キッチンカー(移動販売)で開業する手順と流れについて解説

キッチンカー(移動販売)で開業する手順と流れについて解説 2020.02.13起業のための資金調達 – 飲食(飲食店・外食・デリバリー)
キッチンカーで開業する手順と流れについて解説

自分の飲食店を持ちたいと持っている人の中には、キッチンカー(移動販売)での開業を検討している人もいるでしょう。

キッチンカーを開業するためには3カ月程度の準備が必要です。メニュー決めや車両の準備などをしないといけないからです。

この記事ではキッチンカーを開業するときに必要な準備の流れや資金について解説します。

キッチンカーを開業するまでには3カ月の準備が必要

キッチンカーで開業するまでには3か月程度の準備が必要です。

キッチンカーを開業する主な手順としては、次の通りです。

  • メニューを決める
  • 出店スタイルを決める
  • 1日の売上目標を決める
  • メインで出店するエリアを検討する
  • 出店先のオーナーや主催者と契約する
  • 車両を手に入れて駐車場を用意する
  • キッチンカーに必要な保険へ加入する
  • 仕込み場所を確保する
  • 保健所から営業許可を取得する
  • SNSを開設してキッチンカーをPRする

上記の流れはあくまで一例で、実店舗を別に構えているときは仕込み場所の確保がいらなかったり、メニューの考案をゼロからしないで済んだりもします。あくまで、キッチンカーの開業準備を考えるときの参考にしてくだい。

メニューを決める

キッチンカーを開業するときは、販売するメニューを決めなければいけません。メニューが決まると、出店スタイルや出店するエリアが決まってくるためです。

キッチンカーのメニューは、大きく分けて次の3つに分けることができます。

【キッチンカーのメニューの種類】

ランチ系メニュー

ランチ系メニューは、カレーライスや焼きそばなど、お昼時に食べたくなるようなメニューです。オフィス街や住宅街などで販売されています。

軽食系メニュー

軽食系メニューは、菓子パンやサンドイッチなど片手間で食べられるようなメニューです。1日を通してコンスタントに売りやすいのが特徴です。

スイーツ系メニュー

クレープやチュロスなどは、スイーツ系メニューです。大枠では軽食系メニューの1つですが、アイスなど季節で売れ行きが左右されるメニューもあります。

作りたいメニューが決まっていないときは、上記の3種類の特徴をもとに、自身が販売しやすいメニューを選択することが大切になります。

キッチンカーのメニューについては、「キッチンカーで定番のメニューと儲かるためのメニュー作りの仕方を解説」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

出店スタイルを決める

販売するメニューが決まったら、出店スタイルを決めましょう。

キッチンカーの出店スタイルは、次の3種類に分けられます。

通常出店

通常出店は、決まった曜日に特定の場所でキッチンカーの出店をするスタイルです。通常出店は、場所と時間が固定されるので、他の出店方式と比べて収入が安定しやすいのが特徴です。

イベント出店

イベント出店は、全国各地で開催されるイベントに出店するスタイルです。フェスやフリーケット内に出店するキッチンカーが該当します。1日や2日で集客できるので、短期間で稼ぐ副業向きです。

ケータリング

ケータリングは、予め商品を受注して当日販売する出店スタイルです。ケータリングは他の出店方法より食品ロスが少なく、材料費用による赤字が出にくいですが、未経験だと集客が難しい傾向にあります。

特定の出店スタイルに限定させる必要はなく、3つのスタイルを自由に組み合わせることもできます。販売するメニューやターゲットとする顧客の層などをもとに、売上を立てられる出店スタイルを選ぶようにしましょう。

1日の売上目標を決める

出店スタイルと合わせて、利益を上げるために必要な1日の売上目標を決めることも大切です。1日の売上目標を達成していくことで、長期的に黒字の経営を行うことができるからです。

1日の売上目標は販売するメニューや出店スタイルなどによって違います。メニューは食材費や必要な機材の費用に関わってきますし、通常出店かイベント出店かでも出店費用や移動距離によってガソリン代も変わってくるからです。

売上目標を決めるうえで大切になるのがメニュー決めです。キッチンカーで売上が立ちやすいのはお好み焼きやワッフル、ベビーカステラなどの粉ものです。必要な分だけ調理ができて、余った材料は次の営業に使い回せて無駄が少ないからです。

