ラーメン屋さんの開業を考えているけど、どんな準備や資格が必要なのか知りたい人もいますよね。
ラーメン屋を開業するにあたっては、修行を含めた準備が重要です。とくにラーメン屋で修行をすることで、失敗するリスクを減らせる可能性があります。
当記事ではラーメン屋の開業に必要な準備を解説します。ラーメン屋を開業するためにかかる費用も解説していますので、ラーメン屋を開業したいと考えている人は参考にしてみてください。
ラーメン屋開業で失敗しないためには修行をしておくことが重要
ラーメン屋開業で失敗しないためには、修行をしておくことが重要です。
ラーメン屋は開業するにあたって特別な資格は必要なく、参入障壁が低い飲食店の一つです。そのため、競合店も多い傾向があり、開店しても売上が軌道に乗らず、1年以内に閉店してしまうケースがあります。
ラーメン屋で修行をすることで、閉店するリスクを減らせる可能性があります。ラーメン屋での勤務経験がない人は、まずラーメン屋で修行してから独立開業を検討しましょう。
ラーメン屋で修行することで失敗するリスクを抑えられる理由
ラーメン屋で修行することで失敗するリスクを抑えられる理由として、主に3つが挙げられます。
- 仕入先や店舗運営のノウハウなどを学べる
- 経歴に有名店での修行経験があると、集客につながることもある
- 修行先からのれん分けで独立できる可能性もある
独学でラーメン作りはできますが、店舗運営は現場での経験がないと難しい傾向にあります。
開店後に手探りで運営を行うと、時間とお金を無駄にしてしまう場合もあります。事前にラーメン屋で修行しノウハウを学ぶことで、失敗するリスクを減らせるでしょう。
失敗してしまうラーメン屋の理由
たとえ味がおいしかったとしても、準備不足などにより失敗してしまうラーメン屋があります。失敗する理由としては、次の5つが挙げられます。
- オペレーションが回らなくて、提供に時間がかかる
- こだわりすぎて、利益率が低い
- 立地と提供するサービスの不一致
- 集客ができない
- 従業員が集まらない(定着しない)
とくにラーメン屋での勤務経験がない場合は問題が発生する度に対応策を考えなければいけませんが、ラーメン屋で修行した経験を活かすことで、問題解決につながる場合があります。
どんなラーメンを提供するのかを決める
ラーメン屋を開業したいと思ったら、どんなラーメンを提供するのかを決めます。メニューが決まると、ターゲットも決まってくるからです。
【ラーメンの味とトッピングの一例】
味 |
・醬油 |
トッピング |
・チャーシュー |
たとえば、「家系ラーメンをメインとして、学生や若い男性をターゲットにするラーメン屋」「野菜を使った麺のラーメンをメインとして、健康志向の女性をターゲットにするラーメン屋」「子供向けのメニューやサイドメニューを充実させて、家族連れをターゲットにするラーメン屋」といったイメージです。
メインとするターゲットが決まると、店舗物件の場所も決まっていきます。
ラーメン屋の出店場所として、お客さんが気軽に入れるように「路面店」を選ぶ傾向にあります。路面店の中でも「住宅街」「繫華街」「駅近」「オフィス街」で異なります。郊外や田舎での出店を考えている場合、「幹線道路沿い」の物件も選択肢のひとつです。
メインとするターゲットが集まる場所を意識して、店舗物件は決めるようにしましょう。
フランチャイズに加盟するのも選択肢のひとつ
ラーメン屋の開業に向けて、フランチャイズに加盟するのも一つです。認知されることなく廃業してしまうラーメン屋がある中で、すでに認知されているフランチャイズのブランドを利用することで、開店直後から来客が期待できるからです。
フランチャイズに加盟する主なメリットとデメリットは次の通りです。
メリット
- 認知度があるため、集客しやすい
- フランチャイズ独自のノウハウを利用できる
デメリット
- 加盟金やロイヤリティが必要
- オリジナリティが出しづらい
またフランチャイズ本部によりますが、研修が充実しているため、未経験者でも一定のクオリティの商品やサービスを提供できるような仕組みが作られています。
フランチャイズによって契約条件などは異なりますが、メリットとデメリットを把握したうえで、フランチャイズに加盟するかどうかを判断するようにしましょう。
ラーメン屋の開業に必要な設備費用
ラーメン屋を開業するためには500~1,000万円以上かかる場合があります。開業するために必要な設備費用としては、主に次の4つが挙げられます。
- 物件取得費用
- 内外装工事費用
- 厨房機器費用
- 什器・備品費用
物件取得費用
物件取得費用は、店舗を借りるためにかかる費用をいいます。主に「保証金(敷金)」「礼金」「仲介手数料」「前家賃」が挙げられます。
物件によって異なりますが、保証金(敷金)は賃料の6か月~12か月分、礼金と仲介手数料がそれぞれ賃料の1か月で設定されているケースがあります。そのため、家賃が10万円の物件を借りるとすると、物件取得費用で80万円~140万円程度かかる計算です。
物件を探すときには家賃だけでなく、「保証金(敷金)」「礼金」「仲介手数料」「前家賃」がどれくらいかかるのかを確認しておきましょう。
内外装工事費用
