飲食店を開業するために必要な資金と調達方法を解説

飲食店を開業するために必要な資金と調達方法を解説 2021.12.08起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
飲食 店 開業 資金

飲食店を開業したいけど、どのくらいの初期費用がかかるのか知りたい人もいるでしょう。飲食店を開業したいけど、いくら 開業資金を貯めればいいのか参考にしたい人もいますよね。

飲食店を開業するためには主に「物件取得費用」「内外装工事費用」「厨房機器費用」「什器・備品費用」などの設備資金と運転資金が必要です。

当記事では飲食店を開業するために必要な資金と調達方法を解説します。飲食店を開業したいと検討している人は参考にしてみてください。

飲食店を開業するために必要な設備資金

飲食店を開業するために必要な設備資金として、次の4つに分けられます。

  • 物件取得費用
  • 内外装工事費用
  • 厨房機器費用
  • 什器・備品費用

飲食店を開業するためには1,000万円程度の資金が必要です。飲食店の種類や規模などによって異なりますので、目安にしてみてください。

物件取得費用

物件取得費用は、店舗となる物件を借りるためにかかる費用をいいます。主に「保証金(敷金)」「礼金」「仲介手数料」「前家賃」が挙げられます。

物件次第ですが、保証金(敷金)は賃料の6か月~12カ月分、礼金と仲介手数料はそれぞれ賃料の1カ月分程度かかる場合があります。前家賃とは、物件の契約時に当月分(日割)と翌月分の家賃を先払いすることです。

家賃15万円の物件を借りるときの物件取得費用の一例は次の通りです。

【家賃15万円の物件の一例】

 

目安金額

保証金(敷金)

150万円(賃料の10ヶ月分)

礼金

15万円(賃料の1ヶ月分)

仲介手数料

15万円(賃料の1ヶ月分)

前家賃

20万円(今月10日分と翌月分の賃料)

合計

200万円

物件によって、取得に必要な費用は異なります。そのため、物件を選ぶ際には家賃だけでなく「保証金(敷金)」「礼金」「仲介手数料」「前家賃」がそれぞれいくらかかるのかを確認しましょう。

内外装工事費用

内外装工事費用は、店舗の内外装工事をするための費用をいいます。店舗内の「天井」「壁」「床」「電気」「ガス」「水道」「空調」「トイレ」「照明」の工事、店舗外の「壁」「看板」「照明」の工事が挙げられます。

「店舗の場所」「飲食店の種類」「工事内容」などによりますが、100万円以内~1,000万円以上かかる場合があります。

たとえば、テイクアウト専門店であれば100万円ほどですし、焼肉店であれば1,000~2,000万円かかる場合もあります。

見積もりは2社以上の業者から取りましょう。1社だけだと比較ができず、金額が妥当なのかを判断することができないからです。もし見積もりで予算を超過している場合には、予算内に収められるように業者と相談してみましょう

厨房機器費用

厨房機器費用は「冷蔵庫」「製氷機」「食器洗浄機」「シンク」などの購入費用をいいます。

他にもイタリアン料理を提供する場合は「ピザ窯」が必要ですし、パン屋であれば「専用オーブン」が必要です。

「飲食店の種類」「規模」などによりますが、100万円以内~500万円以上かかる場合もあります。

内外装工事費用と同様に、厨房機器費用においても2社以上の業者から見積もりを取りましょう。業者によっては予算内になるように、新品だけでなく、中古品も含めた提案をしてくれる場合もあります

什器・備品費用

什器や備品としては、主に「テーブル」「いす」「食器」「調理器具」が挙げられます。数万円~数十万円程度で揃えられるところを、店舗イメージに沿ってあれもこれもと購入してしまうと、100万円以上かかる場合もあります。 

なるべく費用を抑えるためには、新品を購入しようと思っていた什器や備品のグレードを下げて代用できないかを考えてみてください。また売上が安定してから、徐々に揃えていくことも選択肢のひとつです。

設備費用を抑えるために居抜き物件を検討する

設備資金を抑えるなら、居抜き物件で飲食店を始めるのも選択肢のひとつです。

居抜き物件とは、前の借主が行った内外装と購入した「厨房機器」「什器」「備品」を引き継げる物件のことです。店舗の状況にはよりますが、一から揃えるよりも初期費用を抑えることができる傾向があります。