反対に、フレンチ料理のような事前の仕込みに手間がかかり、提供できる品数に限りもあるメニューはこだわった料理を提供しても採算は取りにくいでしょう。

料理を作るのにどれくらいのコストをかけられて、1日にどのくらいの販売数を確保できるのかを計算して、売上目標を達成できるメニュー決めをしましょう。

メインで出店するエリアを検討する

出店スタイルや1日の売上目標がある程度決まったら、メインで出店するエリアを検討しましょう。販売するメニューと出店エリアがマッチしていないと、売上が立たなくなってしまうかもしれないからです。

出店する場所によって、顧客層や人流が変わってくるでしょう。たとえば、オフィス街ではお昼ごはんとしてお腹に溜まる料理の需要がある傾向がありますが、クレープやケーキなどのスイーツはあまり利用されない可能性があります。

一方で、メインで出店するエリアと顧客層の需要がマッチしていると、売上が立ちやすくなります。そのため、出店エリアのユーザー層の調査を行い、提供したい料理がマッチする場所を探すのが良いでしょう。

車両を手に入れて駐車場を用意する

キッチンカーとして利用する車両や、車両を保管するための駐車場も用意しなければいけません。キッチンカーを用意する方法は「購入する」「レンタルする」「リースを利用する」の3種類があります。

キッチンカーを自分で手に入れるなら、新車もしくは中古の車を購入して、キッチンカーに改造する方法が一般的です。

購入した車をキッチンカーに改造したり、キッチンカーのレンタルやリースを利用したりするなら「FOOD TRUCK COMPANY」や「キッチンカープロジェクト」などの専門家を利用してみてください。

また、キッチンカーを用意したら、キッチンカーを保管するための駐車場も用意しましょう。車を置く場所がないという事態にならないように注意してください。

キッチンカーの用意については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

キッチンカーをレンタルするときの料金相場と営業スタイルを解説

キッチンカーのサイズの決め方とランニングコストについて解説

キッチンカーに必要な保険への加入する

キッチンカーを開業するときは、保険への加入も必要です。走行距離が長くなるキッチンカーでは、交通事故に巻き込まれるリスクがあるからです。

交通事故を起こしてしまうと、莫大な金額の保証が発生してしまう可能性もあります。交通事故で営業が立ちいかなくなってしまうことがないように、保険は加入しておいた方がいいでしょう。

キッチンカーが加入するべき保険は、次の2つがあります。

自動車保険

自動車保険には自賠責保険と任意保険の2つがあります。自賠責保険は保険の適用となる範囲が狭いので、任意保険も併せて加入するようにしましょう。

PL保険(生産物賠償責任保険)

PL保険は、製造業者が生産した製品が顧客に危害を加えたときに発生する損害を補償するものです。キッチンカーでは食中毒などが該当します。

キッチンカーの開業では、万が一のリスクに備えておくことで、交通事故や食中毒などを起こしたときでも、営業を立て直すことができます。

保険会社によって、保険料や保険サービスは異なります。複数の保険会社から見積もりを取り、自身に合ったキッチンカーを開業してください。

仕込み場所を確保する

キッチンカーを開業するなら仕込み場所の確保が必要です。食品衛生法によって、キッチンカーの中では仕込み作業ができないと定められているからです。

キッチンカーの車内では、火を使った簡単な加熱調理や盛り付け、小分け作業にとどめ、仕込み作業は仕込み場所で行いましょう。

仕込み作業をする場所は保健所の営業許可を受けた施設でなければいけません。車内はもちろん、営業許可のない自宅などで仕込みをしてしまうと、発覚したときに営業停止になるリスクがあります。

しかし、地域によってはキッチンカー内での仕込みが許可されることもあります。仕込み場所を検討するときは、出店地域の保健所に確認してみましょう。

保健所から営業許可を取得する

キッチンカーを開業するには、地域の保健所から営業許可を取得しなければいけません。営業許可がないと、飲食店を営業することができないからです。

キッチンカーの営業許可は主に2つに分類されます。「食品営業自動車」と「食品移動自動車」で、営業形態によって取得する許可を選択しましょう。

食品営業自動車は車内で加熱調理や簡単な盛り付けが可能な営業許可です。その場で作った料理を提供するキッチンカーの開業を目指しているなら、食品営業自動車を取得する必要があります。

