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カフェの開業は甘くない!失敗しないための準備を解説

カフェの開業をしたいけど、失敗したくないと思っている人もいますよね。カフェの開業に向けて、どのような準備が必要なのかを知りたい人もいるでしょう。

個人カフェの開業は甘くありません。失敗しないためには、どんな原因で失敗しているのかを理解したうえで、カフェの開業準備を進める必要があります。

当記事では、カフェ開業において失敗しないための準備を解説します。カフェの開業を検討している人は参考にしてみてください。

カフェを開業しても失敗してしまうケース

カフェを開業しても失敗してしまうケースとしては、次の通りです。

  • コンセプトがあいまい
  • 店舗周辺の市場調査ができていなかった
  • 見通しの甘さ(天候に売上が左右されることを考慮していなかった、夕方以降の戦略を考えていなかった)
  • 初期費用をかけすぎた
  • 資金不足
  • 未経験(知識不足)
  • 集客ができなかった
  • 体調管理

失敗するケースとしては上記のようにさまざまですが、最終的には資金が底をつき、カフェが経営できなくなります。カフェの開業においては、資金が原因で失敗してしまう傾向があることを理解しておきましょう

開業資金をなるべく準備しておく

開業資金をなるべく準備しておくことで、失敗しにくい傾向があります。理想のカフェを開業するために初期費用が想定よりもかかってしまい、結果としてカフェを運営する資金が足りなくなり、軌道に乗る前に潰れてしまう場合があるためです。

カフェを運営するためには「家賃」「水道光熱費」「食材の仕入費用」「人件費」なども必要です。

カフェを開店してから6ヵ月~1年程度は赤字になる可能性を考慮し、なるべく多くの開業資金を確保しておきましょう。そうすることで、早期に潰れてしまうのを防ぐことができます。

とくにカフェを含めて飲食店での勤務経験がない(未経験の)場合、初期費用に加えて、6ヵ月以上の運営資金を確保しておくのが良いでしょう

カフェを成功に導く開業までの流れ

カフェを成功に導く開業までの流れは、次の通りです。

  1. コンセプトを決める
  2. 店舗物件を探す
  3. 内外装工事をする
  4. 什器・備品を購入する
  5. 飲食店営業許可を取得する
  6. 広告宣伝を行う
  7. オープン

店舗物件探しには時間がかかる傾向があり、場合によっては1年以上見つからないこともあります。オープン予定の1年以上前から不動産屋に相談をし、店舗物件を探し始めましょう

成功するか失敗するかはコンセプト次第

カフェを開業して成功するか失敗するかは、コンセプト次第です。コンセプトがあいまいだと、集客ができずに潰れてしまう傾向があるからです。

コンセプトが決まっていると、来店につながりそうなターゲットに合わせた広告宣伝に注力することができるため、集客につながりやすいです。

カフェを維持・継続していくうえでは、時代や周辺環境の変化に対応していかなければなりませんが、自身が目指したいカフェをイメージして、自身の強みが生かせるようなコンセプトを設定しましょう。

カフェのコンセプト一覧

カフェのコンセプトとしては、「自家焙煎したコーヒーが自慢のカフェ」「お客さんのリクエストに対応したラテアートを描くカフェ」「日替りカレーが自慢のカフェ」から、他にも「紅茶専門カフェ」「地元産のフルーツを使ったスイーツが自慢のカフェ」「居心地の良さにこだわったカフェ」「おしゃれでスタイリッシュな空間を提供するカフェ」「夜はアルコールも提供するカフェ」「体験系(動物、写経、プラネタリウム、生花、陶芸、釣りなどを体験できる)カフェ」「併設系(アパレル、ギャラリー、本屋、雑貨屋などを併設した)カフェ」などさまざまです。

他店との差別化を図るために、ニッチな市場を狙うことも選択肢のひとつではありますが、飽きられてしまう可能性があります。

そのため、周辺住民の憩いの場となるような、地域に根差したカフェを目指すことで、長く続けられるお店になれるでしょう

また、猫カフェの開業については「猫とお客さんを幸せに!猫カフェの開業に必要な手続きや資格」で解説していますので、参考にしてみてください。

コンセプトを生かすことで早期に売上が安定する

コンセプトを生かすことで、早期に売上が安定する可能性があります。新規顧客の獲得につながる場合があるためです。

たとえば、居心地の良さやおしゃれな空間を売りにしたカフェであれば、「店舗(または一角)をスペース貸しする」ことで、お客さんが集まりにくい時間帯の売上を確保するといったイメージです。

他にも、自家焙煎にこだわるカフェであれば「コーヒー豆の物販」、カフェ飯を提供する場合は「テイクアウト用メニューを用意」や「デリバリーサービスを利用する」ことで、売上の安定につながる可能性があります。

