが、平均的にはひと月1~3万円かかる傾向があります。1年間に換算すると、12~36万円ほど掛かります。
また、キッチンカーにかかる自動車税は8,000円から11,500円程度で、毎年支払わなければいけません。
これらのランニングコストは車両サイズの大きさによって変動し、車両サイズが小さいほどランニングコストは低くなる傾向があります。
燃料代は丁寧に運転すると下がる
トラックの燃費は、約12~15km/Lです。普通自動車は30km/Lとされているので、トラックは普通自動車よりも燃費が悪いということになります。
キッチンカーは様々な機材を搭載するため、車両重量は重くなります。重くなった分、走行するために消費する燃料は増加します。
キッチンカーは全国各地を回ることもあるため、燃費を改善できれば、ランニングコストの改善にもつながります。
運転の仕方に気をつけるだけでも燃費を改善することができます。たとえば、急発進や急停車、スピードを上げるなどの行為は、エンジンに大きな負荷を掛け、その分燃料を余計に消費することに繋がります。丁寧に運転するだけでも、燃費は改善されるでしょう。
キッチンカーの維持に掛かる自動車税と自動車重量税
キッチンカーの維持には、主に自動車税と自動車重量税が掛かります。
自動車税は自動車の用途や排気量、積載量によって変動する税金で、年に一度支払う必要があるものです。軽トラックなど軽自動車をキッチンカーに利用すると、通常は8,000円程度とされています。1tを超えると11,500円程度になります。
自動車重量税は車両重量や車種、経過年数によって変動する税金で、車両の登録時や車検時に支払う必要がある税金で、車検時の費用に含まれます。
環境性能を満たしているトラックを使用すると、エコカー減税の対象となり、節税に繋がります。ランニングコストを抑えたいのなら、エコカー減税が適用される車両を検討してみてください。
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