一方で、食品移動自動車はすでに調理されていて、包装までされた料理だけを販売することができます。お弁当やパンの販売などが該当します。

営業許可は、出店する地域ごとに取得しなければなりません。とくに、レンタルやリースのキッチンカーを利用するときは、どの地域の営業許可を取得できているのかを確認することが大切になります。

出店を検討している地域でレンタルやリースを行っている業者を利用すると、営業許可の不一致になる間違いが起きにくいでしょう。

キッチンカーの出店にはオーナーや主催者との契約が必要

キッチンカーで出店をするときは、出店する場所を管理しているオーナーや主催者と出店の許可を貰い、出店料の契約をしなければいけません。車を路上に止めて無断で出店することはできないからです。

キッチンカーの出店に関する契約は、土地やイベントのオーナーと直接交渉する必要があります。

近年ではオフィスビルや街中にある空きスペースを有効活用するためにキッチンカーの出店を募集しているところもあります。なかにはキッチンカーを招きたいオーナーをマッチングするサービスもあります。出店場所に困ったら利用してみてもいいでしょう。

キッチンカーの出店場所については「キッチンカーの定番の出店場所と選び方について解説」について詳しく解説しています。参考にしてみてください。

SNSを開設してキッチンカーをPRする

キッチンカーを開業したらSNSを開設して、積極的にキッチンカーの情報を発信していきましょう。出店している場所や販売しているメニューを宣伝すればPRになり、集客につながる可能性があるからです。

キッチンカーは販売する場所が固定されていないため、「いつ」「どのタイミングで」「どこにいるのか」などをいかに顧客に知ってもらうのかがポイントになります。SNSは不特定多数の人の目に留まりやすいので、キッチンカーの情報を知ってもらうのに適しています。

美味しそうなメニューの写真も一緒にアップすれば、メニューのイメージがつきやすくなります。レフ版を使い、景色のいい場所で映える写真が撮れれば、SNSでより注目を集めることもできるので、アップする写真にもこだわってみてください。

キッチンカーは自分で制作すれば費用の節約になる

キッチンカーは、自分で製作すれば費用の節約になります。購入した車両の改造を自分で行うことで、業者に依頼するよりも費用を抑えることができるからです。

購入した車両をキッチンカーに改造を業者に依頼すると、150~300万円程度かかります。自分で改造を行えば発生するのは材料費や工具費だけなので、50~150万円程度に抑えることができます。

軽トラックなどの車両をキッチンカーに改造するときは、車検基準や衛生基準を満たした設備を搭載しなければいけません。設備に不備があると、修正などで余計に費用がかさむケースもあります。自作が難しいようなら、業者に依頼することも検討してみてください。

キッチンカーの制作については、以下の記事も参考にしてみてください。

キッチンカーをおしゃれにデザインするコツと注意点について解説

キッチンカーを自作するときに知っておきたいメリットと流れを解説

キッチンカーで開業するために必要な資金は300万円から1,000万円

キッチンカーで開業するために必要な資金は300万円から1,000万円程度かかります。必要な資金に差があるのは、キッチンカーにいくらのお金をつぎ込むのかによって左右されるからです。

高価な機材をいれたり、目立つようにしたいと外見のクオリティにこだわったりすると、その分お金が必要になります。

キッチンカーの費用を抑えたいのなら、運用する長さと資金とこだわりのバランスを考慮しましょう。

安く済ませるならキッチンカーを中古で買う

キッチンカーの費用を安く抑える手段として中古車を使用する方法があります。

新車を購入するのに比べて中古車を購入すれば50万円から 100万円くらいは初期投資を安く抑えられます。

中古車は新車と比べて部品の消耗があるため、頻繁なメンテナンスが必要になります。そのため、中古車は長期の運用には向きませんが、キッチンカー販売が軌道に乗ってから新車に買い換える手段もありますので、開業時は中古車の購入を検討してもよいでしょう。

短期の開業ならレンタルやリースの利用もある

初期投資を押さえてキッチンカーを手に入れられる方法としては、レンタルやリースもあります。

キッチンカーのレンタルやリースの料金は借りる期間の長さによって異なります。1か月から半年と短中期間だと日割りで2万円から5万円程度かかりますが、1年以上など長期間の計画になると、料金も割安になる傾向にあります。

