カフェの開業は人気カフェになれるかどうかが売り上げの別れ道!
将来カフェを開きたい人の数はきっと多いことでしょう。筆者も依然から漠然と「開業するならカフェ!」となぜかカフェ押しの人間ですし、おしゃれなカフェを見つけると「楽しそうでいいね~」と羨ましい気持ちになるものです。
カフェの開業は人気カフェになれるかどうかが売り上げの別れ道です。カフェはただでさえ回転率が悪い部類の飲食店ですので、単価を上げなくてはいけません。
単価を上げるには独自の価値がないと、「ただ高いカフェ」として人気店にはなりえません。
では、カフェを開くにはどうすればいいのでしょうか?今回の記事では、何もないところからカフェを無事開くまでに必要な知識をご紹介します。
1.ここ最近のカフェ業界のトレンド
カフェ業界はあまり流行に左右されないというイメージを持つ方もいますが、実は非常に流行に左右されるタイプの業態です。
まずは押さえておきたい。カフェの8つのジャンル
カフェは大まかに、以下のように8つのジャンルに分けられます。
・外資系のカフェ(例、スターバックス、タリーズコーヒー)
・チェーン店のカフェ(ドトール、プロント)
・古民家を利用したカフェ(例、青家、蓮月)
・昭和レトロな雰囲気のカフェ(例、七つ森、こぐま)
・執事がいそうな雰囲気のクラシックなカフェ(例、椿屋珈琲、トリコロール)
・パティシエのスイーツが頂けるホテルのカフェ(例、ザ・ペニンシュラ ブティック&カフェ)
・代官山や自由が丘などオシャレ街のカフェ(例、チャノマ、カフェ・ミケランジェロ)
・ユニークな発想がウリのおもしろカフェ(例、ハンモックカフェ、プラネタリウムカフェ)
この中で流行に左右されるジャンルは、外資系やおもしろカフェ。逆にあまり流行のあおりを受けない部類は昭和レトロやオシャレ街のカフェです。
ここ数年は外資系の1点スイーツ系がヒット!
今のトレンドは、海外で人気のあるカフェの日本上陸というパターンです。例えば、パンケーキのbills、チョコレートピザのマックスブレナーなど。
2017年もスペインからのブボ バルセロナが世界一のチョコレートケーキを引っ提げ上陸しています。
しかし、残念ながら浮き沈みが非常に大きいのがこのジャンル。ニュースでも取り上げられた表参道・チョコレートピザのマックスブレナーは早くも閉店となっています。
カフェに行くのは若者だけじゃない!高齢者も入りやすい店
カフェに行く世代はおしゃべり大好きの若い女性だけなのでしょうか?いいえ、決してそうではありません。
ある喫茶店とカフェに関する顧客意識調査によると、20~30代の若い男女がカフェに通う頻度が20%台なのに対し、40代以降の世代では平均して15%前後となっています。
若い世代以外の各世代も10%以上あるということは、若い世代だけに特化した店ではなく、あらゆる層にアピールできるカフェにすることでより多くに集客を見込めます。
特に、今後数十年にわたり少子高齢化社会は続きます。体にやさしいメニューや和素材をアレンジしたメニューなどを工夫することで、中年~高齢者の方にも足を運んでもらえるカフェにすることが、今後ますます大切になっていくことでしょう。
2.カフェを作る前に知りたいこんなこと
カフェを作るのって他の飲食店と比べあまり難しそうなイメージがないのですが、実際はどうなのでしょうか?カフェを作る前に知りたいあれこれをご紹介いたします。
コンセプト
カフェで大切なことはなんでしょうか?それは、コンセプト作りです。なぜなら、カフェは提供する食品よりも居心地の良さを求める消費者が多いからです。(ラーメン屋の場合は雰囲気よりも味重視ですよね)
前述したように、カフェにはオーナーの思いやコンセプトにより8つのジャンル分けされています。消費者は、まず「こんなカフェに行きたい」と言うコンセプトを思い描き、自分の希望に合うカフェの情報を調べます。
訪れる消費者は、〇〇なカフェの雰囲気を楽しみたくてわざわざ来てくれるのです。〇〇とは、コンセプトです。コンセプトがブレブレで何をやりたい店なのかわかりづらいと、消費者にオーナーの思いは届きません。
自分はどんなコンセプトの店を開きたいのか?それを考えるのがとても重要です。最初はざっくりとコンセプトを決め、次に客層、客の生活スタイルを考え、最後にその客が通いそうな店の広さや単価、営業時間、メニューを考えて資料を作成しましょう。
必要な資格と申請
カフェを開くには、営業許可証をとる必要があります。
(1)営業許可証
最寄りの保健所へ申請する。食品衛生責任者、栄養士、調理師、菓子衛生士のいずれかの資格が必要です。
例えば食品衛生責任者の場合、受講料10,000円で講習会に参加すれば認定されます。申込先は、各地の食品衛生責任者養成講習会のサイトです。
※上記リンクをクリックすると、食品衛生責任者養成講習会の公式ページにリンクします
(2)防災管理責任者
そして、もう1つ。もしあなたが開くカフェが小規模なものではなく30人以上を収容できる広さのカフェであるのならば、防災管理責任者の資格も必要です。
防災管理責任者も食品衛生責任者と同じく、消防庁にて講習を受ければ取得できます。講習の種類は、収容人数により「甲種新規講習」(2日間で10時間/6,500円)と「乙種講習」(1日間で5時間/5,500円)に分かれます。
詳細は、以下URLを参照してください。
※上記URLをクリックすると、日本防火・防災協会ホームページにリンクします
(3)個人事業の改廃届出書
「事業主として事業をしますよ」とカフェ管轄の税務署へ宣言をします。宣言は個人事業の改廃届出書という書類の提出です。(会社を設立する場合は、印鑑や定款の作成など、もっと複雑な書類の準備や手続きが必要です)
