キッチンカーをレンタルして開業することはできるのか | 開業支援の相談なら「開業支援ガイド」

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キッチンカーをレンタルして開業することはできるのか

キッチンカーの開業を検討している人の中には、車両をレンタルすることを検討している人もいるでしょう。そもそも、レンタルで開業できるのか知りたい人もいますよね。

キッチンカーはレンタルでも開業することができます。しかし、借主が車両を運転することができないので、キッチンカーをレンタルする際の仕組みを理解していないと、法律違反になるおそれがあります。

この記事では、キッチンカーをレンタルして開業することはできるのかを解説します。

キッチンカーをレンタルして開業することはできる

キッチンカーをレンタルして開業することはできます。キッチンカーをレンタルすることにより、車両や調理設備を購入しなくても、調理環境を整えることができるからです。

たとえば、公園や広場で開催されるイベントに期間限定で出店するとき、キッチンカーをレンタルする場合があります。お試しで出店したいときや、ポップアップショップのように臨時で出店をしたいときに利用することができます。

また、実店舗で飲食店を経営している人がお店の宣伝のために、キッチンカーをレンタルして期間限定で出店する場合があります。宣伝を行いたい期間だけ、キッチンカーを開業することができます。

なお、キッチンカーのレンタル会社の中には、キッチンカーをリースで提供している場合もあります。リースの場合、1日単位での貸し借りができず、維持費がかかることがあるため、契約時の内容がレンタルになっているかを確認するようにしましょう。

キッチンカーをレンタルするメリット

「キッチンカーを購入して開業する場合」と「キッチンカーをレンタルして開業する場合」のそれぞれを比較したとき、キッチンカーをレンタルして開業する場合には、いくつかメリットがあります。

【キッチンカーをレンタルするメリット】

  • 出店準備の期間を短縮できる
  • 開業費用を節約できる

なお、これらはあくまで一例です。キッチンカーをレンタルするメリットは、その人の状況やキッチンカーの運用期間などによっても異なるため、キッチンカーのレンタルを検討している人はそれぞれの項目を参考にしてみてください。

出店準備の期間を短縮できる

キッチンカーをレンタルすると、出店準備の期間を短縮することができます。1から車両を作る必要がないからです。

キッチンカーのレンタルでは、設備が整ったキッチンカーを借りることができます。車両を購入するのに比べて、新たに調理設備を搭載したり外装を整えたりといった改造を施す必要がないため、出店までの期間を短縮することができます。

ただし、レンタル車両を利用できるのは、申し込んだ日から1週間から2週間程度かかる傾向があります。キッチンカーをレンタルするときは、営業許可の取得をする期間も必要になるため、出店予定日に間に合うように申し込むようにしましょう。

開業費用を節約できる

キッチンカーをレンタルすると、開業費用を節約することができます。車両を購入する必要がないからです。

たとえば、軽トラックを購入するときは、120万円程度かかる場合があります。改造費用も含めると300万円程度かかり、搭載する設備によってはさらに費用がかかる可能性もあります。

一方で、キッチンカーのレンタルでは、1日当たりの料金は2万円から5万円程度です。レンタルする日数が増えれば料金もかかりますが、数日間の利用であれば新車を購入するよりも費用を抑えられることがあります。

ただし、長期間の出店をするときは、レンタル費用がかさむ可能性があります。レンタルを1年間連続して何回も繰り返していると、都度発生するレンタル費用の総額が車両の購入費を越してしまうおそれがあることを留意しておきましょう。

キッチンカーをレンタルするデメリット

「キッチンカーを購入して開業する場合」と「キッチンカーをレンタルして開業する場合」のそれぞれを比較したとき、キッチンカーをレンタルして開業する場合には、いくつかデメリットがあります。

【キッチンカーをレンタルするデメリット】

  • 内装を改造することができない
  • キャンセル料が発生する可能性がある

なお、これらはあくまで一例です。キッチンカーをレンタルするデメリットは、その人の状況や利用するレンタル会社などによっても異なるため、キッチンカーのレンタルを検討している人はそれぞれの項目を参考にしてみてください。

内装を改造することができない

キッチンカーのレンタルでは、内装を改造することができません。レンタルしたキッチンカーは、あくまでレンタル会社の所有物だからです。

たとえば、キッチンカーのレンタルでは、看板の変更や外装のラッピングを変えることはできる場合があります。キッチンカーの見た目を自身の理想的な形に近づけられる可能性があります。

しかし、調理設備や家具の取り付け位置などを自由に改造することができない可能性があります。レンタル会社によって内装の規格が統一されている場合があるため、内装の配置によっては扱いにくさを感じる可能性もあります。

なお、レンタルする車種や車両サイズを見直すことにより扱いやすくなる場合があります。持ち込む食材や搭乗する従業員によっては、軽トラックではなく、1tトラックをレンタルするなどを検討にしてみてください。

キャンセル料が発生する可能性がある

キッチンカーのレンタルでは、キャンセル料が発生する可能性があります。キッチンカーのレンタルは、予約制の傾向があるからです。

レンタル会社は出店予定日に合わせて、キッチンカーの看板や外装を整えるといった準備を行います。準備にかかったコストが無駄にならないように、利用契約の中でキャンセル料の支払いが設定されている場合があります。

また、キッチンカーのレンタル料金には車両本体のレンタル料以外も含まれています。出店場所に車両を搬入する車両搬入費や、オプション費用などに関する料金もキャンセル料に含まれる場合があります。