しかし、レンタルやリースは見た目や内装の改造に関する自由度が狭いです。加えて期限が過ぎたら、また契約し直すという流れを続けてしまうと、最終的に車を買うよりもコストがかかってしまうこともあります。

キッチンカーは、運用期間が1日や1週間と短期間ならレンタルして、1年など長期間になるときは車両を購入するなど、ビジネスプランにあった方法で用意しましょう。

キッチンカーを必要以上に改造しない

新車や中古でキッチンカーを購入したときに気を付けなければいけないのは、必要以上に改造しないことです。

キッチンカーの改造にこだわりすぎると費用が掛かるからです。加えて、改造後に再度、修正作業が発生したりするとさらに費用が掛かってしまいます。

最初に改造するときは必要な設備だけにとどめ、こだわりたいポイントは徐々に手を加えていくことで無駄な作業をしなくても済みます。

キッチンカーで営業許可を取得するときは、シンクの広さや数、給水排水設備の有無など、様々な要件を満たしていなければいけません。

見た目やこだわりたい設備ばかりに目を向けて、必要な設備を外してしまうということがないように注意してください。

キッチンカーの開業では補助金の利用も検討する

キッチンカーの開業では、補助金の利用も検討してください。補助金を利用すると、キッチンカーの開業にかかる費用の一部を国や地方自治体に負担してもらえるからです。

補助金は国や地方自治体が、地域社会や経済の活性化を目的として、経営者の取り組みを支援し、資金を補助するものです。キッチンカーで利用できる補助金の一例としては、次のようなものがあります。

【キッチンカーで利用できる補助金】

ものづくり補助金

ものづくり補助金は機械設備や原材料費などが補助されます。これまで既存になかったメニューやサービスを提供するときなどが対象になります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、商工会や商工会議所の支援を受けながら、厨房設備の設置や広告作成などを行う小規模事業者を対象にした補助金です。キッチンカーで開業するときにも利用できます。

補助金は、原則後払いです。そのため、補助金を申請した後は一度自己資金で機材設備などを用意し、開業後に補助金を受け取ることになります。あくまで、お店が軌道に乗るまでの出費を抑えられる制度として利用しましょう。

キッチンカーと実店舗の違い

キッチンカーで開業するときは、実店舗との違いも把握しておきましょう。実店舗を構えるときとの違いを把握しておくことで、キッチンカーで開業するときのイメージがつきやすいからです。

キッチンカーと実店舗の違いは、資金面と集客面に分かれます。

キッチンカーのほうが実店舗より開業費用を抑えられる

キッチンカーのほうが、実店舗より費用を抑えて開業できるケースがあります。実店舗よりもかかる費用が低いからです。

キッチンカーの開業費用は車の購入と改造が大半を占めます。車を購入するケースなら最低300万円、レンタルやリースは利用する専門店にもよりますが日割り2万円前後から利用できるケースもあります。

実店舗を構えるときは「物件取得」「内装」「設備」などの条件により平均1,000万円以上が必要になり、キッチンカーと実店舗の開業を比較すると、開業費用に数百万円の差が出る場合があります。

キッチンカーは集客が安定しない

開業費用が抑えられる一方で、キッチンカーの集客は実店舗と比べると安定しにくいです。キッチンカーは外出のついでに使われるものであり、目的ではないので、実店舗を構えるよりも集客のハードルは高くなりがちだからです。

実店舗を来店する顧客は、そもそも「料理を食べに行くのが目的」 になっていることが大半なのに対し、キッチンカーを利用する顧客は「集客のある別の目的で現地に行ったらたまたまキッチンカーを見かけた」という副次的な要因によります。

キッチンカーで集客するためには、印象的で人目を惹くメニューや看板を用意したりなど、積極的にアピールすることが重要になります。

飲食店で働いた経験がないならフランチャイズを検討する

キッチンカーを開業するとき、飲食店で働いた経験がないならフランチャイズを検討しましょう。キッチンカーのフランチャイズは、材料の仕入れや調理方法などの運営ノウハウなどの教育体制が整っているからです。

キッチンカーのフランチャイズを利用するときは、キッチンカーを開業する上で自分の弱点を補えるフランチャイズ本部を探すようにしましょう。フランチャイズを紹介するサービスを提供している企業もあるので、利用してみてください。

 

資金調達についてプロに相談する(無料)>
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
経営支援ガイド » https://inqup.com/