カフェで従業員を雇う場合は別途、「給与支払事務所等の開設の届出書」を開業から1か月以内に、家族を従業員として雇う場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」という書類を2か月以内に提出します。
資金調達
カフェを開業するのには最低500万円、平均では800万円ほど開業資金が必要です。
カフェ開業に必要な資金の内訳はコチラです。
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設備資金(320~520万円) |
店舗取得費用 |
【家賃15万円の場合】 ・90万円 家賃の6か月分の保証金 ・前家賃15万円 ・仲介手数料 15万円 計 120万円 |
内装工事費 |
水道・ガスの工事からエアコン取付やトイレの設置などで 100~300万円以上 (居抜き物件で自作の場合は安くできます) |
設備 |
テーブル、椅子、ソファや内装小物などで 100万円前後 |
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運転資金(280万円ぐらい) |
【半年分】 光熱費 家賃 食品仕入れ費用 備品購入費 税金用の費用 |
【20坪の物件で一日9時間営業の場合】 光熱費:30万円(5×6か月分) 家賃:90万円(15×6か月分) 食品仕入れ費用:90万円(15×6か月分) ※月商50万で原価30% 備品購入費:30万円(5×6か月分) 税金:8万円 計 248万円 |
【半年分】 人件費 |
【20坪の物件で一日9時間営業の場合】 時給1,000円で一日5時間×2名を雇用の場合 (一日)5,000円×2=10,000円 (月間稼働日)25日×10,000円=25万円 |
半年分の運転資金を準備してから開業する理由は、開業後のあとにすぐ軌道に乗れない場合が多いからです。地元の認知度が低さや固定客がまだついていない状態では、安定した利益は見込めません。
また、上記の資金には広告費は含めていません。移動販売のカフェであればもう少し開業資金は抑えられるかもしれませんし、家賃が高い場所でのカフェを開くのであればもっと開業資金は必要です。
開業スケジュール
カフェを開くための開業スケジュールはどのようにすればいいでしょうか?実際にカフェを開くつもりになって考えてみます。
【1年前~半年前】
コンセプト作り、創業計画書、物件を探す
→創業計画書は、日本政策金融公庫という事業資金を融資してくれる金融機関でお金を借りる際に必要な計画書です。日本政策金融公庫のホームページかたダウンロードできます。
※詳細は、以下日本政策金融公庫の公式ページをご参照ください
【3か月前~6か月前】
物件契約・資金調達
→順番としては物件の契約をしてから、資金調達をする流れとなります。物件の契約をしていないと、日本政策金融公庫でお金を借りる事はできません。
【3か月前】
資金着金、店舗の設計、設備の注文、内装会社や設備会社との契約、メニューを決める
【2か月前】
工事着工、人材の採用開始、食品衛生管理者の講習を受講する
→採用費用を安くしたいなら、家族を授業員にする、店の前にポスターを貼るという方法があります。
【1か月前】
保健所へ営業許可書を提出する、スタッフの研修をスタート
【2週間前】
テーブルや椅子の搬入、オープンの告知をする
3.人手不足には要注意!ある人気カフェの失速
焼きたてクロワッサンにチョコが入った人気商品で爆発的人気を呼ぶチェーン店カフェの「サンマルクカフェ」。サンマルクカフェは増収増益のイメージしかありませんが、最近では人手不足による失速が東洋経済オンラインの記事で伝えられました。
カフェではコアタイム以外は従業員がさほど必要ありませんが、ランチや土日の人手不足は注意しなくてはいけません。どんなに魅力的なカフェでもいつも待たされる、テーブルに空いた食器が置きっぱなしで店員の愛想も悪い。
そんな状態をお客様へ見せてしまうと、二度と来店してくれないかもしれません。従業員の数やシフトは、どのくらいの来店客が来るのか、近隣でのイベントはないのかを考慮しつつ、オーナーが上手にコントロールしなくてはいけません。
4.資金調達は日本政策金融公庫で
カフェを開業するのに500万円ほどの貯金がすでにある方は自己資金だけでも開業は可能です。自宅を改装し移動式にすることで、開業資金を安くすることもできます。
しかし、自分の開きたいのはそういうカフェではないという方。そんな方は、日本政策金融公庫という日本政府100%出資の公庫から融資を受けてスタートしています。
日本政策金融公庫で創業または創業から2期以内の状態で融資を受ける場合は、新創業融資制度という制度を利用できます。公庫でのその他貸付金より有利な金利でお金を借りる事ができます。
まとめ
カフェを開くには最低でも500万円を用意し、税務署や保健所への申請が必要です。また、サンマルクカフェほどの人気店でも人手不足で人気が失速することもあります。
しかし、カフェは若者から高齢者まで幅広い年代に愛される業態の飲食店です。また、他の飲食店に比べ食材コストがかからず保管もラクなメリットもあります。
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平成22年04月 資格の学校TAC入社、財務諸表論講座講師を5年間務める
平成24年04月 税理士事務所で勤務
平成24年08月 個人で融資サポート業務をスタート
平成27年12月 株式会社SoLabo設立
現在までの融資実績は1600件以上
【書籍】
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣』(幻冬舎)
【運営サイト】
資金調達ノート » https://start-note.com/
創業融資ガイド » https://jfc-guide.com/
inQup » https://inqup.com/