起業するのは若くやる気のある世代のみではありません。
人生100年時代と言われている今、60代から起業をする方も少なくありません。
今回は、筆者の父も足しげく通う「碁会場」をテーマに起業する際の段取りや注意点を解説したいと思います。
1.「浦安の碁会場がつぶれんるんだ」悲しい父の声
日本の囲碁愛好家は全体的にシニアです。一部、「ヒカルの碁」というマンガの影響で学生さんの流入もありましたが、囲碁は悲しいかな将棋に比べてなぜか注目度が低いのです。
筆者の父は筋金入りの囲碁マニアで、休みという休みは碁会場通いをしています。しかし、5年ほど前でしょうか、「浦安の碁会場がつぶれるんだ」と悲しそうに当時アマ5段の父が言ってきました。
浦安にある碁会場のオーナーは運営不能と判断して閉鎖を告知しましたが、根強いファンが反対。一人1万円程度のカンパをしたのですが、その甲斐なくついにつぶれてしまったようです。碁会場はこのままなくなってしまうのでしょうか?
いいえ、実は碁会場を起業したいシニアが最近増えています。年金をもらう年齢になり、最後の仕事として碁会場の経営を希望されているのです。
2. 碁会場の経営にはいくら必要?資格は?
碁会場の経営をする場合、確定申告のみでOKです。特別に必要な資格はありません。
碁会場は起業の種類の中では「スペース貸し」に相当します。15~30面ほどの囲碁盤を置ける広さが平均的ですので、物件探しの際は50坪以上が必要でしょう。
【碁会場の開業に必要な資金】
・不動産取得資金(保証料・毎月の家賃)→家賃20万円の場合は80万円ぐらい
・改装工事費用(看板・喫煙スペース作成)→100万円ぐらい
・備品代(碁盤、碁石、碁笥、机、椅子、関連書籍、喫煙スペースの灰皿やベンチ、レジなど)→50万円ぐらい
また、碁会場ですので囲碁をするための道具が必要です。碁盤セットは楽天などの通販はセットで5万円程度です。100万円もする足付き囲碁盤もありますが、最初はできるだけ安く備品を揃えましょう。
囲碁をしながら煙草を吸う方が多いですよね。全面禁煙の碁会場には人が入らないかもしれませんね。喫煙スペースを会場内に作る場合、改装工事費用がかかります。
これら全てを含め、碁会場の起業には最低でも230万円は必要です。運転資金は、家賃と光熱費・水道費ですので安く見積もって25万円程度です。
3. 多様化する碁会場!飲食サービス追加で単価アップ!
一席1200円で終日遊べる碁会場。お客様にとっては安くて一日遊べて大助かりなのですが、碁会場オーナーとしては正直これでは赤字です。
そこで、碁会場では最近飲食メニューの提供やアルコールの提供など単価アップのためのサービスを行うところが増えています。
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3. 有名棋士を呼んで囲碁教室!子供や女性客も視野に
スペース貸しは人を呼べるかが勝負です。碁会場にお客様が来るのは、囲碁をする相手を探していることもありますが、和気あいあいとした雰囲気や刺激に触れたくて遠方からもいらっしゃいます。
筆者の父は江東区に住んでいた際に、小学生時代の梅沢由香里棋士と何度も対局をしていたそうです。「彼女はオレが教えたからプロになったんだ」と冗談を言っていましたが、アンガールズの田中さんも彼女にぼろ負けしたそうですね。
彼女のようなスター性のある棋士が続々と出てくれば囲碁界も活気づきますよね。囲碁は頭をフル回転させ知性が磨かれます。政界・財界にもファンが多いため、このまま衰退しないでほしいと願います。
シニア向けの雰囲気に限定せず、こどもや女性客も入りやすい内装やシステムを意識すれば顧客層の幅も広がります。
まとめ
ネット囲碁にはない魅力のある碁会場。この文化がなくなってしまうのは悲しい限りです。年金を担保のように利用し、融資に挑まれる方もいらっしゃいます。
囲碁が好きなシニアの方は、無理のない範囲での起業を一度検討してみてもよいかもしれません。
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