キッチンカーはレンタルできます
「移動販売に興味があるけどキッチンカーを購入するのはちょっと高い」 そう思っている方はいませんか?
キッチンカーを新しく製作するには安くても数百万円以上かかりますし、かといって中古のキッチンカーでは設備の状態が悪いことも多く、メンテナンスの手間や費用がかかります。
そこでおすすめしたいのがキッチンカーのレンタル。そう。実はキッチンカーってレンタルできるんです。
この記事では移動販売には欠かせないキッチンカーのレンタルとその方法について解説します。
1.キッチンカーをレンタルするメリットは?
キッチンカーをレンタルするメリットは、主に次の3つです。
- 製作するよりも費用が安く抑えられる
- リスクが低い
- 法律の問題がクリアされている
(1)製作するよりも費用が安く抑えられる
まず大きなメリットとして、製作するよりも初期費用が安く抑えられることが挙げられます。
新しくキッチンカーを製作する場合、200~400万円の製作費用がかかります。
しかし、レンタルの場合、短期間なら一日3~10万円程度、長期間の継続レンタルでも月15~30万円ほどでキッチンカーを借りることができ、初期費用を安く済ませることができます。
仮にキッチンカーの購入費用が300万円だった場合、融資金額のほとんどが購入費用にあてられ、その他の設備費用や仕入れなどの運転資金は自己資金などでまかなうことになります。そのため、お金がかかる起業時にレンタルで初期費用を抑えられることは大きなメリットと言えるでしょう
ちなみにレンタル会社によっては、キッチンカーのレンタル利用者が減少する平日や冬季のオフシーズンには割引を行っているケースもあるため、レンタル期間によってはさらに費用を抑えられることもあります。
(2)リスクが低い
リスクとは、事業に失敗した際に消費する資金のことです。
いくら比較的手軽に開業できるとはいえ、事業に失敗すれば多額の借金を背負ってしまうことも少なくありません。
キッチンカーを購入した場合、もし事業に失敗してしまった場合は中古として売りに出すしかありませんが、なかなか売れるものでもなく、売ったとしても二束三文で買いたたかれてしまう可能性が高いでしょう。
しかしレンタルならば、初期投資が少なくキッチンカーも返せばいいだけなので金銭的なリスクはより低く抑えられます。
レンタル料金などはかかりますが、短期間ならレンタルの方がリスクは低いと言えるでしょう。
(3)法律の問題がクリアされているため営業開始までの時間を短縮できる
キッチンカーでの移動販売最大の壁とも言われるのが保健所での営業許可です。
キッチンカーで移動販売を行う場合は保健所に届け出を出し、キッチンカーが営業許可を得られるかどうかをチェックしてもらう必要があります。そのためキッチンカーを製作する場合は、この営業許可がとれるよう、基準を守った改造が必要となります。
ここで問題となるのが、開業許可は管轄の自治体によって基準が違うということと、販売許可が下りるのは許可を取った自治体内のみということです。
自分が営業しようと考えている自治体の基準を理解しないままキッチンカーを製作してしまうと、ちょっとしたキッチンカーの仕様の違いから移動販売をしたかった場所で営業許可が下りない、イベントに参加できない、なんてことが起こってしまいます。
レンタルなら事前にどこの都道府県の許可が下りるかがわかるので、目当てのイベントに参加できない、という事態は回避できます。また、高いお金を支払って製作したのに仕様が合わず、再度改造が必要になった、という手間も発生しません。
キッチンカーを製作する場合、車が完成するのに1か月~2か月程度かかりますが、キッチンカーをレンタルする場合、営業許可取得などに時間がかかるだけですので10日~2週間ほどで営業開始することができます。
2.キッチンカーをレンタルするデメリットは?