なお、キャンセル料金はレンタル会社によって異なります。キッチンカーのレンタルを利用するときは、キャンセル料や違約金の取り決めなどの契約内容を確認するようにしましょう。

キッチンカーレンタル時の法律上の注意点

キッチンカーをレンタルするときは、法律面で注意しなければいけない点があります。キッチンカーのレンタル時に不備があると、キッチンカーの出店ができなくなる可能性があるからです。

【キッチンカーレンタルの注意点】

  • レンタルキッチンカーは自分で運転できない
  • 出店するときは自身の飲食店営業許可も必要
  • わナンバーは法律違反の可能性がある

これらの注意点はあくまで一例です。キッチンカーのレンタルでは、食品衛生法と道路運送法の2つの法律が関わってきて複雑になってしまう傾向にあり、保健所によって解釈が異なる可能性があります。

なお、保健所によってはレンタルしたキッチンカーを利用できない可能性があります。キッチンカーのレンタルを検討するときは、出店地域を管轄している保健所にレンタルキッチンカーの利用が可能かどうか確認するようにしましょう。

レンタルキッチンカーは自分で運転できない

レンタルキッチンカーは借主が自分で運転することができません。キッチンカーのレンタルは、車両自体を貸出しているわけではないからです。

たとえば、キッチンカーのレンタルは、車両ではなく搭載している調理設備の貸出しという扱われ方になります。キッチンカーレンタル会社は、車両のレンタル業としての営業許可を取得しているわけではないので、道路運送法の都合上借主が運転することはできません。

なお、キッチンカーのレンタルでは、出店場所までレンタル会社に車両を運んでもらう必要があります。自由にキッチンカーを移動させることができないため、キッチンカーを自走させて、出店場所を変えながら出店したい人は注意が必要です。

出店するときは自身の飲食店営業許可も必要

キッチンカーをレンタルして出店するときは、自身の飲食店営業許可も必要になります。飲食店営業許可は、施設と人に付与されるためです。

たとえば、キッチンカーをレンタルして出店するには、キッチンカーに対する飲食店営業許可とキッチンカーを利用する借主に対する飲食店営業許可が必要になります。キッチンカーの許可を取得してくれるレンタル会社もありますが、飲食店営業許可は自身で取得する必要があります。

なお、飲食店営業許可は、出店する地域を管轄する保健所から取得する必要があります。地域の保健所によっては、飲食店営業許可の審査基準が異なる場合があるため、キッチンカーをレンタルする前に地域の保健所に満たしておくべき要素を問い合わせておくようにしましょう。

わナンバーは法律違反の可能性がある

キッチンカーをレンタルして出店するときに、「わナンバー」の車両を利用してしまうと法律違反の可能性があります。「わナンバー」の車両で、レンタルキッチンカーを行うことはできないからです。

たとえば、「わナンバー」のキッチンカーでは、飲食店営業許可を取得できなくなってしまう可能性があります。「わナンバー」のキッチンカーには、別名義で取得された飲食店営業許可の登録情報が残っている場合があり、その車両を利用できない場合があります。

なお、「わナンバー」のキッチンカーレンタルを行っている会社を利用すると、違法営業に該当する可能性があります。道路運送法、もしくは食品衛生法に違反しているおそれがあるため、レンタル会社を選ぶ際には車両のナンバーを確認するようにしましょう。

1年以上出店するならキッチンカーのリースを検討する

1年以上出店するなら、キッチンカーのリースを検討してください。キッチンカーのリースは、レンタルよりも長い期間の運用に向いているからです。

リースはレンタカーとは異なり、「わナンバー」で管理されていません。所有者はリース会社ですが使用者は借主の名義になるため、自身で営業許可を取得して、自分の車のように運転することも可能です。

また、ナンバープレートも貸出しのタイミングで新しいものに取り換えられるため、車両自体で飲食店営業許可の申請が可能です。リース期間であれば、車両を自宅で保管できるため、出店する度にリース会社に返却する必要もありません。

ただし、キッチンカーのリースはナンバープレートや使用者の変更を行うため、1日や2日の短期の利用はできない場合があります。キッチンカーリースでは、一定期間利用しなければならないなどの条件が定められている場合があることを留意しておきましょう。

数年にわたって出店するなら車両を購入する

キッチンカーを数年にわたって経営するときは、車両の購入も検討しましょう。開業期間が長期に及ぶほど、運転資金がかかる可能性があるからです。

たとえば、キッチンカーのリースでは、毎月定額で費用を支払っていかなくてはいけません。費用はリース会社にもよりますが、月額10万円前後は必要になる傾向があり、5年間リースすれば600万円を超す計算になり、キッチンカーを購入した方が最終的な費用を節約できる可能性があります。

また、キッチンカーの購入にあたっては、新車と中古車の選択肢があります。中古車はすでにキッチンカーとして出来上がっている車両を購入するため、飲食店営業許可を取得するための改造をする手間がかかりません。

【新車と中古車の費用の違い】

新車のキッチンカー ・軽トラックなどの小型車両:150万円程度~

・1.5tトラック以上の大型車両:350万円程度~

中古のキッチンカー ・軽トラックなどの小型車両:50万円程度~

・1.5tトラック以上の大型車両:170万円程度~

ただし、中古車では部品の老朽化や摩耗などの影響で、部品交換のメンテナンスの手間がかかる可能性があります。車両の頻繁なメンテナスや不具合が気になる人は、新車の利用も検討してみてください。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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