魅力的な看板メニューでリピーターを増やそう!
キッチンカーで売上げを作るには、手広くたくさんのメニューを揃えるよりも、「このメニューには絶対に自信あります!」と言える看板メニューを出すのが有効です。
この記事では、看板メニューを考える時のポイントをご紹介します。
フードメニューを「ランチ系」「軽食系」に分類した場合の特徴とメニュー例もご紹介しているので、参考にしてください。
キッチンカーのメニューは大きく2種類
キッチンカーに向くフードメニューは、大きくランチ系と軽食系に分類されます。
それぞれの特徴とメニューの例は以下の通りです。
ランチ系は短時間でたくさん売れる!
オフィスで働く人たちやフェスに参加する人たちがお昼を買いに来る、というのが販売の主力シーン。
お昼時の2~3時間の内にお客様が集中しやすく、短時間でたくさんの売上が見込めます。
代表的なランチ系のメニューとしては、
- タコライス
- ガパオライス
- ケバブ
- ハンバーガー
- カレーライス
- ロコモコ
- 牛丼など丼系
- 焼きそば
などがあります。
お客様は手軽に食べられる上にお腹をしっかり満たせますし、作る側も手早く調理と提供ができるのでお客様を待たせません。
タコライスなどのエスニック系の料理はまだ馴染みの薄い人も多いですが、おいしそうな匂いと印象的な味でお客様にリピートしてもらいやすいメニューでもあります。
軽食系は時間を選ばずコンスタントに売れる
オーナーが一人で営業するキッチンカーでは、ランチタイムに一度にたくさんのお客様が来ても料理の提供速度に限界があります。
そのため、時間帯に関わらずコンスタントにお客様が来る軽食系の方が、オーナーが調理や接客などのオペレーションをする負担も、お客様の待ち時間も少なくできるのです。
またコーヒーやタピオカドリンクなどを看板メニューにする場合でも、ホットドッグなどの軽食メニューを一緒に用意していると、小腹を満たしたいお客様や少食なお客様からの需要が増えます。
代表的な軽食系のメニューとしては、
- クレープ
- ホットドッグ
- サンドイッチ
- ドーナツ
- チュロス
- フランクフルト
- フライドポテト
- たこ焼き
- たい焼き
- から揚げ
などがあります。
クレープやたい焼きなどはスイーツ系ですが、ツナやマッシュポテトを入れるなど、具材によっては軽食としても食べられるメニューなのでバリエーションを広げやすいです。
リピートしたくなる看板メニューがあるキッチンカーは強い
キッチンカーで継続して売上げをあげるには、こだわりの看板メニューがあると強いです。
看板メニューのイラストなどを車のペイントや文字通り看板に取り入れて、偶然通りかかった人にアピールできるとお客様も増えますよね。
看板メニューを考える時のポイントと、メニューのラインナップや価格設定のコツをご説明します。
開業前に研究を重ねて魅力的な看板メニューに
看板メニューを作るには、自分で調理をして試食、評価、改善を繰り返すしかありません。
評価の基準と改善のアイデアを得るには、有名店やマイナーなお店を問わず、同じ系統のものを食べて回るのが有効です。看板メニューをたこ焼きにするならたこ焼き、ハンバーガーを看板にするならならハンバーガーを食べて回ります。
隠し味の材料や配分は教えてもらえるものではありませんが、実際に食べてみると自分の調理した料理との違いに気づくことができるのです。
気づいた違いや感じたことをメモしておき、また自分で調理、試食、評価、改善を行います。
たくさんの店、たくさんのバリエーションを食べて回って比較することは研究にとても有効ですが、場合によっては同じ店の同じメニューを何回も確認することも重要です。
メニューを増やす時も看板メニューを軸にする
メニューを追加する時は、看板メニューと同じ種類の料理の「バリエーション」として提供すると、調理機材や食材の保管スペース、営業許可の違いなどに困ることもありません。
ソースやドレッシング、トッピングのバリエーションを豊かにするのは簡単かつとても効果的な方法。
フライドポテトのシーズニングを変えたり、カレーやサンドイッチにチーズを追加できるようにしたりするのは鉄板です。
また、手広すぎるメニュー展開はキッチンカーには向いていません。
食材の分類や調理方法が違う場合、複数の営業許可が必要になるケースがあるのが理由の1つ。