内外装費用は、店舗の内外装工事をするための費用をいいます。店舗内の「天井」「壁」「床」「電気」「ガス」「水道」「空調」「トイレ」「照明」の工事、店舗外の「壁」「看板」「照明」の工事が挙げられます。
店舗物件や工事内容によりますが、ラーメン屋の内外装工事費用として300~600万円程度かかる場合があります。
ラーメン屋では、カウンターと床の素材や給排水管工事(グリストラップの設置など)で費用が高くなる傾向があります。
そこで、ラーメン屋の内外装工事の実績が豊富な業者に依頼すると良いでしょう。実績が豊富な業者であれば、見積もりの段階で予算を超えている場合に、予算内に収められるようにアドバイスをもらえる場合もあります。
厨房機器費用
厨房機器費用は、「ゆで麺機」「ガステーブル」「製氷機」「食器洗浄機」「冷蔵庫」「炊飯器」「餃子焼機」「シンク」などの購入費用をいいます。
厨房機器はメーカーやサイズによって費用は異なりますが、新品で揃えると100~200万円程度かかります。
厨房に厨房機器が増えると、動きづらくなり、オペレーションに影響を及ぼす可能性があります。そこで、自身の中でオペレーションを効率的に行えるようになるまでは、サイドメニューの数を減らすなども合わせて検討し、必要となる厨房機器を最低限にするのが良いでしょう。
什器・備品費用
什器・備品費用としては、主に「テーブル」「いす」「食器」「調理器具」などが挙げられます。
什器や備品は、こだわればこだわるほど費用がかかります。食器は破損することも考えて、予備も準備しておかなければなりません。ラーメン丼ぶりだけはこだわり、それ以外はグレードを下げるといった工夫をするのが良いでしょう。
開業時はラーメン屋でも運転資金を準備しておくべき
ラーメン屋開業時は運転資金を準備しておくべきです。開業当初は来店数が読めない中で、仕込みをしなければならないからです。
運転資金とは、材料の仕入れ費用や水道光熱費など、店舗の運用にかかわる費用です。ラーメン屋の集客は「店舗の場所」「時期」「天候」などによって左右されるため、開業直後は売上が安定しません。しかし、お客様が来なくても仕入れや光熱費の費用は掛かるので、運転資金を準備しておかないと赤字が続き、廃業のリスクが高まります。
ラーメン屋を含めて飲食店は、開業して軌道に乗るまでに3か月程度かかる傾向があるため、想定している月商の3か月程度の運転資金を準備しておくのが良いでしょう。運転資金を準備しておくことで、資金不足による廃業リスクを減らせます。
ラーメン屋を開業するためには飲食店営業許可と開業届が必要
ラーメン屋を開業するためには、飲食店営業許可と開業届が必要です。飲食店営業許可は管轄の保健所に申請しなければなりません。飲食店を開業する上で、保健所の営業許可が必要だと食品衛生法によって定められているからです。
無許可で飲食店の営業をした場合、食品衛生法により2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。そのため、ラーメン屋を開店する際には必ず営業許可を取得しましょう。
管轄の保健所は、厚生労働省の公式サイト「保健所管轄区域案内」から検索することができます。
飲食店営業許可は食品衛生責任者の資格が必要
飲食店営業許可を取得するためには食品衛生責任者の資格が必要です。食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催している養成講習会を受講すると取得できます。
最寄りの食品衛生協会は、日本食品衛生協会の公式サイトにある「全国の食品衛生協会」から探すことができます。
なお、ラーメン屋の開業において調理師免許は不要ですが、調理師や栄養士などの資格を持っている人は、講習会を受講することなく食品衛生責任者の資格を取得できることを覚えておきましょう。
税務署に開業届を提出する
ラーメン屋開業にあたっては飲食店営業許可に加えて、管轄の税務署に開業届を提出しなければなりません。所得税法によって、開業届を提出する義務が定められているからです。
開業届のフォーマットは、国税庁の公式サイトからダウンロードできます。
また、管轄する税務署は国税庁の公式サイト「税務署の所在地などを知りたい方」で調べられます。
収容人数が30人を超える場合は防火管理者選任届も必要
収容人数が30人を超えるラーメン屋の場合、管轄の消防署に防火管理者選任届を提出しなければなりません。消防法によって防火管理が義務付けられているからです。
防火管理者選任届を提出するためには、防火管理者の資格が必要です。防火管理者の資格は、消防庁が開催している講習会を受講すると取得できます。
最寄りの講習会は、日本防火・防災協会の公式サイトにある「講習会検索画面」から探すことができます。
従業員をどうやって確保するかを考えておく
開業までに従業員をどうやって確保するかも考えておきましょう。ラーメン屋を含めた飲食店において、人材確保は難しい傾向にあるからです。
求人広告を出してもなかなか集まらない場合もあり、経営が安定したから人手が欲しくても、すぐに雇うことができないことがあると覚えておきましょう。
求人広告を検討しつつ、修行元などに声をかけておいて、紹介してもらえるようにしておくのもひとつです。
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