カフェの営業に加えて売上につながる施策を打つことで、店舗を知ってもらうきっかけにもなることもあります。

新規顧客の獲得のためには、チラシやグルメサイト以外にコンセプトに応じた施策を打つ方法があることを覚えておきましょう。

コンセプトを踏まえた出店場所にすると成功に近づく

コンセプトを踏まえた出店場所にすることで成功に近づきます。コンセプトと出店場所がマッチしていれば、集客しやすいからです。

カフェの出店場所としては、「駅近」「オフィス街」「商店街」「繫華街」「古民家」「郊外」などが挙げられます。

たとえば、隠れ家的なカフェの場合、「路地裏の店舗」「建物の最上階にある店舗」「住宅街にある店舗」が選ばれる傾向があります。

飲食店の場合、人通りが多い場所に出店するケースがありますが、カフェの場合はコンセプト次第ですが、決して人通りが多い場所にこだわる必要はありません。

人通りが多い場所にある店舗は集客がしやすいという特徴がある一方で、家賃が高額であり、借りるための費用も高額に設定されている場合があります。初期費用もかかり家賃も高額だと、カフェを運営するうえで負担になってしまう可能性があります。

人通りが多い場所の店舗でなくても、コンセプトと出店場所がマッチすれば集客しやすくなるため、コンセプトを意識した物件探しを心がけましょう。

内外装工事ではこだわる部分を決めておく

内外装工事ではこだわる部分を決めておくことが重要です。コンセプトに合わせた内外装工事をすることが重要ですが、こだわればこだわるほど費用がかかってしまうからです。

内外装工事としては、主に「電気」「ガス」「水道」「空調」「照明」「床」「天井」「壁」「トイレ」「カウンター」「看板」が挙げられ、コンセプトによっては「オープンテラス」「個室(半個室)」「喫煙スペース」「Wi-Fi」「駐車場」が必要になってきます。

とくに、「居心地の良さを重視する」「体験系」「併設系」カフェであれば、内外装工事の費用がかかる傾向があります。

たとえば、アンティーク調のカフェにしたい場合、すべてを理想通りにするのではなく、壁や照明にはこだわるが、天井や床などの素材のグレードを下げるといったように、こだわる部分と妥協する部分を決めておきましょう。

必要な厨房機器のみを購入する

必要な厨房機器のみを購入しましょう。とくに厨房のスペースが限られる場合は、オペレーションに影響が出る場合があるためです。

カフェに必要な厨房機器としては、主に「冷蔵庫」「冷凍庫」「製氷機」「シンク」「コンロ」「食器洗浄機」「コーヒーマシン」が挙げられます。モーニングやランチなどのカフェ飯を提供する場合は、オーブンやフライヤーなどの厨房機器が必要になります。

厨房機器が増えると、作業スペースが限られ、動線の確保が難しくなる可能性があります。オペレーションに慣れていない開店当初はとくに提供時間を短縮するために、購入する厨房機器は必要最低限にしましょう。

什器や備品でも店舗の演出ができる

什器や備品でも店舗の演出ができます。カフェに必要な什器や備品としては、主に「テーブル」「いす」「ソファー」「食器」「調理器具」などが挙げられます。

お客さんはカフェに非日常的な空間を求める傾向がありますが、北欧デザインのコーヒーカップまたは陶器のコーヒーカップなのかで、お客さんに与える印象は異なります。

他にも「壁飾りなどの雑貨」「観葉植物」「絵画」「ポスター」によって、店舗の演出をすることができます。

内外装工事だけでなく、什器や備品によってもリピートにつなげられる可能性があるため、統一感を持たせるように揃えてみましょう。

管轄の保健所に飲食店営業許可を申請する

カフェを開業するためには、管轄の保健所に飲食店営業許可を申請しなければなりません。食品衛生法によって、営業許可が必要であることが定められているからです。

飲食店営業許可を申請するためには、食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が主催している養成講習会を受講すると取得できます。

講習会は毎月開催されていますが、定員になり次第締め切られるため、受けたくても受けられない場合があります。食品衛生責任者の資格には有効期限がないため、早めに取得しておくと良いでしょう。

最寄りの食品衛生協会は、日本食品衛生協会の公式サイトにある「全国の食品衛生協会」から探すことができます。

なお、カフェを開業するにあたって、調理師免許は必要ありません。しかし、調理師免許を持っていることで、食品衛生責任者の資格を取得できることを覚えておきましょう。

管轄の税務署に開業届も出す

管轄の税務署に開業届を提出しましょう。所得税法によって、開業届を提出する義務が定められているからです。

開業届のフォーマットは、国税庁の公式サイトからダウンロードできます。

また、管轄する税務署は国税庁の公式サイト「税務署の所在地などを知りたい方」で調べられるので、確認してみてください。

バリスタの資格は必要ではないが差別化になる場合がある

カフェの開業において、バリスタの資格は必要ありませんが、他店との差別化につながる場合があります

カフェに関する主な資格としては、日本スペシャリティコーヒー協会の「コーヒーマイスター」と日本バリスタ協会の「JBAバリスタライセンス」が挙げられます。

コーヒーマイスターは、コーヒーに関する知識と技術を身につけることを目的とした、日本で初めての認定資格です。一方、JBAバリスタライセンスはコーヒーの基礎知識やエスプレッソの抽出技術などを身につけたことを証明するものです。

そのため、資格を取ろうと思っている場合には、まず歴史があるコーヒーマイスターの取得を検討してみるのが良いでしょう。

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この記事の監修者

田原 広一(たはら こういち)

株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者

田原 広一(たはら こういち)

平成22年8月、資格の学校TACに入社し、以降5年間、税理士講座財務諸表論講師を務める。
平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計6,000件以上(2023年2月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。

【書籍】
2021年10月発売 『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣』(幻冬舎)

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