複数の営業許可を取る条件を満たしたキッチンカーを作らなければいけないので、改造の内容を増やすことになります。
保健所への相談、車両の改造、営業許可申請、車両検査、営業許可の取得までを全てやり直すことになるので、時間も費用もかなりのコストがかかるのです。
さらにラインナップが多過ぎると、どのメニューも「まあまあのレベルで揃えているのかな」という印象になりがち。
実際にはどのメニューも高いレベルのおいしさを持っていても、最初の1回を買ってもらうのが難しくなります。
原価を抑えることにこだわり過ぎない
価格が安いと売れやすいのは確かですが、そのためには原価を抑える必要がありますよね。
しかし原価を抑えることにこだわり過ぎると質の良くない材料を使ったり、味にアピールポイントのない料理になったりすることがあります。
質の良い食材を使ったおいしい料理を提供できなければ、お客様はリピートしてくれません。
安さだけ、おいしさだけのどちらを考えてもチェーン店や地元で馴染みのある店には勝ちにくくなってしまうので、売上げの確保も困難です。
キッチンカーに来る人は安さが目的というよりも、車両の塗装や飾り付けを含めたポップな雰囲気や、調理中の匂い、調理の光景を楽しみたいお客様が多い傾向があります。
安さを求めて質も犠牲になってしまうよりは、味や盛り付け、飾り付けなどを総合した満足感を追求した方が売上げは伸びやすいです。
またイベント出店の場合には、日常のランチタイムや休憩のおやつとして販売しているときよりも少し高めに値段を設定しても売れやすいのが特徴。
逆にイベント出店で安すぎると「味にこだわっていないからでは?」「あまり質がよくないのかも…」という印象を持つ人もいるので、売上げが伸びないことがあります。
調理が見えやすいのはキッチンカーの強み
キッチンカーのアピールポイントとして、「調理している様子が見えること」はかなりの強みです。
目の前で調理工程が見られることで待っている間にもわくわくしますし、何より「できたて」の料理を提供してもらえている実感が強くなります。
フライヤーを使う揚げ物など、お客様から距離を取って調理するしかない場合も、受け渡しカウンターで最後のソースをかけるだけでも「できたて」の料理という印象が強くなって喜んでもらえるのです。
できたての嬉しさは「おいしい」という印象をより強くするので、リピーターになってもらうためにとても効果的ですよ。
新しいメニューは販売する前にキッチンカーを使って予行演習を
キッチンカーを長く営業するなら期間限定や季節限定、レギュラーメニューの追加など、新メニューを販売するタイミングがあると思います。
しかし新メニューを追加すると食材の調理や管理の並行作業が増えますし、複数のスタッフが調理スペースを行き来することも多くなりますよね。
新メニューの発売当日になる前に、ボードとマグネットを使ったり、紙の上に移動する場所や人数を書き込んだりしてシミュレーションをする方法もありますが、シミュレーションでは実際のオペレーションの感覚を掴みにくく、当日になってから
- 使う食材を取り違えやすかった
- 調理にかかる時間差を反映できておらず、お客様を待たせてしまった
- スタッフ同士がうまく移動できずにつかえてしまうことがあった
などのトラブルが起こりがちです。
実際にキッチンカーで予行演習を行って、トラブルの要因を事前に取り除いておきましょう。
まとめ
キッチンカーはフードやドリンクを提供する仕事ですから、集客を左右するのはやはりメニューです。
外装やコンセプトに徹底的にこだわっても、提供する料理が評価されなければ口コミでのおすすめも、個人のリピートもしてもらえません。
営業許可の条件のように決まった正解がない部分なので研究にはどうしても苦労しますが、ぜひお客様に喜ばれる看板メニューを作ってください。
またキッチンカーを開業する前は準備することが多いので、看板メニューの研究に余裕が持てないことがあります。
余裕のないときは妥協点や合格点が分からなくなってしまうこともあるので、家族や友人に頼って試食や評価を手伝ってもらうのがおすすめです。
第3者からの評価がもらえるので、「これはおいしい!」と言ってもらえれば自信にも繋がります。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
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