ただし、居抜き物件を契約する場合には「内外装」「厨房機器」「什器」「備品」を引き継ぐために造作譲渡費用が必要となります。 

また、こだわりの内装や備品で揃えられないことも人によってデメリットに感じるでしょう。

このようなデメリットもありますが、初期費用を抑えたいと思っている人は居抜き物件で開業する方法もあると覚えておきましょう。

飲食店を運営するには運転資金も必要

飲食店を毎月運営するためには、「仕入費用」「人件費」「家賃」「水道光熱費」「広告宣伝費」などが必要であり、これらの事業を継続して行うための資金を運転資金といいます。

開業するために必要な初期費用だけでなく、運営するための資金も準備しなければなりません。手元に資金がなくなると店舗を経営することができなくなるからです。

そのため、初期費用とは別に資金を確保しておくことで、オープンして数か月で潰れてしまうといった事態を防げるでしょう。

最低で3ヶ月分の運転資金があれば廃業リスクを抑えられる

運転資金として想定する月商の3か月~6カ月分程度を目安に準備しましょう。3か月以上の資金があれば、万が一の事態にも対応しやすくなり、廃業のリスクを抑えられるからです 。

たとえば、社会情勢や自身の病気・怪我などでお店を一時的に閉めなければならないケースがあります。売上がなくても、原則として家賃や水道光熱費、仕入費用などは発生します。

最低限として月商の3か月程度の運転資金を準備しておきましょう。月の売上を100万円と想定している場合には最低限300万円程度の運転資金を準備するイメージです。

月商の3ヶ月分の運転資金を準備することで、赤字による廃業のリスクが下がります。

運転資金とは別に生活費も必要

運転資金とは別に自身の生活費も必要です。なぜなら、運転資金とは別に考えておかないと、自身の生活ができなくなるおそれがあるからです。

創業から事業が軌道に乗るまでに3か月以上かかる傾向があります。そのため、開業したては利益の中から生活費を支出できない可能性があります。 

自身の生活を確保するために、運転資金とは別で「家族を含めた食費」「自宅の水道光熱費」「住宅ローンなどの各種ローンの支払い」「子どもの教育費」など生活するにあたって必要なお金を準備しておきましょう。

開業資金が足りない場合は金融機関から融資を受ける

開業するための資金が足りない場合は金融機関からの融資を検討しましょう。飲食店開業には1,000万円以上の資金が必要になるため、飲食店開業時には自己資金だけでの開業が難しく、金融機関から融資を受ける傾向があります。

飲食店を開業する時には、以下のような金融機関が使われます。

金融機関名

特徴

日本政策金融公庫

・国が100%出資する金融機関
・中小企業や個人事業主への支援を目的としている

信用金庫

・地域振興を目的にしているので中小企業や個人事業主への融資を行っている

地方銀行

・信用金庫と同様、地域振興を目的に中堅企業、中小企業、個人事業主への融資を行っている

上記の金融機関は中小企業や個人事業主への支援を目的とした融資を行っているため、実績のない創業者への融資を行っています。金融機関の審査では「貯めてきた自己資金」「今までの経験」「事業計画」などがチェックされ、融資の可否が決まります。 

一方、都市銀行は実績のない事業主への融資を積極的に行うことはありません。新規の事業主は事業が軌道に乗るか不透明であり、返済できる程の信用力がないと見なされるからです。

そのため、開業時に資金が足りない場合は、日本政策金融公庫または信用金庫からの借り入れを検討するのが良いでしょう。

信用保証協会を利用すると信用力が増す

信用保証協会を利用すると信用力が増し、信用金庫を初めとして銀行からも融資を受けられやすくなる場合があります

信用保証協会とは、中小企業や個人事業主が金融機関への返済が滞った時に代位弁済をしてくれる機関です。金融機関としては返済が保証されるので、信用保証がされている事業主に対して、積極的に融資を行う傾向があります。

信用保証協会は各都道府県にありますので、利用する時は「お近くの信用保証協会」から探してみてください。

補助金や助成金は原則として創業後にしか受け取れない

国や自治体では創業者に対して、補助金や助成金を設けている場合があります。

しかし、補助金や助成金は原則として後払いで、創業後にしか受け取れません。補助金や助成金は事業を始めたあとに、使った費用の一部を補助してくれる制度だからです。

補助金や助成金は予算次第で募集が終了したり、新たに創設されたりします。そのため、補助金や助成金の活用を検討している人は、経済産業省の公式サイトや創業予定地の自治体に問い合わせてみましょう。

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株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://inqup.com/