英会話スクールの開業を検討している人の中には、英会話カフェを検討している人もいるでしょう。どういう準備をすればいいのかわからず、悩んでいる人もいるでしょう。
この記事では、事業として英会話カフェを開きたい方にその段取りと必要な資金や宣伝方法をお伝えします。
1. 英会話カフェの種類とは
英会話カフェにはいくつかの種類があります。ここではその概要をご紹介します。
①スタバなどのカフェでレッスンをする
ワーホリなどで来訪した学生や在日外国人の副業として、外部にあるカフェでのマンツーマンレッスンがあります。ネット検索で「英会話カフェ」と検索すれば容易に外国人講師の掲示板にたどり着くことでしょう。また、ジモティなどの地域の掲示板でも募集されています。1レッスンの相場はだいたい1時間で3,000円前後です。
②喫茶店に手数料を支払って会場とする
広いスペースのある喫茶店は常に顧客で満員なわけではありません。そのスペースを持て余していそうであれば、英会話カフェを開いてもいいかと話しを持ちかけてもよいでしょう。1レッスンではなく、1時間で500円~1000円の利用料を生徒から受け取り収入源とします。
もちろん、無料ではなく何かメリットがないと喫茶店を間借りするのも難しいでしょう。生徒に必ず1ドリンク以上の注文をお願いすると、あなたは英会話レッスンの場所に経費を使うこともなく、喫茶店の方でもまとまった顧客が定期的に入るのでWIN-WINのビジネス戦略となります。
③公民館やふれあい館を利用する
英会話サークルでよくある方法ですが、公的な施設を会場として利用します。会場費は安く抑えることができ、近隣の地域住民が生徒として定着しやすいというメリットがあります。1レッスンは50分程度で1200円前後が相場です。
④自宅の空きスペースを利用する
自宅にある程度広さがあるのであれば、英会話カフェの会場として利用することも可能です。会場費はタダとなりますが、ご家族とのスケジュールの兼ね合いにも気を配らなくてはいけません。持ち込み自由にしてドリンクを飲みながらの英会話トークにすれば、生徒の緊張もほぐれます。
2.事業として行う英会話カフェ
①英会話カフェに来る人々が求めていることは何?
筆者は2005年に京都に住んでいましたが、その際前述の喫茶店形式の英会話カフェに何回か通いました。1ドリンク製で確か料金は1時間で1000円程度だったと思います。 既に英会話スクールの体験レッスンも何社も経験し、英会話業界での料金相場も把握していたのでその料金は非常に安いと感じました。
しかし、結局なんだか寂しい気持ちがして2度行っただけでその後は通わなくなったのです。英会話カフェではスクールのようにレベル分けを厳密に行われない場合があります。そのため、会話を常に引っ張るリーダーのような人のアクセントや話題の単語が分からなければ、1時間ただ話を聞いているだけで正直面白くないのです。そのため、英会話カフェの中ではトークをコントロールする日本語・英語共に堪能なリーダーが必要です。
英会話カフェに来る人は「気軽に」「楽しく」「英会話ができる場所」を求めています。そこにレッスンのようなしっかりしたカリキュラムは必要ないのですが、人数が少ないと英語のレベルが低い人は置いてきぼりになってしまう可能性があります。
②ひと月にいくら稼げばいいのか?
英会話カフェだけを主軸に生活費を稼ぎたいのであれば、ひと月に18万円~25万円は稼ぎたいところでしょう。しかし、上記でお伝えした1時間1000円程度の料金では一体どれぐらいの生徒と時間数を集めなければいけないのでしょうか。
【ひと月に18万円稼ぎたい場合】
1時間1000円の利用料の場合:180,000円÷1,000円=180
→ひと月に180時間分の利用がなければいけない!
ひと月に180時間分ということは、サラリーマンの法定勤務時間(160時間)よりも多いということになります。朝から晩まで常に生徒が入る状況は起業直後から1年以上はなんしいでしょう。
この試算は生徒一人だけの場合ですので、生徒数を増やせばこの状況は一変します。1時間当たりの枠の中に最低生徒を5~6名入れる、人数の少ない枠はクローズする、というようにスケジューリングする必要があります。Google Appsなどのカレンダーアプリを利用すれば、随時生徒と事業主で英会話カフェの開講状況を共有できるので、活用してみてもよいでしょう。
③最大の焦点である生徒募集は無料媒体も利用しよう
英会話は、宣伝をしっかりしないと生徒獲得は自然にはできない可能性があります。また、せっかく始めた方も満足しなければ既にやめてしまいます。絶え間ない生徒獲得と顧客満足を同時に進行しなければいけないのでなかなか簡単ではありませんが、英会話カフェの雰囲気や英会話や外国人が好きな方にはやりがいがあるでしょう。
~英会話カフェの広告媒体(一例)~
・【紙媒体】
地域のフリーペーパー
・【Web媒体】
英会話カフェは教育業界の一部としてみられますが、教育系の宣伝には地元の折込チラシの利用も検討してみてください。
無料媒体には積極的に活用したいのですが、契約前には別途料金が発生しないかよくチェックしださい。掲載時は無料だがその後問合せがあった際に1件いくら~という別料金がかかるという広告ビジネスがあるので留意してください。
4.英会話カフェ開業と融資
英会話カフェを1施設を借りて本格的に行うのであれば、日本政策金融公庫での融資を考慮に入れるとよいでしょう。六本木や麻布などの外国人の集まりやすい飲食店などにお願いして英会話カフェを一緒にやっていける人材募集の張り紙を掲示していただきます。
ひと月あたりの固定賃金は最低半年分を運転資金として用意しておくことも検討してみてください。
まとめ
英会話ではインプットとアウトプットの両方が必要だと言われていますが、日本人には環境として英語でアウトプット(=Speaking)する場が足りません。事業として継続するのは簡単ではありませんが、英会話カフェビジネスは今後ますます必要とされる事業でしょう。
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平成24年8月以降 副業で税理士事務所勤務や広告代理事業、保険代理事業、融資支援事業を経験。
平成27年12月、株式会社SoLabo(ソラボ)を設立し、代表取締役に就任。
お客様の融資支援実績は、累計4,500件以上(2021年7月末現在)。
自身も株式会社SoLaboで創業6年目までに3億円以上の融資を受けることに成功。
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