キッチンカーをレンタルよりも購入、製作した方がいい場合もあります。
主なデメリットは次の2つです。
- 長期間だと購入より高くつくケースもある
- 仕様が固定されている
(1)長期間だと購入より高くつくケースもある
キッチンカーのレンタルは、期間が長いほどレンタル費用がかさみます。
また、キッチンカーの車体以外に、中で使うキッチン機器や発電機などの設備にも別途レンタル料がかかるケースもあります。
これらを総合して考えた場合、半年から1年以上の長期契約で新規キッチンカーの製作・購入費用を上回ってしまうことがほとんどです。
そのためレンタルは数か月ほど、あくまでお試しまでにとどめておき、事業成功の確信を得て本格的に始めるなら自分のキッチンカーを購入した方がいいでしょう。
(2)仕様が固定されている
キッチンカーはレンタル会社が設定した形に統一されて作られているため、個人に合わせたカスタマイズがされていません。
例えば、キッチンカーを利用するのが華奢な方の場合は、スペースに余裕がある設計でも、ガタイのいい方が利用する場合には窮屈で作業しづらい、ということもあり得ます。
レンタルはあくまでお試しと割り切って、不便に感じた点を自前のキッチンカー改造時に改善する、というのがおすすめです。
自前のキッチンカーなら費用はともかく改造はいくらしても大丈夫なので、レンタル時に不便に思った仕様はメモするなどしておき、自前のキッチンカーを作成する際に不便だった点に気を付けて改造するようにするといいでしょう。
3.キッチンカーをレンタルして事業を行う場合の注意点や必要な手続き
(1)レンタル方式に気を付ける
キッチンカーを有償で借りて自分で運転する場合、道路交通法上の問題が発生します。
そのため、キッチンカーをレンタルして営業する際には
- レンタル業者の人に営業場所までキッチンカーを運んでもらう
- わナンバーのレンタカー登録されている車両を借りる
- 車検証の自分名義に名義変更を行う
のどれかが必須となります。
単発のイベントに出店する場合なら、出店場所までレンタル業者に運んでもらうのが一番手間はかかりませんが、その分車両の運搬費がかかるので費用はかさみます。運搬する場所にもよりますが、1日10万円程度が相場というところが多いです。
わナンバーのレンタカー登録されている車両を借りる場合、レンタル開始までの手続きが少ないので比較的早く借りることができます。
車検証の名義変更はレンタル開始までに準備期間がかかりますが、一度変更してしまえば以降同じキッチンカーを使い続けられるので長期のレンタルに向いています。
(2)食品営業許可は自分で取得する
道路交通法に加えて、食品衛生法において移動販売を行う自治体の保健所に食品営業許可を取る必要があります。
他者名義の営業許可でのキッチンカー営業は保健所が認めていないため、キッチンカーをレンタルして営業する場合でも食品営業許可は自分で取らなければなりません。
例えば、キッチンカーの名義を変更していないケースでは、営業許可もキッチンカーの名義のままでされているため、法的に黒に近いグレーな状態です。
このような状態で営業していると大きなイベントに出店しているときに保健所の検査が入った場合など、営業停止になる可能性が高いというリスクがあります。
レンタルする場合は、車両の名義変更を行うタイプのレンタル会社からレンタルすることをおすすめします。
(3)営業する自治体に注意
営業許可は各自治体に取らなければなりません。
また、扱う食品ごとにも営業許可の種類が分かれており、それによっても別個に営業許可を取る必要が出てきます。
営業許可の種別に関しても各自治体で分類そのものが全く違うので、同じ食品を扱っていても分類名が違ったり、分類名が同じなのに内容が違うため同じだと思って申請すると許可が下りなかったりします。
例えばアイスクリームは自治体によって菓子製造業だったり乳類販売業だったりアイスクリーム類製造業と独自の分類がされていたりします。
・東京都の例
分類 |
許可業種 |
許可条件 |
調理営業 |
飲食店営業 |
・生ものは提供しないこと。 ・営業社内での調理加工は、小分け、盛り付け、加熱処理などの簡単なものに限ること。 |
喫茶店営業 |
||
菓子製造業 |
||
販売業 |
食料品販売業 |
・営業社内で取り扱う食品は、あらかじめ包装されたものに限ること。 ・営業社内での調理加工は行わないこと。 |
乳類販売業 |
||
食肉販売業 |
||
魚介類販売業 |
営業社内で取り扱う生食魚介類は、あらかじめ包装されたものに限ること(ただし丸物は除く)。 ・営業社内での調理加工は行わないこと。 |
そのため、キッチンカーをレンタルする前に「どの自治体で」「何の販売を行うか」を決めておくことが重要です。
営業開始までサポートしてくれるキッチンカーのレンタル会社
キッチンカーをレンタルして営業を開始するためには、営業許可や車両の名義変更などの手続きが必要です。自分で一から調べてやろうと思ったら疑問や不明点が出てきたり、手続きに手間取ってしまったり、営業開始までに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
フードトラックカンパニーでは、保健所の食品営業許可を取得するサポートなど、初めてキッチンカー運営をする方でも安心して営業がスタートできるよう経験豊富なスタッフがアドバイスをしてくれます。
レンタルでキッチンカーを始めようと検討している方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
キッチンカーでの移動販売事業を始めようと検討している方は、まずは短期間のレンタルでやってみるのがおすすめです。
短期間のレンタルなら初期投資額が低く、万が一うまくいかなかった場合でもリスクを抑えられます。レンタル業者によっては、営業許可などの手続きをサポートしてくれるところもありますので、事業開始までスムーズに進めることも可能です。
ただし、キッチンカーの名義変更の手続きや、自分がやりたい移動販売の事業に対する営業許可を取得するなど、キッチンカーをレンタルして営業開始するために必要な手続きがありますので、いきなりレンタルするのではなく、事前知識をつけ、しっかりと開業の準備をしておきましょう。
「自分の移動販売事業に適したキッチンカーがわからない」という方は、まずはレンタル会社に相談してみることをおすすめします。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
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